黒猫のクロ

可憐

文字の大きさ
5 / 6

4話

しおりを挟む
 ある朝、私はいつものように仲間たちの所に遊びに行こうかと思い、道沿いを歩いていた。
 ふと横を見ると仲間の1人が反対側の道沿いを歩いていて、朝方の事もあり車の通りも少なかったから私は仲間の所に行こうと道路を渡った時だった……。

「危ない!!」
「え……?」 

 仲間の声と車の甲高い音が辺りに響き、気づいたら私は車に羽飛ばされていた。
 地面に叩きつけられ痛みで動けない。
 すぐに私は車とぶつかった事を理解した。
 ……私はこのまま死ぬのかな……。
 そんな事考えてたら慌てた様子で車から降りてきたのはお爺さんとお婆さんだった。

「大変!爺さん、早く病院に連れていきましょう!」
「そうだな、確かタオルが車の中にあったはず」

 ニャー!ニャー!

 仲間が必死に私に話しかけてるのが分かるけど、その声も遠くに聞こえてきた。
 体も寒くなってきた。
 いよいよか……私は思っていたらふわっと優しく地面から浮いた。
 そしてふわふわしたものに包まれていた。

「ごめん、ごめんな……すぐに病院に連れて行ってやるから頑張れ!」
「君はこの子の仲間かな?ごめんね……必ず助けるから」

 私の記憶している所はここまで。
 次に目を覚ました時は病院って所だった。
 身体中痛くて包帯だらけだったけど、命は助かったみたい。 
 どうやらあの後、お爺さんとお婆さんが私を抱えてこの病院に来たらしく、すぐに治療され助かったみたい。
 
 

 
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

稀代の悪女は死してなお

朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「めでたく、また首をはねられてしまったわ」 稀代の悪女は処刑されました。 しかし、彼女には思惑があるようで……? 悪女聖女物語、第2弾♪ タイトルには2通りの意味を込めましたが、他にもあるかも……? ※ イラストは、親友の朝美智晴さまに描いていただきました。

「いっすん坊」てなんなんだ

こいちろう
児童書・童話
 ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。  自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・           

おしごとおおごとゴロのこと の えほん

皐月 翠珠
絵本
ゴロは決めました 憧れのぬいぐるみのところで 一生懸命働こう と 田舎から上京したゴロは 慣れない都会に右往左往 でも ゴロは頑張ります 全力で“おしごと” をします ぶん:皐月翠珠 え:てぃる

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

悪女の死んだ国

神々廻
児童書・童話
ある日、民から恨まれていた悪女が死んだ。しかし、悪女がいなくなってからすぐに国は植民地になってしまった。実は悪女は民を1番に考えていた。 悪女は何を思い生きたのか。悪女は後世に何を残したのか......... 2話完結 1/14に2話の内容を増やしました

ノースキャンプの見張り台

こいちろう
児童書・童話
 時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。 進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。  赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

処理中です...