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第二章
雲の揺りかご
しおりを挟むグラディアトリアで最初の夜。
郁子は本当に赤飯を炊いて祝福された。
その日、彼女が父親違いの弟と判明した郁哉に無事を告げ、異世界に飛ばされてしまった現実を受け入れて前向きになったことを。
そして、ルータスと晴れて恋人同士となったことを。
「そなた達、部屋は一つの方がよさそうだな」
かすかに口端を持ち上げてそう告げたレイスウェイク家の当主に、「ん」と頷くルータスの頭をべしりと叩き、郁子は真っ赤な顔をしてぶんぶんと首を横に振った。
そして、明らかに面白がっているヴィオラントへの意趣返しとばかりに、彼の大事な少女を呼ぶ。
「菫ちゃん、今夜一緒に寝ましょ! 女子トークしましょ!」
「いいよー」
「……そなた、いい度胸をしている」
紫色の瞳に睨みつけられたが、いい加減郁子もそれに慣れてきた。
「俺のこと好きだって言ったくせに、寝るのは嫌なのか」
「……よそのおうちなんだから、少しは自制して」
ルータスの慎みない発言をスルーするのにも、少しは慣れてきた。
不満げな彼は、その後本当に菫を取られたヴィオラントと二人、久々に朝まで飲み明かしたらしい。
郁子とルータスは、レイスウェイク家に五日間滞在した。
その間、毎晩郁哉に電話をかけた。
電話を受けた彼は声を弾ませて、いろいろと情報をもたらしてくれた。
郁子の業務を引き継いだ同僚が、残してきたファイルを見て彼女の優秀さに気づき、辞めたことを惜しんでいるということ。
それが本部長の耳に入り、郁子の直属の上司であり、明らかに彼女が辞めるきっかけになった元恋人がデスクに呼ばれて注意を受けていたということ。
そんな彼の、郁子がへし折った前歯三本が差し歯になっているというどうでもいいことまで、郁哉は教えてくれた。
今となっては、郁子は仕事にも元恋人にも未練は感じない。
ただ、一生懸命取り組んできた仕事ぶりを上司や同僚に認められたのは嬉しかった。
そして、差し歯になった元恋人が上司に叱責されるのはざまあみろだが、間もなく生まれてくるだろう彼の子供を思うと、これに懲りて心を入れ替え、よい父親になってほしいと願わずにはいられない。
郁子のような寂しい想いを、その子には味合わせたくはないと強く思った。
結局、その後の電話の合間にも、郁哉は母の名を出さなかった。
第三者の存在を言葉の端々に感じさせはしたが、郁子の無事に喜んでいる人がいると言うに留めた。
郁哉は母のことを打ち明けるタイミングをはかりかね、悩んでいる様子だった。
そして郁子もまた、その人は誰なのかと聞くことはまだできなかった。
安易に向かい合ってしまえば、戸惑いのあまり自分は母に心ない言葉を打つけてしまうのではないかと恐れたためだ。
母を受け入れるには、郁子にももう少しだけ時間が必要だった。
コンラートに戻る前夜。
しばらく郁哉に連絡できない旨を告げようと、郁子はまた菫に携帯電話を借りることにした。
残念ながら、電波が通じるのはレイスウェイク家の一室だけで、コンラートに戻ってしまえば電話はできなくなる。
もちろん菫は気前よく携帯電話を差し出したが、何を思ったのか、番号を押そうとした郁子の手を掴んだ。
「菫ちゃん、どうしたの?」
滞在中に、郁子は菫と随分仲良くなった。
十も年下の少女の言動は普段は幼げだが、頭の良さを言葉の端々に感じさせる。
自由奔放に見えて、吐き出される言葉は思慮深く、かと思えば時々は年相応の無邪気さも見せる。
周囲の人々を魅了しているのは、彼女の愛らしい姿かたちばかりではないと知った。
「……郁子さん、本当にコンラートに帰っちゃうの?」
「え?」
「ここにいたらいいのに。そしたら、いつでも弟さんと連絡とれるよ? お米だってマコちゃんが炊いてくれるよ?」
「……」
「ルータスなんか、自宅とここを年中うろうろしてるんだよ。郁子さんが一緒に行ったり来たりする必要ないじゃん。郁子さんは、うちにずっといたらいいじゃん」
「菫ちゃん……」
そのままぎゅっとしがみついてきた菫に、郁子は戸惑った。
もしかしたら菫は気丈な振りをしながらも、年若い身で授かった初めての命に不安を感じているのかもしれない。
それまでたった一人の異世界人だった彼女にとって、同郷同性の郁子の存在は心強かったのだろうか。
郁子は自分が甘えられているのだと知ると、ひどく母性本能がくすぐられた。
けれど、彼女の口から滑り出たのは、小さな「ごめんね」だった。
「菫ちゃんと一緒なら、きっと毎日楽しいでしょうね。もっとたくさん話したいし仲良くなりたいよ」
「私も!」
「うん、ありがとう。でも私、ルータスのこともまだあまり知らないの」
