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ゴミ拾いエルフの疑問
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私が住んでいるこの世界"ヴァルネフィ"には人族、エルフ族、ドワーフ族、魔族、精霊族、暴走族、神族が存在するとされている。
ちなみに私はエルフ族だ。
エルフ族は基本的に森を愛し森に愛された存在故に温厚で争い事は好まない話し合いの通じる種族とされている。
私も四百三十一歳(人族で言うところの十七歳ぐらい)になるまでは何も疑問に思わなかった。
だが、七十年前に親と喧嘩をして私が家出をした際に訪れた隣の森のエルフの村"ティルト"と人族の街"ファルスフィン"では私の住んでいる森"マニラス"にはよく落ちている"肥料になるゴミ"が一つも落ちていなかった。
私はその家出をした日からずっと冒険者に憧れている。
だけどもう憧れるだけではない!!
今日私は両親公認で村を出て冒険者になるのだ!!
一人暮らしになるから不安はあるけど、無理そうになったら助けてもらう。
前ファルスフィンに行った時優しい人たちが多かったから……大丈夫だよね、多分。
私はそう考えながら村を出た。
そして三十分ほど歩き森の出口に近づいた時子供の泣いている声が聞こえた
子供の泣き声……もしかして襲われてるかも!!
私は声の方向に走りながら詠唱を始めた
『風よ集いて盾となりて我が身を護れ敵を切り裂き蹂躙せよ"ウィンドエンチャント"』
私が最近覚えたこの魔法の効果は二つある。
一つ目は周囲の風を集め全身に風の刃として纏わせる。
二つ目は集めた風を好きな時に風の刃を相手に放出し攻撃できる。
詠唱なしでも魔法を使えるけど、詠唱をした方がほんの少し威力が増すと村の本に書いてあったので初めて詠唱してみた。
そして子供が襲われているのが見えた。
「ギャハハハ、このガキ上玉じゃねぇかよ。高く売れそうだぜ」
「…………」
「こいつ俺たちが怖くて声が出ないじゃねえか?」
「「ギャハハハハ」」
人族にもこんな奴らみたいなのがいるのかと怒りながら、私は風の刃で子供を襲っている人族の足を切断した。
「早く逃げるよ!!」
私は子供の手を引っ張り走った
私には人を殺す勇気はない……足ならドワーフ族に頼めば義足で元の生活には戻れるはず。
はあ、私こんなので憧れの冒険者になれるのかな?
私は記憶を頼りに子供を連れ街を目指した。
そして十二分走った時
「……はあ、はあお姉ちゃん待って……休憩させて」
「……それじゃあおんぶしようか? それなら休憩は出来るんじゃない?」
「子供扱いしないで……って言いたいけど今回はお言葉に甘えさせてもらう」
「そういえば名前聞いてなかったね。私はセリーナ、君の名前を教えてくれる?」
「僕はヘルヴェイス、今はただのヘルヴェイスだよ」
そして私は子供……ヘルヴェイスをおんぶした。
さっきは無我夢中で逃げてて気づかなかったけどこの子の魔力に私は……本能的に"恐怖"を感じた。
だけどこの恐怖は私の問題だからヘルヴェイスに感じさせないようにしないと。
一時間後
ガシャン
「おいそこのお前ギルドカードまたは通行料十ゴールドを出してもらう」
「私村を出たばかりでギルドカードも通行料も持ってない……どうしよう!!」
「村を出たばかり……か冒険者ギルドに登録する予定は?」
「登録するために村を出ました」
「だったら登録して稼いでからの後払いでも構わない。しっかり二人分払えよ、払わなければ自警団に突き出すからな!! そんじゃ通れ」
「ありがとうございます!! 後で必ず払います」
私は門番にお礼を告げヘルヴェイスと共に門を潜った。
「お姉ちゃん僕も頑張って稼ぐからね!!」
「ありがとうヘルヴェイス」
「ヘルでいいよお姉ちゃん」
「分かったヘルちゃん」
そして私はヘルちゃんを背負って冒険者ギルドに入った。
すると冒険者たちが一斉に私たちに武器を向けた。
「きっ貴様は一体何を連れている!!」
「何って子供ですよ!! どうして私たちに武器を向けるんですか!? 私がマニラスのエルフだからですか!!」
私がそう叫ぶと奥の部屋から"マスター"と呼ばれた男が出てきた。
「マニラスのエルフ族が人族を殺していることは知っている。あれは森を荒らしたあいつらが悪い……だが今回我らが武器を向けているのは貴方が背負っているものが怖いのだ。貴方は感じないのか尋常じゃない魔力の圧を恐怖を!!」
