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第二章『神皇篇』
第五十一話『神皇』 急
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日本国東京都は横田飛行場、岬守航が超級為動機神体・カムヤマトイワレヒコで皇國へと飛び立っていった。
その飛行速度は極超音速であるが、往復して戻って来るには二時間以上掛かるだろう。
そこで、残った者達は自動車で別の待機場所へと移動する手筈となっていた。
「根尾、彼らをホテルに案内しなさい」
拉致被害者の帰国と超級為動機神体を手配した防衛大臣兼国家公安委員長・皇奏手は秘書・根尾弓矢に指示を出した。
「やはり、すぐに帰宅させる訳には参りませんか……」
「彼らは東瀛丸を飲んでいます。それに対して適切な処置が行われるまでは、国の管理下に置かざるを得ません」
どうやら、航を含む拉致被害者達は暫く政府が用意したホテルで生活することになるらしい。
だがその時、拉致被害者の一人・繭月百合菜が何やら騒ぎ出した。
「待って! 居ないわ!」
「何!?」
彼女の声で、帰国した者達は皆一様にはっとした。
どうして今の今まで気が付かなかったのだろう。
まるで存在そのものを誰もが忘れていたような、それ程までに自然と姿を消していた。
「雲野兄妹は何処だ!」
根尾は思い出した。
雲野幽鷹・雲野兎黄泉の兄妹のうち、飛行機に乗っていたのは妹の兎黄泉だけだった。
その兎黄泉も、今は姿を眩ましている。
どういう訳か、その事実を今まで誰一人として気にも留めていなかったのだ。
「なんだ、この狐につままれた様な感覚は……」
「根尾、いつだったか貴方のお祖父さんが言っていたことがあるわ。大いなる神為は時として大いなる運命力として作用すると。例えば、山奥で死んだ遺体が大した捜索も要せず見付かった、とか……」
「折野菱の遺体の話ですか……」
「貴方達の話通り、例の双子がその巨大な神為の持ち主だとしたら、何らかの運命が作用しているのかも知れない、ということよ」
尚、実は椿陽子と道成寺陰斗もいつの間にか消えているが今はそのようなことを気に留めている余裕など誰にも無かった。
そんな話をしていると、今度は白檀揚羽の携帯電話が鳴った。
「おや、誰でしょうか? 非通知ですね……」
白檀は電話に出た。
「もしもし?」
『あ、白檀さん。僕です、岬守航です』
電話口から航の声が聞こえてきた。
白檀はスピーカーモードに切り替え、その場の全員に話を聞かせる。
「岬守さん、どうやって電話してきたんですか?」
『超級為動機神体の通信機能です。一つ、皆さんに急ぎで伝えた方が良い事がありまして』
「えっと、手段もそうなんですけど、どうして私の電話番号を知っているんですか?」
『鷹番に襲われて魅琴と一緒に取り残された時、あいつが皇國で使っていたスマホを見たんです』
「……それって無断で?」
『それでですね……』
「何か質問を無視して勝手に話を進めていますが、プライバシーの侵害ですよ。パスコードを勝手に入力したのなら犯罪ですからね?」
珍しく白檀が真面だった。
『実はお預かりしたカムヤマトイワレヒコに兎黄泉ちゃんが乗っていたんです』
「なんと!」
航の言葉に、白檀だけでなく全員が響めいた。
特に食い付いたのは最初に騒ぎ出した繭月である。
「待って、岬守君! 兎黄泉ちゃんだけ? 幽鷹君は?」
『兎黄泉ちゃん曰く、皇國に残っているそうです。ですから彼のことも皇大臣から輸送を依頼された在留邦人として回収します』
「それは有難いが、肝心の幽鷹君が何処に居るか判らんのだぞ?」
根尾の危惧は当然だが、厳密に言うとそれは魅琴についても同じである。
しかし、実はそこに今回兎黄泉がこっそり同乗した理由があった。
『兎黄泉ちゃんには幽鷹君の大まかな位置が判るそうです。そして彼は、おそらく魅琴を心配して後を尾けたのだろうと言っています』
「岬守さん」
今度は皇が発言した。
「つまり貴方が言いたいことは、同乗した雲野兎黄泉が雲野幽鷹や魅琴の居場所まで誘導してくれると、そういうことですか?」
『仰るとおりです、大臣』
航の言葉で、彼らの間に安堵の空気が拡がった。
