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第一章『脱出篇』
第十八話『粗大塵』 急
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新兒の紅い氷を纏った拳が鍛冶谷の顔面を捉えた。
「あじゃぱーッッ!!」
鍛冶谷は吹き飛ばされて壁に激突した。
新兒が術識神為に覚醒し、条件が同じになった今、鍛冶谷の耐久力や恢復力は決定的な優位たり得ない。
更に、氷を纏った拳では能力発動の為の熱を感知出来ない、かに思われた。
『熱源を感知しました』
だが、新兒は肘から二の腕に掛けて切り刻まれた。
鍛冶谷は首を捻ったまま気味の悪い笑い声を漏らして立ち上がる。
「ふひっ、ふひひひひ! 莫迦め!! 氷越しに殴れば僕の術識神為から逃れられるとでも思ったか! 熱っていうのは絶対量だ! 氷にだってちゃんと熱はあるんだよ!」
摂氏温度で水は零度まで冷却されると凍るが、この時はまだ水の熱が零になったわけではない。
実際、北欧の地域に存在する国によっては氷点下の気温など珍しくはないし、日本でもそれなりに気温が零度を下回る日はある。
とはいえ、氷に熱があるという表現には違和感を覚えるのも無理は無い。
では、別の喩えとして「体温」を考えてみた場合、どうだろうか。
普通、体温に於いて「熱がある」と表現するのは平熱を一度以上超える場合ではないだろうか。
しかし、水が凍る温度「零度」と比較すれば、確かに人間の平熱「三十六度」程度では「熱が無い」と言えないだろう。
自然界に於いて、物理的に「熱が無い」といえる温度は「絶対零度」、即ちおよそ摂氏マイナス二三七.一五度である。
これは決して極論ではなく、絶対零度近くで電気抵抗が限りなく零に近付く現象「超伝導」を語る際、通常よりも高い摂氏マイナス一九五.八度で起こる超伝導を「高温超伝導」と呼ぶなどの例が実際に存在する。
鍛冶谷群護の術識神為は、この「熱がある」と判断する基準を神為量によって増減させる事が可能なのだ。
鍛冶谷が設定した基準は、摂氏マイナス九十度である。
これは地球上で観測された史上最低気温を僅かに下回る。
事実上、熱の有無に拘わらず生命体が触れた瞬間に発動する状態になっているということだ。
「ブふふフふ、残念だったねえ。折角良い感じの術識神為を手に入れたのに、結局僕を殴ったらダメージを負うんだ。飛び道具を使える能力だったら良かったのにねえ」
「クッソどうでも良いわ、そんなこと」
「ふぁへ?」
鍛冶谷は自身に躊躇いなく歩み寄って来る新兒の鍛え抜かれた肉体を見て青褪めた。
「今の俺にとって、体が傷付くとか付かねえとかはどうでも良いんだよ。その顔と首、さっき殴ったダメージは確り残ってんじゃねえか。同じ第三段階なら、さっきまでみたいに全回復は出来ねえってことだろ?」
「はひっ……!」
再び、新兒の強烈な拳が鍛冶谷の顔面に叩き付けられた。
「これなら手前をぶちのめせる!! それだけで充分だろうがよ!!」
「ぶべらあああッ!! ばびいいいいッッ!!」
何度も、殴る。
何度も、何度も、何度でも。
どれだけ自分の腕が血に塗れようとも、その凶行は止まらない。
流れる血が更に氷を大きく、堅固にしていく。
新兒は今、怒りと、憎しみと、悲しみの権化である。
屹度この感情は鍛冶谷を殴り殺すまで、否、殴り殺して尚治まることはないだろう。
「アバああアアアッッ!!」
既に顔面が崩壊した鍛冶谷は、這々の体で新兒から逃れようとする。
