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第一章
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三年生の松崎陽花の心境は馬鹿にされたと素直にとらえた。
文芸部の副会長を務める陽花は出版社のホームページに掲載された新人賞の最終選考結果を見ていた。自分の名前が載っていない。人知れずため息が出た。
また落ちた。もう何度目だろうか。
文芸の世界はいつも紙一重。自分がいつも最後のところで受賞できない。ただそれは幸運の女神が見てくれないから。空は明るく手を伸ばせば太陽はそこになるのに決して届かない。
空にたどり着くには翼を持った人間が必要だ。陽花は自らの小説を書く一方で志麻の秘書も務め不満を和らげた。
志麻の予定は実に多忙を極めている。メディアの取材、テレビ出演など。学業をこなしつつ人気作家として世間に売り出していく必要がある。大体の面倒を陽花が見ていた。
陽花と志麻の関係は陰と陽。
ふしだらな主人公をステージに立たせることが影である自分の仕事。でも、いつかは自分もステージに立つときが来る。今は下積みだ。
スケジュールを見て再編成しないといけない。油を売っている暇はない。どうもタイトすぎる。これだけの日程を組んだら志麻が遅刻をするのは確実だろう。
メディアに頼んで落とすしかないと苦しんでいたところだった。
全くどうしてこんなに勝手なの?
文芸部の副会長を務める陽花は出版社のホームページに掲載された新人賞の最終選考結果を見ていた。自分の名前が載っていない。人知れずため息が出た。
また落ちた。もう何度目だろうか。
文芸の世界はいつも紙一重。自分がいつも最後のところで受賞できない。ただそれは幸運の女神が見てくれないから。空は明るく手を伸ばせば太陽はそこになるのに決して届かない。
空にたどり着くには翼を持った人間が必要だ。陽花は自らの小説を書く一方で志麻の秘書も務め不満を和らげた。
志麻の予定は実に多忙を極めている。メディアの取材、テレビ出演など。学業をこなしつつ人気作家として世間に売り出していく必要がある。大体の面倒を陽花が見ていた。
陽花と志麻の関係は陰と陽。
ふしだらな主人公をステージに立たせることが影である自分の仕事。でも、いつかは自分もステージに立つときが来る。今は下積みだ。
スケジュールを見て再編成しないといけない。油を売っている暇はない。どうもタイトすぎる。これだけの日程を組んだら志麻が遅刻をするのは確実だろう。
メディアに頼んで落とすしかないと苦しんでいたところだった。
全くどうしてこんなに勝手なの?
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