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本編
13 野盗
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ダークエルフ達は砦の下での休憩をやめて立ち上がると、ゆるゆるとした歩みで荒野の果てに向かって歩き始めた。
ダークエルフ達が砦から少し離れたところで、吾郎は鉄板の突き上げ窓を静かに下ろすと、その鉄板の真ん中に空いている小窓から、離れていくダークエルフ達を見つめた。
「……」
死が待っている荒野に向かって歩き去っていくダークエルフ達。
命を失うという過酷な状況にありながら、ダークエルフ達は吾郎に対して一切の救援を求めなかった。
人間がダークエルフに対して支配者層であったがゆえに、諦めも早かったのかもしれないが、それでも、自分の命がかかっているともなれば、もう少し泣き叫んで無様に足掻いても何ら不思議な事では無い。
元の世界の先進諸国に流れ込む一部の難民達の様に、助けられて当然という態度でわがままに喚き散らすでもなく、ましてや暴れるでもなく、むしろ何も声を上げず、助けてもらえないと理解をしたがゆえに、慎ましやかに死への旅へと彼女達は旅立とうとしていた。
そんなダークエルフ達の後ろ姿から吾郎は目が離せなかった。
「(せめて……食料ぐらい渡すべきだったか。いや、小さな親切がきっかけで居座られても大変な事になるし……。もし、その後でトラブルが起こり、俺の手で彼女達を追い出さねばならなくなった時、俺はもっと辛い思いをしなければならなくなる)」
吾郎は口を真一文字に結んで、ダークエルフ達の後ろ姿を見つめ続けた。
そして、彼女達が砦の安全圏を抜けたあたりで、待ち構えていたかのように黒蟻達が地面からワラワラと飛び出してきてしまう。
「……100名以上もいれば、やはり足音が響くか」
吾郎の迷惑にならない為にと、本格的な活発化前とはいえ昼行性の魔物がいる荒野の中へとあえて去っていく彼女達。
さすがに、吾郎の胸がチクリと痛んだ。
「(せめて、夜までは居させてやればよかったか……)」
だが、吾郎の後悔をよそに、ダークエルフ達は怖気づく事なく、即座に一丸となって黒蟻達と戦い始めた。
皆で隊列を組み、魔法なのだろうか、手の平から射出される火の弾が黒蟻達を火炙りにしていく。
しかし、火の玉による攻撃で討ち漏らした黒蟻達が、牙顎を開いて彼女達に襲いかかる。
次の瞬間、細長い木の棒を手に持った部隊が前に押し出すや、黒蟻達を豪快に殴りつけた。
「(魔法も肉弾戦も得意なのか……、というか、凄く強いんですが、あのダークエルフ達)」
心配して後悔したのが無駄だったのでは、と思えるほどにダークエルフの集団は強かった。
黒蟻達を見事に叩き潰した彼女達は、またゆるゆると歩き始める。
しかし、その直後、彼女達の右側の離れた場所から、何やら土煙が巻き上がりつつ、なかなかの速さで何者かが、彼女達に近づきつつあった。
「馬……?」
既に少しばかり距離が遠くなっており、何となくしか吾郎には分からなかった。
吾郎は思わず舌打ちをすると、ネット通販ウインドウを立ち上げた。
「くそ、あと2000金貨も無いってのに」
吾郎は一番安いなりにも使えそうな双眼鏡(1000金貨)を慌てて購入すると、転送されてきた箱から剥ぎ取るように取り出して、ダークエルフ達の方向に向けて覗き込んだ。
「……やはり、馬か」
吾郎が双眼鏡で土煙の方を確認してみると、二頭の馬とそれに跨る野盗風の身なりをした人間の男が視認できた。
それぞれの腰には鞘に収まった剣をぶら下げている。
ダークエルフ達も野盗に気がついたのか、棒を装備した近接部隊が仲間を守るように前に迫り出して壁を作った。
野盗は馬上で腰の剣を抜くと、剣を掲げて振り回しながら、何やら奇声を上げ始める。
そして、ダークエルフの棒部隊と野盗が接触した瞬間、ダークエルフの持っていた棒は、いとも簡単に一刀の元に両断されてしまい、そのまま返す刃で二人が斬り捨てられてその場に倒れこんだ。
