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二章 過去編
第45話
「雨やんだけど、どうする? もう少しゆっくりしたいならここにいてもいいし」
「いや……、もう大丈夫。戻ろう」
空を見上げながら話しかけてくる玲子の姿をまっすぐに見ることができない。
濡れて下着が透けているせいかと一瞬思ったが、女の下着なんて五万と見ている。耐性がついているはずだ。
きっとそれが理由じゃないのだろう。
初めて抱く感情に戸惑いつつ、部屋へと戻る玲子の後を追う。
「あー、濡れてべとべとだわ。まったく」
腰まである髪の毛をまとめあげながら、玲子はため息をつく。
その背中を見つめながら、辰美は思った。
いつからこんなに大人っぽくなったんだろうと。
十三歳から見てきた少女はいつの間にか成長し、もう大人の女性と変わらない成熟した体になっている。
ずっと見てきたはずなのに、なぜ今になって気づくのか。
この時、辰美は初めて自分が玲子を女性として見ているという事に気づいたのだった。
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