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開戦
4.時間差作戦発動
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<プレミアム・シティ様
返信ありがとうございます。「プレミアム」さんの決意、立派ですね。私、感動しちゃった。
でも、自分を守る方法を全部捨てちゃうのは、少し怖い気がします。分かってくれますよね。一生懸命に造った街だから、やっぱり失いたくない。
だって、「プレミアム」さんは、これまでに4つの国に勝ってきたんでしょう? お国の新聞を読みましたが、負けた国のオーナーさんは、何て言ったっけ、そうそう「軍事裁判」にかけられて、死刑判決なんて、とても怖いです。
「プレミアム」さんの軍隊はとても大きくて強いし、戦闘機や戦車も、もの凄い数…。私の国は大丈夫なの?って思うのは自然なことですよね。こういうとき、本当の国と国の間だったら、どうするのかな? 条約? 法律? 難しいことはよく分からないけど、何か約束みたいなものがあると、安心できるんだけど…。
どうですか? こんな考え間違ってますか?>
「中学生か高校生みたいな感じでしょう? 自分で書いてて、鳥肌が立っちゃった」
ジャニスは笑いながら右手で自分の左の二の腕をさすった。
「これなら、俺もだまされるよ」
リョウは苦笑した。「こうやってメールを交換している間にも、戦闘機や戦車の配備はどんどん進んでいる。できるだけ相手を油断させて、時間を稼ぐんだ」
「ヨッシーの裁判のことで、何か言ってくると思う?」
「どうだろう。でも、こっちを若い女の子だと思い込んでいるとしたら、ここのところは、警戒を解くためにも、ちゃんと説明しようと思うんじゃないかな」
「死刑をやめてとか、揺さぶってみた方がいいわね」
「ああ、もっともっと惑わせて、返信を書くのに時間をかけさせたい」
2人の狙い通り、「プレミアム・シティ」のオーナーは、さっきジャニスが送ったメールの返信に手間取っていた。2通目がほんの数分で届いたのに、3通目は15分経ってもまだ来なかった。
「そろそろ、みんなに動いてもらおうか」
「プラン2ね」
ジャニスは、ヨッシーのパソコンから、何通かのメールを発信した。その1分後、「ポーラスターズ」が「メガロポリス」に昇格した。99万9千9百人台で、ゲームを一旦ストップして、ジャニスのゴーサインを待っていたのだ。
「これで『プレミアム・シティ』は、2つの国を同時に口説かなければならなくなった。手が一つなら、メールの遣り取りには倍以上の時間がかかる。さっきのメールへの返信もしばらくはできないんじゃないかな」
2人は顔を見合わせて微笑んだ。その1分後には「イチロー」も「メガロポリス」に昇格した。こうして時間差で昇格を果たすことで、「プレミアム」に初期外交の手間をかけさせるというのが、みんなで練ったささやかな作戦だ。
案の定、さっきジャニスの書いたメールへの返信は、30分が経ってもまだ届かなかった。「ポーラスターズ」と「イチロー」にも、ここと同じ内容のメールを最初に送ったはずだが、この2国ものらりくらりと交渉を長引かせることになっている。1時間稼げたら、ゲーム上では1カ月を引き延ばせたことになる。
これはかなり貴重な時間だ。
返信ありがとうございます。「プレミアム」さんの決意、立派ですね。私、感動しちゃった。
でも、自分を守る方法を全部捨てちゃうのは、少し怖い気がします。分かってくれますよね。一生懸命に造った街だから、やっぱり失いたくない。
だって、「プレミアム」さんは、これまでに4つの国に勝ってきたんでしょう? お国の新聞を読みましたが、負けた国のオーナーさんは、何て言ったっけ、そうそう「軍事裁判」にかけられて、死刑判決なんて、とても怖いです。
「プレミアム」さんの軍隊はとても大きくて強いし、戦闘機や戦車も、もの凄い数…。私の国は大丈夫なの?って思うのは自然なことですよね。こういうとき、本当の国と国の間だったら、どうするのかな? 条約? 法律? 難しいことはよく分からないけど、何か約束みたいなものがあると、安心できるんだけど…。
どうですか? こんな考え間違ってますか?>
「中学生か高校生みたいな感じでしょう? 自分で書いてて、鳥肌が立っちゃった」
ジャニスは笑いながら右手で自分の左の二の腕をさすった。
「これなら、俺もだまされるよ」
リョウは苦笑した。「こうやってメールを交換している間にも、戦闘機や戦車の配備はどんどん進んでいる。できるだけ相手を油断させて、時間を稼ぐんだ」
「ヨッシーの裁判のことで、何か言ってくると思う?」
「どうだろう。でも、こっちを若い女の子だと思い込んでいるとしたら、ここのところは、警戒を解くためにも、ちゃんと説明しようと思うんじゃないかな」
「死刑をやめてとか、揺さぶってみた方がいいわね」
「ああ、もっともっと惑わせて、返信を書くのに時間をかけさせたい」
2人の狙い通り、「プレミアム・シティ」のオーナーは、さっきジャニスが送ったメールの返信に手間取っていた。2通目がほんの数分で届いたのに、3通目は15分経ってもまだ来なかった。
「そろそろ、みんなに動いてもらおうか」
「プラン2ね」
ジャニスは、ヨッシーのパソコンから、何通かのメールを発信した。その1分後、「ポーラスターズ」が「メガロポリス」に昇格した。99万9千9百人台で、ゲームを一旦ストップして、ジャニスのゴーサインを待っていたのだ。
「これで『プレミアム・シティ』は、2つの国を同時に口説かなければならなくなった。手が一つなら、メールの遣り取りには倍以上の時間がかかる。さっきのメールへの返信もしばらくはできないんじゃないかな」
2人は顔を見合わせて微笑んだ。その1分後には「イチロー」も「メガロポリス」に昇格した。こうして時間差で昇格を果たすことで、「プレミアム」に初期外交の手間をかけさせるというのが、みんなで練ったささやかな作戦だ。
案の定、さっきジャニスの書いたメールへの返信は、30分が経ってもまだ届かなかった。「ポーラスターズ」と「イチロー」にも、ここと同じ内容のメールを最初に送ったはずだが、この2国ものらりくらりと交渉を長引かせることになっている。1時間稼げたら、ゲーム上では1カ月を引き延ばせたことになる。
これはかなり貴重な時間だ。
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