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第19話:「ちょっとした嫉妬にニヤついてしまうんですが」
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推し(桐生隼人)とルームシェアを始めてからというもの、私は 彼氏ムーブが自然すぎる問題 により、日々命の危機を感じていた。
だが、今日の出来事は それとは違うベクトルで心臓に悪かった。
それは――
推しのちょっとした嫉妬(?)を目撃してしまったこと。
■ 友人との通話、それだけなのに……?
昼過ぎ。
私は漫画の原稿に追われていたが、友人のミカから通話がかかってきた。
「もしもし?」
『よっ! 久しぶりー!』
「おー! どうしたの?」
『いや、最近お前の近況聞いてないなーと思ってさ』
「まぁ、相変わらず漫画描いてるよ」
『おー、頑張ってるじゃん! そういやさ、例のルームシェア、どう?』
「えっ」
『推しと住んでるとか、ヤバくない?????』
「う、うん……まぁ……」
『ちょ、なにその歯切れの悪さwww』
「いや、その、色々あって……」
『色々って何!? まさかもう付き合ったとか!?』
「いやいやいや!!!!!」
『絶対なんかあるでしょ!?』
「な、ないってば!!」
『ほんとぉ??』
私は 適当にごまかしながら会話を続ける。
だが、その時――
ふと視線を感じた。
「……?」
ちらっと横を見た瞬間、私は 背筋が凍る。
隼人が、無表情でこちらを見ていた。
■ なんか、不機嫌そうなんですが!?
「……えっ」
私は思わず通話をミュートにする。
「ど、どうしたんですか?」
「……別に」
「えっ、えっ」
「……」
「……いや、めちゃくちゃ睨んでません?」
「お前、誰と話してんの」
「えっ」
「さっきから笑いながら喋ってたけど」
「えっ、えっと……友達ですけど……?」
「ふーん」
隼人は 無表情のまま、スマホをいじり始める。
だが、明らかに なんか不機嫌そう。
え、ちょっと待って。
これ、もしや……嫉妬……では……?????
■ 「お前、楽しそうだったな」
通話を終えたあと、私は どうしても気になってしまい、隼人に話しかけることにした。
「えっと……」
「……」
「あの、もしかして……怒ってます?」
「別に」
「いやいやいや、絶対怒ってますよね!?」
「怒ってねぇよ」
「じゃあなんでそんな機嫌悪そうなんですか!」
「機嫌悪くねぇよ」
「いや、めちゃくちゃ悪そう!!!!」
隼人は 視線を逸らしてスマホをいじる。
この反応、どう考えても 「嫉妬している男の態度」 では?????
……いや、でも、推しが私に嫉妬するわけないか。
でも、でもでもでも……!!!!
「さっきの電話、めっちゃ楽しそうだったな」
「えっ」
「誰だよ」
「いや、だから、友達のミカですけど……?」
「男?」
「えっ、いや、女ですよ」
「……」
「……」
「……そっか」
隼人は、すっとスマホを置くと、何事もなかったかのように水を飲み始める。
いや、いやいやいやいやいや!!!!!!
それ、絶対に 安心した顔 してません!?!?!?!?
■ まさかの嫉妬(?)に、ニヤつくオタク
「……ちょっと待ってくださいよ」
「なんだよ」
「まさかとは思いますけど、今のって……」
「……」
「嫉妬……では……?」
「……は?」
隼人は 露骨に眉をひそめる。
「は? 俺が?」
「えっ、だって、めっちゃ機嫌悪そうでしたし!」
「……」
「電話が終わった途端、明らかに態度変わりましたし!」
「お前、ほんとに頭おかしいよな」
「ひどい!!!!」
「俺がそんなことで嫉妬するわけねぇだろ」
「でも、さっきめちゃくちゃ聞いてきましたよね!? 『誰と話してんの』とか!!!!」
「……」
「『男?』とか!!!!!」
「……確認しただけだ」
「いや、嫉妬では???」
「違ぇよ」
「……ほんとに?」
「……」
「……ほんとに?」
「……うるせぇ」
完全に図星では!?!?!?!?!?!?!?!?
私は 嬉しすぎて思わずニヤつく。
「……お前、なんか気持ち悪い顔してんな」
「してません!!!!!」
「いや、してるだろ」
「してません!!!!!」
「……はぁ……マジで意味わかんねぇ」
隼人はため息をついて、ソファに座り直す。
でも、私は知っている。
隼人が、微妙にそわそわしていることを!!!!!!!
