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終末編
砂の嵐
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「くそ……!この量は…ダメだ…!」
メリッサは瓦礫から顔を出す。その視界の先には、夥しい数の人造人間が広がっていた。しかし、それでも彼女は立ち上がる。
周囲を見渡し、魔力視覚を発動させる。どうやら生き残った民間人は1人もいないようだ。
「ここを切り開くしかあるまい……!民間人をどうにかして助けなければ…」
「将軍……今、要請が完了しました。」
「そうか…では、持ち堪えるとするか!」
フリークは武器を構え、人造人間に向かって魔力の弾を射出する。メリッサは糸を張り巡らせ、人造人間を絡め取っていく。
「くっ…!」
しかし、100万を超える軍勢の前には、その抵抗も無意味に等しい。
彼らはメリッサを囲い込むと、一斉に砲撃の装填を始める。
「おおおおお!」
フリークは魔能力を発動させた。
魔力跳弾。四方八方に反発し、人造人間の体を捉えていく。
「助かった、Mr.フリーク。」
「いいえ…何年振りでしょうね、こうやって背中を預け合うのは。」
「ははは…3年と4ヶ月ぶりだよ。」
「いちいち数えてたんですか?」
無数の糸、跳ねる弾。2つの魔力が戦場を駆け巡る。
「このまま…行くぞ!」
「させねえよ?」
メリッサの背後から、何者かが忍び寄った。
「何?!」
彼女は咄嗟に、攻撃を糸でガードする。
「お前は……!」
「そ、トラヴィス.ツヴァイデッド。」
「やはり君が……ナンバーズか!」
「はええ…知ってたのね。早めに手ぇ下しといて良かったよ!」
トラヴィスは体を変質させる。
赤、青、黒、白……次々と体の色が変わっていく。
「なんだ…?!魔能力…」
「いいや、違うぜ?」
彼の体の変化が止まる。全身が半透明のそれは、まさしく人造人間だった。
「くそ…何がどうなって…」
「お前は邪魔。」
フリークの腹部は、トラヴィスによって貫かれた。
「Mr.フリーク!」
「おせぇ。」
メリッサは糸を前方に貼り、防御を取る。しかし、トラヴィスは彼女の背後に回り込み、鋭利な爪を振り上げた。
「くそ!」
彼女は右に避けてそれを回避する。
トラヴィスの振るった爪の先にある、全ての景色が削り取られる。
「なんという威力……!」
「まだ終わらねえぜ?」
彼の体が、ドロドロと溶け始める。
次の瞬間、彼の全身が鞭のようにしなり始め、メリッサを全方向から囲い込んだ。隙間などない。逃げようもない。
このままでは、死……
その時だった。無数の弾丸と矢が、彼の体を捉え、その方向をずらしたのだ。
「なんだ…?」
上空から、巨大な塊が飛来する。それは、巨体の人間だった。
「Mr.ジーク!」
「久しぶりだな、将軍サン。」
ジークはトラヴィスを殴りつけ、その強固な体を一瞬揺らがせた。
「くっそ…硬えなこいつ。」
「でもなんとか間に合いましたよ。」
アンナとアンは魔力を装填させ、トラヴィスとその周囲の人造人間に向けて放つ。
「サポートは任せてください。」
メリッサの脳内に、レナの声が響き渡った。
「チィ…!」
彼はその攻撃を体で受けてやり過ごすと、その直後に鋭利な刃へと変化させ、周囲に向けて一斉に解き放った。
「くっ…」
「やっべ!」
一同は一斉にその場を離れる。メリッサはフリークを抱えて瓦礫の下に潜りこんだ。
「フリーク……!おい、生きてるか!」
「ええ…大丈夫ですよ…」
「おい!乗り込め!」
アンナは、自身の用意した車に彼女を手招きする。
「させるか…!」
トラヴィスは車へ攻撃する。
「させねーのはこっちだよ、馬鹿野郎。」
ジークはそれを全て叩き落とす。
「痛っ…硬すぎだろ!」
彼の拳に傷がつく。最早この地上に、これ以上に硬い物体は存在しないだろう。
「よし、乗り込んだ!発進だ!」
メリッサの指示と同時に、車が走り始める。
「おいおい、行かせるわけねえだろ?」
最早時速100kmを超える速度は、彼にとっては徒歩より遅い。一瞬にしてトラヴィスは彼らに追いつくと、伸ばした右腕を振り降ろす。
「おおおおおお!」
フリークは銃弾を放ち、それの進路を逸らした。