だが、今の新兒から逃げられる筈が無かった。
この時点で、既に勝負は決していた。
「た、助けフェ!! 許ひフェ!! 殺ふぁないべ!!」
呂律が回っていない鍛冶谷の髪を鷲掴みにする新兒に、熱に反応する筈の術識神為が発動しない。
それは鍛冶谷があまりのダメージに神為を使い果たした事を意味していた。
つまり、この状態で神為が発揮する理外の怪力に殴られたら、確実に死ぬ。
「あ? 『殺さないで』だ? 手前は殺してくれたんだよな? 俺の大事な大事な家族をよ!」
「ごめんなふぁい!! ごべんなふぁいいいっっ!!」
必死で命乞いする鍛冶谷の態度が新兒の癇に障った。
新兒は拳を固めて振り上げた。
「ごめんで済んだら警察は要らねえんだよ!!」
紅き痛みを纏った拳が、命を奪った報いを与えんと、破壊の暴を振るおうとする。
しかし、その時だった。
新兒は全身に一陣の向かい風を感じた。
その幻覚は、まるで一線を越えようとする彼を必死に押し止める様な、そんな風だった。
「何……だ……?」
また一陣、今度は頬に吹き付けられる突風だった。
新兒は振り上げた拳を鍛冶谷に向けられずにいた。
何かが自分に攻撃を、人殺しを止めさせようとしている。
「嗚呼、そうか……」
そして、新兒はここへ来て漸くそれを認識した。
幻影なのか、それとも確かにこの場に顕れたのか、それは定かでない。
「そうだよな……。喧嘩でボロボロになった俺を抱き締めてくれたのは、お袋だったよな」
新兒は拳を解き、自身を抱き留める母親の肩に手を置いた。
「うん、警察の仕事に誇りを持ってた親父が、よりにもよって息子を黙って人殺しにする訳がねえ」
自身の頬を平手で打った父親に相対し、新兒は俯いて叱咤に甘んじた。
「そして、お前を俺の為に泣かせるなんて、もう二度としないと決めた筈なのにな」
泣きながら自分に立ち塞がる妹に相対し、新兒は溢れる涙を抑えられなかった。
「ごめんみんな、ごめん……」
新兒は鍛冶谷の髪を放した。
止めを躊躇っている内に鍛冶谷は気を失っていた。
最早新兒の関心は鍛冶谷に無かった。
顔を上げ、虚空を仰ぐ。
「俺の家族は俺が道を踏み外す最悪の寸前で身を挺して引き留めてくれて……俺がどんなに駄目な奴でも見放さずに連れ戻してくれて……そんなみんなに応えたくて、どうにか真人間になろうとしたのに……」
新兒は立っていられずに坐り込んだ。
血を流し過ぎたのか、戦いが終わって気が抜けたのか、将又別の理由か。
「もう一度みんなに会いたかったのに! もう誰も、みんなこの世に居ないのかよ!」
巨大な真珠にも似た涙が流れ、血と混ざり合い、雲野研究所そのものを共鳴させるかの様な慟哭が谺する。
「酷過ぎる!! こんなのあんまりだアアアッッ!!」
それはあまりにも悲痛な叫喚だった。
戦いで流した血よりも遥かに大量の涙が彼の心に流れていた。
彼は確かに不良だったが、決して弱い者に理不尽な暴力は振るわなかった。
ただ、危害を加える不埒者への報復があまりにも苛烈だから悪名となり、恐れられた。
そして、それも改めた。
尚も彼を罰するとするならば、それは彼自身に下されるべきだろう。
家族には何の罪も無いし、殺される謂れも無い。
彼が家族を奪われなければならない理由などありはしない。
虻球磨新兒はこの日、自分が既に全てを喪っていたと知ってしまった。
その残酷な現実は、明るい性格の新兒を嘆きのどん底へ突き落とし、完膚無きまでに打ちのめしてしまった。
⦿⦿⦿
南館一階の事務室、岬守航はどうにか全ての敵機を破壊し、刀を杖にして立っていた。
