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番外編 ギゼル視点
01-02 キスを2時間しなさい ギゼル視点
しおりを挟むなんとか気持ちを落ち着けながら、こいつの体同様、口の中で縮こまっている舌を突く。少しでもほどけてくれれば良いと思ってした行動だったが、予想外なことに舌を押しつけられた。まあ、動きはかなりたどたどしいが。
頬を赤くしながら気持ちよさそうな声を出しているくせに、まるで無邪気なまま舌を舐めてくる、そのギャップにすげえムラついてしょうがねえ。
「んんっ…はぁ」
今まであれだけ奥に舌を入れないように気をつけてたってのに、口を離すタイミングすら忘れて、舌を無遠慮に突っ込む。こいつの小せえ口が俺の舌でいっぱいかと思うと気分がいいわ。
そのまま奥を刺激しながら舌を絡めていると、どちらとも分からない溜まった唾液がぐちゅりと音をたてた。
今までだったら頼まれてもごめんだったはずなのに、こいつの唾液はすげえ美味い。我ながら馬鹿な考えが浮かんでくるが、このまま飲んでみてえな。
「ぅっんっ……んんっ!」
一瞬嫌がられるかとも思ったが、我慢できずにわざと音をたてて舌ごと吸い上げて唾液を飲み下す。ビクッとしてぷるぷると震えるこいつに、俺のも飲ませてえと思うが、さすがにそれは無理か。
健気に堪える姿に、唇を離してやんねえとと思いつつも、もったいねえ気がして堪能するように上顎をゆっくりと舐める。
それに合わせるように腰を浮かせて緩く動かす姿が、すげえエロい。くっそ、無意識そうなのがまたやべえ。
こいつの下着に手を突っ込んでむちゃくちゃに扱いて泣かせてえ。
その衝動を堪えていると、息ができないのか体をくねらせて離れたがっている。俺からすればその姿もそそるだけ、離してやりたくないと思わせるだけってことに気づいてねえんだろうな。
「ゃ、ぉにぃさっ」
さすがに、口内で苦しそうに非難する声をあげられては離すしかない。
やべえ、やりすぎた。これでもうキスしたくないとか言われたらまずい。すっかりその可能性が頭の中から消し飛んでたわ。
「はぁっ……はぁっ…。 おにぃさん、酷いっ」
大きく肩で息をしながら、こっちを濡れた瞳で見上げてくる。お兄さんってのもめちゃくちゃ甘い言い方になうえに、多分本人は怒ってるんだろうが迫力ねえし、くっそかわいい。
やりすぎた自覚があるので謝っておく。
「悪い、ついやり過ぎた」
「くっそぅ、全然反省してないな、自分が余裕だからって…次、息させてくれなかったら許さないからな」
あんま反省してねえのはバレてるか…。そのわりにキスは拒否してこねえんだな。しっかし、怒り方が可愛すぎねえか?そんなんじゃ相手を喜ばせるだけだと思うが。まあ嫌われたくねえから気を付けるしかねえけど。
…ははぁ、なるほどな。結果的にこうやって周りが言うこと聞くから、きつい怒り方を知らねえままなのか。まあ、むやみに怒鳴られるより、こいつにこう言われるほうがよっぽど効果あるしな。
今まで神に感謝なんてしたことなかったが、こんなど天然国宝に会えるなんて、大当たりな試練すぎて笑えてくる。たまには教会でもいって感謝の祈りを捧げてみるのもありかもな。
あー、少しジト目な表情もそそるが、あの照れてとろけた感じのがやっぱいいな。睨むのはやめるように頼もう。
ついでにお兄さんってのも、幼気な感じがしていいっちゃいいが、やっぱ名前呼ばれてみてえし、こいつの名前も知りてえ。
「分かったから、そう睨むな。あとな、俺はお兄さんじゃなくてギゼルって呼ばれたい、そしてお前の名前も知りたい」
「そういえば名乗るの忘れてた! 俺は幸見 明だよ…ギゼルさん」
「ユキミ・アキラ? アキラ…」
これ、いいな。照れたように呼ぶ姿になんともいえない満足感がある。
っつーか、ユキミ・アキラか。貴族の育ちのいい箱入り坊ちゃんぽいとは思ったが、本当にそうだったとは。ユキミか、可愛い感じが顔と合ってるな。
アキラ、アキラねぇ………聞いたことねえな。全部を知ってるわけじゃねえとはいえ、ダンジョン産をわざわざ遠ざけるなんてことするのは結構な高位貴族だと思ったが…。
「おう!仕方ないから明って呼んでいいぞ!」
「いや、ユキミと呼ばせてもらう」
該当する貴族がいねえか悩んでいると、なぜかテンションを可笑しくしたユキミが貴族っぽい感じに言ってくる。急にどうした。
わざわざ家名で呼ばせたがるなんて…俺に名前呼ばれるのが嫌なのか。……まあ、素直に従ってやるつもりねえけど。
「え……そう?」
断ったらものすごい悲しそうな顔をされた。嫌な意味でドキリとする。
くっそ、しかたねえ、家名で呼ぶか…?
