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七日目
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昨夜は遅くまで彼女を慰めていた。
起床が少し遅くなってしまったが、目が覚めると、彼女の姿はない。
またしても異様な雰囲気を感じる。得も言われぬ悪寒。漂ってくる鉄の臭い。
そして部屋中に存在する、おびただしい数の、死体。
昨日居た女性達が全て殺されている。
しかし、彼女の姿はない。
彼女は大丈夫だろうか。
探そう。
自動ドアを開けようとした時にふと思い出した。
槍の人物が、扉を開ける時には必ず槍を構えていたことをだ。
この惨状を目の当たりにして警戒しない程、男は愚かではなかった。
念のため、ハリセンを構えて扉を開けてみると…。
──遠くで何かと目が合った。
暗闇に黄色く光る二つの眼光。
それは明かりが点くと同時に見えなくなってしまった。
気のせいだったのだろうか。
居住区を回るが、どこに行っても生存者がいない。
仕方なく地下鉄のホームへ行こうとした時、槍の人物の怒声が聞こえてきた。
「あんた、自分が何したかわかってんのか!」
「汚い虫を潰しただけだよ!」
「何が虫だよ! 一緒に過ごす仲間だろ!」
言い争っているようだ。
急いで声のする方へ向かうと、騒ぎの人物が明らかになる。
「またそんなこと言って! リーダー面して偉そうに言っても王子様は渡さないんだからぁ!」
彼女だった。
女神のように美しかった彼女は、血によってどす黒く変わり、手には鉈のようなものを持っている。
「あっ、王子様! 会いたかった!」
屈託のない笑みで見つめられ、思わず顔が綻びそうになる。
天使のような笑顔と、全身に飛び散った血と、既に切れ味を失っていそうな、鉈。
歪な女神がそこに居た。
「バカ! ぼーっとしてないで逃げろ!」
槍の人物に言われ、我に返る。
下手をすれば殺されるかもしれない状況だ。
でも、彼女が俺を殺すなんて…と男は考える。
だが。
「私と王子様の再会を邪魔するなんて、やっぱり悪い魔法使いね!」
彼女が鉈を振り回して槍の人物を切りつける。
槍の人物も槍を巧みに使って鉈を捌いている。
「ここは私が時間を稼ぐから、早く上へ! 市民権がないあたしらは上には行けないから!早く!」
その言葉を聞き、男は夢から覚めたような気持ちになる。
そうだ、これ以上ここに留まってはいけない、なぜなら…。
頭の靄が晴れる。
「王子様、どうして逃げるの? ああ、そうなんだ…悪い魔法使いにたぶらかされちゃったんだ…私が助けてあげる!」
途端に、彼女から殺気を感じた。
そうだ、このままでは俺も殺されてしまう。
不思議と確信を持った男は、一目散に逃げ出した。
彼女に合わないように、地下鉄のホームへ素早く降りたところで、鈴子のことを思い出す。
このままでは鈴子も殺される。
連れて逃げなければ。
「…鈴子!」
彼女はまだ、湯船に浸かっていた。
「あ、あなたは…。あの…会いたかった、です…」
嬉しそうに言う鈴子。しかし、そんな段ではない。
「ここは危険だ、一緒に逃げよう」
「ええっ、危険と言われても…」
「いいから──」
と鈴子を抱き抱える。
思いのほか… 軽 い 。
「えっと…その、そういうことなんです…」
鈴子の下半身はゲル状にどろりと溶け、いつか見た彫刻と同じ様相をしていた。
上半身だけになったと言っても過言ではない鈴子を唖然と見つめる男。
「…卵が孵ることは止められませんが、お湯につけておけば、外に広がることはありません…。
私の下半身はもうエサになってしまったけれど…、被害を留められるなら…」
………なんということだ。
「ありがとうございました…。私、幸せになれました。
こんな体でも、恋が、できたんですから…」
鈴子の意識が遠退くのがわかる。
目の焦点が合わなくなってきており、腕はだらりと垂れている。
俺は静かに鈴子に口付けをした。
「あ… ありがとう… …」
そういうと彼女は静かに目を瞑り、どろりと溶け出した。
彼女の中から弾けるように飛び出してきた小さな蜘蛛の子が男を次のエサにしようと襲ってくる。
慟哭と共に、蜘蛛をはたきおとし、お湯を浴びる。
蜘蛛の動きは鈍くなり、ほとんどの蜘蛛はそのまま死に絶えた。
残った蜘蛛は一匹ずつ潰した。
悲しみにうちひしがれる暇もなく、現実に戻す声が聞こえる。
「王子様!見ぃつけた!」
血走った眼、片手には鉈ではなく槍を持った彼女が現れた。
「ダメよ、逃げちゃぁぁ!
