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第11話「再会した元カレは、変わってなかった」
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「いやいや、なんで今ここでアンタなの!?」
思わず口から出たその言葉は、目の前の男の耳にもバッチリ届いたようだった。
「おう。俺もビビったわ。まさか“婚活イベント”で再会とか、漫画かよ」
そう言って笑ったのは――
高校時代の元カレ、庄司 翔平。
あの、元・金髪リーゼントで、ヘルメット代わりにバンダナ巻いてバイクを飛ばしていた、あの翔平である。
つい先日、“偶然”を装ってマッチングアプリで私に会いに来た張本人だ。
その翔平が、まさか婚活パーティーに再登場してくるとは。
「……お前、なんでまた出てきたん?」
「いや、あのあとなんか火がついちゃってさ。“ひかりともう一回向き合わなきゃ男じゃねぇ”って思ったわけよ」
「燃えんな」
「で、このイベント申し込んだら、お前がいるって奇跡だろ?もはや運命じゃね?」
「うるせぇ。運命に謝れ」
目の前の翔平は、当時のリーゼントこそないが、内側の“翔平味”はまったく劣化してなかった。
口調はそのまんま、テンションは高く、そしてなぜか“自信満々”。
もう、タイプとしては一番遠ざけなきゃいけない男。
なのに、なんでちょっとだけ懐かしくてムカつくんだ……?
イベントが始まってしまったせいで、私は翔平と強制的に数分間トークタイムに入ることになった。
「で、ひかり、今彼氏いんの?」
「いねぇよ」
「お、チャンスやん」
「でも候補はいる」
「え、マジで?」
「ちゃんと真面目な人。あんたみたいな奴じゃねーし」
「うぅ、地味にグサるぅ。でも、俺だって今ちゃんとしてっから!仕事も真面目にやってんだぞ?」
「それ、言いに来たの?」
「いや、正直……“なんかまだ好きかも”って思ったから」
……は?
脳内で警報が鳴り響く。
【地雷接近中】【逃げて】【警告:再燃の危険性アリ】
「好きだった頃のひかりも、今のひかりも、変わらなくてさ――」
「変わったわボケ」
「いや、変わってるんだけど変わってねぇっていうか……」
「だからどっちだよ」
言葉の裏には、揺さぶりがあった。
それが“本気”なのか“ノリ”なのか、私は測りかねていた。
昔、翔平に惹かれたのは事実。
でも、その時の私は“誰かを幸せにする覚悟”なんて微塵もなかった。
今の私は――?
「……でも、悪ぃけど、今のあたしは“ちゃんとした人”を探してるから」
「俺じゃダメか?」
「ダメとは言ってないけど、“足りない”」
「じゃあ、足りる男になるよ」
あああああああ、言い方だけはイケメンなんだよなぁ……!!
パーティーが終わった後、私は川原のいるオフィスに直行した。
「……あんた、予言者か?」
「ん?」
「“過去って不意に来る”って前言ったじゃん。来たよ、元カレが」
「うわ、マジか。庄司?あのアプリで出てきたやつ?」
「うん。今日のイベントに現れやがった」
「運命かよ」
「やかましい」
私はソファにドカッと座り、ため息を吐いた。
「なんかね……嫌いになれないのよ、完全に」
「そりゃ、青春だったからな。記憶に“ノイズ”多すぎて、綺麗に切り離せねぇんだよ」
川原がポツリと呟いた。
「けど、大事なのは、“その過去に戻りたいか”じゃなくて、“今の自分で選びたい相手か”だよ」
私は黙った。
なんでこの男、ときどき真理突いてくんのかな……
そして――ふと聞いてみた。
「じゃあさ、川原はどうなん? 元カノに再会したら、戻りたいって思う?」
川原は、少しだけ間を置いた。
「うーん……思うかもな。“後悔”って、案外恋心に似てるし」
「……素直かよ」
「でも、ちゃんと“今の相手”と向き合えてたら、揺れないと思うよ」
その言葉が、じんわりと胸に残った。
帰り道、私はスマホを取り出し、長谷川誠さんとのメッセージを読み返した。
