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3話
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翌朝、あまり寝れなかった俺は大きな欠伸をしながらダイニングへと降りる。姉とどう接すればいいのか、正直顔を合わせるのすら気まずいと思っていたが、それは杞憂に終わった。
『昨晩はごめんなさい。朝食とお弁当は作っておきました。あまり料理は慣れていないので、美味しくなかったら残して、コンビニでお弁当買ってください。私は先に家を出ます。』
との書き置きがあった。隣には目玉焼きと白米、味噌汁と納豆というThe 日本の朝食のような献立が用意されていた。
「納豆は学校で臭うから朝は食えねぇよ……というか、作家がこんな時間からどこ行くんだよ……」
そう言いつつ、俺は姉の作った朝食を頂く。目玉焼きは半熟で焼きあがっていて、味噌汁は少し薄味。米も少し硬めに炊かれており、完全に俺の好みに沿っていた。
「こんだけ美味いなら夕飯の用意も手伝ってくれよ……」
そう言いながら俺は完食した。食べ始めは薄味だった味噌汁が最後には少し濃いめに感じたのは気の所為だろう。
入念に歯を磨き、髪型を整え制服に着替える。家を出ようと思ったタイミングでインターホンが鳴った。
「悠君。迎えに来たよ。学校行こ。」
彩乃が迎えに来たのだ。毎朝毎朝健気だなと言ったら、朝から好きな人に会えるなんて幸せじゃんと言われて照れた覚えがある。
「でね、私の友達がさ……」
彩乃は楽しそうに話をしているが、俺は全く話が入ってこなかった。彩乃の艶やかな唇を見るたび、昨日の姉の潤んだ瞳が思いだされる。
「ねぇ、悠君聞いてる?ねぇってば。」
「あ、うん。聞いてるよ。大丈夫。」
「ならよかったぁ。それでね……」
もうあんなことは起きないんだから、気のせいだと思って流そう。もう気にしない。
そう決心して、俺は学校へ向かった。ちなみに、彩乃がなにを話していたは全く覚えていない。
◇
「おい、氷川。おい。起きろ。」
「ん、、、はい。」
「氷川が寝るなんて珍しいな。授業だけは真面目に受けているから課題だしてなくてもある程度は多めにみてやっているのに、授業すら受けなくなったらまじで点数やらんからな。」
「はい……」
5限目。昨晩の寝不足が祟って睡魔に抗うことができなかった。
「悠。お前なんかあったな?」
「あまり詮索をするな横山。俺にも探られたくないことの一つや二つあるさ。」
「別に興味ねえから聞かんわ。ただ話あるなら聞くぞ。」
「いや、大丈夫。もう解決した。」
「そうか。」
そんな何気ない会話を最後に、再び俺の意識はなくなった。
「悠君!そろそろ起きないと下校時間すぎちゃうよ。」
気づいたら夕方だった。隣の席には彩乃が頬杖をついてこちらを見ている。
「えへへ、おはよう悠君。寝顔はばっちりみせて貰ったよ。」
「今何時だ?」
「5時半だよ。」
「こんな時間まで待ってなくても帰っててよかったのに。」
「私、役員の仕事あったもん。終わって教室のぞいてみたら悠君が寝てて、チャンスだと思って寝顔見てたらこんな時間になっちゃった。」
「ふ~ん。まぁ、帰るか。」
「うん!」
他愛のない会話をしながら彩乃を家まで送り、自身も帰宅すると家のドアの前で姉が仁王立ちしていた。そしてその瞬間、俺は大切な用事を忘れていたことに気づいた。
「悠!」
「はいっ!ごめんなさい……」
俺は姉の編集者として特別にバイトさせてもらっているのだが、今日は編集長と姉と大切な会議があったのをすっかり忘れていた。
「この穴埋めはしっかりしてもらうからね。とりあえずまず編集長に謝ってきて。口裏は合わせてあげるから……」
「はい、必ず……」
結局、編集長には後日謝りに行くことになり、姉とは今度の休日に出かけることになった。