悪い魔法使いの呪いを解いてあげるからぁぁぁ!」
生命の危機を感じたが、彼女を傷付ける気が起きない。
とにかく逃げた。
そのホームが牢獄に繋がっているのか、上に繋がっているのかわからないが、とにかく階段をかけ上がった。
運が良いのか悪いのか、着いた先は…地下四階だった。
ゲル状になった人型の物体がたくさんある。
よく出来た彫刻なら実に芸術的、かつ前鋭的だ。
しかし、この驚きと恐怖の入り交じった表情は、恐らく死ぬ間際…蟲に体内を食まれて、ゲル状になった自分の下半身を見てしまった人なのだろう。
つい先程見た光景が、フラッシュバックする。
胃液が逆流しそうな気持ち悪さに耐えつつも地下四階を探索する。
常に背後や足音に気を付けながら、大量の白蟻と蜘蛛の攻撃をかわしながら。
取りつかれたら終わりだ。
睾丸を食われるか、卵を産み付けられ、ゲル状になるか。
あまりゆっくりしていれば彼女も来てしまうだろう。
どれもお断りしたかった。
そしてその悲惨な結末のどれもが、容易に想像できていた。
まるで体験したかのように、脳内にこびりついている。
あまりに鮮明なその内容に、男は思わず嘔吐する。
胃液と唾液のみの逆流。
自分の嘔吐物を見て、はたと冷静になり、そういえばしばらく何も口にしていないと思い出す。
涙と口を乱暴に拭き、探索を続ける。
結果、地下四階にも生存者はなし。
ゲル人間だけが存在し、その周りには大量の白蟻と蜘蛛が存在している。
全てをハリセンで退けながら、地下四階の一部屋についた。
管理者室だ。
やはりあった。
エレベーターのセキュリティコード、そしてメモ…。
──見えない鼠が、うろついている。地下三階の人間と協力して階段を落とした。
もし三階以上に上がっていたら、その時は申し訳なく思う。
鼠…。
どうやら階段を落としたのは事実らしい。
本当にただの鼠なら、階段を落としたぐらいでは効果はないはずだが…。
これでいよいよ地下一階に戻ることが出来るようになった。
安堵感からか、ふらつきそうになったが、ここで寝ては白蟻のエサになってしまう。
冷静に通路を見てみれば、ここは地下一階と同じ構造をしていた。
すぐに戻る事ができるだろう。
十字路を曲がり、自動ドアの前へ。
ふと背後に気配を感じるが、彼女がいる気配はない。
セキュリティカードを翳し、エレベータホールへと出る。
一旦全裸になり、念入りに白蟻や蜘蛛がいないか確認した。
髪に入り込んでいないか、耳、鼻、ハリセン。細部まで確認する。
何もない事を確認した男は、ゆっくりとエレベーターを起動。
目指すは地下一階、セキュリティコードを入力。
やっと安心して眠れる地下一階へ戻れる…。
* * *
地下一階に戻り、セキュリティカードを翳そうとする。
…どうにも何かがいる気配がする。
ふと背後を見てみるも、やはり誰もいない。
機械の稼働音以外は何の音も聞こえない地下一階のエレベーターホール。
男は足早にセキュリティカードを翳し、自動ドアを通過した。
そこでドアが閉まる前にハリセンを握りしめ、もう一度背後を振り向く。
「…考えすぎか」
背後には特に何も見つからなかった。
自動ドアがしっかりと閉まり、安堵する。
何か胸騒ぎがして落ち着かない。
小走りで通路を進むと、青年と鉢合わせた。
「おいおい、どこに行ってたんだよ。こっちは大変な騒ぎなんだぜ」
久しぶりに見た細蟹の顔は、ひどく焦った表情をしていた。
「謎の奇病なの。歩けなくなっちゃう人が続出してるのよ」
隣には亜里沙もいる。
「なんだ、お前もふらついてんじゃねーか、とりあえず休めよ」
細蟹の気遣いに感謝しながら、久しぶりの自室で眠りについた。
起床が少し遅くなってしまったが、目が覚めると、彼女の姿はない。
またしても異様な雰囲気を感じる。得も言われぬ悪寒。漂ってくる鉄の臭い。
そして部屋中に存在する、おびただしい数の、死体。
昨日居た女性達が全て殺されている。
しかし、彼女の姿はない。
