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綴章:八束岳の麓で

01:閨

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密着した肌のぬくもりを幸せというなら、胡涅は幸せの只中にいる。


「我ら以外の匂いを消す」

「とりあえず脱げ」


たしか、そんな言葉で迫られて、お風呂に無理やり放り込まれて何時間がたつのか。
今は強制的に洗われるという地獄のお風呂タイムも終わり、胡涅は朱禅と炉伯の腕の中で、存分に甘やかされていた。


「……ンッ…ぅ」


右に炉伯、左に朱禅を置いて、交互にキスを受けて、ベッド以外に何もない空間で、貝の中に閉じ込められるように挟まれている。


「ぁ…ッ…ん、炉伯」

「いいから、いっとけ」

「ヤ、ァあ……く、ィく」


ひきつけを起こしたように跳ねる体は、炉伯のキスに埋められながら二人の指に犯される。


「あれから何度果てた?」

「さあな。胡涅の果肉は熟れやすい」

「胡涅は我らの指が好きだからな」


朱禅が髪を撫でて、額にキスをくれるが、舌をもつれあわせる炉伯と同様、優しい手のひらが心地いい。
ぼやけた赤と青が優しく滲んで、近付いたり離れたりを繰り返している。


「胡涅の果肉は実をとがらせて、うまそうに色づいている」

「……っ、ぁ……ヒッぅ」

「我らの指先で簡単につぶれるというのに、主張は人一倍激しいな」

「ァッぁ…ん…ぅ…ャッぁ…朱禅」

「どうした、胡涅。もう欲しくなったか?」

「……ンッぅ……ほ、しぃ」


腰をくねらせてねだれば、股の間に触れる二人の指先が意地悪をする。


「ァッ…だ、め……そこっ、今、イッぅ」


クリトリスを擦られていったばかりだと告げたはずなのに、二人そろってそこだけを重点的に指でこねてくるのだからたまらない。
強い刺激を逃がすために腰を振ったところで逃がしてもらえるはずもなく、「閨(ねや)」にこもってから、胡涅はもう何時間も二人の間で泣かされていた。


「イクッ…ぁ…やぁ…ヒッぃ」


全裸で足を開いて、左右を陣取る朱禅と炉伯の身体に巻きつけるように置いて、その足の付け根を抱えるように二人が腕を差し込んでいるせいで、無防備な胴体を提供するしかない。


「全然ダメじゃなかったな」

「嘘つきな子にはやれんぞ」

「………ッぁ……ごめんな…さ…ッぃ…ごめんなさ…ァッ」

「謝りながらとは器用だな」

「胡涅、そんなんじゃ、何に対しての謝罪かわからねぇよ」


上にも下にも横にも自由はなく、胡涅は二人の指先を溢れる蜜で濡らしていく。


「ぁ゛ぁア…っふ、ぅ……ぁ」


炉伯の髪が下に移動して、右足を身体の下に敷くようにして乳首を噛んで舌ではじく。代わりに朱禅が口の中に舌をねじ込むようなキスをしてくる。おかげで、胡涅はそれぞれの背中に触れる手首を返して爪をたてた。


「あーあ」


炉伯のからかいを含む声に、胡涅の体がぷるぷると小刻みに震えている。


「胡涅、噴くなら教えろと何度もいっているだろ」

「覚えが悪すぎるぞ」


朱禅にまで涙を舐められ、怒られるが、そんなことを言われても無理だと、胡涅はさらに泣き言をかぶせた。


「ごめ……な、しゃ……朱禅…ァッ」

「愛撫だけで潮をまき散らせるとは、随分と淫乱に育ったなぁ、胡涅」

「や…ァ…炉伯……ぅ」


右側の太ももが炉伯に押さえつけられて、濡れた果肉が無抵抗に開く。腕で胡涅の足を固定したまま下に移動した炉伯の身体が股の間を陣取ってくるが、その先を想像すると、きゅっと膣がしまる気がした。


「胡涅」


股の間から青い瞳で低く名前を呼ばれれば、素直に足を広げるしかない。
案の定、炉伯は無防備な果肉に顔をうずめ、両手で胡涅の腰を引き寄せた。


「ひゃ…ぁ゛ァ、ああッ…ん」


ざらついた舌が往復して、じゅっと吸いついた刺激に胡涅の身体がまた逃げようともがくが、上半身は朱禅が独占できるといわんばかりに覆いかぶさってきたので、結局は二人のいいように扱われる。


