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第49話:風紀委員会の影、名探偵は嗅ぎ取る(2/5)
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~正しさの影に、誰かの沈黙があるなら~
翌日、昼休み。
生徒会室には、コンビニのおにぎりと菓子パンの香りが漂っていたが、マコトだけが妙に真剣な顔をしていた。
「やっぱ、なんかおかしいんだよな……」
「なにが?」と早紀が尋ねる。
マコトはスマホを見せる。そこには、生徒名簿の一部が表示されていた。
「風紀委員のうち、3人が今月で急に“辞任”してるんだ。しかも全員、任命されたばっかの1年生。理由は“家庭の都合”とか“転校準備”とかだけど、誰も転校してない」
美穂「うわー……この言い訳、うちのギャル仲間がバックレるときのやつと一緒じゃん」
さらに蓮が補足する。
「それに、昨日の鳴海委員長、手に絆創膏してた。あれ、ただの怪我じゃないと思う。
手首の内側、普通はぶつけない場所だよ」
佐伯「……なるほどね。“風紀委員会の内部で何かが起きてる”と」
マコトは立ち上がる。
「ちょっと、風紀委員に話聞いてくる」
早紀「単独で突っ込むつもり?」
「一人の方が話してくれるってときもあるんだよ。名探偵の常識だよ、常識」
「その“名探偵常識”、大体トラブルの元だけどね……」
■風紀委員室前
マコトは、放課後に風紀委員室のドアの前に立った。
中からは書類をめくる音と、控えめな話し声。
インターホンを押すと、出てきたのは風紀委員の1年生、工藤 菜摘(くどう なつみ)。
「……あの、生徒会の方、ですよね?」
「あ、うん。俺、会長のマコト。ちょっと話せる?」
菜摘は周囲を見てから、小声で答える。
「……廊下じゃなくて、ちょっと外のベンチでいいですか」
■ベンチにて:風紀委員の告白
春の風が少しだけ冷たくて、菜摘の制服の袖が揺れていた。
「……辞めた3人、たぶん、自分からじゃないです」
「誰かに辞めさせられた?」
菜摘は頷く。
「“何かを見た”とか、“風紀の方針に疑問を持った”とか、そういう子たちです。
でも、突然委員長に呼ばれて……その次の日にはもう来なくなってて」
「鳴海委員長が、辞めさせた……?」
「わかりません。たぶん、誰かに“圧力”をかけられてたんだと思います。
鳴海さん、最近、すごく無理してるんです。
朝から晩まで書類仕事して、他の委員が怠けると全部背負って……
それで、あの……脅迫みたいな手紙も」
マコトの目が鋭くなる。
「脅迫?」
「はい。こんなメモが……」
彼女が制服のポケットから折り畳んだ紙を差し出した。
『風紀に甘いと、お前が処分される。
証拠は持ってる。次はお前だ』
「私、怖くて鳴海さんに相談できなかったんですけど……
でもたぶん、鳴海さん本人もこれ、知ってると思います。
でも“風紀は弱みを見せられない”って……そう言ってて」
マコトは静かに紙を見つめながら言った。
「……あの人、本気で“正しさ”を守ろうとして、
誰よりも正しくいようとして、
そのせいで、誰にも頼れなくなってるんだ」
その瞬間、マコトの中で何かが決まった。
「菜摘さん。情報、ありがとう。
俺たち生徒会で、なんとかする。
誰かが“正しさ”に押し潰されるくらいなら、
俺がその“正しさ”ごと、謎ごと解いてやるよ」
その日の夜、生徒会室に全員が集まった。
ホワイトボードには、新たにこう書かれていた。
『風紀委員長、狙われる。
真相は、風紀の内側にある――』
◆つづく◆
翌日、昼休み。
生徒会室には、コンビニのおにぎりと菓子パンの香りが漂っていたが、マコトだけが妙に真剣な顔をしていた。
「やっぱ、なんかおかしいんだよな……」
「なにが?」と早紀が尋ねる。
マコトはスマホを見せる。そこには、生徒名簿の一部が表示されていた。
「風紀委員のうち、3人が今月で急に“辞任”してるんだ。しかも全員、任命されたばっかの1年生。理由は“家庭の都合”とか“転校準備”とかだけど、誰も転校してない」
美穂「うわー……この言い訳、うちのギャル仲間がバックレるときのやつと一緒じゃん」
さらに蓮が補足する。
「それに、昨日の鳴海委員長、手に絆創膏してた。あれ、ただの怪我じゃないと思う。
手首の内側、普通はぶつけない場所だよ」
佐伯「……なるほどね。“風紀委員会の内部で何かが起きてる”と」
マコトは立ち上がる。
「ちょっと、風紀委員に話聞いてくる」
早紀「単独で突っ込むつもり?」
「一人の方が話してくれるってときもあるんだよ。名探偵の常識だよ、常識」
「その“名探偵常識”、大体トラブルの元だけどね……」
■風紀委員室前
マコトは、放課後に風紀委員室のドアの前に立った。
中からは書類をめくる音と、控えめな話し声。
インターホンを押すと、出てきたのは風紀委員の1年生、工藤 菜摘(くどう なつみ)。
「……あの、生徒会の方、ですよね?」
「あ、うん。俺、会長のマコト。ちょっと話せる?」
菜摘は周囲を見てから、小声で答える。
「……廊下じゃなくて、ちょっと外のベンチでいいですか」
■ベンチにて:風紀委員の告白
春の風が少しだけ冷たくて、菜摘の制服の袖が揺れていた。
「……辞めた3人、たぶん、自分からじゃないです」
「誰かに辞めさせられた?」
菜摘は頷く。
「“何かを見た”とか、“風紀の方針に疑問を持った”とか、そういう子たちです。
でも、突然委員長に呼ばれて……その次の日にはもう来なくなってて」
「鳴海委員長が、辞めさせた……?」
「わかりません。たぶん、誰かに“圧力”をかけられてたんだと思います。
鳴海さん、最近、すごく無理してるんです。
朝から晩まで書類仕事して、他の委員が怠けると全部背負って……
それで、あの……脅迫みたいな手紙も」
マコトの目が鋭くなる。
「脅迫?」
「はい。こんなメモが……」
彼女が制服のポケットから折り畳んだ紙を差し出した。
『風紀に甘いと、お前が処分される。
証拠は持ってる。次はお前だ』
「私、怖くて鳴海さんに相談できなかったんですけど……
でもたぶん、鳴海さん本人もこれ、知ってると思います。
でも“風紀は弱みを見せられない”って……そう言ってて」
マコトは静かに紙を見つめながら言った。
「……あの人、本気で“正しさ”を守ろうとして、
誰よりも正しくいようとして、
そのせいで、誰にも頼れなくなってるんだ」
その瞬間、マコトの中で何かが決まった。
「菜摘さん。情報、ありがとう。
俺たち生徒会で、なんとかする。
誰かが“正しさ”に押し潰されるくらいなら、
俺がその“正しさ”ごと、謎ごと解いてやるよ」
その日の夜、生徒会室に全員が集まった。
ホワイトボードには、新たにこう書かれていた。
『風紀委員長、狙われる。
真相は、風紀の内側にある――』
◆つづく◆
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