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第二話『破滅を呼ぶ肖像画』
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長谷川健太がその絵を見つけたのは、カビと古い紙の匂いがする大学資料室の、一番奥の部屋だった。
『無題の肖像』。
作者もモデルも不明のその油絵は、他の凡庸な風景画に紛れて壁に立てかけられ、分厚い埃をかぶって忘れ去られていた。
しかし、健太はその絵の前から動けなくなった。
描かれているのは、黒いドレスをまとった物憂げな表情の女性。
その肌は月光のように白く、唇は血のように赤い。
そして何より、見る者を射抜き、心の奥底まで見透かすような、深く昏い瞳。
圧倒的な画力と、見る者を囚えて離さない妖しい魅力が、その絵にはあった。
「……すごい」
スランプに陥り、卒業制作のテーマさえ決められず、一本の線すら描けなくなっていた健太の心は、激しく揺さぶられた。
彼は教授に何度も頭を下げ、「卒業制作の研究のために」という名目で、その絵を自分のアトリエに持ち出す許可をなんとか取り付けた。
絵がアトリエのイーゼルに置かれた日から、健太の世界は一変した。
あれほど枯渇していた創作意欲が、嘘のように湧き上がってくる。
描ける。
描けるのだ。
今まで描けなかったものが、奔流のように溢れ出してくる。
健太は寝食を忘れ、狂ったようにキャンバスに向かった。
周囲の人間は、彼の突然の才能の開花を賞賛した。
「天才の覚醒だ」と囃し立てる者もいた。
だが、一部の親しい友人は、彼の異様な変化に気づき、恐怖を覚えていた。
日に日に青白くなっていく顔色。
落ち窪んで、ぎらぎらと狂的な光を宿した瞳。
まるで、命そのものを削って絵を描いているかのように、彼は衰弱していった。
「なあ、健太。お前、本当に大丈夫か?」
友人の一人が、彼の肩を掴んだ。
そのあまりの軽さと骨張った感触に、友人は息をのむ。
「大丈夫に決まってるだろ。今、最高の気分なんだ。僕のミューズが、僕に力をくれるから」
そう言って恍惚と笑う健太の顔は、しかし骸骨のようだった。
見かねた友人は、古美術に纏わる怪しい噂を扱うという骨董店、「月詠堂」の話をした。
「お前のその絵、どう見ても普通じゃない。呪われてるんじゃないのか。一度、専門家に見てもらった方がいい」
「馬鹿を言うな! これは僕の女神(ミューズ)だ!」
健太は激昂したが、友人に半ば引きずられるようにして、問題の絵を抱え、月詠堂の古びた引き戸をくぐることになった。
◆◇◆
「ほう。これはまた…業の深い品だな」
絵を見た瞬間、時也の背後から、低く、渋い声がした。
顕現した玄翁が、腕を組み、鑑定するような鋭い目で絵を睨みつけている。
健太は、店主である時也の若さと、その傍に立つ厳つい老人のただならぬ存在感に戸惑っていた。
「あの、この絵の鑑定をお願いしたい、と友人が…」
時也は健太を促し、絵を受け取ると、そっとその絵の表面に触れた。
瞬間、指先から、嵐のような感情が流れ込んでくる。
嫉妬。
渇望。
独占欲。
他者を認めない、どす黒く粘つくような感情の渦。
だが、その激情の奥に、ぽつんと灯る螢火のような、か細く、深い『哀しみ』も感じられた。
「玄翁の言う通りだ。これは、ただの絵じゃない」
時也の言葉に、隣に立つ玄翁が、吐き捨てるように言った。
「当たり前だ。これは、人の魂を顔料に混ぜて描きおったな。作り手の魂が腐っておる。紛れもない邪道だ!」
「魂を、顔料に…?」
健太が呆然と呟く。
時也は目を閉じ、さらに深く、絵の記憶の深淵へと意識を沈めていった。
――愛シテイル。誰ニモ渡シタクナイ。
――オ前ハ、永遠ニ私ダケノモノダ。
視えるのは、煤けた古いアトリエ。
そして、一枚の絵に狂おしいほどの執着を燃やす、一人の無名画家。
彼は、ある裕福な家の令嬢に恋をした。
だが、彼女は身分違いの彼ではなく、親が決めた裕福な男の元へと嫁いでしまった。
