推しが同居人になりまして。

naomikoryo

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第9話:「推しは意外と庶民派!?スーパーでの衝撃」

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推しの寝起き姿を拝んでしまった翌日、私は まだ引きずっていた。

 
「……やばかった……」

 
 ボソッと呟く。

 推しの タンクトップ姿、寝起きボイス、寝ぼけた目……。

 
 あれはファンサなのか?(違う)

 推しの寝起きって、こんなにも破壊力あるものなのか?
 

 私は 昨日の記憶を思い出すたびに、机に頭を打ち付けていた。
 

「……お前、さっきから何してんの?」

「!!?!」

 
 不意にかけられた低い声に、私は ガバッと顔を上げた。
 

「さ、桐生さん!!?!?!?」

「……いや、急にフルネームで呼ばれると気持ち悪いんだけど」

「すみません!!!!」

「……で、そんなに机に頭ぶつけて、何の儀式?」

「えっ、あの、その、こ、これはですね……」

 
 言えるわけがない。

 
 「あなたの寝起きを思い出して、尊さに悶えていました」なんて、絶対に言えるわけがない!!!!

 
「……まぁいいけど」

 隼人は 無関心そうにソファに座ると、唐突に言った。

「なぁ、スーパー行くけど、お前も来るか?」

「……え?」

「食材買うついでに、なんか欲しいもんあるなら買っとけよ」

 
 

 推しと、スーパー???????????????????????????

 

■ 推しの買い物スタイルが意外すぎる
 30分後。

 私は スーパーにいた。

 
「……え、これって現実……?」

「なにブツブツ言ってんだよ」

 
 隼人が隣を歩いている。

 スーパーのカゴを持っている。

 しかも、普通に 広告の品コーナーをチェックしている。

 
 

 

 推し、めっちゃ庶民派!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 「……えっ、スーパーとか来るんですか?」

「は?」

「え、だって、桐生隼人ですよ??」

「だから?」

「いや、推しがスーパーの特売品を見てるの、なんか新鮮というか……」

「……普通に買い物くらいするだろ」

「え、ええええ……!!!!」
 

 推しがスーパーにいる事実が信じられない。

 なんなら今、キャベツの値段チェックしてる。

 
 「え、こっちの方が10円安いな……」とか言ってる。

  

 

 ギャップで死ぬんですけど!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 
■ 推しのこだわり、妙に細かい
「……」

 隼人はカゴに 豆腐 を入れた。

「……あ、それ安いですね」

「は? 高いやつの方が美味いから」

「えっ」

「豆腐はな、ちゃんとしたの買わないと味が違う」

「そ、そうなんですか……!?」

 

 推し、豆腐にこだわりあるんだ……。

 

 好きな食べ物:豆腐(新情報)

 
「あと、卵もちゃんとしたやつ買えよ」

「えっ」

「安すぎるのは黄身のコクが足りない」

「こ、コク……?」

「美味い卵は、シンプルに卵かけご飯にすると違いがわかる」

「推し、食にこだわり強い……!!!」

 
 知らなかった……。

 隼人がこんなに 食材にこだわるタイプ だなんて……!!

 
「お前、普段何食ってんの?」

「えっ、あ、えっと……」

「まさかとは思うけど、カップ麺ばっかじゃねぇだろうな?」

「…………」

「……お前、ほんとにそればっかか?」

「…………ちょっとだけ……」

「……」

 隼人は 盛大にため息をついた。

「……今度、ちゃんとした飯作るわ」

「えっ」

「お前の栄養管理、ちょっとやばそうだし」

「えっ、えっ」

「……嫌なら別にいいけど?」

「嫌じゃないです!!!!!!!!!!!!!!」
 

 いやいやいやいや!!!!!!!

 
 推しの手料理、また食べられるの!?!?!?!?!?!?!?!?

 
 神ですか???????????????

 
■ 推しと一緒にレジに並ぶ異次元体験
 そんなこんなで、私は隼人とスーパーのレジに並んでいた。

 推しの隣で、買い物袋を持っている。

 
 これ、夢では??????????????

 
「お前、さっきからニヤついてるけど」

「えっ!?!?!?」

「気持ち悪いぞ」

「すみません!!!!!」

 
 もう無理だ、推しとスーパーとか尊すぎて脳が追いつかない!!!!

 しかし、この日から私は 隼人の料理管理 という、また新たな生活が始まることになるのだった――。
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