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序章:夢から醒めた娘
01:真夜中の悪夢
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冷たい石の台座に寝かされている。
周りを囲む六片の壁は、溶けたろうそくの火に揺れる六つの黒い影を反射して、不穏な空気を告げていた。
六つの影。それは、台座を囲む人数に過ぎない。台座の上に仰向けで寝かされたオフィリアから見える人数が六人というだけで、おそらく他にも多くの信徒がいるだろう。
「よし、準備は整ったな」
これから何が行われるのか。
オフィリアは知らない。わからない。まるで夢の中にいるみたいに、黒い影たちが、ただ進行していく光景をじっと眺めていることしかできない。
剥き出しの岩肌。湿気たカビと錆びた匂いが混ざった空間。
薄暗く、無数のろうそくだけに照らされた窓のない場所。特別な施設だろう。地下神殿。そう言った方がいいかもしれない。
おそらく、彼ら「テンバス協会」の管理するどこかの秘密に違いない。
「六賢人を呼び出し、クレドコンパスの利権を得るのだ」
六賢人。この世界に住むものであれば、子供でも知っている。
俗称は「異形頭の六賢人」
彼らは瘴気から生まれた人を食う生物「デファイ」を統べる最強の六人で、全員が異形の頭を持つ人型をしている。歴史があるだけで六百年以上も前から存在する英知の結晶とされ、千年以上も前に誕生したという説もある。
彼らが住むのは、世界の中心「クレドコンパス」。
人間は「楽園」であったころのクレドコンパスに夢を見ている。いまは瘴気が渦巻き、凶悪なデファイの巣窟として知られるため、人間が暮らすのには適さない。デファイをこちら側に侵入させないため、強力な守護防壁で覆っているのは有名なはなし。
どうやら、テンバス協会は六賢人を呼び出そうとしているらしい。
それを理解したところで、テンバス協会が何をしようとしているのか。
なぜ、クレドコンパスから六賢人を呼び出そうというのか。
そもそも彼らは実在するのか。
わからない。
記憶があまりに途切れすぎている。
「ではこれより、アヴァルネルトスを開始する」
宣誓を終えた声が詠唱を始める。テンバス協会の最高権力者であるパウルス協王の声だろう。周囲の影も復唱し、オフィリアもじっとしていた。
協王はろうそくの火で照らされた光景を嬉々として眺めているに違いない。冷たい台座に寝かせた栗色の髪を持つ女が動き出さないか監視する。というよりも、ねっとりとした視線が気持ち悪い。期待と興奮が入り交じった熱気を宿す。そんな空気が伝わってくる。
どこかおざなりで、足早に告げる詠唱を周囲は注意しないのか。儀式は初めてではないだろう。それでも、神経が張り詰めるまま、高らかに告げる声は止まらない。
「聖女アヴァルよ。スヴァハの民を捧げる我らに、デファイの脅威に怯えぬ暮らしを約束ください」
「聖女アヴァルよ」と、協王の詠唱を真似る複数の声が、オフィリアの横たわる台座の周囲からも聞こえてくる。ぞっと駆け抜けた悪寒。そして違和感に気付いた。
「…………」
オフィリアは、一度も、まばたきをしていない。
「…………」
まばたきができない。
血の気が引いた感覚が続いていて、呼吸をしている感覚がない。
手足が冷えたまま。目がうつろのまま。絶望に染まっていく恐怖。今、この瞬間の出来事を記憶しながら、動かない神経に焦燥を巡らせていく恐怖。
ひとりだけが異常に気付いてしまう恐怖。
「助けて」
言葉が声にならない。唇が動かない。
かすれた息が口から先へ出ていかない。
全身に冷や汗が流れていくのがわかる。けれど、それがどうしたというのだろう。
誰もこちらを見向きもしない。気にも留めない。
動かないのが当たり前だといわんばかりに平然としている。
神経麻痺を引き起こす薬を飲まされたに違いない。心当たりはある。今日は六年に一度の祭典アヴァルネルトスがあり、全員にアップルパイが振る舞われた。純潔の花を咲かせたオフィリアは、招かれた先で特別にリンゴジュースをもらった。
