ねこまど~猫と人がつなぐ、奇跡のカフェ~

naomikoryo

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11)猫語バイト、ついに店の売上に貢献!?

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1
 ――猫語がわかるバイト。

 そんなバカげた噂が広まり始めたのは、バイト6日目のことだった。

「すみません! 猫の言葉がわかる店員さんって、こちらにいらっしゃるんですか!?」

「ギャアアアアア!!!??」

 開店と同時に飛び込んできたのは、若い女性客3人組。

 その背後には、さらに2人、3人と続いてくる。

 気がつけば、カフェの入り口には 「猫語バイト」の噂を聞きつけた新規客の行列ができていた。

「……おい」

 昭人は カウンターの奥でくつろいでいる橘真緒(たちばな まお) に、殺気を込めて睨みつけた。

「お前、どこまで広めた……?」

「え? ただちょっとTwitterで**『猫と会話できるバイトがいるカフェ』** って呟いただけだよ?」

「お前の“ちょっと”の影響力ヤバすぎんだろ!!!」

 カウンターの奥では、藤井峰子(ネコ店長)が 静かにコーヒーを飲みながら、穏やかな微笑みを浮かべていた。

「……まぁ、こんなにお客さんが増えるなら、悪くはないわね」

「店長までその気ですか!?!?!?」

2
 開店直後から「猫語バイト」を目当てにした客が押し寄せる。

「本当に猫の気持ちがわかるんですか!?」

「うちの子(猫)、最近食欲がなくて……何か聞いてもらえませんか?」

「推しの猫と会話したいんです!!!」

 ……どうしてこうなった。

 昭人は もはや完全に観念していた。

「……で、俺、何をすればいいんですか?」

「そりゃあ、猫たちの言葉を聞いて、お客さんに伝えるんだよ♪」

 真緒がニヤニヤしながら言う。

「猫語バイトとしての初仕事、頑張ってね!」

「くっ……!」

 昭人は 全力で頭を抱えながら、店の中央へと歩いていった。

3
 「それでは、猫語鑑定士の登場です!!!」

「勝手に職業増やすな!!!」

 真緒が勝手に実況を始めるなか、昭人は ミルク(白猫♀) の前にしゃがんだ。

「ミルク、お前、何か言ってやれ」

「にゃ~ん♡(頑張れ~)」

「……『私を撫でなさい♡』」

「ぎゃあああああ!!!!また当てた!!!」

「すごおおおい!!」

 お客さんが大興奮する。

「次、次!!!」

「やめろおおおお!!!」

 次に指名されたのは、ボス(茶トラ♂)。

 キャットタワーの上でドッシリと構え、昭人を睨むように見下ろしている。

「にゃぁ(無礼者)」

「『くだらん。俺に時間を使うな』」

「にゃ。(まぁ、正解)」

「うおおおおお!!!」

 店内が大盛り上がり。

 この日、昭人は 30匹近くの猫と会話させられた。

4
「……で、結果どうだった?」

 閉店後。

 昭人は 疲れ果ててカウンターに突っ伏していた。

 峰子がレジを確認しながら、淡々と言う。

「……売上、通常の2倍以上 ね」

「は?」

「SNS効果もあって、新規客がめちゃくちゃ増えた のよ」

「……」

 昭人は 遠い目をした。

「これで、猫語バイトは店の売上に貢献してる ってことね♪」

「いやいや、俺の意思は……」

「……まぁ、時給は上げてもいいわよ?」

「やります!!!!」

「切り替え早っ!!!」

 こうして――

 「猫語がわかるバイト」飯塚昭人、正式に認定。
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