「チィ!」
「将軍……私が残ります…」
フリークは、痛む体を押さえつけ、ヨロヨロと立ち上がる。
「フリーク…何を…」
「私は……真面目すぎて扱いやすい。そうでしょ?」
いつか話した言葉を、彼は復唱した。
「………そうか、さらばだ。」
メリッサは彼に敬礼する。よもや止める余地も権利もあるまい。
「ええ、では。」
フリークは車から飛び降りると、トラヴィスの前なら立ちはだかった。
「おいおい…冗談だろ?お前みたいな雑魚に何ができるってんだよ!」
トラヴィスの右腕が、フリークの心臓に突き刺さる。
「ああ…!」
アンは顔を覆う。
「さらばだ、人造人間!」
フリークはスイッチを押す。ケビンから託されていたもの。
それを今、発動させたのだ。
「何?!」
周囲の人造人間たちが爆発する。膨張した熱により、突風が巻き起こった。
「……目的地は?」
「え?」
「目的地はどこだと聞いている?」
メリッサは震える声でレナに問う。
「目的地はあそこ。魔兵軍と民間人、魔族が避難を開始しています。」
「そうか……Mr.フリークのお陰で突破もできそうだ。行くぞ!」
メリッサ達は、レナの指差した方向へ向かっていった。
「くそ…なんだこれは……畜生!」
アダムは震える声で叫んだ。
自身が連れていたはずの子供…それが敵として自信に襲いかかっているのだ。
「逃げろ……!」
アダムはなかった子供達に言う。
「で、でも…」
ニッシュはアダムを見たまま動けなかった。
「逃げろってんだよ!」
アダムの叫びによって我に返ったニッシュは、子供達を連れてその場を後にする。シーラの視界に、アダムの顔が映る。その顔は、涙を流していた。
「くそ…くそ……ふざけんな…ふざけんな……ああああああああああああああああああああああああああ!」
かつて子供だったはずの人造人間を、アダムは殺して回った。数にして僅か10体。彼にとっては、膨大な魔力を纏っただけの一介の敵にすぎない。本来の、彼ならば。
腕を捥ぐたび、体が震える。頭を潰すたび、涙が流れる。
そうして全員殺し尽くした頃には最早、彼は泣き叫ぶ以外できなかった。
「……殺してやる。殺してやる!殺してやる!殺してやる!!!」
アダムの瞳に魔力が灯る。かつて子供だった者たちの亡骸の上で、彼は怒りに震えた。
メリッサは瓦礫から顔を出す。その視界の先には、夥しい数の人造人間が広がっていた。しかし、それでも彼女は立ち上がる。
周囲を見渡し、魔力視覚を発動させる。どうやら生き残った民間人は1人もいないようだ。
「ここを切り開くしかあるまい……!民間人をどうにかして助けなければ…」
「将軍……今、要請が完了しました。」
「そうか…では、持ち堪えるとするか!」
フリークは武器を構え、人造人間に向かって魔力の弾を射出する。メリッサは糸を張り巡らせ、人造人間を絡め取っていく。
「くっ…!」
しかし、100万を超える軍勢の前には、その抵抗も無意味に等しい。
彼らはメリッサを囲い込むと、一斉に砲撃の装填を始める。
「おおおおお!」
フリークは魔能力を発動させた。
魔力跳弾。四方八方に反発し、人造人間の体を捉えていく。
「助かった、Mr.フリーク。」
「いいえ…何年振りでしょうね、こうやって背中を預け合うのは。」
「ははは…3年と4ヶ月ぶりだよ。」
「いちいち数えてたんですか?」
無数の糸、跳ねる弾。2つの魔力が戦場を駆け巡る。
「このまま…行くぞ!」
「させねえよ?」
メリッサの背後から、何者かが忍び寄った。
「何?!」
彼女は咄嗟に、攻撃を糸でガードする。
「お前は……!」
「そ、トラヴィス.ツヴァイデッド。」
「やはり君が……ナンバーズか!」
「はええ…知ってたのね。早めに手ぇ下しといて良かったよ!」
トラヴィスは体を変質させる。
赤、青、黒、白……次々と体の色が変わっていく。
「なんだ…?!魔能力…」
「いいや、違うぜ?」
彼の体の変化が止まる。全身が半透明のそれは、まさしく人造人間だった。
「くそ…何がどうなって…」
「お前は邪魔。」
フリークの腹部は、トラヴィスによって貫かれた。
「Mr.フリーク!」
「おせぇ。」
メリッサは糸を前方に貼り、防御を取る。しかし、トラヴィスは彼女の背後に回り込み、鋭利な爪を振り上げた。
