女子高生探偵:千影&柚葉

naomikoryo

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第1章:開かずのアパート

第33話:「最後の扉」

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——松風荘・非常口前。

 遠ざかる黒いフードの男たち。

 警察のサイレンが響く中、千影たちはその場に立ち尽くしていた。

 千影のスマートフォンには、"先生"からの不気味なメッセージが表示されている。

『お母さんは、まだ"ここ"にいる。
 松風荘の地下に、もう一つの"扉"がある。
 それが最後の鍵だ。——先生より』

「……どういうこと?」

 美咲が息を呑みながら、スマートフォンの画面を覗き込む。

「地下に、"もう一つの扉"……?」

「そんなの、さっきの地下室にはなかったよね!?」

 柚葉が混乱した表情を浮かべる。

「そうね。でも、"先生"がこんなことを言うからには、本当に何かがあるはずよ」

 千影はスマートフォンをポケットにしまい、静かに言った。

「……戻るわよ」

「えぇぇぇ!? さっき死ぬかと思ったのに、また戻るの!?」

「ここで引き返せば、美咲ちゃんのお母さんは永遠に見つからないわ」

「それは……そうだけど……」

「千影……私も行く」

 美咲が震える声で言った。

「さっきの映像を見て、お母さんがまだ生きてるかもしれないって分かった……。なら、絶対に助けたい……!」

「……分かった」

 千影は静かに頷く。

「じゃあ、もう一度地下室を調べましょう」


 ——松風荘・地下室。

 再び戻った地下室。

 催涙スプレーの影響がまだ少し残っていたが、すでに黒いフードの男の姿はなかった。

「"もう一つの扉"って、どこにあるの……?」

 美咲が不安そうに周囲を見渡す。

「どこかに隠されているはずよ」

 千影は冷静に部屋を調べ始める。

 壁に沿って歩きながら、古びた棚や机をじっくりと確認する。

 そして——

「……おかしいわね」

「え?」

「この壁、他と違うわ」

 千影が手を当てたのは、地下室の奥にあるレンガの壁。

「コンコン……」

 軽く叩くと——中が空洞になっている音がした。

「……!!」

「ここ、壁じゃない……!」

 千影は懐からナイフを取り出し、壁の端を慎重に削る。

 すると——

「……! これ、ただのレンガじゃない!」

 ナイフがレンガの隙間に入り込み、少しずつ剥がれ落ちる。

 そして、数分後——

隠し扉が現れた。

「嘘……こんなの、本当にあるの……!?」

「"先生"の言っていた"最後の鍵"……これね」

 千影はドアノブを掴み、ゆっくりと回した。

——ギィ……。

 古びた扉が音を立てて開く。

 そこに広がっていたのは——


 ——地下通路。

 扉の向こうには、さらに奥へと続く暗い通路が広がっていた。

「な、なにここ……!?」

「地下が……まだ続いてる……!?」

「やっぱり、松風荘はただのアパートじゃなかったのね」

 千影は慎重にライトを照らしながら、通路の中へと足を踏み入れる。

「ここに、お母さんが……?」

「可能性は高いわね」

 千影は美咲の手を握る。

「いい? ここからは、私たちの"本当の戦い"よ」

「……うん……!」

 美咲が力強く頷く。

「じゃあ、行くわよ」

 三人は覚悟を決め、松風荘の地下に隠された"最後の扉"の向こうへと進んでいった——。
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