「…………ッ」
あれが、そうだったのだと記憶がよみがえってくる。
あの頃に戻れるなら絶対に飲まなかった。口にしなかったと後悔しても遅い。
精神だけが目覚めた不幸を呪うしかない。
彼らはオフィリアが「気付いた」ことに気付いていない。
身動きのとれないオフィリアを見下ろす影は冷たく、詠唱する声はどこか遠くを眺めている。
「聖女アヴァルよ。スヴァハの民を捧げる我らに、永遠の安寧と平和をお与えください」
繰り返される詠唱はオフィリアを「スヴァハの民」とうたっているが、言葉を発することができるなら、それは違うと叫びたい。
この世に存在する人食い生物、デファイ。
デファイと対抗する力をもつとされるスヴァハの民。けれど、スヴァハの民は随分前に迫害され、滅んだと言われている。
「何かの間違いです」
声を大にして叫びたい。
断じて違う。スヴァハの民ではない。
オフィリアはテンバス協会が管理する修道院で育った。両親ともに熱心な信者で、由緒ある血筋であることは協会も知っている。
「お願いします、誰か、誰か」
周囲に立つ六人はいったい誰なのか。
手枷が隠れるほどの長いローブをまとい、詠唱を口にしながら短剣を持っている。両手を頭上に掲げる姿は成人男性であることを物語っているが、知人ではないと断言できる。
「私はスヴァハの民ではありません」
その言葉が口にできない。声が出ない。全身が硬直して指先ひとつ動かせない。
思考は必死で訴えるのに、台座に寝かされた身体は静かに横たわるだけ。
「スヴァハの民よ。世界の柱として価値ある存在を誇るがいい」
そうして振り下ろされた短剣は、オフィリアの身体を台座に縫い付け、とめどなく流れ始めた赤い血の中でいびつに笑う。
一瞬、何が起こったのか、理解できなかった。
オフィリアが感じたのは打撲に近い衝撃と飛沫した黒い液体を浴びる感覚。それから、焼けるほどに熱い痛み。
「安心しろ。今度こそ救ってやる。魔女となった美しき乙女よ」
そう言ったのは誰だったか。
わからない。
聖女アヴァルの詠唱だったはずなのに、なぜ、魔女に変わっているのか。
わからない。なにも、わからない。
身体が燃えるほど熱いのに、声が出ない。
暗くて黒い海に沈んでいくみたいに意識が朦朧とかすんでくる。
視界の端で揺れる黒い人影たちがしきりに何かを叫んでいるのが聞こえてくる。
「デファイの王を生む魔女を殺せ」
「六賢人を呼ぶ魔女を殺せ」
「この世を破滅に導く魔女を殺せ」
魔女。それはデファイの王を生むための器。人間でありながら、デファイが潜む森で暮らし、どの国にも属さない特異な存在。
魔女は誰か。知っている。
教えられなくても、知っている。
「……………オフィリア」
意識の底を探る低い声を知っている。心地よく響きながら、全身を震わせる声を知っている。ときどき甘く囁いて、胸の高鳴りを告げる声を知っている。
名前を呼ぶ、その声を知っている。
「……オフィリア……」
暗い闇が渦巻く重たい水の底で、ゆらゆらと揺れる心地を知っている。
何度も、何度も、温かさに包まれて、混ぜられていく感覚を知っている。
「オフィリア」
呼びかけに応じたいのに、手を伸ばしてすがりつきたいのに、身体が動かない。全身が動かない。指先ひとつ動かない。
脳が溶ける。息が苦しい。
涙が乾くほどの怒りと悲しみと、悔しさの入り交じった負の感情が増幅していく。
イヤだ。イヤだ、イヤだ。
私は、私は…………私、は。
「………ッ、ぁ……」
ぴくりと指が動いた気がした。同時に、ぶわっと酸素が肺に戻ってきた感覚がして、意識が急に浮上してくる。
「ヒッ、ぅ」
まばたきができる。呼吸ができる。
犬みたいに呼吸が浅いのは、恐怖で混乱した精神の影響だろう。
身体が熱い。苦しい。だけど、ここには詠唱を唱える協王も、ローブをまとった男たちも、どろりとした湿気も、さび付いた匂いも、ろうそくに照らされた影をうつす壁も、冷たい台座もない。
