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愛のカタチ
18話 暗い夜
しおりを挟む「おはよう、レイ。大丈夫か?」
次に目を覚ましたとき、目の前には優しく微笑んでいるセネスさんがいた。
いつもだったらその温かな笑顔にポカポカするのに今は不安でしかたない。
「おはよ、ございます。けほっ」
寝起きだからか声が出しにくい。
「大丈夫か?熱は、、、ないな。気分が優れないのなら言うんだぞ?」
そう言って僕の背中に甲斐甲斐しく手を当て、ゆっくり起こしてくれる。
そんなにしなくても大丈夫なのに。。。
相変わらずのセネスさんの過保護さに少しの笑みがこぼれる。
「??どうかしたか?」
急にクスリと笑ったボクにセネスさんが首をかしげる。
綺麗な犬耳もピクピクっと動いてそれはそれはかわいらしい。
「ふふ。秘密です。」
笑っているボクを見て安心したようで、今日はな、、、と話を進めてくれる。
ボクに温かな笑顔を向けて話してくれるセネスさんを尻目に昨日の手紙の事を考える。
「(やっぱり、こんなにボクの事を想ってくれる人を危険にさらしたくない。、、、ボクが何とかしなくちゃ。、、、ボクが。)」
「レイ?聞いているのか?」
あまり反応を示さないボクにセネスさんが尋ねる。
「ええ。、、、セネスさん。今日は部屋で本が読みたいです。」
「、、、?ああ。」
しっかりと笑えていただろうか。
いつものボクだっただろうか。
へんに気づかわれていないか、と自分のさっきの振る舞いに自信がない。
でも、少しでも二人の危険を減らした方がいいと思い、あまり人目につかないボクの部屋を選んだ。
もふもふとポカポカが恋しいけど、命には変えられない。
不安を抱えつつも、あの手紙の事について考えよう、とボクは密かに決心した。
セネスさんが心配そうにこちらを見つめていることに気付かなかった。
ーーーーーーーー
「はあ?レイが今日は部屋がイイだと?あんなに気に入っていたのに?」
俺の報告を聞いたルイズがすっとんきょうな声をあげる。
それもそうだ。
あの脇目も降らずもふもふに飛び込んだレイがどれだけ可愛かったか、、、ではなくて。どれだけその場所を気に入っていたかが伝わってきたのに、急にあのテラスには行かないと言い始めた。
しかも、どこか不安そうな怯えた表情で。
俺が気がついていないと思っているレイは、俺が頷いたときに安心したように静かに息を吐いていた。
「レイに何かある前にどうにかしないとな。」
「そうだな、、、、国王に伝えておくか。」
警備を強化してもらおう、と近くにいた従者に伝えるようにいう。
国王には連絡の魔法が使えない。
なんのための魔法なんだ、と思うところはあるがまあ国王の身の安全を確保するためだから仕方がない。
「、、、とりあえず、今日からはなるべく二人でレイのとなりにいよう。」
そうだな、と今後の警戒に対するとりあえずの考えがまとまったのでひとまずレイのもとに向かう。
「、、、レイ?」
「っ!?セネスさん、、、どうしたの?」
レイの部屋に戻ると、レイは何やら机の前でしていたようで顔が真っ青だ。
「大丈夫か?」
見かねたルイズがレイに問うているが大丈夫だと言い張るレイ。
どう考えても大丈夫なわけないだろ、、、。
俺も、もちろんルイズもそう思うがレイは何もないんだという。
これ以上は無意味か、と心残りはあるもののいったん退く。
いつかレイから相談してくれるようになったらな、、、。
そう思いながら、「今日は何がしたい?」と聞く。
いつもはお昼寝がしたい!か本を読みたい!と言って幼子が読むような絵本などを読むのだが、今日は、、、
「この国の仕組みが知りたい。。。」
と王についてや政治の仕方を聞いてきたのでプチ授業の時間となった。
勿論、レイは神子だからそんなのも知らなくてもいいし、膨大な量のデータを詰め込んで体調を崩さないか、と心配なのでやめておくように言ったが切羽詰まったような、どこか泣きそうな顔を見て俺たちは頷くしかなかった。
「、、、こんな感じで我が国は権力を互いに抑制し合って成立している。」
「レイ、もうこの辺にしておかないか?」
俺の説明がひと段落したところでルイズがレイに提案する。
気づけば一刻以上過ぎていた。
「そうだな。今日はここまでにしておこう。何も焦ることはない。時間はまだたくさんある。」
