推しが同居人になりまして。

naomikoryo

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第36話:「えっ、これほんとに勝ちルート!?!?」

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推し(桐生隼人)に ガチ恋していたはずのオタク、まさかの展開を迎える。

 

◆ 告白(事故)
◆ 推し「俺も少しは気になってるかも」
◆ルームシェア続行決定
◆ 逃げるな宣言
◆ ほっぺたタッチ(NEW‼)

 
 ……いやいやいやいや!!!!!!!!!!!!

 
 これはもう 完全に勝ちルートでは!?!?!?!?

■ でも、こんなはずじゃ……
 私は 頬に残る隼人の手の感触を思い出して、限界を迎えていた。
 

「えっ、えっ、えっ」

「……」

「待ってください!!!!!」

「……今度はなんだよ」

「こんなはずじゃなかった!!!!!」

「は?」

「私、推しとルームシェアするだけで幸せだったのに!!!!」

「……」

「なんでこんなことに!!!!!」

「お前が好きになったからだろ」

「ぎゃあああああ!!!!!」

「……ぶっ」

「笑わないでください!!!!!!!」

■ 限界オタク、推しとの関係を整理する
 私は 一度冷静になろうと深呼吸する。

 
 今の時点で、隼人は私のことを好きとは言っていない。

 
 ただ、「気になってる」と言われただけ。

 
 つまり、これは――

 

――もしかして、付き合う前の両片思い状態!?!?!?!?!?!?!?!?

■ でも、まだ油断できない
「……で、桐生さん」

「ん?」

「その、『気になってる』って、どのくらいですか?」

「……どのくらい?」

「えっ、あの、その……好きってことなんですか?」

「……」

「それとも、なんか違う感じなんですか?」

「……さぁな」

「さぁなじゃない!!!!!」

「……」

「いやいやいや、重要なところですよ!!!!!!」

「俺にもまだよく分かんねぇし」

「えええええ!!!!!」

「ただ――」

「……ただ?」

「お前のことは、これからもそばにいてほしいと思ってる」

「………………は?」

■ そばにいてほしいって、それはつまり……?
「えっ、えっ、えええええ!!!!!!!」

「お前、マジでリアクションがでかい」

「いやいやいや!!!!!」

「そんな驚くことか?」

「いや、驚きますよ!!!!」

「……?」

「だって、推しに!!!!!」

「……」

「『そばにいてほしい』なんて言われる世界線、聞いてないんですが!!!!!!」

「……ぶっ」

「笑わないでください!!!!!!!!」

■ これってもう、ほぼ告白では!?
「えっ、じゃあ、桐生さんは」

「……」

「私に、そばにいてほしいんですか?」

「……ああ」

「……」

「……」

「……」

「………………は?」

「何回驚けば気が済むんだよ」

「いやいやいや!!!!!!!」

「普通、そんなこと言わないでしょう!!!!!」

「そうか?」

「そうですよ!!!!!」

「……」

「……えっ、もしかして桐生さんって、普段からそんなこと言うタイプなんですか?」

「言わねぇよ」

「ですよね!!!!!!!!!」

「お前だからだろ」

「ぎゃあああああ!!!!!!!!!!!!!」

■ 推しからの爆弾発言が多すぎる問題
「……」

「……」

「……えっ、これ、ほんとに勝ちルートでは???????」

「……勝ち?」

「えっ、えっ、いや、その!!!!」

「……」

「でも、まだ付き合うとか、そういう話ではないんですよね!?」

「……だな」

「ですよね!!!!」

「でも、これからどうするかは、お前次第だろ」

「えっ」

「俺に決めてほしい?」

「ぎゃああああああ!!!!!!!!」

■ いや、でも待って、本当にこれでいいの!?
 私は 自分の心臓がうるさいのを感じながら、隼人を見上げる。
 

 これからどうするかは、私次第――


 つまり、それって 「私が望めば、この関係は進展する可能性がある」 ってことでは!?!?!?!?

 

いやいやいや!!!!!!! そんなの、心の準備できてません!!!!!!!!!!!!

■ でも、推しがすぐそばにいるという事実
 私は 自分の頬を軽く叩いて、深呼吸する。
 

 冷静になれ、私。

 
 とにかく、今は――
 

「……じゃあ」

「ん?」

「これからも、よろしくお願いします……?」

「……」

「っていうことでいいですか?」

「……ああ」

「……」

「……」

「……」

「………………は?」

「またそれかよ」

「いやいやいや!!!!!!!!」

「……」

「いや、ほんとにこれ、勝ちルートなのでは!?!?!?!?!?」

「お前、そればっかだな」

「そりゃ言いますよ!!!!!!!」

 
 私は 心臓を押さえながら、推しを見つめた。

 
 これから、どうなるかは分からない。
 

 でも――

 

もう、推しとはただのルームメイトじゃいられない気がする。
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