画家は絶望と嫉妬に狂った。
「せめて、この絵の中だけでも、彼女を永遠に私のものにしたい」
その歪んだ独占欲が、彼を禁断の術へと走らせた。
彼は、生きている人間の魂を少しずつ削り取り、それを顔料に混ぜて絵を描くことで、絵に呪われた生命を吹き込もうとしたのだ。
彼の標的はもちろん、彼の想い人である令嬢だった。
結果、令嬢は嫁ぎ先で原因不明の病に倒れ、その美しい姿を保ったまま衰弱し、若くして亡くなった。
魂を、この絵に喰われて。
そして、呪われた絵は完成した。
作者の歪んだ独占欲の化身として、今もなお新たな才能ある持ち主を求め、その魂を喰らい続けているのだ。
自らの美しさと呪いを、永遠に保つために。
◆◇◆
「そんな……そんなはずはない!」
時也から真実を聞かされた健太は、顔面を蒼白にさせて叫んだ。
「この絵は、僕に力をくれるんだ! 僕の女神なんだ!」
彼は時也の手から絵をひったくると、嵐のように店から飛び出し、自分のアトリエへと逃げ帰ってしまった。
「ふん、愚かな若造め。物の怪に魂を喰われるとは、作り手の風上にもおけんわ」
玄翁が冷たく言い放つ。
「…いや、まだだ」
時也は静かに首を振った。
「彼は、まだ完全に喰われたわけじゃない。それに…あの絵の哀しみが、気になる」
その夜。
時也は玄翁と共に、健太のアトリエを訪れた。
扉には鍵がかかっていたが、構わず時也が古びた錠前に手をかけると、それは乾いた音を立ててあっさりと壊れた。
アトリエの中は、油絵の具の匂いと、そして濃密な死の匂いが充満していた。
部屋の中央で、長谷川健太が、狂ったように巨大なキャンバスに筆を走らせていた。
彼の背後にはあの肖像画が置かれ、絵の中の女が、恍惚とした表情で彼を見つめている。
『サア、モット…モット、アナタノ魂ヲ頂戴。ソウスレバ、アナタハ最高ノ芸術家ニナレルワ…』
女の甘い声が、アトリエに響く。
健太の体は、すでに半透明になりかかっていた。
その魂が、完成間近の卒業制作の絵の中に、まさに吸い取られようとする瞬間だった。
◆◇◆
「まだ終わらせん!」
時也は叫び、呪われた肖像画の前に立ちはだかった。
彼は、絵の記憶の中から、ある一つの情景を、強く、強く念じ続けた。
それは、モデルとなった令嬢が、嫁ぐ日の朝、震える手で一枚の手紙を書いている記憶。
宛先は、もちろんあの無名画家だ。
――あなたの才能を、心から信じています。
私のことは忘れて、どうか、日本一の画家になってください。
遠い場所から、ずっと応援しています。
「作者は、彼女の想いを履き違えたのだ!」
時也の叫びが、アトリエに木霊する。
「彼女が望んだのは、絵の中に閉じ込められ、永遠の命を得ることではない! お前の才能が、お前自身の力で花開くことだったんだ! それを踏みにじったのは、あんた自身じゃないか!」
その言葉は、絵の作者の亡霊に、そして健太の魂に、鋭く突き刺さった。
令嬢の純粋な願いに触れたことで、百年以上も絵にこびりついていた作者の歪んだ執着が、黒い霧のように霧散していく。
健太の筆が、ぴたりと止まった。
「ああ……そうか。俺は……俺は、ただ、描きたかっただけなんだ……自分の力で……」
彼が本当に求めていたのは、誰かの魂を糧にした偽りの才能ではない。
スランプを乗り越え、自らの手で作品を生み出す、あの純粋な喜びだった。
その瞬間、アトリエを満たしていた妖しい光が消え、肖像画は、ただの古い油絵に戻った。
◆◇◆
後日。
すっかり健康を取り戻した健太が、月詠堂を訪れた。
彼は完成させた卒業制作の写真を時也に見せた。
それは、呪いの力ではなく、彼自身の魂で描かれた、荒々しくも力強い作品だった。
「あの絵は、ここに預かっていただけませんか。もう、僕には必要ありません。これからは、自分の力で描いていきます」
そう言って深々と頭を下げる彼の目は、以前の自信なさげな光はなく、創作の喜びに満ちていた。
時也は、静かになった肖像画を店の奥の蔵に仕舞う。
