カラダだけが目当てなの!?

きみいち

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夏休み編

2.

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『用事が出来たから帰るよ』

 ラインにメッセージを打ち込んで、キィちゃんのスマホに送った。すぐに既読がついて、メッセージが表示される。

『おぼえてろよ』

 こわっ!
 キィちゃん恐いよ!!

 うーわーあとでなにされるんだろ?
 ゆううつだけれどもしょうがない。今は小山田くんのほうがぼくには大事だ。

 待ち合わせのバス停留所で頭を抱えていると、ジャージに着替えた小山田くんがやって来た。
 結局、小山田くんは大事を取って、部活を休みにしたのだ。

「カズ、待たせたか?」
「大丈夫だよ。あ、バッグ持つよ!」

 足に負担をかけちゃいけないと、小山田くんからスポーツバッグを奪い取ったら、これがけっこう重くって思わずふらついてしまう。

「か、カズ。大丈夫か?」
「大丈夫!」

 ぼくは、うんしょとスポーツバッグを持ち上げ、たすきがけにする。
 うん、これなら大丈夫。大丈夫……。

 ほらね? と視線だけを小山田くんに向ければ、なぜだか頬を赤くさせる。

 駅に向かうバスに乗り込み、空いている座席に小山田くんを手招く。
 ぼくはその横に立ち、つり革を握った。

「なんか悪かったな。友だちの付き添いだったんだろ?」
「友だちっていうか、幼なじみだよ。おむつ時代から付き合ってるから、もう兄弟みたいな関係だね」

 だからだろうか。キィちゃんにどんな理不尽なことをされても、本気で怒ったことがないんだよね。

 キィちゃんには反論されそうだけど、ぼくにとってのキィちゃんは、手のかかる弟のようなものだ。

「へえ、うらやましいな」
「そう?」
「うん。カズのおむつ姿、見たかった」

 え、そっち――!?


 駅に着き、小山田くんかかりつけの整形外科病院へ向かう。

 待合所で待っていると、足首を大げさなほど固定された小山田くんが、困ったような顔をして処置室から戻ってきた。

「小山田くんが言うほど、大丈夫じゃなかったみたいだね」
「そうだったらしい……」

 ぼくは小山田家までタクシーで送り届けることにした。

 お手伝いさんが道路まで迎えに出てくれたけど、女の人よりもぼくのほうがまだ力はある。

 スポーツバッグをお手伝いさんにあずけ、歩きづらそうな小山田くんに肩を貸し、2階の小山田くんの部屋まで連れて行った。
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