後はどうにか航が二人を連れ帰って来てくれれば良い。
「では岬守さん、お願い出来ますか?」
『はい大臣、お任せください』
「それと、例の件ですが……」
話題を変えようとする皇の横顔を、唯一の部外者である自衛官・豊中大洋一尉が険しい目が捉えていた。
まるで彼女の話そうとしていることに何か思う処がある様だ。
『出発前にお伝えいただいたことですか?』
「はい。この様な無理難題を聞いていただき、感謝と痛惜と慚愧に言葉も御座いません。貴方には本当に、大変な苦労を掛けてしまいますね……」
『いいえ、覚悟しています。魅琴が選んだ様に、僕も自分で選んだ道ですから……』
「そう仰っていただけると救われます」
実は皇は航に、国産超級為動機神体・カムヤマトイワレヒコを託す際に一つの懸念点を伝えていた。
それは一般論として到底受け容れられない内容であったが、航は全てを承知の上でこの役割を引き受けたのだ。
『では皆さん、必ず一人も欠けずに帰ってきます』
「宜しくお願いします」
通話を終了し、白檀が電話を仕舞う。
「取り敢えず、帰ってきたらスマホを盗み見た件を麗真さんに伝えておきましょうかー」
案外、航は帰国後も魅琴から酷い制裁を受けるかも知れない。
⦿⦿⦿
美しい流線を描く肢体の美女と、摩訶不思議な貫禄を備えた少年の様な小男が屋上庭園で対峙している。
月明かりの下、腰を落として構えを取る麗真魅琴へと風が吹付けていた。
紫紺のホルターネックレオタードの下では、瑞々しい艶体が絶大なる暴力を振るわんと、解放の刻を待っている。
生乾きの長い黒髪が風に舞い、最後の晴れ舞台に立つ彼女の姿を引き立てていた。
「稀に見る闘気、申し分の無い闘志だ……」
相対する神皇は棒立ちのまま、泰然自若として佇んでいる。
唯その双眸は鋭い光を帯びており、既に目の前の魅琴を命の遣り取りの相手と見做している。
桜色の髪と純白の衣装が風に揺れ、小柄な姿が周囲へ滲み出す様に光を帯びている。
「いざ……!」
ここから先は超常の戦い。
間違い無く日本国最強の戦力が、神聖大日本皇國の国家的支柱たる現人神に戦いを挑もうとしていた。
風が凪いだ。
今、戦いの火蓋が切られる。
「参るッ!」
先に動いたのは魅琴だった。
圧倒的速度の踏み込みから、破壊力の権化たる全身全霊の拳が繰り出される。
持てる全ての膂力と技術力、そして神為を込めた必殺の一撃が神皇の顔面に炸裂した。
「……っ!!」
神皇は微動だにせず、顔色すら変えていない。
魅琴は僅かに目を眇めたが、織り込み済みとばかりにすぐさま次の攻撃へと移行する。
勢い良く腰を捻り、魅琴は回し蹴りを繰り出した。
脚の力は腕の四倍から六倍である。
先程の初撃と威力は比較にならないだろう。
現に、神皇の蟀谷へと撃ち込まれたその衝撃は空間そのものへと伝播し、周囲の空気を震え上がらせて芙蓉の木を悉く薙倒してしまった。
しかし、神皇はまるで堪えていない。
何事もなかった様に無表情のままでその場に突っ立っていた。
魅琴は再び地に足を着けると、今度は二発の拳と一発の前蹴りを連続で繰り出した。
しかし三発の攻撃が炸裂しても尚、結果は何も変わらなかった。
当然、魅琴の一撃一撃は破壊力に満ちている。
唯でさえ超級為動機神体を素手で解体する膂力に神為まで重ねているのだ。
並大抵の相手では一撃を受けただけでも一溜まりも無く、それどころか周囲の都市そのものが吹き飛ばんばかりの迫力がある。
ただ、一国の支える神皇の神為はそれに一切揺るがぬ程の耐久力を齎している――それだけのことだ。
その神皇は、宛ら仏像の様に掌を胸の高さへと上げた。
魅琴は神皇の放つ存在感が急激に膨張する危機感を覚えた。
次の瞬間、魅琴の身体は凄まじい突風の様な、惑星を圧縮した巨大な質量の塊の様な神為をぶつけられ、瞬間移動の如き速度で弾き飛ばされた。
庭園に入ってきた帝嘗本社の壁に大きな窪みを作り、魅琴の体は手酷く打ち付けられていた。
「ぐっ……!」
「四方やこの程度で朕の命に届くとは思うまいな」
遠く直立する神皇は起き上がろうとする魅琴に冷たく言い放った。
「今のが爾の全力ならば、朕には埃一つ被らせること叶わぬ」
逆に埃に塗れて立ち上がった魅琴は、落ち着き払った様子で身体を払っては改めて神皇を見据えて構えた。