「ふん、少しは骨のある若造になったようだな」
そばに立つ玄翁が、硬い表情を少しだけ緩め、ほんの少しだけ嬉しそうに、そう呟いた。
『無題の肖像』。
作者もモデルも不明のその油絵は、他の凡庸な風景画に紛れて壁に立てかけられ、分厚い埃をかぶって忘れ去られていた。
しかし、健太はその絵の前から動けなくなった。
描かれているのは、黒いドレスをまとった物憂げな表情の女性。
その肌は月光のように白く、唇は血のように赤い。
そして何より、見る者を射抜き、心の奥底まで見透かすような、深く昏い瞳。
圧倒的な画力と、見る者を囚えて離さない妖しい魅力が、その絵にはあった。
「……すごい」
スランプに陥り、卒業制作のテーマさえ決められず、一本の線すら描けなくなっていた健太の心は、激しく揺さぶられた。
彼は教授に何度も頭を下げ、「卒業制作の研究のために」という名目で、その絵を自分のアトリエに持ち出す許可をなんとか取り付けた。
絵がアトリエのイーゼルに置かれた日から、健太の世界は一変した。
あれほど枯渇していた創作意欲が、嘘のように湧き上がってくる。
描ける。
描けるのだ。
今まで描けなかったものが、奔流のように溢れ出してくる。
健太は寝食を忘れ、狂ったようにキャンバスに向かった。
周囲の人間は、彼の突然の才能の開花を賞賛した。
「天才の覚醒だ」と囃し立てる者もいた。
だが、一部の親しい友人は、彼の異様な変化に気づき、恐怖を覚えていた。
日に日に青白くなっていく顔色。
落ち窪んで、ぎらぎらと狂的な光を宿した瞳。
まるで、命そのものを削って絵を描いているかのように、彼は衰弱していった。
「なあ、健太。お前、本当に大丈夫か?」
友人の一人が、彼の肩を掴んだ。
そのあまりの軽さと骨張った感触に、友人は息をのむ。
「大丈夫に決まってるだろ。今、最高の気分なんだ。僕のミューズが、僕に力をくれるから」
そう言って恍惚と笑う健太の顔は、しかし骸骨のようだった。
見かねた友人は、古美術に纏わる怪しい噂を扱うという骨董店、「月詠堂」の話をした。
「お前のその絵、どう見ても普通じゃない。呪われてるんじゃないのか。一度、専門家に見てもらった方がいい」
「馬鹿を言うな! これは僕の女神(ミューズ)だ!」
健太は激昂したが、友人に半ば引きずられるようにして、問題の絵を抱え、月詠堂の古びた引き戸をくぐることになった。
◆◇◆
「ほう。これはまた…業の深い品だな」
絵を見た瞬間、時也の背後から、低く、渋い声がした。
顕現した玄翁が、腕を組み、鑑定するような鋭い目で絵を睨みつけている。
健太は、店主である時也の若さと、その傍に立つ厳つい老人のただならぬ存在感に戸惑っていた。
「あの、この絵の鑑定をお願いしたい、と友人が…」
時也は健太を促し、絵を受け取ると、そっとその絵の表面に触れた。
瞬間、指先から、嵐のような感情が流れ込んでくる。
嫉妬。
渇望。
独占欲。
他者を認めない、どす黒く粘つくような感情の渦。
だが、その激情の奥に、ぽつんと灯る螢火のような、か細く、深い『哀しみ』も感じられた。
「玄翁の言う通りだ。これは、ただの絵じゃない」
時也の言葉に、隣に立つ玄翁が、吐き捨てるように言った。
「当たり前だ。これは、人の魂を顔料に混ぜて描きおったな。作り手の魂が腐っておる。紛れもない邪道だ!」
「魂を、顔料に…?」
健太が呆然と呟く。
時也は目を閉じ、さらに深く、絵の記憶の深淵へと意識を沈めていった。
――愛シテイル。誰ニモ渡シタクナイ。
――オ前ハ、永遠ニ私ダケノモノダ。
視えるのは、煤けた古いアトリエ。
そして、一枚の絵に狂おしいほどの執着を燃やす、一人の無名画家。
彼は、ある裕福な家の令嬢に恋をした。
だが、彼女は身分違いの彼ではなく、親が決めた裕福な男の元へと嫁いでしまった。
画家は絶望と嫉妬に狂った。
「せめて、この絵の中だけでも、彼女を永遠に私のものにしたい」
その歪んだ独占欲が、彼を禁断の術へと走らせた。