「私だって感じているけど武器を向けるほどじゃないでしょ!!」
「そう……お姉ちゃんも怖がってたのか。それでもお姉ちゃんは僕を他と変わらないように接してくれたのありがとう」
ヘルちゃんは私にお礼を言ったあとの『魔力全開放』の一言から空気は変わった。
なっ何この震え
「お姉ちゃん騙してごめんね。僕は……いいや我は魔王ヘルヴェイス穢れたこの地を救済するべく再び降臨した」
すると周囲は私を「この売国奴!!」と罵った。
私が落ち込んでいると『セリーナを傷つける奴は我が殺す!!』とヘルちゃんは冒険者を殺した。
「ちょっとヘルちゃん言葉より先に行動しちゃってる!!」
あれ? さっきまでの恐怖がなくなってる
マスターは私をギルドマスター室に連れて行き取引を持ちかけてきた。
「貴方が魔王に気に入られていることを見越して頼みがある。マニラスの森を解放してほしい。代わりにこのギルドにCランクとして登録させる。あの森はおかしいと疑問に思ったことはないか?」
「おかしい……と思ったことはある。あの森にはよく"肥料になるゴミ"が落ちているけど……多分さっきのマスターの言い方からしてあれは人族の肉を捨てて私たち子供に拾わせている」
「そう、そしてあの森のエルフの族長は昔魔王軍幹部のダークエルフのフェンリが自らが扱いやすいよう洗脳魔法をかけているんだ。貴方も洗脳が解けているようでよかった」
貴方"も"ってことは
「もしかしてマスターってエル……」
「しー、隠してるんだ。私は三千年前のフェンリ様の時代から生きている。そして森に入った人間を殺してトレントの餌にしている。私たちは反対していたんだけど……フェンリ様は魔王軍幹部であり崇拝者だったから『こんな奴ら洗脳したほうが手っ取り早い』と洗脳したのが始まりだ。そして洗脳魔法を族長の一族が代々受け継いで使い続けている。私はずっと救いたかった……けど私には洗脳を解く力が無い。あれは運が良かっただけ、だけど貴方はそのことに疑問に思った洗脳魔法がかけられた状態だと疑問にすら思わない。ちょっと待っててくれ」
そしてマスターはエルフを一人連れてきた
「私の娘だ。洗脳魔法の影響でもう人族を十人以上殺している……まずは少し試してみてくれないか?」
「試してくれと言われても……どうすれば」と私が焦っているとマスターが「対象に魔力を込めて解呪と唱えると言いと聞いたことがある」
そう聞いて私が試してみると
「ぐっあぁぁぁぁ頭がぁぁあ割れ……やめろぉぉぉ」
「どうしたマヤ!!」
「あの!! 続けた方が良いですか!?」
「くっ……それで洗脳が解けるなら……続けてくれ!!」
「やめろと言っておろうが!! おいショウマよくもこのフェンリを……自らの娘を殺す気か貴様!!」
「この声まさか……フェンリ様!?」
「そんなことどうでもいいようやく魔王様がお戻りになられたのだ!! 貴様らは魔王様の役に立つための駒でしかないのだ生きようが死のうが知ったことか!! 今すぐこの娘を殺しても良いのだぞ!!」
「……セリーナ洗脳魔法を解いてくれ」
「やめろやめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そして洗脳魔法が解けたのかマヤは目を覚ました。
「んっんん……父さん? どうしたの泣いて……私に何かあったみたいじゃない……何もないよね?」
マスターはマヤに説明した。
そして私が洗脳魔法を解けることが分かった。
もう一つ……おそらく今もフェンリは生きている。
私たちマニラスのエルフにかけられている洗脳魔法の中に。
「セリーナ姉様と……呼んでもいいですか?」
「姉様……姉様かぁ……えへへ、なんだかむず痒いなぁ……良いよ!!」
「あのなマヤの方が年上なんだぞ……セリーナがマヤ姉様と呼ぶべきだろ!!」
「父さん……少し黙って」
「はっはい…………コホンそっ、それじゃあセリーナマニラスの森に向かってくれ」
「マヤもセリーナ姉様と一緒に向かいます」
「ダ~メ~だ~マヤは父さんと一緒だ!!」
「父さん子供みたいに駄々をこねないでください!!」
「セリーナ早く……早く行ってくれ~!!」
そして私はヘルちゃんに挨拶をしてからマニラスに向かった。
マニラスに帰った私だが、歓迎はされなかった。
村のみんなは口々に『魔王様のために』と言いながら私を攻撃してきた。
大方フェンリの洗脳魔法の所為だろう
このままでは一人を解呪している間に殺される!!