「そうでしょうね。この程度の実力差は覚悟の上、想定内。ここまではほんの小手調べ。この先は術識神為を使わせてもらう……!」
麗真魅琴もまた、このまま終わるつもりは無かった。
戦いは始まったばかりである。
その飛行速度は極超音速であるが、往復して戻って来るには二時間以上掛かるだろう。
そこで、残った者達は自動車で別の待機場所へと移動する手筈となっていた。
「根尾、彼らをホテルに案内しなさい」
拉致被害者の帰国と超級為動機神体を手配した防衛大臣兼国家公安委員長・皇奏手は秘書・根尾弓矢に指示を出した。
「やはり、すぐに帰宅させる訳には参りませんか……」
「彼らは東瀛丸を飲んでいます。それに対して適切な処置が行われるまでは、国の管理下に置かざるを得ません」
どうやら、航を含む拉致被害者達は暫く政府が用意したホテルで生活することになるらしい。
だがその時、拉致被害者の一人・繭月百合菜が何やら騒ぎ出した。
「待って! 居ないわ!」
「何!?」
彼女の声で、帰国した者達は皆一様にはっとした。
どうして今の今まで気が付かなかったのだろう。
まるで存在そのものを誰もが忘れていたような、それ程までに自然と姿を消していた。
「雲野兄妹は何処だ!」
根尾は思い出した。
雲野幽鷹・雲野兎黄泉の兄妹のうち、飛行機に乗っていたのは妹の兎黄泉だけだった。
その兎黄泉も、今は姿を眩ましている。
どういう訳か、その事実を今まで誰一人として気にも留めていなかったのだ。
「なんだ、この狐につままれた様な感覚は……」
「根尾、いつだったか貴方のお祖父さんが言っていたことがあるわ。大いなる神為は時として大いなる運命力として作用すると。例えば、山奥で死んだ遺体が大した捜索も要せず見付かった、とか……」
「折野菱の遺体の話ですか……」
「貴方達の話通り、例の双子がその巨大な神為の持ち主だとしたら、何らかの運命が作用しているのかも知れない、ということよ」
尚、実は椿陽子と道成寺陰斗もいつの間にか消えているが今はそのようなことを気に留めている余裕など誰にも無かった。
そんな話をしていると、今度は白檀揚羽の携帯電話が鳴った。
「おや、誰でしょうか? 非通知ですね……」
白檀は電話に出た。
「もしもし?」
『あ、白檀さん。僕です、岬守航です』
電話口から航の声が聞こえてきた。
白檀はスピーカーモードに切り替え、その場の全員に話を聞かせる。
「岬守さん、どうやって電話してきたんですか?」
『超級為動機神体の通信機能です。一つ、皆さんに急ぎで伝えた方が良い事がありまして』
「えっと、手段もそうなんですけど、どうして私の電話番号を知っているんですか?」
『鷹番に襲われて魅琴と一緒に取り残された時、あいつが皇國で使っていたスマホを見たんです』
「……それって無断で?」
『それでですね……』
「何か質問を無視して勝手に話を進めていますが、プライバシーの侵害ですよ。パスコードを勝手に入力したのなら犯罪ですからね?」
珍しく白檀が真面だった。
『実はお預かりしたカムヤマトイワレヒコに兎黄泉ちゃんが乗っていたんです』
「なんと!」
航の言葉に、白檀だけでなく全員が響めいた。
特に食い付いたのは最初に騒ぎ出した繭月である。
「待って、岬守君! 兎黄泉ちゃんだけ? 幽鷹君は?」
『兎黄泉ちゃん曰く、皇國に残っているそうです。ですから彼のことも皇大臣から輸送を依頼された在留邦人として回収します』
「それは有難いが、肝心の幽鷹君が何処に居るか判らんのだぞ?」
根尾の危惧は当然だが、厳密に言うとそれは魅琴についても同じである。
しかし、実はそこに今回兎黄泉がこっそり同乗した理由があった。
『兎黄泉ちゃんには幽鷹君の大まかな位置が判るそうです。そして彼は、おそらく魅琴を心配して後を尾けたのだろうと言っています』
「岬守さん」
今度は皇が発言した。
「つまり貴方が言いたいことは、同乗した雲野兎黄泉が雲野幽鷹や魅琴の居場所まで誘導してくれると、そういうことですか?」
『仰るとおりです、大臣』
航の言葉で、彼らの間に安堵の空気が拡がった。
後はどうにか航が二人を連れ帰って来てくれれば良い。
「では岬守さん、お願い出来ますか?」
『はい大臣、お任せください』
「それと、例の件ですが……」
話題を変えようとする皇の横顔を、唯一の部外者である自衛官・豊中大洋一尉が険しい目が捉えていた。