こうして私は 推しのちょっとした嫉妬(?)を目撃し、テンションが上がるオタクになったのだった――。
だが、今日の出来事は それとは違うベクトルで心臓に悪かった。
それは――
推しのちょっとした嫉妬(?)を目撃してしまったこと。
■ 友人との通話、それだけなのに……?
昼過ぎ。
私は漫画の原稿に追われていたが、友人のミカから通話がかかってきた。
「もしもし?」
『よっ! 久しぶりー!』
「おー! どうしたの?」
『いや、最近お前の近況聞いてないなーと思ってさ』
「まぁ、相変わらず漫画描いてるよ」
『おー、頑張ってるじゃん! そういやさ、例のルームシェア、どう?』
「えっ」
『推しと住んでるとか、ヤバくない?????』
「う、うん……まぁ……」
『ちょ、なにその歯切れの悪さwww』
「いや、その、色々あって……」
『色々って何!? まさかもう付き合ったとか!?』
「いやいやいや!!!!!」
『絶対なんかあるでしょ!?』
「な、ないってば!!」
『ほんとぉ??』
私は 適当にごまかしながら会話を続ける。
だが、その時――
ふと視線を感じた。
「……?」
ちらっと横を見た瞬間、私は 背筋が凍る。
隼人が、無表情でこちらを見ていた。
■ なんか、不機嫌そうなんですが!?
「……えっ」
私は思わず通話をミュートにする。
「ど、どうしたんですか?」
「……別に」
「えっ、えっ」
「……」
「……いや、めちゃくちゃ睨んでません?」
「お前、誰と話してんの」
「えっ」
「さっきから笑いながら喋ってたけど」
「えっ、えっと……友達ですけど……?」
「ふーん」
隼人は 無表情のまま、スマホをいじり始める。
だが、明らかに なんか不機嫌そう。
え、ちょっと待って。
これ、もしや……嫉妬……では……?????
■ 「お前、楽しそうだったな」
通話を終えたあと、私は どうしても気になってしまい、隼人に話しかけることにした。
「えっと……」
「……」
「あの、もしかして……怒ってます?」
「別に」
「いやいやいや、絶対怒ってますよね!?」
「怒ってねぇよ」
「じゃあなんでそんな機嫌悪そうなんですか!」
「機嫌悪くねぇよ」
「いや、めちゃくちゃ悪そう!!!!」
隼人は 視線を逸らしてスマホをいじる。
この反応、どう考えても 「嫉妬している男の態度」 では?????
……いや、でも、推しが私に嫉妬するわけないか。
でも、でもでもでも……!!!!
「さっきの電話、めっちゃ楽しそうだったな」
「えっ」
「誰だよ」
「いや、だから、友達のミカですけど……?」
「男?」
「えっ、いや、女ですよ」
「……」
「……」
「……そっか」
隼人は、すっとスマホを置くと、何事もなかったかのように水を飲み始める。
いや、いやいやいやいやいや!!!!!!
それ、絶対に 安心した顔 してません!?!?!?!?
■ まさかの嫉妬(?)に、ニヤつくオタク
「……ちょっと待ってくださいよ」
「なんだよ」
「まさかとは思いますけど、今のって……」
「……」
「嫉妬……では……?」
「……は?」
隼人は 露骨に眉をひそめる。
「は? 俺が?」
「えっ、だって、めっちゃ機嫌悪そうでしたし!」
「……」
「電話が終わった途端、明らかに態度変わりましたし!」
「お前、ほんとに頭おかしいよな」
「ひどい!!!!」
「俺がそんなことで嫉妬するわけねぇだろ」
「でも、さっきめちゃくちゃ聞いてきましたよね!? 『誰と話してんの』とか!!!!」
「……」
「『男?』とか!!!!!」
「……確認しただけだ」
「いや、嫉妬では???」
「違ぇよ」
「……ほんとに?」
「……」
「……ほんとに?」
「……うるせぇ」
完全に図星では!?!?!?!?!?!?!?!?
私は 嬉しすぎて思わずニヤつく。
「……お前、なんか気持ち悪い顔してんな」
「してません!!!!!」
「いや、してるだろ」
「してません!!!!!」
「……はぁ……マジで意味わかんねぇ」
隼人はため息をついて、ソファに座り直す。
でも、私は知っている。
隼人が、微妙にそわそわしていることを!!!!!!!
こうして私は 推しのちょっとした嫉妬(?)を目撃し、テンションが上がるオタクになったのだった――。
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