残りの棒部隊は棒を前にかざしながら、ただただ必死に壁を作っている。
野盗は馬を片手で器用に操りながら旋回しつつ戻ってくると、また棒を斬り折りつつダークエルフをも斬り捨てる。
そのあまりにもな防戦一方ぶりに、吾郎は思わず悪態をついた。
「おいおい、何をやってんだ。どうしてさっきみたいに火の玉を使わない! というか黒蟻を叩き潰せる棒でも攻撃をしろよ!」
野盗共が一方的にダークエルフの棒部隊を蹂躙(じゅうりん)すると、やがてそこには荒野に倒れこむダークエルフ達だけが残った。
ダークエルフ棒部隊の始末を終えた野盗達は、残りのダークエルフの元に寄るや彼女達の周りを馬に乗りながらぐるぐると回った。
残りのダークエルフ達は恐怖で身が竦んでいるのか、その場で立ち止まったまま集団で身を寄せあっていた。
しばらくすると、おもむろに一人の男が馬から下りて、馬の口に付いているヒモを杭で地面に固定させてから、ダークエルフの集団に近づいていくと、手に持っていた縄で彼女達の首を結び始める。
怯えながらも無抵抗のままで、されるがままのダークエルフ達。
一人、勇敢なダークエルフが素手のままでこの野盗に縋り付くが、野盗から全力で頬を殴られてしまい、その場に崩れ落ちた。
男は実に嬉しそうな笑みを浮かべながら、ダークエルフ達の首を次々と縄で結び繋いでいく。
「……ダークエルフを奴隷として扱う奴等か」
もう一人の男も馬から下りると、馬のヒモを杭で地面に固定してから、ダークエルフの集団の中に入っていく。
こちらも下衆な笑みを浮かべつつ、ダークエルフ達をジロジロと舐め回すように見回していた。
やがて、気に入った見た目のダークエルフを見つけたのか、その腕を取ると集団から引き離してからその場にねじ伏せるや、その美しいダークエルフの体に覆い被さり始めた。
「ほぼ、無抵抗ではないか」
先ほどの黒蟻の群れを見事な連携攻撃で殲滅していた、強きダークエルフの彼女達であったのに、たった二人の人間の男の前では、まるでか弱い小鳥の様に震えながら怯えており、ただただ蹂躙されるがままとなっている。
「あいつらが強いのか?」
しかし、双眼鏡から見える野盗風の二人組からは、それほど大した威圧感は感じなかった。
ダークエルフな彼女達の首に縄を付けていた男が、縄を引っ張ると十数人のダークエルフ達が前につんのめる様に引き連れられて馬の鞍に結び止められた。
一仕事を終えて満足したのか、先ほどの男と同じように、他のダークエルフを物色し始める。
気に入った者を見つけたのかその腕を引くと、その場から引き離して地面にねじ伏せるや、その豊満かつ美しい体に覆い被さった。
たった二人の平凡な人間の男に、全くもってなすがままで、無抵抗な100人近くのダークエルフ達。
「いや、だから、なぜ戦わないんだ。あの魔法で燃やせばいいだろう? あの棒で叩けばいいだろう?」
しかし、無様に縄で首を結ばれた仲間を前にして、野盗風の男に組み伏せられて、体をまさぐられている仲間を前にして、残りのダークエルフ達は皆、悲しそうな表情を浮かべたまま俯くように立ち尽くしているだけだった。
「なにか、理由があるのか? 逆らえない理由が……。にしても、ったく!」
吾郎は異世界に来てから一番大きなため息を吐き捨てた。
正直、これ以上、見るに堪えない光景であったし、さすがに気分の悪さが極限状態であった。
「あのダークエルフ達がわがまま放題な難民達だったのならば、こちらもせいせいもするところなんだがな……」
吾郎はダンプポーチのマガジンとエアガンを確認する。
「俺に対して気を使ってくれた事に対しては、せめてもの礼は返してやるか」
吾郎はもう一度ため息を盛大に吐き捨てると、すぐに二階に駆け下りて鉄の扉を開けて外に飛び出る。
赤ワイン色のマントをはためかせながら砦の外壁に沿って作られた階段を駆け下りると、颯爽と荒野に降り立った。
「……」
