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第二章 宮内恵
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大江戸線都庁前駅の出口を上がった先にセントラルパークホテルがあり、一階ラウンジに宮内恵は相手を待っていた。
「お疲れ様です」
「かけて」
「急に呼び出してなんでしょう?」
「あなたがこっちの味方だと思わなかった」
宮内恵は目の前に座っている穂香を見てほほ笑んだ。テーブルに散りばめられた。
七川蒔。元営業第一部長。PCから送られてきた客先とのスキャンダル写真により失脚し、その後売上の着服がばれ会社にはいない。
おかげで恵は営業部執行役員に地位を得た。
「いいわよ、閉まって。こんな写真、私が取らせたみたいじゃない?」
「保険ですよ。恵さんの側についたのは蒔さんから送られてきたスキャンダルを見て決めただけですから。私は得になる方につくだけ」
蒔のスキャンダル写真は穂香が取ったものではない。状況がわからない。じゃあ誰が取ったのだろう。
「じゃあ私の弱みも握っているのかしら?」
「さあ。とにかく私は得になる方に付くだけですから。それで、私に何か?」
「不安だったのよ。あなたのこと知らないから」
「知ってどうします?」
これ以上の詮索に意味はなさそうだったので、恵は聞くのをやめた。
「まあいいわ」
恵は営業第一部の社員の切り崩しを図っていた。蒔の派閥が強く未だに反発がある中で、身内を増やしたかった。
数こそ正義。恵は三十七年間生きてきて体に身に染みて培ってきたのは血も涙もない論理だった。痛いほど体に刻み込まれている価値観が恵を今日まで生かした。
「報酬は現金でいただけるなら」
「あるわよ。そのつもりであなたを呼んだの」
恵はハンドバックから白いハンカチに隠れた札束を差し出した。
「さすが。役員ともなれば太っ腹ですね」
「その代わりしっかりやってよね」
穂香は悪い顔つきで笑うと席を立つ。正直厳しい勝負であったことは否定しない。穂香が完全にいなくなったことを確かめるとロビーのエレベーターに乗り込む。
「お疲れ様です」
「かけて」
「急に呼び出してなんでしょう?」
「あなたがこっちの味方だと思わなかった」
宮内恵は目の前に座っている穂香を見てほほ笑んだ。テーブルに散りばめられた。
七川蒔。元営業第一部長。PCから送られてきた客先とのスキャンダル写真により失脚し、その後売上の着服がばれ会社にはいない。
おかげで恵は営業部執行役員に地位を得た。
「いいわよ、閉まって。こんな写真、私が取らせたみたいじゃない?」
「保険ですよ。恵さんの側についたのは蒔さんから送られてきたスキャンダルを見て決めただけですから。私は得になる方につくだけ」
蒔のスキャンダル写真は穂香が取ったものではない。状況がわからない。じゃあ誰が取ったのだろう。
「じゃあ私の弱みも握っているのかしら?」
「さあ。とにかく私は得になる方に付くだけですから。それで、私に何か?」
「不安だったのよ。あなたのこと知らないから」
「知ってどうします?」
これ以上の詮索に意味はなさそうだったので、恵は聞くのをやめた。
「まあいいわ」
恵は営業第一部の社員の切り崩しを図っていた。蒔の派閥が強く未だに反発がある中で、身内を増やしたかった。
数こそ正義。恵は三十七年間生きてきて体に身に染みて培ってきたのは血も涙もない論理だった。痛いほど体に刻み込まれている価値観が恵を今日まで生かした。
「報酬は現金でいただけるなら」
「あるわよ。そのつもりであなたを呼んだの」
恵はハンドバックから白いハンカチに隠れた札束を差し出した。
「さすが。役員ともなれば太っ腹ですね」
「その代わりしっかりやってよね」
穂香は悪い顔つきで笑うと席を立つ。正直厳しい勝負であったことは否定しない。穂香が完全にいなくなったことを確かめるとロビーのエレベーターに乗り込む。
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