な?とレイの顔を覗き見るとレイは涙目になっていた。
「っ、、、でも、、、!」
いやいや!と首を振るレイ。
俺たちには理由が分からずどうしたら、、、と二人で考える。
「レイ。何があったんだ?言ってみな?」
ルイズがそういうもいやいや!と首を振り続ける。
「っふぇ、、、」
涙が本格的になってきたらしいレイが目をこすり始める。
「こすってはだめだ。」
そう言ってやんわり手を掴む。
「うぅっ、、、ふぇっ、、」
「わかった。もうなにも聞かないから。レイを信じる。」
なかなかやめないレイに抱きしめて懇願する。
「ん。。。ひっく、、、ふぇ。」
レイが落ち着いたところで本当に今回はお開きになった。
「レイ、一緒に昼寝をしよう。つかれただろう?」
レイを抱き上げて、抱えたまま大きなレイ専用のベッドに寝転がる。
ぎしり、と軋む音がする。
「おっ重いのでいいです!」
「レイは全然軽いから大丈夫だ。ほら、、、」
俺が強引にレイを身体の上に寝転がらせれば諦めたようだ。
大人しくうとうとし始めるレイ。
可愛い//////
「ん~。。。」
さっきとは違う意味で目をこすり始めるレイ。
それはそれで可愛いのだがやはり目が赤くなってしまうのでやめさせる。
手を止めさせたら目を開いているのもままならないようだった。
「寝るか?」
「ん、、、でも。。。」
声は否定しているが今にも寝てしまいそうだ。
「クスッ」
ルイズがレイの身体に控えの者から受け取ったブランケットをレイの身体にかける。
「ん。。。」
レイは起きているのかも憶測な身体でかけられたブランケットを握り身体を丸めていた。
丸まったレイの身体は本当に小さくて愛くるしかった。
俺たちの幼い時でもこんなにも軽く、小さかっただろうか。。。
――――――
「ん、、、。」
目を開くと既に日は傾いていて、最近寝すぎだ、、、と反省する。
「おはようございます、レイ様。そろそろお夕食にいたしましょう。」
傍にいたらしい侍女(男だから侍女なのかよくわからないけど、、、)さんに話しかけられる。
少し驚いたけど返事をする。
返事を聞いてさっさと帰っていしまう侍女さん。
今までの侍女さんは、キリスかメリーしかいなかったから少しぎくしゃくしすぎた。
気を悪くしてしまっていたらどうしよう。。。
「名前、聞き忘れたな、、、。」
昔、お父さんに名前はとても大切なものだと聞いてから、仲良くなるにはまず名前!と施設のこの名前は全部覚えていた。
結局呼ぶことを許してもらえていたのはあの男の子だけだったんだけど。
「ちゃんと食べきれるかな。。。」
この世界に来てからはじめのころは量が多くて食べられなかったけど、ここ最近はボクの食べる量に合わせてくれるようになっていた。
今日、その合わせてもらった量で食べられなかったら本格的にあの侍女さんに嫌われてしまうかもしれない。。。
「頑張らないと、、、」
手紙のことも考えないといけないのに、、、。
どうしよう、どうしよう、、、と頭がいっぱいになる。
「はぁ、、、、。」
結局全然食べられなかった。
あの侍女さんは夕飯の時にはいなくてメリーがいた。
メリーにさっきいた侍女さんは?と聞いてみたけどここは新しい侍女さんがどんどん入ってくるからわからないらしい。
「でも、レイ様にお使いできるのは一部のヒトだけですから調べておきますね」
メリーがそう言ってくれたので任せて寝室にむかう。
ルイズさんに心配をかけてしまったが大丈夫です、と言って今に至る。
セネスさんはお仕事があるらしく、今日は一緒じゃなかった。
「レイ様、もうそろそろおやすみになられませんと。。。」
ベッドの上で唸っていたらキリスに言われる。
「ん。。。」
ボクが寝転ぶとキリスが掛布団をかけてくれる。
「お休みなさいませ。」
「うん。。おやすみ。」
「ん、、、な、、、に。」
身体が急に重くなって目が覚める。
「ハァハァ、、、ッ!かわいい、、、ッ!」
ブチッ
ボクの胸のあたりが涼しくなった。
ちゅううぅぅぅ
「みゃあっ!!!!」
どこか身体に覚えがある痛みに意識が覚醒する。
「ハァ、、、誰?」
月明りで相手の顔が見える。
今日の侍女さんだ。
「ハァ、、、っ!レイ、、、様、、、、!!んあぁッ!!」
ボクはこの人のヤバいものに火をつけたらしい。
――――――――
次回、エロ入ります。
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