吾郎はそのまま荒野を小走りに駆けて、100人近いダークエルフ達が二人の野盗に襲われている場所へと迫っていくのだった。
ダークエルフ達が砦から少し離れたところで、吾郎は鉄板の突き上げ窓を静かに下ろすと、その鉄板の真ん中に空いている小窓から、離れていくダークエルフ達を見つめた。
「……」
死が待っている荒野に向かって歩き去っていくダークエルフ達。
命を失うという過酷な状況にありながら、ダークエルフ達は吾郎に対して一切の救援を求めなかった。
人間がダークエルフに対して支配者層であったがゆえに、諦めも早かったのかもしれないが、それでも、自分の命がかかっているともなれば、もう少し泣き叫んで無様に足掻いても何ら不思議な事では無い。
元の世界の先進諸国に流れ込む一部の難民達の様に、助けられて当然という態度でわがままに喚き散らすでもなく、ましてや暴れるでもなく、むしろ何も声を上げず、助けてもらえないと理解をしたがゆえに、慎ましやかに死への旅へと彼女達は旅立とうとしていた。
そんなダークエルフ達の後ろ姿から吾郎は目が離せなかった。
「(せめて……食料ぐらい渡すべきだったか。いや、小さな親切がきっかけで居座られても大変な事になるし……。もし、その後でトラブルが起こり、俺の手で彼女達を追い出さねばならなくなった時、俺はもっと辛い思いをしなければならなくなる)」
吾郎は口を真一文字に結んで、ダークエルフ達の後ろ姿を見つめ続けた。
そして、彼女達が砦の安全圏を抜けたあたりで、待ち構えていたかのように黒蟻達が地面からワラワラと飛び出してきてしまう。
「……100名以上もいれば、やはり足音が響くか」
吾郎の迷惑にならない為にと、本格的な活発化前とはいえ昼行性の魔物がいる荒野の中へとあえて去っていく彼女達。
さすがに、吾郎の胸がチクリと痛んだ。
「(せめて、夜までは居させてやればよかったか……)」
だが、吾郎の後悔をよそに、ダークエルフ達は怖気づく事なく、即座に一丸となって黒蟻達と戦い始めた。
皆で隊列を組み、魔法なのだろうか、手の平から射出される火の弾が黒蟻達を火炙りにしていく。
しかし、火の玉による攻撃で討ち漏らした黒蟻達が、牙顎を開いて彼女達に襲いかかる。
次の瞬間、細長い木の棒を手に持った部隊が前に押し出すや、黒蟻達を豪快に殴りつけた。
「(魔法も肉弾戦も得意なのか……、というか、凄く強いんですが、あのダークエルフ達)」
心配して後悔したのが無駄だったのでは、と思えるほどにダークエルフの集団は強かった。
黒蟻達を見事に叩き潰した彼女達は、またゆるゆると歩き始める。
しかし、その直後、彼女達の右側の離れた場所から、何やら土煙が巻き上がりつつ、なかなかの速さで何者かが、彼女達に近づきつつあった。
「馬……?」
既に少しばかり距離が遠くなっており、何となくしか吾郎には分からなかった。
吾郎は思わず舌打ちをすると、ネット通販ウインドウを立ち上げた。
「くそ、あと2000金貨も無いってのに」
吾郎は一番安いなりにも使えそうな双眼鏡(1000金貨)を慌てて購入すると、転送されてきた箱から剥ぎ取るように取り出して、ダークエルフ達の方向に向けて覗き込んだ。
「……やはり、馬か」
吾郎が双眼鏡で土煙の方を確認してみると、二頭の馬とそれに跨る野盗風の身なりをした人間の男が視認できた。
それぞれの腰には鞘に収まった剣をぶら下げている。
ダークエルフ達も野盗に気がついたのか、棒を装備した近接部隊が仲間を守るように前に迫り出して壁を作った。
野盗は馬上で腰の剣を抜くと、剣を掲げて振り回しながら、何やら奇声を上げ始める。
そして、ダークエルフの棒部隊と野盗が接触した瞬間、ダークエルフの持っていた棒は、いとも簡単に一刀の元に両断されてしまい、そのまま返す刃で二人が斬り捨てられてその場に倒れこんだ。
残りの棒部隊は棒を前にかざしながら、ただただ必死に壁を作っている。
野盗は馬を片手で器用に操りながら旋回しつつ戻ってくると、また棒を斬り折りつつダークエルフをも斬り捨てる。