「あ゛…指…ィ、ァッヤダァぁ」


炉伯の指が無遠慮に入ってきて、吸い付く舌と交互に動く。
間接を曲げ、太い指を一本ずつネジ込みながら侵入してくる快楽に、胡涅の腰がまた大きく振れていく。


「……ォお゛……っ…ぅ」


そこからどれほど、胡涅が四肢を投げ出して、指先がぴくりぴくりと小刻みに痙攣しているが、朱禅と炉伯の体勢は変わらない。二人とも胡涅を堪能できるのが嬉しいといわんばかりに、各々に与えられた場所に顔をずっと密着させていた。


「炉伯、そろそろ変われ。胡涅の蜜が枯れては困る」

「枯れるかよ、見ろ。どんどん溢れて止まらねぇ」

「ゥ…あ゛ァ…ん……ヤッぁ゛」

「たしかに、奥まで熟して蜜は枯れなさそうだ」


炉伯が指を抜いて腰ごと持ち上げてきた下半身は、そのまま膣が上に向くように炉伯の手に固定されて動けない。
代わりに、垂直に突き刺さってきた朱禅の指が複数本、胡涅の膣をえぐるように内壁をかきまわす。


「そ…りぇ…だメェ…アぁ、ッぐぅッ…ぃ…アァア」


噴水みたいに真上に飛んで、重力に従って下に落ちる。
そうして飛沫した愛液が朱禅の腕を濡らして、炉伯の手を濡らして、胡涅の身体を濡らしていく。


「この体勢でも子宮口が容易に触れるな」

「尻の方も欲しいと口をあけている」


どれと、炉伯の指がお尻の穴を犯し始めた。
二つ折りにさせられて、息が苦しい。
胸を足が圧迫して、喘ぎ声がつぶれていくのに、赤も青も嬉しそうにそこで輝いている。


「まだ恥じらいがあるか?」

「抵抗も最初だけだ。挨拶みたいなもんだろ」


時折舌で舐めて、吸って、かじって、また指の愛撫に戻したらしい二人の奇行は止まらない。
それぞれ好き勝手に指を曲げたり伸ばしたり、差し込んだり抜いたりして遊んでいるが、カップのアイスクリームでももっとキレイに食べてもらえたに違いない。


「うまい」

「嗚呼、永遠に喰っていられる」


胡涅から指を引き抜いた二人は、ひじまで垂れた愛蜜を舌で舐めとり、それから胡涅の顔を覗き込んだ。


「おーい、胡涅。起きろ」

「食事の途中で寝るとははしたない」

「いいのか、朱禅にしごかれるぞ?」


良い、悪いを答えられるなら答えたい。
胡涅の体が弛緩したのをいいことに、丁寧にベッドの中央へ寝かせなおし、股の間に朱禅が移動してくる。
そして、そのまま胡涅の膣に自分のものをゆっくりと埋めていった。


「なんだよ」


ふふっと笑った朱禅の様子に、胡涅の耳をかじっていた炉伯が問いかける。


「いや、埋めるだけで果てるとは、本気で愛らしいなと」


恍惚ににやけた顔を隠しもせず、うっとりと告げるその声に、炉伯も「あー」と同意の声をあげて胡涅の唇に指を滑らせる。


「胡涅はどこまでも俺たちを惚れさせる」

「際限なく求めて、早々に壊したくなるほどに」

「なら、壊してみるか」


炉伯の提案に、胡涅の最深部まで自身を埋めた朱禅は「それは面白そうだ」と受け入れる感想を口にした。
ゆっくりと胡涅を抱き起こし、自分が下になる形で胡涅の顔を自分の胸元に抱え込んだ朱禅は、足を開いて炉伯が間に入りやすいように整える。


「ん゛ァ……ッ…ぁ゛ァあぁ」


本能が暴れて、無意識に抵抗を見せる胡涅の体を二人がかりで押さえつけながら埋めていく。埋まっていく。朱禅が埋まる膣とは別に、尻の穴にねじ込まれた炉伯のモノは、バチンと打ち付けながら、胡涅の臀部を突き刺した。


「ぁッ、ア゛ァッ、ぉ…ぅ…オぉ」


胡涅は朱禅の鎖骨付近にすがりつきながら、舌を出して快楽に耐える。


「胡涅、炉伯に壊してもらおうな」

「胡涅、朱禅に先に壊されるなよ」


がつがつと炉伯が激しく腰を打ち付けてくるのに、朱禅が宝物でも抱きしめる様に頭を離してくれないせいで息苦しくてたまらない。
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