彼は、生きている人間の魂を少しずつ削り取り、それを顔料に混ぜて絵を描くことで、絵に呪われた生命を吹き込もうとしたのだ。
彼の標的はもちろん、彼の想い人である令嬢だった。
結果、令嬢は嫁ぎ先で原因不明の病に倒れ、その美しい姿を保ったまま衰弱し、若くして亡くなった。
魂を、この絵に喰われて。
そして、呪われた絵は完成した。
作者の歪んだ独占欲の化身として、今もなお新たな才能ある持ち主を求め、その魂を喰らい続けているのだ。
自らの美しさと呪いを、永遠に保つために。
◆◇◆
「そんな……そんなはずはない!」
時也から真実を聞かされた健太は、顔面を蒼白にさせて叫んだ。
「この絵は、僕に力をくれるんだ! 僕の女神なんだ!」
彼は時也の手から絵をひったくると、嵐のように店から飛び出し、自分のアトリエへと逃げ帰ってしまった。
「ふん、愚かな若造め。物の怪に魂を喰われるとは、作り手の風上にもおけんわ」
玄翁が冷たく言い放つ。
「…いや、まだだ」
時也は静かに首を振った。
「彼は、まだ完全に喰われたわけじゃない。それに…あの絵の哀しみが、気になる」
その夜。
時也は玄翁と共に、健太のアトリエを訪れた。
扉には鍵がかかっていたが、構わず時也が古びた錠前に手をかけると、それは乾いた音を立ててあっさりと壊れた。
アトリエの中は、油絵の具の匂いと、そして濃密な死の匂いが充満していた。
部屋の中央で、長谷川健太が、狂ったように巨大なキャンバスに筆を走らせていた。
彼の背後にはあの肖像画が置かれ、絵の中の女が、恍惚とした表情で彼を見つめている。
『サア、モット…モット、アナタノ魂ヲ頂戴。ソウスレバ、アナタハ最高ノ芸術家ニナレルワ…』
女の甘い声が、アトリエに響く。
健太の体は、すでに半透明になりかかっていた。
その魂が、完成間近の卒業制作の絵の中に、まさに吸い取られようとする瞬間だった。
◆◇◆
「まだ終わらせん!」
時也は叫び、呪われた肖像画の前に立ちはだかった。
彼は、絵の記憶の中から、ある一つの情景を、強く、強く念じ続けた。
それは、モデルとなった令嬢が、嫁ぐ日の朝、震える手で一枚の手紙を書いている記憶。
宛先は、もちろんあの無名画家だ。
――あなたの才能を、心から信じています。
私のことは忘れて、どうか、日本一の画家になってください。
遠い場所から、ずっと応援しています。
「作者は、彼女の想いを履き違えたのだ!」
時也の叫びが、アトリエに木霊する。
「彼女が望んだのは、絵の中に閉じ込められ、永遠の命を得ることではない! お前の才能が、お前自身の力で花開くことだったんだ! それを踏みにじったのは、あんた自身じゃないか!」
その言葉は、絵の作者の亡霊に、そして健太の魂に、鋭く突き刺さった。
令嬢の純粋な願いに触れたことで、百年以上も絵にこびりついていた作者の歪んだ執着が、黒い霧のように霧散していく。
健太の筆が、ぴたりと止まった。
「ああ……そうか。俺は……俺は、ただ、描きたかっただけなんだ……自分の力で……」
彼が本当に求めていたのは、誰かの魂を糧にした偽りの才能ではない。
スランプを乗り越え、自らの手で作品を生み出す、あの純粋な喜びだった。
その瞬間、アトリエを満たしていた妖しい光が消え、肖像画は、ただの古い油絵に戻った。
◆◇◆
後日。
すっかり健康を取り戻した健太が、月詠堂を訪れた。
彼は完成させた卒業制作の写真を時也に見せた。
それは、呪いの力ではなく、彼自身の魂で描かれた、荒々しくも力強い作品だった。
「あの絵は、ここに預かっていただけませんか。もう、僕には必要ありません。これからは、自分の力で描いていきます」
そう言って深々と頭を下げる彼の目は、以前の自信なさげな光はなく、創作の喜びに満ちていた。
時也は、静かになった肖像画を店の奥の蔵に仕舞う。
「ふん、少しは骨のある若造になったようだな」
そばに立つ玄翁が、硬い表情を少しだけ緩め、ほんの少しだけ嬉しそうに、そう呟いた。
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