流石に十機も相手にするとなると無傷ではいられなかったが、無事この場を切り抜けた。
「ハァ……ハァ……。どうにか……片付いたか」
航は刀から床に刺したまま手を放した。
すると刀はその場から忽然と消えてしまった。
「用が無くなれば消滅するのか。そういえば、折れた刀も消えているな」
航は弐級為動機神体との戦いで何度か刀を折り、そのたびに新しい刀を手にして継戦した。
彼はまだ今一つ術識神為を理解していない。
新兒と違い、航はまだ術識神為に完全覚醒していないのだ。
「結局、此処に久住さんは居ないからグズグズしていられないんだよな。こっちの棟じゃないってことは、反対側か? じゃあなんで為動機神体が此処に居たんだ? 単なる罠か?」
兎に角、航は疲れた体に鞭打って歩き出した。
目指すは新兒が担当した北館である。
航は傍の非常口から連絡通路へと出た。
「虻球磨は……あいつにも何か罠が待っているかもな。無事だと良いが……」
丁度、新兒は鍛冶谷を打倒した頃だ。
そのお陰で、今や雲野研究所に航達を阻む者は居ない。
土生十司暁は川岸へ出て行ったし、屋渡倫駆郎はまだ到着していない。
久住双葉を見つけられれば、すぐに雲野研究所を出られる。
「ん?」
ふと、航は気が付いた。
南館を出てきた非常口の脇に、地下へと向かう階段がひっそりと口を開けている。
「地下? さっきの棟には無かった筈だが……」
航は考える。
何故、一巡した時には居なかった弐級為動機神体が二巡目の時には事務室に居たのか。
そもそも、十機もの弐級は何処から沸いたのか。
事務室から、今見付けた地下への階段はそれなりに近い。
「怪しいな」
そこに双葉が捕えられている可能性が生じたからには、捜索しない訳にもいくまい。
航は階段を降りていった。
階段の下には扉があり、中から人の声がする。
「行くか」
航は扉に手を掛け、勢い良く開け放った。
「あじゃぱーッッ!!」
鍛冶谷は吹き飛ばされて壁に激突した。
新兒が術識神為に覚醒し、条件が同じになった今、鍛冶谷の耐久力や恢復力は決定的な優位たり得ない。
更に、氷を纏った拳では能力発動の為の熱を感知出来ない、かに思われた。
『熱源を感知しました』
だが、新兒は肘から二の腕に掛けて切り刻まれた。
鍛冶谷は首を捻ったまま気味の悪い笑い声を漏らして立ち上がる。
「ふひっ、ふひひひひ! 莫迦め!! 氷越しに殴れば僕の術識神為から逃れられるとでも思ったか! 熱っていうのは絶対量だ! 氷にだってちゃんと熱はあるんだよ!」
摂氏温度で水は零度まで冷却されると凍るが、この時はまだ水の熱が零になったわけではない。
実際、北欧の地域に存在する国によっては氷点下の気温など珍しくはないし、日本でもそれなりに気温が零度を下回る日はある。
とはいえ、氷に熱があるという表現には違和感を覚えるのも無理は無い。
では、別の喩えとして「体温」を考えてみた場合、どうだろうか。
普通、体温に於いて「熱がある」と表現するのは平熱を一度以上超える場合ではないだろうか。
しかし、水が凍る温度「零度」と比較すれば、確かに人間の平熱「三十六度」程度では「熱が無い」と言えないだろう。
自然界に於いて、物理的に「熱が無い」といえる温度は「絶対零度」、即ちおよそ摂氏マイナス二三七.一五度である。
これは決して極論ではなく、絶対零度近くで電気抵抗が限りなく零に近付く現象「超伝導」を語る際、通常よりも高い摂氏マイナス一九五.八度で起こる超伝導を「高温超伝導」と呼ぶなどの例が実際に存在する。
