異世界ダークエルフの守護者 -Master of Dark Elf-

あんたれす

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本編

20 食糧援助

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 吾郎は通販ウインドウに浮かぶ商品類を見つめながら思案していた。

「(……とりあえず、先程の水であの反応だからな。あまり彼女達の生活レベルから逸脱しない方が良いだろう。元の世界の過剰な美食を与えてショックを受けられても困るし、それで更に仰々しく畏まられても俺がより困るだけだ)」

 吾郎はそう考えて、相談役が教えてくれたダークエルフ達の普段の食事になるべく寄せながら商品を選んでいった。


 ・北海道産ジャガイモ 250金貨
(5個入)

 ・ロールパン 150金貨
(6個入)

 ・ペットボトル水 2本 200金貨
(2L)

 ・寸胴鍋 2500金貨
(21cm、家庭用)

 ・カセットコンロ 2500金貨

 ・カセットガス3本組 1000金貨

 ・お玉 500金貨

 ・ペティナイフ 10本 15000金貨
(調理用、強力な武器にならないように果物ナイフ並に小さい物)

 ・使い捨てどんぶり 3000金貨
(150個)

 ・使い捨てスプーン 1500金貨
(150本)

 合計、26600金貨。


「(先程の大変だった狩りで、15万近くは稼げたわけだが、いきなりの出費だなこれは……。でも命懸けで助けてもらった恩を返すのにケチる訳にはいかないしな)」

 吾郎は眼前の通販ウインドウ内に浮かぶ購入ボタンを戸惑うこと無く押すと、商品類が淡い金色に輝く光の粒子に包まれながら現れた。

「さて、始めるか」

 吾郎は早速テキパキと準備に取りかかる。

 カセットコンロとガスをセットして、本体強度と火力を上げつつ省エネ化でほぼ無限に使えるように強化してから、本体も程よく巨大化。

 その上に、家庭用の平凡な寸胴を乗せて業務用並に巨大化させてから、それに合わせて巨大化したお玉を寸胴の中に入れておく。

 次いで、スープ用に購入したペットボトル水を巨大化し、ダークエルフ100人近くがお腹いっぱいに食べられるようにジャガイモとロールパンも巨大化させておいた。

 最後に、先程、巨大化させたペットボトルサーバーを元の大きさに戻してから、空になりつつあるペットボトルを外して、新しいペットボトルを装着後に再度巨大化させて水の補給をしておいてあげる。

「ふぅ……。さて、これで一応の準備は整ったから、後は自分達で調理はできるよな?」

「……」

 ダークエルフの相談役は、巨大化されたジャガイモとロールパンを見つめながら呆然としていた。

「見た目は異様なぐらいに大きくしてしまったが、物と中身は一緒だから味は大丈夫だぞ」

「い、いえ、その、先程に続いて食材すらも巨大化してしまう砦の人間殿の魔法にも驚きなのですが、そもそもとして、その、あの、このジャガイモとパンの綺麗さが何とも美しくて……」

「綺麗さ?」

 吾郎がいまいち言葉の意味が分からないという風に聞き返すと、ダークエルフの相談役は呆然としつつもコクコクと小さく頷きながら答えてくれた。

「は、はい。私達が普段食べていたのは、人間の方達が食べられなくなり捨てるしかなくなったクズと呼ばれる芋などであり、パンもカビまみれで石のように固くなった物です」

「……ああ、なるほど」

 吾郎は指先で頭をポリポリと掻きながら納得した。

「(さすがに痛んだ食料品は通販では買えないからな。結局、先程の水と同じで、ただのジャガイモやパンでさえも、彼女達にとっては口にした事も無い高級品になってしまうというわけか)」

 吾郎は、それでも彼女達の生活レベルに寄せておこうとしたことが間違いでは無かったと安堵した。

「(これで、これらにあと少しでも何かを加えていたら大変な事になっていたな。いやはや、塩などの調味料をどうするか悩みどころだったが、とりあえず今はまだ加えなくて正解だったというところか)」

 吾郎は心のなかで安堵のため息を吐いた。

 吾郎はダークエルフの相談役にカセットコンロの火の点け方を軽く教えると、そのまま砦に向かって歩き出した。

 そんな吾郎の背中にダークエルフの相談役は慌てて声をかける。

「――え!? あ、あの!? と、砦の人間殿!? これら食料などの感謝がまだ!? それに、皆からも感謝の言葉を捧げさせて頂かないと!!」

 吾郎は顔だけで振り返りつつ手を振った。

「あー、いいよいいよ。これでさっきの助けてもらった礼はできたから、後は、皆でゆっくり食べてくれ」

 吾郎は気怠そうにそう答えると、そのまま砦へと戻って行くのだった。
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