どこか柔らかくて、懐かしい匂いがする。安心する匂いがする。
「オフィリア」
まだかすむ視界を向けたそこには、黒い髪をした青い目の男がいた。
周りを囲む六片の壁は、溶けたろうそくの火に揺れる六つの黒い影を反射して、不穏な空気を告げていた。
六つの影。それは、台座を囲む人数に過ぎない。台座の上に仰向けで寝かされたオフィリアから見える人数が六人というだけで、おそらく他にも多くの信徒がいるだろう。
「よし、準備は整ったな」
これから何が行われるのか。
オフィリアは知らない。わからない。まるで夢の中にいるみたいに、黒い影たちが、ただ進行していく光景をじっと眺めていることしかできない。
剥き出しの岩肌。湿気たカビと錆びた匂いが混ざった空間。
薄暗く、無数のろうそくだけに照らされた窓のない場所。特別な施設だろう。地下神殿。そう言った方がいいかもしれない。
おそらく、彼ら「テンバス協会」の管理するどこかの秘密に違いない。
「六賢人を呼び出し、クレドコンパスの利権を得るのだ」
六賢人。この世界に住むものであれば、子供でも知っている。
俗称は「異形頭の六賢人」
彼らは瘴気から生まれた人を食う生物「デファイ」を統べる最強の六人で、全員が異形の頭を持つ人型をしている。歴史があるだけで六百年以上も前から存在する英知の結晶とされ、千年以上も前に誕生したという説もある。
彼らが住むのは、世界の中心「クレドコンパス」。
人間は「楽園」であったころのクレドコンパスに夢を見ている。いまは瘴気が渦巻き、凶悪なデファイの巣窟として知られるため、人間が暮らすのには適さない。デファイをこちら側に侵入させないため、強力な守護防壁で覆っているのは有名なはなし。
どうやら、テンバス協会は六賢人を呼び出そうとしているらしい。
それを理解したところで、テンバス協会が何をしようとしているのか。
なぜ、クレドコンパスから六賢人を呼び出そうというのか。
そもそも彼らは実在するのか。
わからない。
記憶があまりに途切れすぎている。
「ではこれより、アヴァルネルトスを開始する」
宣誓を終えた声が詠唱を始める。テンバス協会の最高権力者であるパウルス協王の声だろう。周囲の影も復唱し、オフィリアもじっとしていた。
協王はろうそくの火で照らされた光景を嬉々として眺めているに違いない。冷たい台座に寝かせた栗色の髪を持つ女が動き出さないか監視する。というよりも、ねっとりとした視線が気持ち悪い。期待と興奮が入り交じった熱気を宿す。そんな空気が伝わってくる。
どこかおざなりで、足早に告げる詠唱を周囲は注意しないのか。儀式は初めてではないだろう。それでも、神経が張り詰めるまま、高らかに告げる声は止まらない。
「聖女アヴァルよ。スヴァハの民を捧げる我らに、デファイの脅威に怯えぬ暮らしを約束ください」
「聖女アヴァルよ」と、協王の詠唱を真似る複数の声が、オフィリアの横たわる台座の周囲からも聞こえてくる。ぞっと駆け抜けた悪寒。そして違和感に気付いた。
「…………」
オフィリアは、一度も、まばたきをしていない。
「…………」
まばたきができない。
血の気が引いた感覚が続いていて、呼吸をしている感覚がない。
手足が冷えたまま。目がうつろのまま。絶望に染まっていく恐怖。今、この瞬間の出来事を記憶しながら、動かない神経に焦燥を巡らせていく恐怖。
ひとりだけが異常に気付いてしまう恐怖。
「助けて」
言葉が声にならない。唇が動かない。
かすれた息が口から先へ出ていかない。
全身に冷や汗が流れていくのがわかる。けれど、それがどうしたというのだろう。
誰もこちらを見向きもしない。気にも留めない。
動かないのが当たり前だといわんばかりに平然としている。
神経麻痺を引き起こす薬を飲まされたに違いない。心当たりはある。今日は六年に一度の祭典アヴァルネルトスがあり、全員にアップルパイが振る舞われた。純潔の花を咲かせたオフィリアは、招かれた先で特別にリンゴジュースをもらった。
「…………ッ」