彼女は大丈夫だろうか。
探そう。
自動ドアを開けようとした時にふと思い出した。
槍の人物が、扉を開ける時には必ず槍を構えていたことをだ。
この惨状を目の当たりにして警戒しない程、男は愚かではなかった。
念のため、ハリセンを構えて扉を開けてみると…。
──遠くで何かと目が合った。
暗闇に黄色く光る二つの眼光。
それは明かりが点くと同時に見えなくなってしまった。
気のせいだったのだろうか。
居住区を回るが、どこに行っても生存者がいない。
仕方なく地下鉄のホームへ行こうとした時、槍の人物の怒声が聞こえてきた。
「あんた、自分が何したかわかってんのか!」
「汚い虫を潰しただけだよ!」
「何が虫だよ! 一緒に過ごす仲間だろ!」
言い争っているようだ。
急いで声のする方へ向かうと、騒ぎの人物が明らかになる。
「またそんなこと言って! リーダー面して偉そうに言っても王子様は渡さないんだからぁ!」
彼女だった。
女神のように美しかった彼女は、血によってどす黒く変わり、手には鉈のようなものを持っている。
「あっ、王子様! 会いたかった!」
屈託のない笑みで見つめられ、思わず顔が綻びそうになる。
天使のような笑顔と、全身に飛び散った血と、既に切れ味を失っていそうな、鉈。
歪な女神がそこに居た。
「バカ! ぼーっとしてないで逃げろ!」
槍の人物に言われ、我に返る。
下手をすれば殺されるかもしれない状況だ。
でも、彼女が俺を殺すなんて…と男は考える。
だが。
「私と王子様の再会を邪魔するなんて、やっぱり悪い魔法使いね!」
彼女が鉈を振り回して槍の人物を切りつける。
槍の人物も槍を巧みに使って鉈を捌いている。
「ここは私が時間を稼ぐから、早く上へ! 市民権がないあたしらは上には行けないから!早く!」
その言葉を聞き、男は夢から覚めたような気持ちになる。
そうだ、これ以上ここに留まってはいけない、なぜなら…。
頭の靄が晴れる。
「王子様、どうして逃げるの? ああ、そうなんだ…悪い魔法使いにたぶらかされちゃったんだ…私が助けてあげる!」
途端に、彼女から殺気を感じた。
そうだ、このままでは俺も殺されてしまう。
不思議と確信を持った男は、一目散に逃げ出した。
彼女に合わないように、地下鉄のホームへ素早く降りたところで、鈴子のことを思い出す。
このままでは鈴子も殺される。
連れて逃げなければ。
「…鈴子!」
彼女はまだ、湯船に浸かっていた。
「あ、あなたは…。あの…会いたかった、です…」
嬉しそうに言う鈴子。しかし、そんな段ではない。
「ここは危険だ、一緒に逃げよう」
「ええっ、危険と言われても…」
「いいから──」
と鈴子を抱き抱える。
思いのほか… 軽 い 。
「えっと…その、そういうことなんです…」
鈴子の下半身はゲル状にどろりと溶け、いつか見た彫刻と同じ様相をしていた。
上半身だけになったと言っても過言ではない鈴子を唖然と見つめる男。
「…卵が孵ることは止められませんが、お湯につけておけば、外に広がることはありません…。
私の下半身はもうエサになってしまったけれど…、被害を留められるなら…」
………なんということだ。
「ありがとうございました…。私、幸せになれました。
こんな体でも、恋が、できたんですから…」
鈴子の意識が遠退くのがわかる。
目の焦点が合わなくなってきており、腕はだらりと垂れている。
俺は静かに鈴子に口付けをした。
「あ… ありがとう… …」
そういうと彼女は静かに目を瞑り、どろりと溶け出した。
彼女の中から弾けるように飛び出してきた小さな蜘蛛の子が男を次のエサにしようと襲ってくる。
慟哭と共に、蜘蛛をはたきおとし、お湯を浴びる。
蜘蛛の動きは鈍くなり、ほとんどの蜘蛛はそのまま死に絶えた。
残った蜘蛛は一匹ずつ潰した。
悲しみにうちひしがれる暇もなく、現実に戻す声が聞こえる。
「王子様!見ぃつけた!」
血走った眼、片手には鉈ではなく槍を持った彼女が現れた。
「ダメよ、逃げちゃぁぁ!
