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第20話:ジャージが動く理由と、倉庫の鍵の謎(2/4)
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~“赤ジャージ”は、誰かを待っていた~
「なあ、今の見た!?ジャージ、ガチで動いてたよな!?自立してた!?自我あるの!?えっ、ジャージって歩くの!?」
マコトは張り込み後、興奮が抜けきらないまま生徒会室で暴走していた。
「深夜に赤い布が這ってきたんだよ!?
あれもう完全に“都市伝説から出張してきた系”じゃん!!」
「落ち着け」と蓮が無言で紙コップのお茶を手渡す。
「ありがとう……(ズズーッ)……おかわり」
「落ち着いてないだろ」
一方で、佐伯が撮影した決定的瞬間の連続写真を、早紀と詩織が確認していた。
「……やっぱり自立はしてない。
ただ、這ってるような……まるで中に小動物でも入ってるみたいな動き」
「でもこの動き、不自然に“曲がる”タイミングがある。
誰かが“糸”で引いてる……とか?」
「そんな道具があれば痕跡が残るはず。でも、現場には仕掛けらしきものはなし」
「ということは……やっぱり、倉庫の中から“何か”がジャージを運び出している?」
「中の“何か”って何よ!?G!?ネズミ!?」
「そこに着目するのがマコトらしいというか……」
と早紀が眉間を揉む。
■鍵の管理に不自然な点
翌日、詩織が体育倉庫の鍵の貸出記録を調べて戻ってきた。
「やっぱり……ある日の記録だけ、空白になってる」
「貸出記録に“誰が借りたか書いてない”日があるってこと?」
「正確には、“鍵を出した記録はあるのに、誰に渡したかが未記入”って状態」
「それってつまり――」
「“鍵を勝手に持っていった”か、“誰かが代筆した”ってことよ」
マコトがテーブルにバンと両手を置く。
「ここから仮説を立てる!」
🧠マコトの推理ボード(仮)
✅ 体育倉庫から赤ジャージが“動いて出てきた”
✅ ただし、中に誰かが入っていた痕跡なし
✅ 紐や道具もなし。仕掛けの痕跡もなし
✅ 倉庫の鍵は誰かが“記録なし”で借用
✅ 被害は「赤ジャージ」「テーピング」「メガホン」……?
(ぐるぐるマコト脳内)
「つまりこれは――
誰かが、倉庫を使って“何かのリハーサル”をしていた可能性が高い!」
「リハーサル?」
「だって、盗むにしては持ち出す物が微妙すぎる。
ジャージ、テーピング、メガホン……全部“運動部の日常道具”じゃん。しかもバレーボール部限定っぽい!」
美穂が思い出したように言う。
「あ、それ聞いたことある!
女バレの2年で、最近部活来てない子がいるって」
■“もう来ないはずの子”の影
その名前は――河合 美晴(かわい みはる)。
女子バレー部2年。
数週間前、足のケガで活動休止。現在も復帰未定。
一時的に別室登校、昼休みにしか顔を出していない。
「それってつまり、“夜の部活”にも、当然来てないってこと?」
「でも、目撃された“ジャージ”は、女バレの練習着仕様だよ?」
「……まさか」
マコトがゆっくりと口を開いた。
「あれ、本人じゃないのかもしれない……でも、“誰かがその子のために練習を続けてた”とか……?」
「一緒にやってた誰かが?」
「もしくは……“もう来ない”と思って、
せめてあのジャージだけでも最後に“コートに出してあげよう”とした誰か」
早紀の顔がわずかに揺れる。
「……それ、ちょっと泣けるんだけど」
綾小路が目を伏せて、ぽつりとつぶやく。
「……舞台でもあるんだよ。
“出られなかったあの子のために、舞台装置だけ動かす”って演出。
だから観客は、いない役を想像で補う。……きっと、これも同じ」
マコトはぐっと拳を握った。
「――次は、“中の人”と会わないと。
ジャージを動かしてたのは誰なのか。
そして、どうしてそんなことをしてたのか」
その夜、もう一度、倉庫の中から“何か”が現れる。
だが今回は――マコトが、真正面からそれを迎え撃つ。
◆つづく◆
「なあ、今の見た!?ジャージ、ガチで動いてたよな!?自立してた!?自我あるの!?えっ、ジャージって歩くの!?」
マコトは張り込み後、興奮が抜けきらないまま生徒会室で暴走していた。
「深夜に赤い布が這ってきたんだよ!?
