日本と皇國の幻争正統記

坐久靈二

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第二章の登場人物・用語集

用語集

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⦿皇族

 しんせいだいにつぽんこうこくとは異なる世界線で異なる歴史を辿った日本だが、其方にもまた日本国と祖を同じくする皇統が存在する。
 共産主義勢力による革命により一時は国を追われたものの、現在では国家を奪還し「じんのう」を名乗るみかどが君臨している。
 じんのうには六人の子女が居るが、彼らは皆人工授精と人工母胎によって人為的に生み出された者達である。
 全員が多とは隔絶したしんを持ち、その力は他の制約を受け付けない程に強大である。
 また皇族の中でも力は天と地程の開きがあり、こまかみらんを力で押し切ったうることじんのうには単身で歯が立たない。


⦿皇宮

 こうこく首都とうきよう区に構えられたじんのうの住まう土地。
 主な施設としてはじんのうの住まいである御所と皇族が経営する巨大穀物企業「ていじよう」の本社がある。


⦿御所

 じんのうの住まいで、遷都する以前のこう府に構えられた宮殿を模した混凝土コンクリート造の建築。
 日本国では宮殿に該当するが、此方側と違い現在も住居として使用されている他、皇族の昼食会や客人を招いての晩餐会など、様々な催しが開かれている。


⦿あかさか御用地

 皇宮から離れて湊区はあかさかに構えられた皇族の邸宅群。
 第一皇女・かみせい、第一皇子・かみえい、第二皇子・しやちかみの邸宅がそれぞれ含まれる。
 中でも、かみ邸は皇宮の御所をも凌ぎこうこく最大規模の個人邸宅である。


⦿こうじまち御用地

 区はこうじまち「に構えられた皇族の邸宅群。
 第二皇女・たつかみと第三皇子・みずちかみけんの邸宅がそれぞれ含まれる。
 尚、第三皇女・こまかみらんは成人年齢の十八歳に達していない為、今も皇宮に住んでいる。


⦿ていじよう

 こうこくに於いて独占市場を築いている巨大穀物企業で、じんのうが会長、第一皇子・かみえいが取締役に名を連ねている。
 事実上の国営企業であり、研究の為の施設を数多く所有しており、くも研究所も嘗てはその一つだった。
 本社の屋上庭園は研究成果として「夜でも咲く芙蓉の花」が植えられており、一般に公開・開放されている。


⦿ろくせつ

 こうこくでも最高の家格を誇る六つの華族家で、又の名を「摂関家」。
 きのえ家・たかつがい家がきのえ流、いちどう家・とおどう家・どう家がとおどう流、殿でん家は単独で殿でん流だが、きのえ流と接近している。
 しんには当人の持つ神性、即ちある種の「格」に影響を受けるという性質があるという理由で、その当主は全員が強大なしんと理不尽な能力を持っている。

 きのえくろの策略でさきもりわたるら拉致被害者を亡き者にしようと襲い掛かったが、様々な要因で六人の当主のうちとおどうあやどう士糸を残して皆死亡した。


⦿皇別摂家

 摂関家の中でも皇族に系譜が繋がる家系。
 現在ではきのえ家といちどう家が該当し、嘗てはたかつがい家もその一つだった。


⦿きのえ公爵邸

 すぎなみ区に構えられた公爵・きのえくろの邸宅で、最寄り駅はおぎくぼ
 洋風の広大な豪邸で、ゴルフ場まで設けられているが、その地下には怪しげな拷問部屋やどうしんたいの格納庫が眠っており、穏やかではない。
 さきもりわたるの襲撃を受け、追い詰められたきのえくろちようきゆうどうしんたい・ミロクサーヌれいしきを動かし、わたるもそれを撃墜すべく同機種に搭乗。
 最終的にきのえの期待が墜落し、その衝撃で壊滅して見るも無残な姿になり果てた。


⦿さん

 こうこく最高の霊峰で、一一九四一メートルという世界一の標高を誇る。
 その麓にはそうせんたいおおかみきばの本部である「だいろくてんごくろう」が存在する。


⦿だいろくてんきょくろう

 しずおかさん麓に建つ、そうせんたいおおかみきばの本拠地。
 山荘に偽装されており、その雰囲気は薄気味悪い。


⦿いつきゆうどうしんたい

 こうこくで運用されている巨大ロボット兵器の分類の一つ。
 ちようきゆうよりも小型できゅうよりも大型である。
 制圧能力ではちようきゆうに劣るが、比較的周囲への被害は少なく済むらしく、こうこくの市街地に於ける治安維持活動では此方の運用が推奨されている。

