推しが同居人になりまして。

naomikoryo

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第20話:「不意打ちすぎるボディタッチに心臓が耐えられません」

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推し(桐生隼人)の ちょっとした嫉妬(?) を目撃してしまった昨日。

 
 私はその事実に テンションが上がりすぎてニヤつきが止まらなかった。

 
 だって、あのクールな桐生隼人が!!!!!
 ほんのちょっとだけど!!!
 機嫌悪くなったり、私の電話相手を気にしたりしてたんですよ!!!???
 

 これ、もしかして、フラグ立ってるのでは!?!?!?

 

 いやいやいやいや。
 

 推しとフラグなんて立つわけがない。

 
 これは単に 私がオタクフィルターをかけすぎているだけ であって、隼人は私に特別な感情なんてないに決まってる。

 冷静になれ、私。

 

 ――と思っていたのに。

 

 推しの不意打ちボディタッチに、完全に崩れ去るのであった。

■ ボディタッチの破壊力を甘く見ていた
 昼過ぎ。

 私はソファに座り、漫画のネームを描いていた。

「うーん……ここの展開、どうしよう……」

「……」

 隼人はキッチンでコーヒーを淹れていた。

 朝食の片付けを済ませたあと、いつものようにコーヒータイムに突入したらしい。

 私は気にせず作業を続ける。

「……おい」

「へ?」

「ちょっと動くな」

「え、動くなって、なんで――」

 
 その瞬間――
 

 スッ――。


 隼人の手が、私の頬に触れた。

 
「――――――――え?」

■ 推しの指が、顔に触れていますが?????
 

 隼人の指が、私の頬を軽くなぞる。

 
 え、えっ、ちょ、ちょっと待ってください。

 
 推しの指が、私の顔に触れていますが???????
 

「えっ、えっ、ええええええええ!!!!!」

「うるさい、じっとしてろ」

「無理です!!!!!!」

「ほら、ついてた」

「は?????」

 
 隼人は 私の頬についた何かを、指でスッと拭う。
 

「……ペンついてたぞ」

「えっ」

「インク」

「えっ」

「ほら、もう取れたからいいだろ」

「えっ、えっ、えっ」

  

 情報量が多すぎて、脳が処理できません。

■ 推し × 無意識ボディタッチ × クールな対応 = 死
「お、お、お、お、お、おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

「うるさい」

「いやいやいやいや!!!!!」

「そんなに驚くことか?」

「いや、驚きますよ!!!!」

「なんで」

「なんでって、推しに顔触られるなんて、そんなの……!!!」

「?」

「え、待って、これは事故!? それともサービス!? ファンサ!?!?!?」

「お前、マジで頭おかしいよな」

「ひどい!!!!!!」

「お前が机に突っ伏しながら作業するからだろ。インクつける方が悪い」

「そ、そうですけど!!!」

「まぁ、俺は別に気にしねぇけどな」

「えっ、いやいやいやいや!!!!」

「?」

「気にしてください!!!!!」

「なんで」

「いや、だって、推しに触られるなんて、そんなの……」

「……」

「……」

「……?」

「……」

「……なんか、お前、顔赤いな」

「ギャアアアアアア!!!!!」

「いや、なんで叫ぶんだよ」

「だ、だって!!!!!!」

「……マジで意味わかんねぇ」

 
 隼人は 淡々とコーヒーを飲みながら、私の反応を面白そうに見ていた。

■ 無意識ボディタッチの罪深さ
 私は 机に突っ伏して悶絶する。

 
 いやいやいやいや!!!!

 
 たしかに、ペンのインクを取ってもらっただけだし、深い意味なんてないのは分かってる!!!

 
 でも、でも!!!!

 
 顔に触れられるのって、普通にやばくないですか!?!?!?

 
 こんなこと、少女漫画とかドラマのワンシーンでしか見たことないんですけど!?!?!?

 
 しかも、本人は まったく気にしていないという無意識っぷり。
 

 いや、無意識が一番ヤバいんですよ!!!!!!!!

 
「……お前、さっきから机に頭ぶつけてるけど」

「気にしないでください!!!!」

「いや、めっちゃ気になるんだけど」

「私の気持ちを考えてください!!!!!」

「知らねぇよ」

「うわあああああ!!!!!」

 
 こうして、私は 推しの不意打ちボディタッチという最高のファンサ(?)を受け、しばらく布団の中で悶絶する日々を過ごすことになったのだった――。
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