会話はまだ続いている。次の約束も取りつけてある。
でも、私の頭の中には、なぜか――
翔平と、川原が、交互にちらついていた。
思わず口から出たその言葉は、目の前の男の耳にもバッチリ届いたようだった。
「おう。俺もビビったわ。まさか“婚活イベント”で再会とか、漫画かよ」
そう言って笑ったのは――
高校時代の元カレ、庄司 翔平。
あの、元・金髪リーゼントで、ヘルメット代わりにバンダナ巻いてバイクを飛ばしていた、あの翔平である。
つい先日、“偶然”を装ってマッチングアプリで私に会いに来た張本人だ。
その翔平が、まさか婚活パーティーに再登場してくるとは。
「……お前、なんでまた出てきたん?」
「いや、あのあとなんか火がついちゃってさ。“ひかりともう一回向き合わなきゃ男じゃねぇ”って思ったわけよ」
「燃えんな」
「で、このイベント申し込んだら、お前がいるって奇跡だろ?もはや運命じゃね?」
「うるせぇ。運命に謝れ」
目の前の翔平は、当時のリーゼントこそないが、内側の“翔平味”はまったく劣化してなかった。
口調はそのまんま、テンションは高く、そしてなぜか“自信満々”。
もう、タイプとしては一番遠ざけなきゃいけない男。
なのに、なんでちょっとだけ懐かしくてムカつくんだ……?
イベントが始まってしまったせいで、私は翔平と強制的に数分間トークタイムに入ることになった。
「で、ひかり、今彼氏いんの?」
「いねぇよ」
「お、チャンスやん」
「でも候補はいる」
「え、マジで?」
「ちゃんと真面目な人。あんたみたいな奴じゃねーし」
「うぅ、地味にグサるぅ。でも、俺だって今ちゃんとしてっから!仕事も真面目にやってんだぞ?」
「それ、言いに来たの?」
「いや、正直……“なんかまだ好きかも”って思ったから」
……は?
脳内で警報が鳴り響く。
【地雷接近中】【逃げて】【警告:再燃の危険性アリ】
「好きだった頃のひかりも、今のひかりも、変わらなくてさ――」
「変わったわボケ」
「いや、変わってるんだけど変わってねぇっていうか……」
「だからどっちだよ」
言葉の裏には、揺さぶりがあった。
それが“本気”なのか“ノリ”なのか、私は測りかねていた。
昔、翔平に惹かれたのは事実。
でも、その時の私は“誰かを幸せにする覚悟”なんて微塵もなかった。
今の私は――?
「……でも、悪ぃけど、今のあたしは“ちゃんとした人”を探してるから」
「俺じゃダメか?」
「ダメとは言ってないけど、“足りない”」
「じゃあ、足りる男になるよ」
あああああああ、言い方だけはイケメンなんだよなぁ……!!
パーティーが終わった後、私は川原のいるオフィスに直行した。
「……あんた、予言者か?」
「ん?」
「“過去って不意に来る”って前言ったじゃん。来たよ、元カレが」
「うわ、マジか。庄司?あのアプリで出てきたやつ?」
「うん。今日のイベントに現れやがった」
「運命かよ」
「やかましい」
私はソファにドカッと座り、ため息を吐いた。
「なんかね……嫌いになれないのよ、完全に」
「そりゃ、青春だったからな。記憶に“ノイズ”多すぎて、綺麗に切り離せねぇんだよ」
川原がポツリと呟いた。
「けど、大事なのは、“その過去に戻りたいか”じゃなくて、“今の自分で選びたい相手か”だよ」
私は黙った。
なんでこの男、ときどき真理突いてくんのかな……
そして――ふと聞いてみた。
「じゃあさ、川原はどうなん? 元カノに再会したら、戻りたいって思う?」
川原は、少しだけ間を置いた。
「うーん……思うかもな。“後悔”って、案外恋心に似てるし」
「……素直かよ」
「でも、ちゃんと“今の相手”と向き合えてたら、揺れないと思うよ」
その言葉が、じんわりと胸に残った。
帰り道、私はスマホを取り出し、長谷川誠さんとのメッセージを読み返した。
会話はまだ続いている。次の約束も取りつけてある。
でも、私の頭の中には、なぜか――
翔平と、川原が、交互にちらついていた。
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