傲慢令嬢、冷徹悪魔にいつの間にか愛されて縛られてました

萩の椿

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二章 過去編

第53話



   ごくりと、辰美の喉が上下する。

 最近ご無沙汰だったせいか、この女性が玲子の面影を宿しているせいか、辰美の欲望は立ち上がり始めた。

「素直だねぇ」

 ふふっと、女性は口角を吊り上げる。

 その反応が少し腹立たしくもあったが、もう抑えが効きそうにない。

 辰美は女性を逆に押し倒した。


「やる気になってくれて良かった」

 ペラペラと喋る女性の唇に、人差し指をあてがう。

「セックスができるなら良いんでしょ。だったら、俺の好きな人になりきってよ」

 


   他人に玲子を重ねる。

 やるとなったからには、この女性を玲子だと思い込みたい。

 こうやって押し倒したら、玲子はどんな反応を見せるのだろうか?

 絶対に起こりうることのない妄想を頭の中で膨らませる。

(きっと、こうだろうな……)

 玲子は、こんなことされると思ってすらいないから、最初は唖然としているかもしれない。

 それから、段々と状況が読み込めてきて、必死に抵抗し始めるんだ。


「無理やり抱くから、俺に本気で抵抗して」

 女性は一瞬目を丸くしたが、すぐに口角を上げて微笑んだ。

「いいよ」

 押さえつけていた手に力がこもり始める。

「やめて」

 顔をゆがませて、蚊の鳴くような声で囁いた女性は、もう玲子にしか見えなかった。

 弱弱しく、細い手首を頭上にまとめあげる。


「黙ってろ」

 普段なら絶対にできない命令口調で、囁く。

 首筋に顔を埋めると、香水の匂いが漂って来る。

 玲子は一体どんな匂いがするのだろうか。玲子と距離を縮めたのは、あの手首を強引に掴んで怒らせた時だけ。


 必死になっていたから、匂いなんて覚えていない。

 下着をはぎ取り、足を広げさせる。

 中に指を入れるとくねる腰に、辰美の欲望は刺激されていく。

 指の本数を増やし、同時に蕾を何度かこすってやると、女性は簡単にイってしまった。

 ベルトを外し、限界まで張り詰めた己の欲望を挿入する。

「……くっ」

 自分が思っていた以上に、性欲が溜まっていたみたいだ。入れただけで、爆ぜそうになってしまう。

 女性の顔を見ると、焦点の合わない目で天井を見つめている。

 きっと玲子なら、このぐらいの事では音をあげない。自由に動く足で、蹴り上げてくるかもしれない。

 女性の手首を頭の横に固定して、律動を開始する。

「ああっ」

 いきなりの刺激に驚いたのか、女性は声を上げた。

「何バテてんの? もっと抵抗してよ」

 女性は苦しそうに顔をゆがめながらも、頷く。

 手首の拘束を解こうと必死になり、わざと解いてやると、その手で辰美の胸を押し返してくる。

(これだよ、これ)

 きっと玲子がとるであろう行動に辰美の口角が上がった。





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