そのあまりにもな防戦一方ぶりに、吾郎は思わず悪態をついた。
「おいおい、何をやってんだ。どうしてさっきみたいに火の玉を使わない! というか黒蟻を叩き潰せる棒でも攻撃をしろよ!」
野盗共が一方的にダークエルフの棒部隊を蹂躙(じゅうりん)すると、やがてそこには荒野に倒れこむダークエルフ達だけが残った。
ダークエルフ棒部隊の始末を終えた野盗達は、残りのダークエルフの元に寄るや彼女達の周りを馬に乗りながらぐるぐると回った。
残りのダークエルフ達は恐怖で身が竦んでいるのか、その場で立ち止まったまま集団で身を寄せあっていた。
しばらくすると、おもむろに一人の男が馬から下りて、馬の口に付いているヒモを杭で地面に固定させてから、ダークエルフの集団に近づいていくと、手に持っていた縄で彼女達の首を結び始める。
怯えながらも無抵抗のままで、されるがままのダークエルフ達。
一人、勇敢なダークエルフが素手のままでこの野盗に縋り付くが、野盗から全力で頬を殴られてしまい、その場に崩れ落ちた。
男は実に嬉しそうな笑みを浮かべながら、ダークエルフ達の首を次々と縄で結び繋いでいく。
「……ダークエルフを奴隷として扱う奴等か」
もう一人の男も馬から下りると、馬のヒモを杭で地面に固定してから、ダークエルフの集団の中に入っていく。
こちらも下衆な笑みを浮かべつつ、ダークエルフ達をジロジロと舐め回すように見回していた。
やがて、気に入った見た目のダークエルフを見つけたのか、その腕を取ると集団から引き離してからその場にねじ伏せるや、その美しいダークエルフの体に覆い被さり始めた。
「ほぼ、無抵抗ではないか」
先ほどの黒蟻の群れを見事な連携攻撃で殲滅していた、強きダークエルフの彼女達であったのに、たった二人の人間の男の前では、まるでか弱い小鳥の様に震えながら怯えており、ただただ蹂躙されるがままとなっている。
「あいつらが強いのか?」
しかし、双眼鏡から見える野盗風の二人組からは、それほど大した威圧感は感じなかった。
ダークエルフな彼女達の首に縄を付けていた男が、縄を引っ張ると十数人のダークエルフ達が前につんのめる様に引き連れられて馬の鞍に結び止められた。
一仕事を終えて満足したのか、先ほどの男と同じように、他のダークエルフを物色し始める。
気に入った者を見つけたのかその腕を引くと、その場から引き離して地面にねじ伏せるや、その豊満かつ美しい体に覆い被さった。
たった二人の平凡な人間の男に、全くもってなすがままで、無抵抗な100人近くのダークエルフ達。
「いや、だから、なぜ戦わないんだ。あの魔法で燃やせばいいだろう? あの棒で叩けばいいだろう?」
しかし、無様に縄で首を結ばれた仲間を前にして、野盗風の男に組み伏せられて、体をまさぐられている仲間を前にして、残りのダークエルフ達は皆、悲しそうな表情を浮かべたまま俯くように立ち尽くしているだけだった。
「なにか、理由があるのか? 逆らえない理由が……。にしても、ったく!」
吾郎は異世界に来てから一番大きなため息を吐き捨てた。
正直、これ以上、見るに堪えない光景であったし、さすがに気分の悪さが極限状態であった。
「あのダークエルフ達がわがまま放題な難民達だったのならば、こちらもせいせいもするところなんだがな……」
吾郎はダンプポーチのマガジンとエアガンを確認する。
「俺に対して気を使ってくれた事に対しては、せめてもの礼は返してやるか」
吾郎はもう一度ため息を盛大に吐き捨てると、すぐに二階に駆け下りて鉄の扉を開けて外に飛び出る。
赤ワイン色のマントをはためかせながら砦の外壁に沿って作られた階段を駆け下りると、颯爽と荒野に降り立った。
「……」
吾郎はそのまま荒野を小走りに駆けて、100人近いダークエルフ達が二人の野盗に襲われている場所へと迫っていくのだった。
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