………いや、絶対名前で呼びてえ。今は嫌がられたとしても、ずっと呼んでればいつかは慣れんだろ…。
「ユキミ、早くさっきの続きをしよう」
「…うん」
ごり押しするように呼んでみたが、さらにしょんぼりさせちまった。眉もへにょっと垂れ下がってる…。
くっそ……だけど俺も名前で呼びてえんだよ、悪いな。
俺がユキミをどう納得させようかと考えていると、急に唇を突き出してキスをしようとしてくる。おいおい、マジでさっきからどうした?
くそ可愛いんだが、さすがに興奮してさっきみたいにキスすんのはまずいよな。名前呼びもごり押しちまったし、なんとか流れを良い方に持っていきたい。
ユキミの様子を見ながらキスしていく。まあこの戯れみたいなキスも、これはこれでいいんだよな。
唇の感触を楽しみながらユキミを眺める。積極的にキスしようとしてきたわりに、恥じらいながら待ってる感じ、本当たまんねえ。
そろそろ舌で舐めて唇を開けるよう促してみようかと考えてると、おずおずと唇が開かれる。なんだそれ、可愛いな。
その誘いにそのまま遠慮なく乗ろうかと思ったが、このまま焦らしていたら、こいつもっと可愛いことしてくんじゃねえか?良い閃きな気がするわ。
あまり唇同士を近づけないようにしつつ、薄く開かれた唇の隙間を舌でなぞる。
ピクっと構えるような動きをしたユキミはそのままにして、入り口で誘うように舌を出し入れしていく。
…あ゛ー、がっつり突っ込みてえ。
だが、ここは我慢我慢。何より焦らすのも焦らされんのも、ユキミ相手なら悪くないって思えるしな。
にやけながらユキミの行動を待っていると、ちらりと恥ずかしそうにこちらを見てきた。
くっそ、危うくその表情に誘われてむしゃぶりつくところだった。こいつに誘ってるつもりないんだろうが、そういうのを無意識にやってくんのはやばいだろ。
恥ずかしそうに目を瞑ったユキミに、さすがに酷なことを望み過ぎたかと思ったが…。俺の唇に吸いついて、そのまま顔を近づけてくるんだから驚くわ。
さっきまでの余裕が壊される。嬉しそうにこちらを見てくるユキミに我慢ができるわけなかった。
「んぐっんンぅっ」
がっつりと顔を押さえて小さい唇に舌を突っ込み歯列をなぞって、ようやく堪能できた熱さに笑みが抑えらんねえ。
待つあいだに溜まった唾液を流し込み、それがこぼれるのも気にせず舌を絡ませる。絶対飲ませてえ。
こいつが好きだろう上顎を舐めつつ、唾液をさらに流していく。こいつの口が俺の唾液でいっぱいなのも、腕に縋りつくようにされるのも、全部いいな。
諦めたのか、ユキミがこくりと唾液を飲みこむ度に征服欲が満たされていく。キスだけでこんな感覚を味わえるとは、人生何があるかわかんねえ。
ぐちゅぐちゅとした音を響かせるようにユキミの口内を堪能していると、また舌に吸いつかれる。こいつがたまに積極的になってくんの、かなり破壊力あんだよな。
俺の舌を一生懸命追いかけてくるのが可愛いくて避けるのをやめると、夢中になって舌をこすりつけてくる。その姿に絆されて甘やかすように舌を合わせれば、なるほどなぁ、こいつ、これも好きなのか。覚えとこ。
「はぁっ…んぅぅ」
んー、腕に縋りつかれんのもいいがやっぱ首に来てもらいてえな、体も密着するし。手を解かせて首の側にもってくと、素直に腕を回される。
こいつ本当に素直だよな。まあいずれ俺以外にはそうじゃなくなってほしいが、今は褒める代わりに背中を優しく叩いておく。