まるで彼女の話そうとしていることに何か思う処がある様だ。
『出発前にお伝えいただいたことですか?』
「はい。この様な無理難題を聞いていただき、感謝と痛惜と慚愧に言葉も御座いません。貴方には本当に、大変な苦労を掛けてしまいますね……」
『いいえ、覚悟しています。魅琴が選んだ様に、僕も自分で選んだ道ですから……』
「そう仰っていただけると救われます」
実は皇は航に、国産超級為動機神体・カムヤマトイワレヒコを託す際に一つの懸念点を伝えていた。
それは一般論として到底受け容れられない内容であったが、航は全てを承知の上でこの役割を引き受けたのだ。
『では皆さん、必ず一人も欠けずに帰ってきます』
「宜しくお願いします」
通話を終了し、白檀が電話を仕舞う。
「取り敢えず、帰ってきたらスマホを盗み見た件を麗真さんに伝えておきましょうかー」
案外、航は帰国後も魅琴から酷い制裁を受けるかも知れない。
⦿⦿⦿
美しい流線を描く肢体の美女と、摩訶不思議な貫禄を備えた少年の様な小男が屋上庭園で対峙している。
月明かりの下、腰を落として構えを取る麗真魅琴へと風が吹付けていた。
紫紺のホルターネックレオタードの下では、瑞々しい艶体が絶大なる暴力を振るわんと、解放の刻を待っている。
生乾きの長い黒髪が風に舞い、最後の晴れ舞台に立つ彼女の姿を引き立てていた。
「稀に見る闘気、申し分の無い闘志だ……」
相対する神皇は棒立ちのまま、泰然自若として佇んでいる。
唯その双眸は鋭い光を帯びており、既に目の前の魅琴を命の遣り取りの相手と見做している。
桜色の髪と純白の衣装が風に揺れ、小柄な姿が周囲へ滲み出す様に光を帯びている。
「いざ……!」
ここから先は超常の戦い。
間違い無く日本国最強の戦力が、神聖大日本皇國の国家的支柱たる現人神に戦いを挑もうとしていた。
風が凪いだ。
今、戦いの火蓋が切られる。
「参るッ!」
先に動いたのは魅琴だった。
圧倒的速度の踏み込みから、破壊力の権化たる全身全霊の拳が繰り出される。
持てる全ての膂力と技術力、そして神為を込めた必殺の一撃が神皇の顔面に炸裂した。
「……っ!!」
神皇は微動だにせず、顔色すら変えていない。
魅琴は僅かに目を眇めたが、織り込み済みとばかりにすぐさま次の攻撃へと移行する。
勢い良く腰を捻り、魅琴は回し蹴りを繰り出した。
脚の力は腕の四倍から六倍である。
先程の初撃と威力は比較にならないだろう。
現に、神皇の蟀谷へと撃ち込まれたその衝撃は空間そのものへと伝播し、周囲の空気を震え上がらせて芙蓉の木を悉く薙倒してしまった。
しかし、神皇はまるで堪えていない。
何事もなかった様に無表情のままでその場に突っ立っていた。
魅琴は再び地に足を着けると、今度は二発の拳と一発の前蹴りを連続で繰り出した。
しかし三発の攻撃が炸裂しても尚、結果は何も変わらなかった。
当然、魅琴の一撃一撃は破壊力に満ちている。
唯でさえ超級為動機神体を素手で解体する膂力に神為まで重ねているのだ。
並大抵の相手では一撃を受けただけでも一溜まりも無く、それどころか周囲の都市そのものが吹き飛ばんばかりの迫力がある。
ただ、一国の支える神皇の神為はそれに一切揺るがぬ程の耐久力を齎している――それだけのことだ。
その神皇は、宛ら仏像の様に掌を胸の高さへと上げた。
魅琴は神皇の放つ存在感が急激に膨張する危機感を覚えた。
次の瞬間、魅琴の身体は凄まじい突風の様な、惑星を圧縮した巨大な質量の塊の様な神為をぶつけられ、瞬間移動の如き速度で弾き飛ばされた。
庭園に入ってきた帝嘗本社の壁に大きな窪みを作り、魅琴の体は手酷く打ち付けられていた。
「ぐっ……!」
「四方やこの程度で朕の命に届くとは思うまいな」
遠く直立する神皇は起き上がろうとする魅琴に冷たく言い放った。
「今のが爾の全力ならば、朕には埃一つ被らせること叶わぬ」
逆に埃に塗れて立ち上がった魅琴は、落ち着き払った様子で身体を払っては改めて神皇を見据えて構えた。
「そうでしょうね。この程度の実力差は覚悟の上、想定内。ここまではほんの小手調べ。この先は術識神為を使わせてもらう……!」
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