――深夜、昨日と同じような時間に姉の部屋の前へ行くと案の定、ドアが少し空いていて電気はついていた。
「いらっしゃい、悠。」
俺は吸い込まれるように姉の部屋へ足を踏み入れたのだった。
『昨晩はごめんなさい。朝食とお弁当は作っておきました。あまり料理は慣れていないので、美味しくなかったら残して、コンビニでお弁当買ってください。私は先に家を出ます。』
との書き置きがあった。隣には目玉焼きと白米、味噌汁と納豆というThe 日本の朝食のような献立が用意されていた。
「納豆は学校で臭うから朝は食えねぇよ……というか、作家がこんな時間からどこ行くんだよ……」
そう言いつつ、俺は姉の作った朝食を頂く。目玉焼きは半熟で焼きあがっていて、味噌汁は少し薄味。米も少し硬めに炊かれており、完全に俺の好みに沿っていた。
「こんだけ美味いなら夕飯の用意も手伝ってくれよ……」
そう言いながら俺は完食した。食べ始めは薄味だった味噌汁が最後には少し濃いめに感じたのは気の所為だろう。
入念に歯を磨き、髪型を整え制服に着替える。家を出ようと思ったタイミングでインターホンが鳴った。
「悠君。迎えに来たよ。学校行こ。」
彩乃が迎えに来たのだ。毎朝毎朝健気だなと言ったら、朝から好きな人に会えるなんて幸せじゃんと言われて照れた覚えがある。
「でね、私の友達がさ……」
彩乃は楽しそうに話をしているが、俺は全く話が入ってこなかった。彩乃の艶やかな唇を見るたび、昨日の姉の潤んだ瞳が思いだされる。
「ねぇ、悠君聞いてる?ねぇってば。」
「あ、うん。聞いてるよ。大丈夫。」
「ならよかったぁ。それでね……」
もうあんなことは起きないんだから、気のせいだと思って流そう。もう気にしない。
そう決心して、俺は学校へ向かった。ちなみに、彩乃がなにを話していたは全く覚えていない。
◇
「おい、氷川。おい。起きろ。」
「ん、、、はい。」
「氷川が寝るなんて珍しいな。授業だけは真面目に受けているから課題だしてなくてもある程度は多めにみてやっているのに、授業すら受けなくなったらまじで点数やらんからな。」
「はい……」
5限目。昨晩の寝不足が祟って睡魔に抗うことができなかった。
「悠。お前なんかあったな?」
「あまり詮索をするな横山。俺にも探られたくないことの一つや二つあるさ。」
「別に興味ねえから聞かんわ。ただ話あるなら聞くぞ。」
「いや、大丈夫。もう解決した。」
「そうか。」
そんな何気ない会話を最後に、再び俺の意識はなくなった。
「悠君!そろそろ起きないと下校時間すぎちゃうよ。」
気づいたら夕方だった。隣の席には彩乃が頬杖をついてこちらを見ている。
「えへへ、おはよう悠君。寝顔はばっちりみせて貰ったよ。」
「今何時だ?」
「5時半だよ。」
「こんな時間まで待ってなくても帰っててよかったのに。」
「私、役員の仕事あったもん。終わって教室のぞいてみたら悠君が寝てて、チャンスだと思って寝顔見てたらこんな時間になっちゃった。」
「ふ~ん。まぁ、帰るか。」
「うん!」
他愛のない会話をしながら彩乃を家まで送り、自身も帰宅すると家のドアの前で姉が仁王立ちしていた。そしてその瞬間、俺は大切な用事を忘れていたことに気づいた。
「悠!」
「はいっ!ごめんなさい……」
俺は姉の編集者として特別にバイトさせてもらっているのだが、今日は編集長と姉と大切な会議があったのをすっかり忘れていた。
「この穴埋めはしっかりしてもらうからね。とりあえずまず編集長に謝ってきて。口裏は合わせてあげるから……」
「はい、必ず……」
結局、編集長には後日謝りに行くことになり、姉とは今度の休日に出かけることになった。
――深夜、昨日と同じような時間に姉の部屋の前へ行くと案の定、ドアが少し空いていて電気はついていた。
「いらっしゃい、悠。」
俺は吸い込まれるように姉の部屋へ足を踏み入れたのだった。
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