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「母さま、天使さまと結ばれるにはどうしたらいいの?」
幼いカールは母であるイーダに尋ねる。
「カール、いきなりどうしたのです?」
イーダは息子の唐突な脈略のない質問に驚いた。
「…でもねカール、あなたが王になればカールが欲しいものはすべて手に入れることができるのですよ。」
しかし持っている最善で最高の答えを伝える。
「カール、あなたは特別で王になるべき子なのですよ。母様とあなたのお父様である陛下も特別で選ばれた存在なのです。」
イーダはたとえ王の寵愛を受けることが出来なくとも、自身が選ばれた存在なことを疑わない。
だって、初めての陛下との出会いはあまりにも運命的だったのだから!
私たちは運命。
今は試練の時だから、きっと、きっといつか必ず…
***
そうか!そうか!
俺が王になればすべて手に入るのか!
そうか!
父上も王だから女神を自分のモノにできたのか。
ならば俺が王になれば天使を自分のモノにできるのか!
カールの中でその時すべてがつながった。
***
――――――――――――――――――――――――
「カールお兄様?」
アディリナの呼び声になんの反応も示さないカールを不思議に思い再度声をかける。
「アディリナ。こちらを。」
カールはアディリナの呼び声に我に返り、アディリナへリボンを差し出す。
「カールお兄様、リボンありがとうございます。」
リボンを差し出すカールの目をまっすぐ見つめ、アディリナは微笑む。
―お前は何一つ変わらない。12年前出会った時のままだ―
お前が呪いを受けたと聞いたときの絶望はこの先二度と忘れられない。
絶望に打ちひしがれ、何度も何度も泣いた。
カールは何一つ諦めたことがない。
だってカールは選ばれた特別な存在なのだから。
だから天使だって諦めるという選択肢自体そもそもなかった。
11年の時が経った、
それは少年少女にはあまりにも長すぎた時だった。
本人の意識とは裏腹にカールは大人になってしまった。
お互い幼い頃の綺麗なままではいられない。
だからこそカールは11年ぶりの天使との再会に怯えていたのだ。
しかし11年ぶりに会ったアディリナはどうだ?
―美しい、美しすぎた―
ある想いが頭をよぎらずにはいられない。
呪いは俺とお前を引き離した最悪なものだと信じていた
しかしその呪いがあったから、今もお前はこうやって変わらず美しいのか?
俗世に染まらず、美しいままなのか?
なぜならば母様はいつも言っている。
父上と母様は運命だと。
今は試練の時で、報われるときは必ず来るのだ。
だからこそ今は耐え忍ぶ時だと。
もしかしてもしかして、お前が呪いを受けたのは俺たちに与えられた試練だったのでは?
そうだそうだ、絶対にそうだ!
これは俺たちを確かめるための試練だったのだ!
そしてそれに俺たちは打ち勝った!
ああ!ああ!やはり俺とアディリナは運命だったのだ。
世界は俺とアディリナのために回っているのだ。
あの日俺とお前が出会ったのはやはり運命だったのだ。
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