「くそ!」
彼女は右に避けてそれを回避する。
トラヴィスの振るった爪の先にある、全ての景色が削り取られる。
「なんという威力……!」
「まだ終わらねえぜ?」
彼の体が、ドロドロと溶け始める。
次の瞬間、彼の全身が鞭のようにしなり始め、メリッサを全方向から囲い込んだ。隙間などない。逃げようもない。
このままでは、死……
その時だった。無数の弾丸と矢が、彼の体を捉え、その方向をずらしたのだ。
「なんだ…?」
上空から、巨大な塊が飛来する。それは、巨体の人間だった。
「Mr.ジーク!」
「久しぶりだな、将軍サン。」
ジークはトラヴィスを殴りつけ、その強固な体を一瞬揺らがせた。
「くっそ…硬えなこいつ。」
「でもなんとか間に合いましたよ。」
アンナとアンは魔力を装填させ、トラヴィスとその周囲の人造人間に向けて放つ。
「サポートは任せてください。」
メリッサの脳内に、レナの声が響き渡った。
「チィ…!」
彼はその攻撃を体で受けてやり過ごすと、その直後に鋭利な刃へと変化させ、周囲に向けて一斉に解き放った。
「くっ…」
「やっべ!」
一同は一斉にその場を離れる。メリッサはフリークを抱えて瓦礫の下に潜りこんだ。
「フリーク……!おい、生きてるか!」
「ええ…大丈夫ですよ…」
「おい!乗り込め!」
アンナは、自身の用意した車に彼女を手招きする。
「させるか…!」
トラヴィスは車へ攻撃する。
「させねーのはこっちだよ、馬鹿野郎。」
ジークはそれを全て叩き落とす。
「痛っ…硬すぎだろ!」
彼の拳に傷がつく。最早この地上に、これ以上に硬い物体は存在しないだろう。
「よし、乗り込んだ!発進だ!」
メリッサの指示と同時に、車が走り始める。
「おいおい、行かせるわけねえだろ?」
最早時速100kmを超える速度は、彼にとっては徒歩より遅い。一瞬にしてトラヴィスは彼らに追いつくと、伸ばした右腕を振り降ろす。
「おおおおおお!」
フリークは銃弾を放ち、それの進路を逸らした。
「チィ!」
「将軍……私が残ります…」
フリークは、痛む体を押さえつけ、ヨロヨロと立ち上がる。
「フリーク…何を…」
「私は……真面目すぎて扱いやすい。そうでしょ?」
いつか話した言葉を、彼は復唱した。
「………そうか、さらばだ。」
メリッサは彼に敬礼する。よもや止める余地も権利もあるまい。
「ええ、では。」
フリークは車から飛び降りると、トラヴィスの前なら立ちはだかった。
「おいおい…冗談だろ?お前みたいな雑魚に何ができるってんだよ!」
トラヴィスの右腕が、フリークの心臓に突き刺さる。
「ああ…!」
アンは顔を覆う。
「さらばだ、人造人間!」
フリークはスイッチを押す。ケビンから託されていたもの。
それを今、発動させたのだ。
「何?!」
周囲の人造人間たちが爆発する。膨張した熱により、突風が巻き起こった。
「……目的地は?」
「え?」
「目的地はどこだと聞いている?」
メリッサは震える声でレナに問う。
「目的地はあそこ。魔兵軍と民間人、魔族が避難を開始しています。」
「そうか……Mr.フリークのお陰で突破もできそうだ。行くぞ!」
メリッサ達は、レナの指差した方向へ向かっていった。
「くそ…なんだこれは……畜生!」
アダムは震える声で叫んだ。
自身が連れていたはずの子供…それが敵として自信に襲いかかっているのだ。
「逃げろ……!」
アダムはなかった子供達に言う。
「で、でも…」
ニッシュはアダムを見たまま動けなかった。
「逃げろってんだよ!」
アダムの叫びによって我に返ったニッシュは、子供達を連れてその場を後にする。シーラの視界に、アダムの顔が映る。その顔は、涙を流していた。
「くそ…くそ……ふざけんな…ふざけんな……ああああああああああああああああああああああああああ!」
かつて子供だったはずの人造人間を、アダムは殺して回った。数にして僅か10体。彼にとっては、膨大な魔力を纏っただけの一介の敵にすぎない。本来の、彼ならば。
腕を捥ぐたび、体が震える。頭を潰すたび、涙が流れる。
そうして全員殺し尽くした頃には最早、彼は泣き叫ぶ以外できなかった。
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