「我が来たぞセリーナ!!」
「ヘルちゃん!!」
「魔王のためなのだろう……ならばセリーナを攻撃するのはやめよ!!」
ヘルちゃんの一言でみんなは攻撃をやめた。
するとみんなの影が一つに集まり人型になった。
「魔王様ぁぁぁぁ私は魔王様のためにずっとずっっっと頑張ったんです褒めてください!!」
「よく頑張ったなフェンリよ」
「あぁもう私死んでもいい」
「ならフェンリよエルフたちの洗脳魔法を解けてくれんか?」
「……魔王様の命とあれば」
パチン
「こっこれで本当に解呪出来たのかな?」
「疑われなくてもこれで解呪出来てるよ。魔王様の前で嘘をつくわけがないでしょう!!」
そして確認をすると洗脳魔法は解呪されていた。
「魔王様私と一緒に住みませんか!!」
「フェンリよ……断る!! 我はセリーナと共いると決めたのだ。三人で良ければ住んでも良いぞ」
「それでも構いません魔王様ありがとうございます!!」
私はヘルちゃんとフェンリの三人で冒険者として旅をすることになった。
百年後
「あっ"マニラスの解放者"だ!! サインください」
「分かった……分かったから鼻血出さないで」
「セリーナも今じゃ有名人だな。たまには昔みたいに"お姉ちゃんって呼んでもいい?」
「何を言っておられるのですか魔王様!!」
「いっいいだろ、たまには誰かに甘えたいのだ!!」
「でしたらこのフェンリが甘々に甘えます!!」
「これで完了っと……この二人のことは気にしないでいつもこうだから」
「そっそうですか? サインありがとうございました!! これからも応援します!!」
はあ、マニラスの解放者だなんて実際はヘルちゃんなのになぁ……って言えるわけもないか。
私はようやく憧れの冒険者として活躍出来ている。
これからも夢のため頑張るぞ!!
おしまい
ちなみに私はエルフ族だ。
エルフ族は基本的に森を愛し森に愛された存在故に温厚で争い事は好まない話し合いの通じる種族とされている。
私も四百三十一歳(人族で言うところの十七歳ぐらい)になるまでは何も疑問に思わなかった。
だが、七十年前に親と喧嘩をして私が家出をした際に訪れた隣の森のエルフの村"ティルト"と人族の街"ファルスフィン"では私の住んでいる森"マニラス"にはよく落ちている"肥料になるゴミ"が一つも落ちていなかった。
私はその家出をした日からずっと冒険者に憧れている。
だけどもう憧れるだけではない!!
今日私は両親公認で村を出て冒険者になるのだ!!
一人暮らしになるから不安はあるけど、無理そうになったら助けてもらう。
前ファルスフィンに行った時優しい人たちが多かったから……大丈夫だよね、多分。
私はそう考えながら村を出た。
そして三十分ほど歩き森の出口に近づいた時子供の泣いている声が聞こえた
子供の泣き声……もしかして襲われてるかも!!
私は声の方向に走りながら詠唱を始めた
『風よ集いて盾となりて我が身を護れ敵を切り裂き蹂躙せよ"ウィンドエンチャント"』
私が最近覚えたこの魔法の効果は二つある。
一つ目は周囲の風を集め全身に風の刃として纏わせる。
二つ目は集めた風を好きな時に風の刃を相手に放出し攻撃できる。
詠唱なしでも魔法を使えるけど、詠唱をした方がほんの少し威力が増すと村の本に書いてあったので初めて詠唱してみた。
そして子供が襲われているのが見えた。
「ギャハハハ、このガキ上玉じゃねぇかよ。高く売れそうだぜ」
「…………」
「こいつ俺たちが怖くて声が出ないじゃねえか?」
「「ギャハハハハ」」
人族にもこんな奴らみたいなのがいるのかと怒りながら、私は風の刃で子供を襲っている人族の足を切断した。
「早く逃げるよ!!」
私は子供の手を引っ張り走った
私には人を殺す勇気はない……足ならドワーフ族に頼めば義足で元の生活には戻れるはず。
はあ、私こんなので憧れの冒険者になれるのかな?
