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第七十四話:「“誰に何を言われても、私は彼を選ぶ”と、やっと口にできた日」
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SNSがざわついている――
そんな空気は、社内にも確実に伝播していた。
“社長と新人作家が親密らしい”
“昇進や抜擢に私情が絡んでいるのでは”
“年の差恋愛? それって倫理的に大丈夫なの?”
直接名指しされているわけではない。
でも、噂の輪郭があまりにも明確で、
逃げ場なんて最初からなかった。
けれど不思議と、怖くはなかった。
なぜなら、
“何があっても、隣にいる”と誓ってくれた人が――
あの子が、そこにいるから。
**
「……社長、あの噂について、何かお話が?」
昼休み前、役員の一人が控えめに口を開いた。
周囲の空気が凍りつく。
誰もが、私がどう答えるかを見つめていた。
少しだけ息を吸って、私は微笑む。
「ええ、もちろん」
そして、言った。
「私は、作家・新田純の成長を、心から信じています」
「彼がこの業界に与える影響と、言葉にかける誠実さは、誰よりも真っ直ぐです」
「その彼と、私は――恋人関係にあります」
社内が一瞬、静まり返った。
でも、その沈黙を、私は恐れなかった。
「年齢差も、立場も承知の上です」
「だからこそ、私はこれからも彼を“仕事のパートナー”として、誠意を持って向き合います」
「そして、同時に“人生のパートナー”としても、彼と歩んでいく覚悟があります」
一文字ずつ、
かみしめるように話した。
それは、私自身がようやくたどり着いた、
“私の言葉”だった。
**
話が終わったあと、
社内はしばらく静かなままだった。
でも、
その沈黙を破ったのは――凜華だった。
「……理奈さん、カッコいいっすね」
彼女は笑っていた。
目元が少しだけ潤んでいたけれど、
まっすぐな笑顔だった。
そして、清美が続いた。
「私、やっぱり理奈さんが好きです」
「純くんも、すごく真剣だってわかってたし……それを信じてる理奈さん、めちゃくちゃカッコいいです」
みんな、笑っていた。
あのざわついた噂なんかより、
“言葉で向き合った私”を、
ちゃんと見てくれていた。
(そう……これで、よかったのよね)
**
夜、オフィスで一人。
誰もいない会議室で、私はスマホを開いた。
彼からのメッセージは、もう届いていた。
『報告、見ました。……涙が出ました。』
『あなたが僕を選んでくれたこと、
僕の人生で、いちばんの誇りです。』
私は返信を打ちながら、
ふと、
彼の言葉をそのまま返したくなった。
『私も、あなたを選んだことを、誇りに思います。』
**
誰かに反対されても、
誰かの噂に傷ついても、
もう立ち止まらない。
私の人生は、私が決める。
そしてその中に、
彼がいることを、
私はもう誰にも否定させない。
**
明日から、また新しい一日が始まる。
けれど、それは“彼と共に歩く一日”だ。
“誰に何を言われても、私は彼を選ぶ”
それをようやく、
言葉にできた私がいる。
あの日から、ずっと――
“答え”を探していた自分に、
ようやく終止符を打てた気がした。
そんな空気は、社内にも確実に伝播していた。
“社長と新人作家が親密らしい”
“昇進や抜擢に私情が絡んでいるのでは”
“年の差恋愛? それって倫理的に大丈夫なの?”
直接名指しされているわけではない。
でも、噂の輪郭があまりにも明確で、
逃げ場なんて最初からなかった。
けれど不思議と、怖くはなかった。
なぜなら、
“何があっても、隣にいる”と誓ってくれた人が――
あの子が、そこにいるから。
**
「……社長、あの噂について、何かお話が?」
昼休み前、役員の一人が控えめに口を開いた。
周囲の空気が凍りつく。
誰もが、私がどう答えるかを見つめていた。
少しだけ息を吸って、私は微笑む。
「ええ、もちろん」
そして、言った。
「私は、作家・新田純の成長を、心から信じています」
「彼がこの業界に与える影響と、言葉にかける誠実さは、誰よりも真っ直ぐです」
「その彼と、私は――恋人関係にあります」
社内が一瞬、静まり返った。
でも、その沈黙を、私は恐れなかった。
「年齢差も、立場も承知の上です」
「だからこそ、私はこれからも彼を“仕事のパートナー”として、誠意を持って向き合います」
「そして、同時に“人生のパートナー”としても、彼と歩んでいく覚悟があります」
一文字ずつ、
かみしめるように話した。
それは、私自身がようやくたどり着いた、
“私の言葉”だった。
**
話が終わったあと、
社内はしばらく静かなままだった。
でも、
その沈黙を破ったのは――凜華だった。
「……理奈さん、カッコいいっすね」
彼女は笑っていた。
目元が少しだけ潤んでいたけれど、
まっすぐな笑顔だった。
そして、清美が続いた。
「私、やっぱり理奈さんが好きです」
「純くんも、すごく真剣だってわかってたし……それを信じてる理奈さん、めちゃくちゃカッコいいです」
みんな、笑っていた。
あのざわついた噂なんかより、
“言葉で向き合った私”を、
ちゃんと見てくれていた。
(そう……これで、よかったのよね)
**
夜、オフィスで一人。
誰もいない会議室で、私はスマホを開いた。
彼からのメッセージは、もう届いていた。
『報告、見ました。……涙が出ました。』
『あなたが僕を選んでくれたこと、
僕の人生で、いちばんの誇りです。』
私は返信を打ちながら、
ふと、
彼の言葉をそのまま返したくなった。
『私も、あなたを選んだことを、誇りに思います。』
**
誰かに反対されても、
誰かの噂に傷ついても、
もう立ち止まらない。
私の人生は、私が決める。
そしてその中に、
彼がいることを、
私はもう誰にも否定させない。
**
明日から、また新しい一日が始まる。
けれど、それは“彼と共に歩く一日”だ。
“誰に何を言われても、私は彼を選ぶ”
それをようやく、
言葉にできた私がいる。
あの日から、ずっと――
“答え”を探していた自分に、
ようやく終止符を打てた気がした。
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