鍛冶谷群護の術識神為は、この「熱がある」と判断する基準を神為量によって増減させる事が可能なのだ。
鍛冶谷が設定した基準は、摂氏マイナス九十度である。
これは地球上で観測された史上最低気温を僅かに下回る。
事実上、熱の有無に拘わらず生命体が触れた瞬間に発動する状態になっているということだ。
「ブふふフふ、残念だったねえ。折角良い感じの術識神為を手に入れたのに、結局僕を殴ったらダメージを負うんだ。飛び道具を使える能力だったら良かったのにねえ」
「クッソどうでも良いわ、そんなこと」
「ふぁへ?」
鍛冶谷は自身に躊躇いなく歩み寄って来る新兒の鍛え抜かれた肉体を見て青褪めた。
「今の俺にとって、体が傷付くとか付かねえとかはどうでも良いんだよ。その顔と首、さっき殴ったダメージは確り残ってんじゃねえか。同じ第三段階なら、さっきまでみたいに全回復は出来ねえってことだろ?」
「はひっ……!」
再び、新兒の強烈な拳が鍛冶谷の顔面に叩き付けられた。
「これなら手前をぶちのめせる!! それだけで充分だろうがよ!!」
「ぶべらあああッ!! ばびいいいいッッ!!」
何度も、殴る。
何度も、何度も、何度でも。
どれだけ自分の腕が血に塗れようとも、その凶行は止まらない。
流れる血が更に氷を大きく、堅固にしていく。
新兒は今、怒りと、憎しみと、悲しみの権化である。
屹度この感情は鍛冶谷を殴り殺すまで、否、殴り殺して尚治まることはないだろう。
「アバああアアアッッ!!」
既に顔面が崩壊した鍛冶谷は、這々の体で新兒から逃れようとする。
だが、今の新兒から逃げられる筈が無かった。
この時点で、既に勝負は決していた。
「た、助けフェ!! 許ひフェ!! 殺ふぁないべ!!」
呂律が回っていない鍛冶谷の髪を鷲掴みにする新兒に、熱に反応する筈の術識神為が発動しない。
それは鍛冶谷があまりのダメージに神為を使い果たした事を意味していた。
つまり、この状態で神為が発揮する理外の怪力に殴られたら、確実に死ぬ。
「あ? 『殺さないで』だ? 手前は殺してくれたんだよな? 俺の大事な大事な家族をよ!」
「ごめんなふぁい!! ごべんなふぁいいいっっ!!」
必死で命乞いする鍛冶谷の態度が新兒の癇に障った。
新兒は拳を固めて振り上げた。
「ごめんで済んだら警察は要らねえんだよ!!」
紅き痛みを纏った拳が、命を奪った報いを与えんと、破壊の暴を振るおうとする。
しかし、その時だった。
新兒は全身に一陣の向かい風を感じた。
その幻覚は、まるで一線を越えようとする彼を必死に押し止める様な、そんな風だった。
「何……だ……?」
また一陣、今度は頬に吹き付けられる突風だった。
新兒は振り上げた拳を鍛冶谷に向けられずにいた。
何かが自分に攻撃を、人殺しを止めさせようとしている。
「嗚呼、そうか……」
そして、新兒はここへ来て漸くそれを認識した。
幻影なのか、それとも確かにこの場に顕れたのか、それは定かでない。
「そうだよな……。喧嘩でボロボロになった俺を抱き締めてくれたのは、お袋だったよな」
新兒は拳を解き、自身を抱き留める母親の肩に手を置いた。
「うん、警察の仕事に誇りを持ってた親父が、よりにもよって息子を黙って人殺しにする訳がねえ」
自身の頬を平手で打った父親に相対し、新兒は俯いて叱咤に甘んじた。
「そして、お前を俺の為に泣かせるなんて、もう二度としないと決めた筈なのにな」
泣きながら自分に立ち塞がる妹に相対し、新兒は溢れる涙を抑えられなかった。
「ごめんみんな、ごめん……」
新兒は鍛冶谷の髪を放した。
止めを躊躇っている内に鍛冶谷は気を失っていた。