 殿でん公爵家とどう公爵家の所有する一機ずつが、さきもりわたるうることを残して拉致被害者を乗せたワゴン車に襲い掛かったが、けんしんの機転とびやくだんあげの運転で敢え無く同士討ちとなった。


⦿参級どうしんたい

 こうこくで運用されているロボット兵器の分類の一つ。
 きゅうよりも小型で、人形やドローンを思わせる型式の機体。

 皇宮の晩餐会を終えて灰祇院在清に空港まで送迎を受けていたうることに襲い掛かった他、空港へ単身急ぐことを妨害した。


⦿そうしん

 しんの第三段階に達した人間が覚醒する、じゆつしきしんとは別の力の形。
 特殊な能力は持たないが、固有の強力な武器を形成する。
 じゆつしきしんと異なり、使用そのものにしんを消費しない為、戦いに於ける燃費は良い反面、破られると大量のしんを消耗してしまう。

 きのえ公爵邸に於けるさきもりわたるつきしろさくの戦いで初めて披露され、つきしろの他には彼の仲間であるおとせいの他、第三皇女・こまかみらんもこの形式を使用する。
 つきしろ曰く、じゆつしきしんと異なり使用者は珍しいらしく、滅多にお目に掛かれないらしい。


⦿じんかい

 父親と袂を分かち、こうこくから帰国したうるいるが来るべきこうこくの侵攻に備えて日本国に作り上げた秘密政治結社。
 こうこくと同じくしんを使った戦い方を訓練し、日本政府と連携して対策することを目的としている。
 その為、防衛大臣兼国家公安委員長・皇かなを初めとした政界の有力者と繋がりを持ち、こうこくごうりん以降の対応に貢献してきた。

 非公式の組織ながら日本国の体制にとっては味方であるが、国家の為には身内の犠牲を厭わない過激さを併せ持つ。
 また、分裂した別団体である「じんかいかいてん」はこうこくに対抗するという目的は共通するものの、政府転覆によって強大な軍事国家を作り上げる方針を採るテロ組織であり、社会に対して破壊的な危険集団である。


⦿ちようきゆうどうしんたい・カムヤマトイワレヒコ

 日本国がこうこくとの有事に備えて密かに開発した国産のちようきゆうどうしんたい試作機。
 予算が不足しており、波動相殺機能を使用すると機体が金色に光る他、性能を発揮すればする程に操縦士個人と適合し、限界性能を発揮してしまった場合、個人の専用機となってしまうという欠陥がある。

 こうこくに残ってじんのうとの戦いに挑んだうることを救出する為、皇かなからさきもりわたるに託され、その後は件の欠陥によりわたるの専用機となり、わたるを新たなる戦場に誘う。


⦿皇海

 日本国としんせいだいにっぽんこうこくの間の海域。
 こうこくの存在によって区切られている為こう呼ばれる。


⦿遠征軍・国防軍

 こうこくの軍隊に存在すると思われる区分け。
 何やら両者は対立関係にあるらしい。


⦿なお

 しんの源である「内なる神」のこと。
 くもたかうることの直靈と融合することによって全てのしんことに接続した。
 その原理は丁度どうしんたいの操縦と同じらしい。


⦿神の領域

 じゆつしきしんそうしんを超えたしんの第四段階を擬似的にこう呼ぶ。
 しんの深化が極限に達し、強化された認知力が超光速を認識できるようになった――即ちこの世の理を超えた領域に達した時に覚醒する。
 この時の力は相対性原理によって物理学に於ける観測上の無限大に達する為、そのまま本領を発揮すると宇宙そのものが壊れてしまう。
 そのため、力を発揮する場として「げんそういきまろがれのひもろぎ」を用意する必要がある。
 本領を発揮する際はそのままの人の器では耐えられない為、身体が一回り大きくなり、これを「しんあしかびのかたしろ」と呼ぶ。


⦿しんあしかびのかたしろ

 神の領域に達したしんの使い手が本領を発揮する際、器となる身体が一回り大きくなる現象。
 うることじんのうの戦いでは互いに同じ割合で拡大し、相対的には同じ比率となって戦いを続行した。


⦿げんそういきまろがれのひもろぎ

 神の領域に達したしんが本領を発揮した際、物理的に無限大となった力から世界を守る為の専用決闘空間。
 その景色は金色の光に満ちており、如何にも幻想的な異空間である。


⦿しんえいたいてんのう

 日本国とこうこくを戦争へと導かんと暗躍する黒幕集団。
 第一皇子・かみえいの近衛侍女・りゆういんしらゆきを筆頭に、そうせんたいおおかみきばの首領補佐・おとせいのうじようづき首相の密偵・つきしろさく、そしてじんかいかいてんの猫面にしてうるいるの父親・ごくさぶろうこと閏閒うるまみつなりの四人から成る。
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