「え?」
しがみついていた郁子の胸元から顔を上げ、菫はぱちくりと瞳を瞬くと、首を動かしてルータスの姿を探した。
郁子も顔を巡らせて視線で彼を捕えると、いつになく神妙なその顔つきに苦笑した。
「あんな、わけわからない人と付き合うの、初めてだから。まだまだ捉え切れてないのよね。だから、もっと側にいて攻略しなきゃ」
この世界に飛ばされてきた郁子が、最初に触れた優しいひと――。
ルータスはかつて、郁子が自分を慕わしく思うのは、孵化したての雛が初めて見たものを親と思う“刷り込み”と同じなのだと言ったことがあった。
それはあながち間違いでもないかもしれないが、彼であったからこそ今の郁子があるのだとも思う。
ルータスが郁子を導いて、さらにたくさんの優しい人々――彼の兄弟や使用人達、そして菫をはじめとするグラディアトリアの人々に出会わせてくれた。
郁子のいじけてささくれ立っていた心は解け、異世界という不可解な現実も、突然もたらされた家族の存在にも向かい合えるようになった。
それも全て、支えてくれる温もりが側にあったからだ。
「ヒナみたいに、彼の後ろをついていくわ。ルータスのこともっと知りたいし、側にいたいから」
「……郁子さんは、ヒナじゃなくて飼い主みたいだけどね。ルータスって動物的だから」
「そう、動物的だからこそ、嘘はつかないのよ。だから、私も正直になるわ」
珍しく、少し緊張した面持ちのルータスが側に寄り、郁子の肩に片手を置いた。
菫を取り戻しにきたヴィオラントは、相変わらず表情のない美貌を先を促すように郁子に向けた。
そして、郁子が向かい合うのは、自分の正直な心そのもの。
「ルータスと一緒にいたいの。菫ちゃんとももっと一緒にいたいし、渡辺君にも毎晩電話したいけど、でもルータスと離れたくはないの」
その言葉を、菫は口を閉ざしてじっと聞いていた。
そして、しばらくすると笑みを作り、ぽつりと小さく「しょーがないな」と呟いた。
その笑顔が少しだけ寂しそうで、郁子の胸はちくりと痛む。
しかし、すかさず抱き上げた銀髪の男の腕の中で、少女はその整った顔をキリリと引き締め、郁子の肩を抱いたルータスを見据えた。
「ルータス、今のちゃんと聞いた? 郁子さんのこと、大事にしなきゃだよ」
「分かってる」
「また泣かしたりしたら、承知しないんだから!」
「泣かさない」
「郁子さんのこと、いっぱい連れてきてくれないと、怒るから!」
「分かった、ちゃんと連れてくる」
菫はそう言うだけ言うと、ヴィオラントの腕の中でくるりと身体を反転させて、彼の肩に顔を埋めてしまった。
くぐもった声が、「もう寝る、おやすみ」と素っ気なく告げる。
あどけない妊婦は情緒不安定で感傷的。
彼女の夫は、頬をくすぐる柔らかな黒髪を愛おしげに撫でた。
そして、心配そうな顔をしている郁子とルータスの方に妻の携帯電話を差し出すと、「また、明日」と告げて寝室へと消えて行った。
――その翌朝。
郁子は赤い目をした菫を抱き締めてから、ルータスに手を引かれて馬車に乗った。
郁子とルータスがコンラートの屋敷に帰り着いたのは、午後のお茶の時間を少しまわった頃だった。
「お帰りなさいませ、ルータス様。よくぞお戻り下さいました、イクコ様」
コンラート家のメイド長サラは、それはそれは嬉しそうな笑みを浮かべて二人を出迎えた。
「やれば出来るんじゃないですか、ルータス様」と、最上級の褒め言葉を贈りながら、彼女は主人の背中をバンバンと叩く。
「イクコ様をお連れでなかったら、屋敷にお入れしないつもりでしたのよ?」
「ここ、俺の家のはずなんだが……」
やたらと浮かれるメイド長から逃れるように、ルータスは郁子の手を引いて階段を上がる。
そうして向かったのは、始まりの場所――ルータスの私室であり、郁子が最初の現れた部屋だった。
グラディアトリアに発つ前は、四方を囲むのはただの白い壁であったはず。
けれど、異世界という存在、そして自分が世界を越えてしまったと認めた郁子の前に、“隣り合う世界”は今はっきりと姿を現した。
「……ほんとに、自転車置き場なのね」
レイスウェイク家で見た“隣り合う世界”は菫の実家のリビングであったため、双方の世界は続きの間のように見えないこともなかった。
しかし、コンラート家から見える“隣り合う世界”は、郁子が住んでいたマンションの駐輪場。
部屋の中に、いきなり屋外の一部を切り取ってはめ込んだようで、それは異様な光景だった。
時間は、午後三時を過ぎたところ。
マンションの住民が、ちらほらと駐輪場に姿を現しては消えていく。
誰一人として、郁子やルータスのいる世界に気づく様子はない。
その光景に、郁子は一瞬自分が現実から取り残されたような感覚に陥る。
