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第3章 諸王の会議
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すっかり変わっちまった。全然違う街並になっている。外壁なんて大層なものはなかったし、都は緑が生い茂っていた。なのに、今はずいぶんとお堅いじゃないか。見渡せば煉瓦造りの家が多い。
でも宮殿だけは不変だ。おっと誰かいる。
「久しいなあ。懐かしの我が家!」
幹道には人はいない。せっかく帰ってきたというのに、嫌われちまったか。
宮殿の近くまでやってきて感じる。このカチカチの、無機質な建造物が嫌いだった。いかめしくて、何の自由も許してくれない感じがとても不愉快だ。
事実宮廷内での生活は、常に礼法を習うことばかりだった。全てはこの女のまま動かされていた。制約された日々……自由なき生活……
「お久しぶり」
烈王は、自分を辺境の地に追いやった女を一瞥した。相変わらず美しかった。苦々しく思うほど、涼やかな顔は十年という歳月を隔てても変わりがない。
「ええ、御変わりなく」
彼はすでに二十を過ぎた大人だった。社交辞令という術を会得していた。
「あと一人、どうしたのかしらね?」
夕美は笑う。あざけるような笑顔は相変わらず厭味ったらしい。こちらも全然変わっていない。
「さあ、いつも一緒じゃないからね、知らん」彼は嘘をつく。意味のない嘘を。
「ここだよ」
一同、声のする方を向く。気づけは最後の王がいた。四ノ国王、聡士。王名から死の王、死の魔術師と言われている。烈王の友人にして、同盟者であった。
この世のあらゆる謀略は、彼が淵源となっている。陰で言われるほど見えないところで力を誇示している男がそこにいる。
「全員、そろったようね。残念なことに、伍の王が寿命を迎えてしまわれたわ」
「本当に、唐突だね」
「ああ、惜しい人を亡くしちゃったなあ。彼から色々と魔術をまだ学びたかった」
彼は心からお悔やみを述べているようだが全くの本心ではない。
「陛下がお待ちよ。皆さん心してね」
「はい」
人一倍うずうずしているのが、猛留であった。久しぶりの姉弟の対面だ。忘れるわけがないあの日。放逐された日。忘れ去られた日。彼の心の篩は過去への怒りで満ち溢れ、今にも零れ落ちそうだ。
やがて皆が思い出す瞬間が訪れる。わが身を見ておののく。烈王の名とともに。
でも宮殿だけは不変だ。おっと誰かいる。
「久しいなあ。懐かしの我が家!」
幹道には人はいない。せっかく帰ってきたというのに、嫌われちまったか。
宮殿の近くまでやってきて感じる。このカチカチの、無機質な建造物が嫌いだった。いかめしくて、何の自由も許してくれない感じがとても不愉快だ。
事実宮廷内での生活は、常に礼法を習うことばかりだった。全てはこの女のまま動かされていた。制約された日々……自由なき生活……
「お久しぶり」
烈王は、自分を辺境の地に追いやった女を一瞥した。相変わらず美しかった。苦々しく思うほど、涼やかな顔は十年という歳月を隔てても変わりがない。
「ええ、御変わりなく」
彼はすでに二十を過ぎた大人だった。社交辞令という術を会得していた。
「あと一人、どうしたのかしらね?」
夕美は笑う。あざけるような笑顔は相変わらず厭味ったらしい。こちらも全然変わっていない。
「さあ、いつも一緒じゃないからね、知らん」彼は嘘をつく。意味のない嘘を。
「ここだよ」
一同、声のする方を向く。気づけは最後の王がいた。四ノ国王、聡士。王名から死の王、死の魔術師と言われている。烈王の友人にして、同盟者であった。
この世のあらゆる謀略は、彼が淵源となっている。陰で言われるほど見えないところで力を誇示している男がそこにいる。
「全員、そろったようね。残念なことに、伍の王が寿命を迎えてしまわれたわ」
「本当に、唐突だね」
「ああ、惜しい人を亡くしちゃったなあ。彼から色々と魔術をまだ学びたかった」
彼は心からお悔やみを述べているようだが全くの本心ではない。
「陛下がお待ちよ。皆さん心してね」
「はい」
人一倍うずうずしているのが、猛留であった。久しぶりの姉弟の対面だ。忘れるわけがないあの日。放逐された日。忘れ去られた日。彼の心の篩は過去への怒りで満ち溢れ、今にも零れ落ちそうだ。
やがて皆が思い出す瞬間が訪れる。わが身を見ておののく。烈王の名とともに。
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