私は記憶を頼りに子供を連れ街を目指した。
そして十二分走った時
「……はあ、はあお姉ちゃん待って……休憩させて」
「……それじゃあおんぶしようか? それなら休憩は出来るんじゃない?」
「子供扱いしないで……って言いたいけど今回はお言葉に甘えさせてもらう」
「そういえば名前聞いてなかったね。私はセリーナ、君の名前を教えてくれる?」
「僕はヘルヴェイス、今はただのヘルヴェイスだよ」
そして私は子供……ヘルヴェイスをおんぶした。
さっきは無我夢中で逃げてて気づかなかったけどこの子の魔力に私は……本能的に"恐怖"を感じた。
だけどこの恐怖は私の問題だからヘルヴェイスに感じさせないようにしないと。
一時間後
ガシャン
「おいそこのお前ギルドカードまたは通行料十ゴールドを出してもらう」
「私村を出たばかりでギルドカードも通行料も持ってない……どうしよう!!」
「村を出たばかり……か冒険者ギルドに登録する予定は?」
「登録するために村を出ました」
「だったら登録して稼いでからの後払いでも構わない。しっかり二人分払えよ、払わなければ自警団に突き出すからな!! そんじゃ通れ」
「ありがとうございます!! 後で必ず払います」
私は門番にお礼を告げヘルヴェイスと共に門を潜った。
「お姉ちゃん僕も頑張って稼ぐからね!!」
「ありがとうヘルヴェイス」
「ヘルでいいよお姉ちゃん」
「分かったヘルちゃん」
そして私はヘルちゃんを背負って冒険者ギルドに入った。
すると冒険者たちが一斉に私たちに武器を向けた。
「きっ貴様は一体何を連れている!!」
「何って子供ですよ!! どうして私たちに武器を向けるんですか!? 私がマニラスのエルフだからですか!!」
私がそう叫ぶと奥の部屋から"マスター"と呼ばれた男が出てきた。
「マニラスのエルフ族が人族を殺していることは知っている。あれは森を荒らしたあいつらが悪い……だが今回我らが武器を向けているのは貴方が背負っているものが怖いのだ。貴方は感じないのか尋常じゃない魔力の圧を恐怖を!!」
「私だって感じているけど武器を向けるほどじゃないでしょ!!」
「そう……お姉ちゃんも怖がってたのか。それでもお姉ちゃんは僕を他と変わらないように接してくれたのありがとう」
ヘルちゃんは私にお礼を言ったあとの『魔力全開放』の一言から空気は変わった。
なっ何この震え
「お姉ちゃん騙してごめんね。僕は……いいや我は魔王ヘルヴェイス穢れたこの地を救済するべく再び降臨した」
すると周囲は私を「この売国奴!!」と罵った。
私が落ち込んでいると『セリーナを傷つける奴は我が殺す!!』とヘルちゃんは冒険者を殺した。
「ちょっとヘルちゃん言葉より先に行動しちゃってる!!」
あれ? さっきまでの恐怖がなくなってる
マスターは私をギルドマスター室に連れて行き取引を持ちかけてきた。
「貴方が魔王に気に入られていることを見越して頼みがある。マニラスの森を解放してほしい。代わりにこのギルドにCランクとして登録させる。あの森はおかしいと疑問に思ったことはないか?」
「おかしい……と思ったことはある。あの森にはよく"肥料になるゴミ"が落ちているけど……多分さっきのマスターの言い方からしてあれは人族の肉を捨てて私たち子供に拾わせている」
「そう、そしてあの森のエルフの族長は昔魔王軍幹部のダークエルフのフェンリが自らが扱いやすいよう洗脳魔法をかけているんだ。貴方も洗脳が解けているようでよかった」
貴方"も"ってことは
「もしかしてマスターってエル……」
「しー、隠してるんだ。私は三千年前のフェンリ様の時代から生きている。そして森に入った人間を殺してトレントの餌にしている。私たちは反対していたんだけど……フェンリ様は魔王軍幹部であり崇拝者だったから『こんな奴ら洗脳したほうが手っ取り早い』と洗脳したのが始まりだ。そして洗脳魔法を族長の一族が代々受け継いで使い続けている。私はずっと救いたかった……けど私には洗脳を解く力が無い。あれは運が良かっただけ、だけど貴方はそのことに疑問に思った洗脳魔法がかけられた状態だと疑問にすら思わない。ちょっと待っててくれ」
そしてマスターはエルフを一人連れてきた