あれが、そうだったのだと記憶がよみがえってくる。
あの頃に戻れるなら絶対に飲まなかった。口にしなかったと後悔しても遅い。
精神だけが目覚めた不幸を呪うしかない。
彼らはオフィリアが「気付いた」ことに気付いていない。
身動きのとれないオフィリアを見下ろす影は冷たく、詠唱する声はどこか遠くを眺めている。
「聖女アヴァルよ。スヴァハの民を捧げる我らに、永遠の安寧と平和をお与えください」
繰り返される詠唱はオフィリアを「スヴァハの民」とうたっているが、言葉を発することができるなら、それは違うと叫びたい。
この世に存在する人食い生物、デファイ。
デファイと対抗する力をもつとされるスヴァハの民。けれど、スヴァハの民は随分前に迫害され、滅んだと言われている。
「何かの間違いです」
声を大にして叫びたい。
断じて違う。スヴァハの民ではない。
オフィリアはテンバス協会が管理する修道院で育った。両親ともに熱心な信者で、由緒ある血筋であることは協会も知っている。
「お願いします、誰か、誰か」
周囲に立つ六人はいったい誰なのか。
手枷が隠れるほどの長いローブをまとい、詠唱を口にしながら短剣を持っている。両手を頭上に掲げる姿は成人男性であることを物語っているが、知人ではないと断言できる。
「私はスヴァハの民ではありません」
その言葉が口にできない。声が出ない。全身が硬直して指先ひとつ動かせない。
思考は必死で訴えるのに、台座に寝かされた身体は静かに横たわるだけ。
「スヴァハの民よ。世界の柱として価値ある存在を誇るがいい」
そうして振り下ろされた短剣は、オフィリアの身体を台座に縫い付け、とめどなく流れ始めた赤い血の中でいびつに笑う。
一瞬、何が起こったのか、理解できなかった。
オフィリアが感じたのは打撲に近い衝撃と飛沫した黒い液体を浴びる感覚。それから、焼けるほどに熱い痛み。
「安心しろ。今度こそ救ってやる。魔女となった美しき乙女よ」
そう言ったのは誰だったか。
わからない。
聖女アヴァルの詠唱だったはずなのに、なぜ、魔女に変わっているのか。
わからない。なにも、わからない。
身体が燃えるほど熱いのに、声が出ない。
暗くて黒い海に沈んでいくみたいに意識が朦朧とかすんでくる。
視界の端で揺れる黒い人影たちがしきりに何かを叫んでいるのが聞こえてくる。
「デファイの王を生む魔女を殺せ」
「六賢人を呼ぶ魔女を殺せ」
「この世を破滅に導く魔女を殺せ」
魔女。それはデファイの王を生むための器。人間でありながら、デファイが潜む森で暮らし、どの国にも属さない特異な存在。
魔女は誰か。知っている。
教えられなくても、知っている。
「……………オフィリア」
意識の底を探る低い声を知っている。心地よく響きながら、全身を震わせる声を知っている。ときどき甘く囁いて、胸の高鳴りを告げる声を知っている。
名前を呼ぶ、その声を知っている。
「……オフィリア……」
暗い闇が渦巻く重たい水の底で、ゆらゆらと揺れる心地を知っている。
何度も、何度も、温かさに包まれて、混ぜられていく感覚を知っている。
「オフィリア」
呼びかけに応じたいのに、手を伸ばしてすがりつきたいのに、身体が動かない。全身が動かない。指先ひとつ動かない。
脳が溶ける。息が苦しい。
涙が乾くほどの怒りと悲しみと、悔しさの入り交じった負の感情が増幅していく。
イヤだ。イヤだ、イヤだ。
私は、私は…………私、は。
「………ッ、ぁ……」
ぴくりと指が動いた気がした。同時に、ぶわっと酸素が肺に戻ってきた感覚がして、意識が急に浮上してくる。
「ヒッ、ぅ」
まばたきができる。呼吸ができる。
犬みたいに呼吸が浅いのは、恐怖で混乱した精神の影響だろう。
身体が熱い。苦しい。だけど、ここには詠唱を唱える協王も、ローブをまとった男たちも、どろりとした湿気も、さび付いた匂いも、ろうそくに照らされた影をうつす壁も、冷たい台座もない。
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