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11.初めての推理(2)
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「つまり、こういうケースが考えられます。犯人は、船長の命を狙っていた。船内のお掃除ロボットのスケジュールを事前に知っていて、それを利用したんです。
まず、コントロールルームににゃいぼと一緒に入室し、船長を殺害。コントロールルームの掃除が終わる直前まで、その場で待つ。そして、終わる直前に緊急ボタンを押し、アラームを鳴らす。
コントロールルームを出るにゃいぼについて行って、今度は船長の部屋へ一緒に入室。にゃいぼが船長室の掃除を終え、人に遇わないタイミングを見計らって部屋を出ていっても、犯人はそのまま船長室に隠れて、他の乗客がコントロールルーム前に集まってくるのを待つ。そうして折を見て船長室から出て、合流する――」
現場に駆けつけた順番は、宇佐美、ヒカル、エレノア、俺、あーちゃん、夢人、黒須の順だったよな……?
同じように頭の中で整理した様子のエレノアが、言った。
「その場合だと、最初にコントロールルームに駆け付けた宇佐美さん、二階の宿泊ルーム区画から一緒に行動したヒカルさん、私、そしてライさん……は犯人候補から除外。後からぽつりぽつりと間を空けて到着した、あーちゃんさん、夢人さん、黒須さんの中の誰かが犯人、ということになりますね」
「……と見せかけて、宇佐美さんが犯人で、船長室には誰も隠れていなかったというケースもあり得るじゃないか」と、自分の推理に執着を見せるヒカル。
「だから、違うって言ってるのに!」と宇佐美。
「私は二階のラウンジにいたんだってば!」あーちゃんも大きな声を上げる。
「ぼ、僕も一階の施設を見学してたんだよ、本当だ」と夢人。
「……」説明をしようとしない黒須。
「……黒須さんは、現場に到着するのが妙に遅かった、ですよね……」
特に疑っているわけではないが、理由をつきとめておきたくて、そう尋ねてみた。
「たしかに、最後にゆっくりと現れた黒須さんも、怪しいな」とヒカル。先ほど宇佐美を犯人と決めつけた口で、今度は黒須にも狙いを移したようだ。
全員からじっと見られて、黒須が仕方ないとばかりに、その重い口を開いた。
「私の部屋からエレベーターまでは一番遠い。それに、三階に上がってもいいのかどうか、すぐに判断がつかず、時間をロスした。気づいたらエレベーターが三階にあったから、誰かそこにいるのだろうと思い、向かった。それだけだ」
ゆっくりとした黒須のセリフに被せるように、ヒカルが噛みつく。
「そんなの、ここにいる全員が、コントロールルームで何かあったんだろうと予想できたことだぞ? 馬鹿なのか?」
夢人が口を挟んだ。
「あ……でも僕も、最初どこに向かえばいいかよくわからなかったけど、エレベーターが三階で止まっていたから、皆そこにいるんだろうと思って……」
「あたしも実は、皆どこ行ったの?って迷った! エレベーターが三階に上がっていったのを見て、あたしも行ってみよって思って……」
ヒカルに睨まれて、夢人と、彼に同調したあーちゃんが口をつぐむ。
収集がつかなくなりそうだったので、「落ち着け」と声をかけ、間に入った。
「そういうケースも考えられるというだけですよ。証拠はない」
結局、「アリバイがある」と考えられそうな俺、エレノア、ヒカルの「尾っぽ組」以外の単独行動した乗客なら、犯行は可能だということだ。今の段階で犯人の特定まではできない。
気分的に疲労がピークに達しそうだったので、この場はお開きとすることになった。
***
その後、マーリンさんから全員に通信メールがあり、三階担当のにゃいぼに血液が付着していたとの連絡があった。コントロールルームを掃除中に着いたのだろう。
俺の推理が濃厚となったことに、誰あろう自分が一番、驚いている。
まず、コントロールルームににゃいぼと一緒に入室し、船長を殺害。コントロールルームの掃除が終わる直前まで、その場で待つ。そして、終わる直前に緊急ボタンを押し、アラームを鳴らす。
コントロールルームを出るにゃいぼについて行って、今度は船長の部屋へ一緒に入室。にゃいぼが船長室の掃除を終え、人に遇わないタイミングを見計らって部屋を出ていっても、犯人はそのまま船長室に隠れて、他の乗客がコントロールルーム前に集まってくるのを待つ。そうして折を見て船長室から出て、合流する――」
現場に駆けつけた順番は、宇佐美、ヒカル、エレノア、俺、あーちゃん、夢人、黒須の順だったよな……?
同じように頭の中で整理した様子のエレノアが、言った。
「その場合だと、最初にコントロールルームに駆け付けた宇佐美さん、二階の宿泊ルーム区画から一緒に行動したヒカルさん、私、そしてライさん……は犯人候補から除外。後からぽつりぽつりと間を空けて到着した、あーちゃんさん、夢人さん、黒須さんの中の誰かが犯人、ということになりますね」
「……と見せかけて、宇佐美さんが犯人で、船長室には誰も隠れていなかったというケースもあり得るじゃないか」と、自分の推理に執着を見せるヒカル。
「だから、違うって言ってるのに!」と宇佐美。
「私は二階のラウンジにいたんだってば!」あーちゃんも大きな声を上げる。
「ぼ、僕も一階の施設を見学してたんだよ、本当だ」と夢人。
「……」説明をしようとしない黒須。
「……黒須さんは、現場に到着するのが妙に遅かった、ですよね……」
特に疑っているわけではないが、理由をつきとめておきたくて、そう尋ねてみた。
「たしかに、最後にゆっくりと現れた黒須さんも、怪しいな」とヒカル。先ほど宇佐美を犯人と決めつけた口で、今度は黒須にも狙いを移したようだ。
全員からじっと見られて、黒須が仕方ないとばかりに、その重い口を開いた。
「私の部屋からエレベーターまでは一番遠い。それに、三階に上がってもいいのかどうか、すぐに判断がつかず、時間をロスした。気づいたらエレベーターが三階にあったから、誰かそこにいるのだろうと思い、向かった。それだけだ」
ゆっくりとした黒須のセリフに被せるように、ヒカルが噛みつく。
「そんなの、ここにいる全員が、コントロールルームで何かあったんだろうと予想できたことだぞ? 馬鹿なのか?」
夢人が口を挟んだ。
「あ……でも僕も、最初どこに向かえばいいかよくわからなかったけど、エレベーターが三階で止まっていたから、皆そこにいるんだろうと思って……」
「あたしも実は、皆どこ行ったの?って迷った! エレベーターが三階に上がっていったのを見て、あたしも行ってみよって思って……」
ヒカルに睨まれて、夢人と、彼に同調したあーちゃんが口をつぐむ。
収集がつかなくなりそうだったので、「落ち着け」と声をかけ、間に入った。
「そういうケースも考えられるというだけですよ。証拠はない」
結局、「アリバイがある」と考えられそうな俺、エレノア、ヒカルの「尾っぽ組」以外の単独行動した乗客なら、犯行は可能だということだ。今の段階で犯人の特定まではできない。
気分的に疲労がピークに達しそうだったので、この場はお開きとすることになった。
***
その後、マーリンさんから全員に通信メールがあり、三階担当のにゃいぼに血液が付着していたとの連絡があった。コントロールルームを掃除中に着いたのだろう。
俺の推理が濃厚となったことに、誰あろう自分が一番、驚いている。
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