魔法少女は会社員

naomikoryo

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第8章:その力で、何を選ぶか

第1話:地球に降るもの

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その日、東京の空は異様な色を帯びていた。朝焼けの赤とも夕焼けの橙ともつかない、鈍く光る灰色の雲が低く垂れ込め、街全体を覆っていた。気象庁の発表では「未確認の気象現象」とされていたが、LinkLineのメンバーはすぐにそれが異界の兆候であることを察知した。

「ユリ、異界波の解析結果は?」

ミユキが端末に向かって問いかけると、ユリの声が応答する。

「解析完了。異界波は地球外起源の魔力を含んでいます。発信源は複数、同時多発的に出現しています」

「地球外起源……つまり、異星人の仕業ってこと?」

ナナが眉をひそめる。

「可能性は高いです。過去のデータと照合した結果、以前接触した仮面の男と同一の魔力パターンが検出されました」

「またあいつか……」

まどかが拳を握りしめる。

「でも、今回は規模が違う。これまでの異界災害とは比べ物にならない」

アイナが表示された地図を指差す。そこには、東京を中心に日本各地で発生している異界の位置が示されていた。

「全国規模で同時に発生している……これは、地球全体を異界化しようとしているのかもしれない」

「そんな……」
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すみれが顔を青ざめさせる。

「LinkLineだけで対処できる規模じゃない。制度側にも協力を要請しないと」

「でも、制度は……」

つかさが口ごもる。

「制度は、まだ再編中で指揮系統が混乱している。すぐには動けないだろう」

「じゃあ、私たちだけで何とかするしかないってこと?」

ナナが声を荒げる。

「落ち着いて、ナナ。私たちには、全国に散らばる元魔法少女たちのネットワークがある。彼女たちに協力を要請しよう」

ミユキが冷静に提案する。

「でも、彼女たちは制度から離れて久しい。今さら協力してくれるかどうか……」

まどかが不安げに言う。

「LinkLineの理念に共感してくれる人たちなら、きっと力を貸してくれるはずよ」

ミユキの言葉に、皆がうなずいた。

その頃、柏木は都庁の一室で、異界災害の情報を整理していた。彼の顔には焦りと困惑の色が浮かんでいる。

「こんな大規模な異界災害、前代未聞だ……」

彼は端末を操作し、過去のデータと照合する。すると、ある記録が目に留まった。

「これは……妹の記録?」

柏木の妹、志織はかつて魔法少女として活動していたが、ある任務中に命を落とした。その記録は制度によって封印され、柏木自身も詳細を知らされていなかった。

「なぜ今になって、この記録が……」

彼は記録を開き、内容を確認する。そこには、志織が異星人との接触任務に従事していたこと、そしてその任務中に命を落としたことが記されていた。

「志織は、異星人との戦いで……」

柏木の拳が震える。

「倉持……お前は、志織を利用していたのか……」

彼は怒りと悲しみに震えながら、LinkLineに連絡を取る。

「ミユキ、すぐに会えないか?話したいことがある」

「柏木さん?どうしたの、そんなに慌てて」

「今すぐ、君に伝えなければならないことがあるんだ」

ミユキは柏木と会うため、指定された場所へと向かった。

しかし、その道中で彼女は何者かに襲われる。

「くっ……誰!?」

ミユキが身構えると、背後から柏木が飛び出し、彼女を庇う。

「ミユキ、下がって!」

その瞬間、銃声が響き、柏木の胸を貫いた。

「柏木さん!」

ミユキが叫ぶ。

「大丈夫……君に伝えなければならないことが……」

柏木は血を流しながらも、ミユキに語り始めた。

「倉持は、もう人間じゃない。彼は異星人で、地球を侵略しようとしている。志織も、その犠牲になったんだ……」

「そんな……」

ミユキは言葉を失う。

「君たちLinkLineの力が必要だ。地球を守るために……」

柏木はそう言い残し、意識を失った。

ミユキは彼を抱きしめ、涙を流す。

「必ず、守ってみせる。あなたの想いも、志織さんの想いも……」

その決意を胸に、ミユキは立ち上がった。

地球に降り注ぐ異界の脅威に立ち向かうため、彼女たちの戦いが始まろうとしていた。
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