最早新兒の関心は鍛冶谷に無かった。
顔を上げ、虚空を仰ぐ。
「俺の家族は俺が道を踏み外す最悪の寸前で身を挺して引き留めてくれて……俺がどんなに駄目な奴でも見放さずに連れ戻してくれて……そんなみんなに応えたくて、どうにか真人間になろうとしたのに……」
新兒は立っていられずに坐り込んだ。
血を流し過ぎたのか、戦いが終わって気が抜けたのか、将又別の理由か。
「もう一度みんなに会いたかったのに! もう誰も、みんなこの世に居ないのかよ!」
巨大な真珠にも似た涙が流れ、血と混ざり合い、雲野研究所そのものを共鳴させるかの様な慟哭が谺する。
「酷過ぎる!! こんなのあんまりだアアアッッ!!」
それはあまりにも悲痛な叫喚だった。
戦いで流した血よりも遥かに大量の涙が彼の心に流れていた。
彼は確かに不良だったが、決して弱い者に理不尽な暴力は振るわなかった。
ただ、危害を加える不埒者への報復があまりにも苛烈だから悪名となり、恐れられた。
そして、それも改めた。
尚も彼を罰するとするならば、それは彼自身に下されるべきだろう。
家族には何の罪も無いし、殺される謂れも無い。
彼が家族を奪われなければならない理由などありはしない。
虻球磨新兒はこの日、自分が既に全てを喪っていたと知ってしまった。
その残酷な現実は、明るい性格の新兒を嘆きのどん底へ突き落とし、完膚無きまでに打ちのめしてしまった。
⦿⦿⦿
南館一階の事務室、岬守航はどうにか全ての敵機を破壊し、刀を杖にして立っていた。
流石に十機も相手にするとなると無傷ではいられなかったが、無事この場を切り抜けた。
「ハァ……ハァ……。どうにか……片付いたか」
航は刀から床に刺したまま手を放した。
すると刀はその場から忽然と消えてしまった。
「用が無くなれば消滅するのか。そういえば、折れた刀も消えているな」
航は弐級為動機神体との戦いで何度か刀を折り、そのたびに新しい刀を手にして継戦した。
彼はまだ今一つ術識神為を理解していない。
新兒と違い、航はまだ術識神為に完全覚醒していないのだ。
「結局、此処に久住さんは居ないからグズグズしていられないんだよな。こっちの棟じゃないってことは、反対側か? じゃあなんで為動機神体が此処に居たんだ? 単なる罠か?」
兎に角、航は疲れた体に鞭打って歩き出した。
目指すは新兒が担当した北館である。
航は傍の非常口から連絡通路へと出た。
「虻球磨は……あいつにも何か罠が待っているかもな。無事だと良いが……」
丁度、新兒は鍛冶谷を打倒した頃だ。
そのお陰で、今や雲野研究所に航達を阻む者は居ない。
土生十司暁は川岸へ出て行ったし、屋渡倫駆郎はまだ到着していない。
久住双葉を見つけられれば、すぐに雲野研究所を出られる。
「ん?」
ふと、航は気が付いた。
南館を出てきた非常口の脇に、地下へと向かう階段がひっそりと口を開けている。
「地下? さっきの棟には無かった筈だが……」
航は考える。
何故、一巡した時には居なかった弐級為動機神体が二巡目の時には事務室に居たのか。
そもそも、十機もの弐級は何処から沸いたのか。
事務室から、今見付けた地下への階段はそれなりに近い。
「怪しいな」
そこに双葉が捕えられている可能性が生じたからには、捜索しない訳にもいくまい。
航は階段を降りていった。
階段の下には扉があり、中から人の声がする。
「行くか」
航は扉に手を掛け、勢い良く開け放った。
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