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第一章
第31話
その後は、玲子にとっては地獄だった。
辰美が送り込んで来る刺激はあまりにも強すぎて、次第に体が悲鳴をあげていった。
もうこの状況から楽になりたい、その一心だったが、玲子はどうしても辰美に謝ることができなかった。
謝ってしまえば、自分の非を認めたことになる。
自分がとった行動は決して間違っていないし、そもそも辰美の言う事を聞きたくない。
残り僅かなプライドで抵抗し、口を噤んでいると辰美の攻めはどんどんエスカレートしていった。
玲子の反応を逐一見逃さず、少しでも甘い声が漏れればそこを重点的に攻めてくる。
嫌というほど体をいじめられた後、ついに玲子は意識を失ってしまった。
頬にかすかに別の体温を感じ、瞼を開けると目の前に辰美がいた。
「あ、ごめん。起こしちゃったね、会社に行って来るよ」
羽織ったジャケットを整えながら辰美は微笑む。
玲子とは違い、気力旺盛といった感じだ。
昨日あれだけヤッておいてまだそんな元気がありあまっているのか。
一体どこにそんな体力があるんだ、と疑問が浮かんだと同時に、そう言えば辰美は屈強な体をしていたなと思う。
うろ覚えだが、胸板も腕もごつかった。
そんな男にしつこく抱かれたのだ。意識を失っても当然だと思う。
(ああ、でも失ったものは他にもあるか……)
大好きだった彼氏の一郎も、あの様子ではもう会ってくれるかどうか。それに、短い付き合いではあったが自分を理解してくれた伊藤もこんなことがあった以上二度と合わせてはくれないだろう。
自分の味方が一気にいなくなってしまったように感じる。
(結局は辰美の手中に収められているってことか……)
なんだか、自分の情けなさに笑いが出てきた。
自嘲気味に笑う玲子を見て、辰美は「どうしたの?」と首を傾げる。
アンタのせいでおかしくなりそうなのよ!と一喝してやりたかったのだが、そんなことしたらどんな目にあわされるか分からないし、もう無駄な体力を使いたくない。
玲子は心を落ち着かせて、一番疑問に思っていたことを聞いてみようと口を開いた。
「確認しておきたいんだけど。辰美は、私の事が好きなのよね?」
昨日さんざん泣き叫んだせいで声が上手く出せないが、枯れた声でなんとか伝える。
「好きだよ、愛してる」
辰美は毅然とした態度でそう答えた。
「だったら、どうしてこんなにひどい事を平気でするの?」
これは純粋な疑問だった。
玲子なら大切に思っている相手を無理やり抱いたりするような真似はしない。
大切にして、その人に好かれるように努力する。
普通は皆そうするはずだと思うのだが……。
しかし、辰美は玲子の問いには答えず、ごまかすように頭をなでるだけだった。
(何とか言いなさいよ)
黙ったままでいる辰美にムカついていると、ドアをノックする音が聞こえる。
「辰美様、そろそろお時間です」
執事が部屋に顔を出し短く告げると、辰美は立ち上がり「いってきます」と言い残して部屋を出て行った。
辰美が送り込んで来る刺激はあまりにも強すぎて、次第に体が悲鳴をあげていった。
もうこの状況から楽になりたい、その一心だったが、玲子はどうしても辰美に謝ることができなかった。
謝ってしまえば、自分の非を認めたことになる。
自分がとった行動は決して間違っていないし、そもそも辰美の言う事を聞きたくない。
残り僅かなプライドで抵抗し、口を噤んでいると辰美の攻めはどんどんエスカレートしていった。
玲子の反応を逐一見逃さず、少しでも甘い声が漏れればそこを重点的に攻めてくる。
嫌というほど体をいじめられた後、ついに玲子は意識を失ってしまった。
頬にかすかに別の体温を感じ、瞼を開けると目の前に辰美がいた。
「あ、ごめん。起こしちゃったね、会社に行って来るよ」
羽織ったジャケットを整えながら辰美は微笑む。
玲子とは違い、気力旺盛といった感じだ。
昨日あれだけヤッておいてまだそんな元気がありあまっているのか。
一体どこにそんな体力があるんだ、と疑問が浮かんだと同時に、そう言えば辰美は屈強な体をしていたなと思う。
うろ覚えだが、胸板も腕もごつかった。
そんな男にしつこく抱かれたのだ。意識を失っても当然だと思う。
(ああ、でも失ったものは他にもあるか……)
大好きだった彼氏の一郎も、あの様子ではもう会ってくれるかどうか。それに、短い付き合いではあったが自分を理解してくれた伊藤もこんなことがあった以上二度と合わせてはくれないだろう。
自分の味方が一気にいなくなってしまったように感じる。
(結局は辰美の手中に収められているってことか……)
なんだか、自分の情けなさに笑いが出てきた。
自嘲気味に笑う玲子を見て、辰美は「どうしたの?」と首を傾げる。
アンタのせいでおかしくなりそうなのよ!と一喝してやりたかったのだが、そんなことしたらどんな目にあわされるか分からないし、もう無駄な体力を使いたくない。
玲子は心を落ち着かせて、一番疑問に思っていたことを聞いてみようと口を開いた。
「確認しておきたいんだけど。辰美は、私の事が好きなのよね?」
昨日さんざん泣き叫んだせいで声が上手く出せないが、枯れた声でなんとか伝える。
「好きだよ、愛してる」
辰美は毅然とした態度でそう答えた。
「だったら、どうしてこんなにひどい事を平気でするの?」
これは純粋な疑問だった。
玲子なら大切に思っている相手を無理やり抱いたりするような真似はしない。
大切にして、その人に好かれるように努力する。
普通は皆そうするはずだと思うのだが……。
しかし、辰美は玲子の問いには答えず、ごまかすように頭をなでるだけだった。
(何とか言いなさいよ)
黙ったままでいる辰美にムカついていると、ドアをノックする音が聞こえる。
「辰美様、そろそろお時間です」
執事が部屋に顔を出し短く告げると、辰美は立ち上がり「いってきます」と言い残して部屋を出て行った。
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