ねこまど~猫と人がつなぐ、奇跡のカフェ~

naomikoryo

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12)猫語バイト、ついにメディアの取材が来る!?

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1
「――え、なにこれ?」

 バイト7日目の朝。

 猫カフェ「ねこまど」にやって来た飯塚昭人(いいづか あきと)は、入口に張り出された チラシ を見て固まった。

 《話題沸騰! 猫語がわかるバイトがいる猫カフェ!》
 《今ならあなたの愛猫の気持ちを聞けるかも!?》

「ぎゃああああああ!!!!」

 叫びながらチラシを剥がそうとする昭人の背後から、橘真緒(たちばな まお) の陽気な声が響いた。

「おっはよー♪ いい感じに宣伝されてるね!」

「誰がこんなもん作った!!!」

「え? 私と琴葉(ことは)だけど?」

「お前らかぁぁぁぁぁ!!!」

 昭人は 全力で頭を抱えた。

「なんで勝手に宣伝してんの!?!?」

「だって、実際にお客さんめっちゃ増えたじゃん?」

「だからって、『猫語カウンセリング実施中!』 ってなんだよ!?!?」

「そのほうが、もっとお客さんが増えるかな~って♪」

「いらんことすんなぁぁぁぁ!!!!!」

 そこへ、カウンターの奥でコーヒーを淹れていた 藤井峰子(ふじい みねこ・店長) が、静かに微笑んで言った。

「……実際、売上はさらに伸びてる からね」

「……」

「……いや、でも!!」

 昭人がまだ抵抗しようとしたその瞬間。

「すみませーん!」

 店の入り口から、見慣れないスーツ姿の男女が入ってきた。

 手にはカメラとマイク。

「え、テレビの人……?」

「ええ!?!?」

2
「初めまして! 私たち、ローカルTV局『まちトピ!』の取材班です!」

「は!?!?!?」

 昭人は 目を見開いた。

「ちょっと待って!? なんでテレビ来てんの!?!」

「いやぁ、SNSで噂になってたからさ~。興味持ったテレビ局が取材したいって!」

「またお前かぁぁぁ!!!」

 真緒は ニコニコと悪びれもせずに 言った。

 カメラマンの男性が、嬉しそうに昭人を見つめる。

「いや~、猫語がわかるバイト さんですよね!?」

「違います!! 違いますからね!!!?」

「いやいや、ウチのリポーターがどうしても取材したいって言ってまして!」

「俺はそんなの頼んでない!!!」

 そこへ、後ろから 明るい女性の声 が響いた。

「わぁ~! 本当に可愛い猫ちゃんたちがいっぱいですねぇ!」

 入ってきたのは、若手女性アナウンサー らしき人物。

 明るいブラウスにふわっとしたスカート、手にはマイク。

 猫好きらしく、すでにボス(茶トラ♂)を見て目を輝かせていた。

「はじめまして! 『まちトピ!』のリポーターの 沢村美月(さわむら みづき) です♪」

「……え、ガチでテレビ……?」

 昭人は、頭が追いつかなくなってきた。

3
「ではでは! 本当に猫の言葉がわかるのか、実際に検証してみましょう!」

「いや、やりません!!」

「では、早速いってみましょう!!!」

「人の話聞けやああああ!!!」

 もはや流れは止められず、カメラが回り始めた。

 《コーナー名:猫語バイトは本物なのか!?》

「さぁ、ではまず、こちらの猫ちゃん!」

 美月アナが選んだのは――

「ミルク(白猫♀) ちゃんですね!」

「……おい、頼むから変なこと言うなよ……」

「にゃ~ん♡(膝に乗せろ♡)」

「『膝に乗せろ♡』」

「にゃ♡(正解♡)」

「ギャアアアアア!!!」

「すごーーーい!!! 本当に会話してる!!!」

 美月アナが めちゃくちゃテンション上がっている。

 昭人は全力で頭を抱えた。

(やばい!! マジでテレビに出ちまう!!!!)

4
「では、もう一問!!!」

「やめろおおおおお!!!」

 美月アナが、次に指名したのは ボス(茶トラ♂)。

「ボスくん、今の気分は?」

「にゃぁ……(くだらん)」

「『くだらん』」

「にゃ。(まぁ、正解)」

「すごーーーい!!! 2問連続成功!!」

 カメラマンも興奮しながら撮影を続ける。

「いやいや、これは偶然で……」

「では、最後の検証!!!」

「まだやるのかよ!!!!」

 美月アナが最後に選んだのは――

「もなか(三毛猫♀)ちゃん!!!」

「にゃ~ん(やっぱ私が主役でしょ)」

「『ほら、主役は私でしょ?』」

「にゃっ!(大正解!)」

「ギャアアアアア!!!!!」

 店内は 大盛り上がり。

 そして――

「検証結果!! 猫語バイトは本物でした!!!」

「ちょっと待てええええええ!!!!!」

 こうして、昭人は 全国に“猫語がわかるバイト”として認定されてしまった。
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