多分こいつ褒められたり甘やかされんのが好きなんだよな。そんで、俺も褒めて甘やかすのが嫌じゃねえ、それどころか癖になりそうなんだから、すげえわ。
「んっ…んっ……ん…んぅ」
唾液を送り込んでは飲むように促す。ユキミが一生懸命飲むのがたまんねえ。褒める様に背中を撫でると嬉しそうにすり寄ってくるしな。
甘やかしたいとは思いつつ、舌を避けるように動かして歯列をなぞる。心なしか歯も小せえ。そういえば年齢聞いてねえけど、こいつマジで未成年じゃねえよな。さすがにそれはまずい…が、多分もう諦めらんねえんだよな。
「っぷはぁ…はぁ…ん」
とろんとした表情で呼吸するのを眺めながら緩く背中をなぞれば、ピクリと反応して、聞こえないぐらい小さな声を出す。このなんともいえねえ焦らされるような時間は我慢するのが結構きつい。もっと感じさせてえし、エロいことを全部俺が教えたくなる。俺は早々にこいつに惚れちまったみたいだ。
ただ、こいつからそれっぽい言葉が一切出ないんだよな。一応現在地と名前は伝えてあるが、この試練が終わったあとに連絡をよこしてくるかどうか……。好きでもねえ冒険者に言いよられる、しかもこんな逃げ場のない空間じゃ怖えだろうしなぁ。
「……んっ…んっ…」
呼吸を整えたこいつに再度キスをすれば、それを嬉しそうに受け入れて一生懸命に舌を絡めてくる。さっき舌を避けるように俺が動かしていたせいか、かぷかぷと甘噛みしてくるのがすげえ可愛い。
それをこのまま堪能していてもよかったが、舌を引き抜いてユキミの唇にがぶりとかみつく。甘噛みだけどな。
多分このままいけばこいつの唇は腫れちまうだろう、そしたら絶対に周りからなんか言われるだろうし、最悪事情を聞いてキレた奴が怒鳴り込んでくるかもしれねえ。というか怒鳴り込んできてくれ。
そのままがじがじと噛んでいると、キスがしたいのか一生懸命に口を開けてくる。……まじで可愛いな。
誘われるようにキスを再開して、舌の下側の付け根をゆっくりとなぞっていく。
ユキミの下顎と舌の隙間に、何度も舌を抜き差しするように動かす。わざとくちゅくちゅ音を立てながら動かしていると、恥ずかしそうにぎゅっと抱き着いてくる。
「んっ……んぐっんン…んぅ」
可愛い行動ににやけつつ、わざと喉の近くまでゆっくりと舌をなぞっていく。少し苦しそうな声を出したがそれだけで、ユキミは嫌がる素振りもない。
喉奥を少し押し上げるようにすると、苦しそうにしながらもピクピクと腰を震わせて受け入れてくる。
…んだそれ、こいつくっそエロすぎねえか?
結構酷なことをしたはずなんだが、健気に受け入れるどころか腰を揺らして感じてる姿に、くっそ煽られる。ちょっとユキミに意地悪してジト目で見られんのもいいな、とか思って馬鹿なことしちまったが、こいつのエロさを再確認するだけになった。
「っぷは……ンっ…はぁ」
背中を腰までゆっくりとなぞると、目を瞑りながらうっとりした表情をしている。あのちょっと唇くっつけんのにもガチガチになってたやつとは思えねえ。
あー、ちょっとまてよ…。これで色気が出て、周りの奴らが可愛さを見守るべき対象から愛欲を向ける対象に切り替わったら……まずいな。
こんなん見たら、可愛い子供だと思ってた奴だって一気に振りきれるだろうし、くっそ…調子にのって好き勝手しすぎたかもしれねえ。
俺が見つけるまで待っててくんねえかな…。多分俺はこいつの周りにいないタイプだろうし、そんなに悪くねえ感触だと思うんだけどな。それとも勘違いか…?