「私の娘だ。洗脳魔法の影響でもう人族を十人以上殺している……まずは少し試してみてくれないか?」
「試してくれと言われても……どうすれば」と私が焦っているとマスターが「対象に魔力を込めて解呪と唱えると言いと聞いたことがある」
そう聞いて私が試してみると
「ぐっあぁぁぁぁ頭がぁぁあ割れ……やめろぉぉぉ」
「どうしたマヤ!!」
「あの!! 続けた方が良いですか!?」
「くっ……それで洗脳が解けるなら……続けてくれ!!」
「やめろと言っておろうが!! おいショウマよくもこのフェンリを……自らの娘を殺す気か貴様!!」
「この声まさか……フェンリ様!?」
「そんなことどうでもいいようやく魔王様がお戻りになられたのだ!! 貴様らは魔王様の役に立つための駒でしかないのだ生きようが死のうが知ったことか!! 今すぐこの娘を殺しても良いのだぞ!!」
「……セリーナ洗脳魔法を解いてくれ」
「やめろやめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そして洗脳魔法が解けたのかマヤは目を覚ました。
「んっんん……父さん? どうしたの泣いて……私に何かあったみたいじゃない……何もないよね?」
マスターはマヤに説明した。
そして私が洗脳魔法を解けることが分かった。
もう一つ……おそらく今もフェンリは生きている。
私たちマニラスのエルフにかけられている洗脳魔法の中に。
「セリーナ姉様と……呼んでもいいですか?」
「姉様……姉様かぁ……えへへ、なんだかむず痒いなぁ……良いよ!!」
「あのなマヤの方が年上なんだぞ……セリーナがマヤ姉様と呼ぶべきだろ!!」
「父さん……少し黙って」
「はっはい…………コホンそっ、それじゃあセリーナマニラスの森に向かってくれ」
「マヤもセリーナ姉様と一緒に向かいます」
「ダ~メ~だ~マヤは父さんと一緒だ!!」
「父さん子供みたいに駄々をこねないでください!!」
「セリーナ早く……早く行ってくれ~!!」
そして私はヘルちゃんに挨拶をしてからマニラスに向かった。
マニラスに帰った私だが、歓迎はされなかった。
村のみんなは口々に『魔王様のために』と言いながら私を攻撃してきた。
大方フェンリの洗脳魔法の所為だろう
このままでは一人を解呪している間に殺される!!
「我が来たぞセリーナ!!」
「ヘルちゃん!!」
「魔王のためなのだろう……ならばセリーナを攻撃するのはやめよ!!」
ヘルちゃんの一言でみんなは攻撃をやめた。
するとみんなの影が一つに集まり人型になった。
「魔王様ぁぁぁぁ私は魔王様のためにずっとずっっっと頑張ったんです褒めてください!!」
「よく頑張ったなフェンリよ」
「あぁもう私死んでもいい」
「ならフェンリよエルフたちの洗脳魔法を解けてくれんか?」
「……魔王様の命とあれば」
パチン
「こっこれで本当に解呪出来たのかな?」
「疑われなくてもこれで解呪出来てるよ。魔王様の前で嘘をつくわけがないでしょう!!」
そして確認をすると洗脳魔法は解呪されていた。
「魔王様私と一緒に住みませんか!!」
「フェンリよ……断る!! 我はセリーナと共いると決めたのだ。三人で良ければ住んでも良いぞ」
「それでも構いません魔王様ありがとうございます!!」
私はヘルちゃんとフェンリの三人で冒険者として旅をすることになった。
百年後
「あっ"マニラスの解放者"だ!! サインください」
「分かった……分かったから鼻血出さないで」
「セリーナも今じゃ有名人だな。たまには昔みたいに"お姉ちゃんって呼んでもいい?」
「何を言っておられるのですか魔王様!!」
「いっいいだろ、たまには誰かに甘えたいのだ!!」
「でしたらこのフェンリが甘々に甘えます!!」
「これで完了っと……この二人のことは気にしないでいつもこうだから」
「そっそうですか? サインありがとうございました!! これからも応援します!!」
はあ、マニラスの解放者だなんて実際はヘルちゃんなのになぁ……って言えるわけもないか。
私はようやく憧れの冒険者として活躍出来ている。
これからも夢のため頑張るぞ!!
おしまい
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