悪い魔法使いの呪いを解いてあげるからぁぁぁ!」
生命の危機を感じたが、彼女を傷付ける気が起きない。
とにかく逃げた。
そのホームが牢獄に繋がっているのか、上に繋がっているのかわからないが、とにかく階段をかけ上がった。
運が良いのか悪いのか、着いた先は…地下四階だった。
ゲル状になった人型の物体がたくさんある。
よく出来た彫刻なら実に芸術的、かつ前鋭的だ。
しかし、この驚きと恐怖の入り交じった表情は、恐らく死ぬ間際…蟲に体内を食まれて、ゲル状になった自分の下半身を見てしまった人なのだろう。
つい先程見た光景が、フラッシュバックする。
胃液が逆流しそうな気持ち悪さに耐えつつも地下四階を探索する。
常に背後や足音に気を付けながら、大量の白蟻と蜘蛛の攻撃をかわしながら。
取りつかれたら終わりだ。
睾丸を食われるか、卵を産み付けられ、ゲル状になるか。
あまりゆっくりしていれば彼女も来てしまうだろう。
どれもお断りしたかった。
そしてその悲惨な結末のどれもが、容易に想像できていた。
まるで体験したかのように、脳内にこびりついている。
あまりに鮮明なその内容に、男は思わず嘔吐する。
胃液と唾液のみの逆流。
自分の嘔吐物を見て、はたと冷静になり、そういえばしばらく何も口にしていないと思い出す。
涙と口を乱暴に拭き、探索を続ける。
結果、地下四階にも生存者はなし。
ゲル人間だけが存在し、その周りには大量の白蟻と蜘蛛が存在している。
全てをハリセンで退けながら、地下四階の一部屋についた。
管理者室だ。
やはりあった。
エレベーターのセキュリティコード、そしてメモ…。
──見えない鼠が、うろついている。地下三階の人間と協力して階段を落とした。
もし三階以上に上がっていたら、その時は申し訳なく思う。
鼠…。
どうやら階段を落としたのは事実らしい。
本当にただの鼠なら、階段を落としたぐらいでは効果はないはずだが…。
これでいよいよ地下一階に戻ることが出来るようになった。
安堵感からか、ふらつきそうになったが、ここで寝ては白蟻のエサになってしまう。
冷静に通路を見てみれば、ここは地下一階と同じ構造をしていた。
すぐに戻る事ができるだろう。
十字路を曲がり、自動ドアの前へ。
ふと背後に気配を感じるが、彼女がいる気配はない。
セキュリティカードを翳し、エレベータホールへと出る。
一旦全裸になり、念入りに白蟻や蜘蛛がいないか確認した。
髪に入り込んでいないか、耳、鼻、ハリセン。細部まで確認する。
何もない事を確認した男は、ゆっくりとエレベーターを起動。
目指すは地下一階、セキュリティコードを入力。
やっと安心して眠れる地下一階へ戻れる…。
* * *
地下一階に戻り、セキュリティカードを翳そうとする。
…どうにも何かがいる気配がする。
ふと背後を見てみるも、やはり誰もいない。
機械の稼働音以外は何の音も聞こえない地下一階のエレベーターホール。
男は足早にセキュリティカードを翳し、自動ドアを通過した。
そこでドアが閉まる前にハリセンを握りしめ、もう一度背後を振り向く。
「…考えすぎか」
背後には特に何も見つからなかった。
自動ドアがしっかりと閉まり、安堵する。
何か胸騒ぎがして落ち着かない。
小走りで通路を進むと、青年と鉢合わせた。
「おいおい、どこに行ってたんだよ。こっちは大変な騒ぎなんだぜ」
久しぶりに見た細蟹の顔は、ひどく焦った表情をしていた。
「謎の奇病なの。歩けなくなっちゃう人が続出してるのよ」
隣には亜里沙もいる。
「なんだ、お前もふらついてんじゃねーか、とりあえず休めよ」
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