あ゛ー、くっそ。こんな、望めば何でも手に入りそうなこいつを口説くって、どうしたらいいんだ。いや、そもそも今まで人を口説こうと思ったことねえんだった。経験値が足りねえ。
やっぱ試練外で側に行かなきゃ口説けるもんも口説けねえよな……どうすっかなぁ。
「ぁ…んっ」
そのまま、俺は結局我慢できずに、こいつの可愛さとエロさを堪能している…。いや、この状態で我慢できるやつがいたらビビるわ。
キスだけで我慢できてるのだって、ユキミがこのあと周りの奴らに事情をきかれるだろうその時に、キスだけで済ませて私的な接触は我慢したと思わせるためっていう下心あってだしな。
あんな、クリーンとかをしてほしがってたやつが、今や唾液で顔どころか服を汚してそれが気にならないぐらいとろけてるとか、まぁじでエロい。
少し苦しいことを強いても安心したように受け入れるし、本当にたまんねえわ。
「はぁっ…はぁ…」
こいつ、気づいてんのか、呼吸整えながら腰が動いてんの。多分気付いてねえんだろうなぁ。ほんっと可愛いわ。
顔どころか体まで赤く火照らせて、唇もぷっくりと腫れてしまっている。俺が腫れるようにしたっていうほうが正しいかもしれねえが。唇に物があたるたびにここでのことを思い出してくんねえかな。
「ユキミ」
「っぁ……」
試練のあとのことを考えると、色々心配なんだよな。たまらなくなって名前を呼べば、どこかぼんやりしていたユキミの目に理性の色が少し戻った。
とろけてるのもいいが、ちゃんと認識されている感じがしてこれもいいな。
そんな風に思っていると、ユキミの方から触れるようなキスをしてくる。なんか最初のようなたどたどしさを感じて、どうしようもなくそそられる。
名前呼ぶのもいいな。
「ユキミ」
もう一度名前を呼んで、我慢できずに唇にかぶりつく。理性が戻ったのか全てをゆだねてくるような感じはなくなったが、意識的に一生懸命に応えようとしてきて、それはそれで可愛い。
そのあと、ユキミが感じてとろけてる姿を見ては名前を呼ぶことを繰り返した。理性が戻ると毎回少し緊張したようになってるが、それを優しく撫でて落ち着かせるのも、信頼されているようで悪くない。
理性が戻って恥じらう様も、どんどん理性がとけていくのも、くったりと体を預けてくるのも、全てにそそられてしょうがない。
絶対ユキミに会いに行く、そんで、俺が持ち得るもの全てを使って全力で口説くしかねえ。
キスをしながらユキミの背中を撫でていると、いきなり場所が切り替わる。
「くっそ、終わりかよ」
そこは試練に行くまでに攻略していたダンジョンの、深い海の中だった。
もしかしたら、ワンチャンユキミを元いた場所じゃなく、こっちに連れてこれるんじゃねえかと思ったが…まあ無理か。一応試練の場に入る前の場所に戻るのがルールみたいなもんだしな。
はぁ………この階層終わったらさっさと帰って、ユキミ探すか。
ユキミ・アキラ、黒髪黒目の美人、男。わかってることあんまねえな。あとはエロくて可愛いもあったな。
アキラって家名にもピンと来ねえ、黒髪黒目の美人なんてすぐ噂になりそうなもんなのに、それも聞いたことがない。ちょっと小柄すぎるが、ユキミの見た目は女に人気だろうし、話題に上がってると思うんだがな。
仕方ねえ自称貴族一のモテ男に会いに行くか。……くっそ、絶対揶揄ってくるだろうな。しかもこっちは頼む側、無視してやり過ごすこともできねえ。最悪だ。
うぜえにやけ面が頭に過ってくるせいで、イライラしたまま襲ってくる魔物を切り裂く。
「はぁ、ユキミに会いてえ」
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