しかし、それによってわき上がる焦燥や孤独を蹴散らすように、凪いだ声が「イクコ」と彼女を呼んだ。
「イクコのジテンシャ、どれ?」
「あの、真ん中の太い柱の右側から三番目。……なんだか、もう懐かしい感じがするわ」
郁子の自転車は、まだちゃんとそこにあった。
それに再び跨がることがこの先あるのかどうか、それはまだ分からない。
けれど、それが錆びて朽ちる前に、郁子は郁哉にルータスをきちんと紹介したいと思った。
彼と一緒にいることは菫が代わって説明してくれたが、恋人であるとはまだ告げていないのだ。
そしていつか――母にも。
もう顔も忘れてしまった母にも会って、ルータスを紹介できる時がくればいいなと、その時少しだけ思った。
じっと元の世界の光景を見つめる郁子を、ルータスは静かに見守っていた。
やがて、そっと手を伸ばして向こうの光景が透ける壁に触れると、「――いつか」と口を開いた。
「いつかセバスチャンの穴が大きくなって、イクコが通り抜けられるようになるかもしれない」
「うん」
「そうなった時、あっちに帰りたいと言われないように、俺は君を捕まえておくよ」
そう言って、ルータスは壁に触れていない方の手を伸ばし、郁子の腕を掴んだ。
されるがままの壁際に引き寄せられた郁子も、彼に倣ってそっと掌を壁に押し付けてみる。
明らかに普通の壁とは違う、どこかしっとりとして弾力のある、それでいて人肌のような温もりの不思議な感触。
それは彼女を元の世界に返すまいと立ち塞がっているというより、懐に包んで守ってくれているような、どこか優しささえ感じられた。
郁子は壁に触れたまま、反対の手を握っているルータスを見上げて口を開いた。
「じゃあ、私も」
「ん?」
「ルータスに、元の世界に帰ってしまえと言われないように、あなたを捕まえておくわ」
「帰れなんて、絶対に言わない」
「うん……あなたはきっと、言わないわね」
レイスウェイク家の蔦執事セバスチャンが作ったという、唯一二つの世界を繋ぐ穴は、彼の成長に合わせて少しずつ大きくなっている。
順調にいけば、いつかは人一人が通り抜けられる位の大きさになるだろう。
しかし不思議なポトスの成長はまだまだ予測がつかず、それが叶うのは一年先かもしれないし十年先かもしれない。
郁子はその時が待ち遠しくもあり、けれどそれがルータスと自分を分つものではないことを強く願った。
上機嫌のままのメイド長サラが、午後の紅茶の用意をしてやってきた。
コンラート国王夫妻からは、二人が帰ったら知らせるようにとの命があったらしく、明日はまた王城を訪ねることになりそうだ。
そういえば、王妃アマリアスが菫のために編んだケープは、レイスウェイク家での最後の夜に少女の華奢な肩をナイトドレスの上から守っていた。
それをアマリアスに伝えてやらなければと思いつつ、紅茶のカップに口を付けていた郁子は、視線を上げてぎょっとした。
向かいのソファに座っていたルータスが、ワインの栓を開けていたからだ。
「こら、ちょっと! 昼間っから、あんたは……」
「いいじゃないか、イクコだって好きだろう?」
「だから、ひとを飲ん兵衛みたいに言わないでってば……」
コルクを抜き取ったルータスは、ワインの瓶を掴んで郁子の隣に移動してきた。
そして、紅茶のカップをソーサーに戻していた彼女の手にグラスを押しつけ、ワインを注ぐ。
紅茶の茜色とは対照的な、澄んで透明な白ワイン。
ルータスは自分のグラスにもそれを注ぎ、郁子のそれと強引に乾杯をする。
かと思ったら、無防備だった唇にちゅっと口付け、呆気に取られる彼女の前でワインをぐいっとあおった。
「ちょ……いきなり何すんのよっ」
「イクコが自制しろって言うから、ヴィオラントの屋敷では随分我慢した」
「でも、まだお昼……」
「アルコールが入ったから、もう無理。待てない」
「待てないって……」
待てないと言いつつ、ルータスは郁子がグラスのワインを飲み干すのだけはじっと待った。
けれど、グラスが空になるやいなや彼女を担ぎ上げ、有無を謂わさずリビングから連れ去った。
この日、郁子は初めてコンラート家の当主の寝室に足を踏み入れた。
大きなベッドは揺りかごのよう。
武装を解いて無防備になった郁子を優しく包み込み、ふわふわとした雲のように自由な男がそれを揺らす。
誰かに心を委ねる心地よさを、郁子はもう知ってしまった。
以後、そこが二人の寝室となった。
後に、渡辺郁哉とは姉弟としての。
そして、母とは二十数年ぶりの再会のおり。
郁子はルータスの他にももう一人、彼らに紹介できる新しい家族を得ていた。
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