あれもう完全に“都市伝説から出張してきた系”じゃん!!」
「落ち着け」と蓮が無言で紙コップのお茶を手渡す。
「ありがとう……(ズズーッ)……おかわり」
「落ち着いてないだろ」
一方で、佐伯が撮影した決定的瞬間の連続写真を、早紀と詩織が確認していた。
「……やっぱり自立はしてない。
ただ、這ってるような……まるで中に小動物でも入ってるみたいな動き」
「でもこの動き、不自然に“曲がる”タイミングがある。
誰かが“糸”で引いてる……とか?」
「そんな道具があれば痕跡が残るはず。でも、現場には仕掛けらしきものはなし」
「ということは……やっぱり、倉庫の中から“何か”がジャージを運び出している?」
「中の“何か”って何よ!?G!?ネズミ!?」
「そこに着目するのがマコトらしいというか……」
と早紀が眉間を揉む。
■鍵の管理に不自然な点
翌日、詩織が体育倉庫の鍵の貸出記録を調べて戻ってきた。
「やっぱり……ある日の記録だけ、空白になってる」
「貸出記録に“誰が借りたか書いてない”日があるってこと?」
「正確には、“鍵を出した記録はあるのに、誰に渡したかが未記入”って状態」
「それってつまり――」
「“鍵を勝手に持っていった”か、“誰かが代筆した”ってことよ」
マコトがテーブルにバンと両手を置く。
「ここから仮説を立てる!」
🧠マコトの推理ボード(仮)
✅ 体育倉庫から赤ジャージが“動いて出てきた”
✅ ただし、中に誰かが入っていた痕跡なし
✅ 紐や道具もなし。仕掛けの痕跡もなし
✅ 倉庫の鍵は誰かが“記録なし”で借用
✅ 被害は「赤ジャージ」「テーピング」「メガホン」……?
(ぐるぐるマコト脳内)
「つまりこれは――
誰かが、倉庫を使って“何かのリハーサル”をしていた可能性が高い!」
「リハーサル?」
「だって、盗むにしては持ち出す物が微妙すぎる。
ジャージ、テーピング、メガホン……全部“運動部の日常道具”じゃん。しかもバレーボール部限定っぽい!」
美穂が思い出したように言う。
「あ、それ聞いたことある!
女バレの2年で、最近部活来てない子がいるって」
■“もう来ないはずの子”の影
その名前は――河合 美晴(かわい みはる)。
女子バレー部2年。
数週間前、足のケガで活動休止。現在も復帰未定。
一時的に別室登校、昼休みにしか顔を出していない。
「それってつまり、“夜の部活”にも、当然来てないってこと?」
「でも、目撃された“ジャージ”は、女バレの練習着仕様だよ?」
「……まさか」
マコトがゆっくりと口を開いた。
「あれ、本人じゃないのかもしれない……でも、“誰かがその子のために練習を続けてた”とか……?」
「一緒にやってた誰かが?」
「もしくは……“もう来ない”と思って、
せめてあのジャージだけでも最後に“コートに出してあげよう”とした誰か」
早紀の顔がわずかに揺れる。
「……それ、ちょっと泣けるんだけど」
綾小路が目を伏せて、ぽつりとつぶやく。
「……舞台でもあるんだよ。
“出られなかったあの子のために、舞台装置だけ動かす”って演出。
だから観客は、いない役を想像で補う。……きっと、これも同じ」
マコトはぐっと拳を握った。
「――次は、“中の人”と会わないと。
ジャージを動かしてたのは誰なのか。
そして、どうしてそんなことをしてたのか」
その夜、もう一度、倉庫の中から“何か”が現れる。
だが今回は――マコトが、真正面からそれを迎え撃つ。
◆つづく◆
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