5 / 8
アラフィフΩは檻の中
5.
リチャード=ブラフォードは、伊織にとって遅すぎる初恋の相手だ。
彼との出会いは、リチャードが13のときにカーネギー賞を受賞した児童書だった。胸をわくわくさせるような冒険譚で、これをイギリスの13歳の少年が書いたと知って、おどろいた。
なんて、すごい子どもなんだ。伊織はリチャード少年の情報を集め始めた。
おそらく、すでに魅せられていたのだと思う。断っておくけれど、決して伊織はショタコンではない。実際、リチャード少年は、天使のようなお顔立ちだったけれども――。
いつしか、そんな彼の著書を翻訳するのが、伊織の夢になった。伊織は着実に評価と実績を積み重ね、海外の大物作家の翻訳などを任されるようになった。
そんなときだ。出版社からリチャードの新作の翻訳をやってみないかと、声がかかったのは。
伊織は一も二もなくその話に飛びついた。
世界中が待ち望む彼の新作は、全世界で翻訳され、一斉販売されるという。
もちろん日本代表として、プレッシャーがなかったわけではない。
翻訳の仕事をしている間は、彼の世界観を壊したらどうしよう、と胃をきりきりさせた。日本語版が出版されたらされたで、自分のせいで売れなかったどうしよう、と吐きそうになった。
彼から、メッセージが入ったのは販売初日の夜だった。
――君が翻訳したものをいちばんに読んでみた。とてもよかった。ありがとう。
伊織のこれまでの努力が報われた瞬間で、恋を自覚した瞬間でもあった。
彼との出会いは、リチャードが13のときにカーネギー賞を受賞した児童書だった。胸をわくわくさせるような冒険譚で、これをイギリスの13歳の少年が書いたと知って、おどろいた。
なんて、すごい子どもなんだ。伊織はリチャード少年の情報を集め始めた。
おそらく、すでに魅せられていたのだと思う。断っておくけれど、決して伊織はショタコンではない。実際、リチャード少年は、天使のようなお顔立ちだったけれども――。
いつしか、そんな彼の著書を翻訳するのが、伊織の夢になった。伊織は着実に評価と実績を積み重ね、海外の大物作家の翻訳などを任されるようになった。
そんなときだ。出版社からリチャードの新作の翻訳をやってみないかと、声がかかったのは。
伊織は一も二もなくその話に飛びついた。
世界中が待ち望む彼の新作は、全世界で翻訳され、一斉販売されるという。
もちろん日本代表として、プレッシャーがなかったわけではない。
翻訳の仕事をしている間は、彼の世界観を壊したらどうしよう、と胃をきりきりさせた。日本語版が出版されたらされたで、自分のせいで売れなかったどうしよう、と吐きそうになった。
彼から、メッセージが入ったのは販売初日の夜だった。
――君が翻訳したものをいちばんに読んでみた。とてもよかった。ありがとう。
伊織のこれまでの努力が報われた瞬間で、恋を自覚した瞬間でもあった。
あなたにおすすめの小説
『2度目の世界で、あなたと……』 ― 魔法と番が支配する世界で、二度目の人生を ―
なの
BL
Ωとして生まれたリオナは、政略結婚の駒として生き、信じていた結婚相手に裏切られ、孤独の中で命を落とした。
――はずだった。
目を覚ますと、そこは同じ世界、同じ屋敷、同じ朝。
時間だけが巻き戻り、前世の記憶を持つのは自分だけ。
愛を知らないまま死んだ。今度こそ、本物の愛を知り、自ら選び取る人生を生きる。
これは、愛を知らず道具として生きてきたΩが、初めて出会った温もりに触れ、自らの意思で愛を選び直す物語。
「愛を知らず道具として生きてきたΩが転生を機に、
年上αの騎士と本物の愛を掴みます。
全6話+番外編完結済み!サクサク読めます。
オメガはオメガらしく生きろなんて耐えられない
子犬一 はぁて
BL
「オメガはオメガらしく生きろ」
家を追われオメガ寮で育ったΩは、見合いの席で名家の年上αに身請けされる。
無骨だが優しく、Ωとしてではなく一人の人間として扱ってくれる彼に初めて恋をした。
しかし幸せな日々は突然終わり、二人は別れることになる。
5年後、雪の夜。彼と再会する。
「もう離さない」
再び抱きしめられたら、僕はもうこの人の傍にいることが自分の幸せなんだと気づいた。
彼は温かい手のひらを持つ人だった。
身分差×年上アルファ×溺愛再会BL短編。
やっぱり、すき。
朏猫(ミカヅキネコ)
BL
ぼくとゆうちゃんは幼馴染みで、小さいときから両思いだった。そんなゆうちゃんは、やっぱりαだった。βのぼくがそばいいていい相手じゃない。だからぼくは逃げることにしたんだ――ゆうちゃんの未来のために、これ以上ぼく自身が傷つかないために。
君に二度、恋をした。
春夜夢
BL
十年前、初恋の幼なじみ・堂本遥は、何も告げずに春翔の前から突然姿を消した。
あれ以来、恋をすることもなく、淡々と生きてきた春翔。
――もう二度と会うこともないと思っていたのに。
大手広告代理店で働く春翔の前に、遥は今度は“役員”として現れる。
変わらぬ笑顔。けれど、彼の瞳は、かつてよりずっと強く、熱を帯びていた。
「逃がさないよ、春翔。今度こそ、お前の全部を手に入れるまで」
初恋、すれ違い、再会、そして執着。
“好き”だけでは乗り越えられなかった過去を乗り越えて、ふたりは本当の恋に辿り着けるのか――
すれ違い×再会×俺様攻め
十年越しに交錯する、切なくも甘い溺愛ラブストーリー、開幕。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
恋が始まる日
一ノ瀬麻紀
BL
幼い頃から決められていた結婚だから仕方がないけど、夫は僕のことを好きなのだろうか……。
だから僕は夫に「僕のどんな所が好き?」って聞いてみたくなったんだ。
オメガバースです。
アルファ×オメガの歳の差夫夫のお話。
ツイノベで書いたお話を少し直して載せました。