名探偵マコトの事件簿3

naomikoryo

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第26話:書庫室に眠る“推薦取り消し”通知(1/4)

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~その封筒は、未来を壊す~
2学期末試験も終わり、生徒たちの顔にようやく穏やかな空気が戻ってきた12月初旬。
雪の気配を含んだ曇り空が、校舎のガラス窓をぼんやりと曇らせていた。

青葉ヶ丘高校・旧校舎棟の3階。
誰も使っていない古びた書庫室で、ちょっとした**「発見」**があった。

「……これ、何?」

そこにいたのは図書委員の男子2人。
古い文集を整理していた彼らが、埃だらけのキャビネットの奥から見つけたのは――

白い封筒だった。

学校の正式な公印と校章。
中には、複数の印刷された紙。

そしてそこに記されていたのは――

『進学推薦内定 取り消し通知書』
『令和◯年度 青葉ヶ丘高校 推薦選考対象者:×××』
『取消理由:素行不良、成績不振、出席日数不足……』

数名分の名前が連なっていた。

しかも、そこには――

まだ“発表されていない”来年度内定予定者の名前も含まれていた。

■生徒会室、沈黙の中で
「……で? それが今、生徒の間で広まりかけてると?」

早紀が腕を組んで深く息を吐いた。

報告を持ってきたのは図書委員の副委員長。
正式な記録として生徒会に相談が入った、というわけだった。

「確かに、文書は本物っぽい。校章入り、日付、文面。
 だけど……その“対象者”の中に**来年度内定予定の人間の名前がある”ってのが、おかしいのよ」

蓮が冷静に指摘する。

「つまり、“未来の内定取り消し”がもう用意されていた……?」

「それ、怖すぎない?」

美穂が眉をひそめる。

「推薦される前に、もう取り消す準備って……どんだけ信用してないのよ!」

「いや、そもそもこれは本物なのか? 偽物って可能性も――」

佐伯が言いかけたそのとき、静かにマコトが言った。

「いや……**これは“本物っぽく作られた偽物”**だ」

■名探偵の違和感
「公印の位置、微妙にズレてる。
 しかも使用されてるフォントが、去年の推薦書類と違う。
 “本物っぽいニセモノ”として作られたなら、目的はひとつだよね」

マコトは机を指でトントンと叩いた。

「“推薦を取り消されたら困る奴”に、見せるために作った。
要するに――これは脅迫だ」

■被害者? 加害者? それとも…
生徒会メンバーたちはその場で対象者の名前を控え、
慎重に調査を開始することを決定。

問題の“文書”には、以下のような構成があった:

推薦取り消し通知(印刷形式、複数人分)

差出人名なし、封筒には宛先もなし

だが一部、書き込みが鉛筆で加えられていた(※「こいつが本命」などのメモ)

「これ、“匿名のリーク”として仕組まれてるわね」
詩織が唸る。

「意図的に“見つけられるように置かれてた”可能性がある」
綾小路が呟いた。

マコトは封筒の内側をじっと見て、小さく笑った。

「この糊、去年の文化祭の入場チケットに使われてたやつと同じだ。
 つまり、この封筒作った人間は“去年の文化祭の運営側”にいた可能性が高い」

「おぉ、地味だけど名探偵っぽい!」と美穂。

マコトが立ち上がり、言った。

「これは、生徒の未来を“文字”で潰すような悪意だ。
 推薦という夢を、誰かがコントロールしようとしてる。
 だったら俺たち――名探偵生徒会が、許すわけにはいかないでしょ」

「かっこよく言ってるけど、お前も推薦まだ決まってないだろ」と早紀が冷静にツッコむ。

「そこは今考えなくていい!!」

◆つづく◆
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