面白ミステリー『名探偵マコトの事件簿2』

naomikoryo

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第67話『パンと洗脳!?祖父が残した“禁断のレシピ帳”』

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放課後の図書室。
マコト、ことり、早紀、美穂の4人が机を囲む。
その真ん中には――古びたレシピ帳。

 
表紙にはフランス語でこう書かれていた。

『Recette de l’âme』
――魂のレシピ

 
マコト:「……なんだよこれ……絶対パンの本のタイトルじゃないだろ……」
 

ことり:「祖父が残した“もう一冊のノート”です。ずっと、床下収納にあったもので」

 
美穂:「怪盗の血じゃなくて……本格的に何か“パンの呪術師”感出てきたよね」

 
早紀:「いやもう呪術っていうか……“発酵魔法”だよこれ」

◆【中を開くと、そこには…】

中には、びっしりと手書きのフランス語と日本語のミックス文字。

『クロワッサンにユーカリの香りを重ねれば、活力が湧きすぎて体育教師が跳ねる』
『バゲットにオレンジの皮を混ぜれば、集中力が増し、テスト平均が2.4点上がる』
『クグロフにラベンダーを少し入れると、恋愛運が上がる気がする(※祖父談)』
 

マコト:「うわっ、なんか本格的に……やばくね?」
 

ことり:「そうです。つまり――」
 

ことり:「私は、無意識のうちに**“ルバン家のパン催眠術”**を使っていた可能性があります」

 
早紀:「いやもうホントにやばいヤツだったじゃん!!」

◆【事件の検証:パンを食べた人たちの反応】

マコト:「校長は“元気パン”」
美穂:「風紀委員は“自由パン”」
早紀:「増渕先生は……“シチューパン”」
マコト:「最後は自己発酵しちゃってるからなアレ……」

 
ことり:「まとめると、パンに込めた“香り”と“焼き方”によって人の心理に影響を与える技術……それが“ルバン家の遺産”です」

 
マコト:「やば……先祖、ただのパン職人じゃなかった……!」
「パンの名を借りた心理操作師――パンノミスト!!」

 
ことり:「それ……名前はちょっとダサいですが、概ね合ってます」
 

早紀:「認めるんかい!!」

◆【真実と、これから】

美穂:「……で、どうするの?」
 

マコト:「このままじゃ学校が“パンに支配された楽園”になるぞ……!」
「今のうちに、“パン催眠”の影響を切る方法を探さないと!!」

 
ことり:「私のパンを止めるんですか?」

 
マコト:「……いや、止めるとは言ってない」
「ちゃんとコントロールすれば、“最高の癒し”にもなるんだろ?」

 
ことり:「……ふふ、じゃあ先輩。あなたには特別なパン、焼いてあげます」

 
マコト:「え、えっ? 特別な……って、え、なに味!?」

 
ことり:「“推理力が5%上がるパン”。
中にチーズとブラックペッパーと……ちょっとしたヒミツ、ね」
 

マコト:「なんでヒミツ入ってんの!?!?」

◆【そしてまた、放課後の屋上で】

マコト:「事件ってさ、意外と“パン”で始まるんだな……」

 
早紀:「そのセリフ、世界中探してもマコトしか言ってないと思う」
 

美穂:「でも、わりと名言かもね。“パンは世界を変える”って」

 
ことり:「これからは、香りも心も込めて焼きます。
“ルバン家”の名に恥じぬように」

 
マコト:「……あーもう。やっぱ、お前すげーわ。
やってることぶっ飛んでるのに、ちゃんとカッコイイのずるい」
 

ことり:「じゃあ、明日は“記憶力アップパン”焼いてきますね」

 
早紀:「まずは“やりすぎない心”パンを焼いてきてほしいわ」
 

(つづく)
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