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夏休み編
2.
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「く、苦しい……」
「悪かったなあ」
「ううん、美味しいからぼくもつい食べ過ぎちゃった」
小山田くんが毎年泊まっているという部屋に案内されたぼくは、小山田くんに断って畳の上に横にならせてもらう。
「布団、敷こうか?」
「大丈夫。畳の上、気持ちイイよ?」
畳で生活するってほとんどないから新鮮。
遠いからめったに行けないけど、田舎のおばあちゃんちの匂いがするよ。
お腹の上にタオルケットがかけられた。
押し入れから引っ張り出して来てくれたらしい。
小山田くんにお礼を言って、ぼくは横の空いている畳を叩いた。
「小山田くんも休憩したら?」
「いや、俺は……」
少しためらった小山田くんは、スマートフォンをいじったあと、ぼくのとなりに寝転がる。
「叔父貴には、少し休んでから祭りに行くって連絡しておいた」
うむ、気が利くねえ。さすがは小山田くん。
ぼくはタオルケットの半分を、小山田くんのお腹の上にかけてやった。
どうやら本気で寝入っていたらしい。
目を開けると、あたりはすっかり暗くなっていた。
遠くから祭りの音が聞こえてくる。
小山田くんのおじさんの旅館は、夏の間は稼ぎ時らしく、旅館の中は少し慌ただしかった。
ぼくはふたたび横になって、小山田くんに寄り添った。
――って、のんびりしている場合じゃない。
本来の目的のお祭り、もう始まってんじゃない!?
「小山田くん、起きて起きて!」
慌てて身体を起こし、小山田くんの肩を揺する。
「ん? カズ?」
「小山田くん、お祭り!」
「えっ、いま何時だ!?」
小山田くんが枕元に置いたスマートフォンを手に取った。
「7時半か。花火が上がるのは8時半からだから、大丈夫かな」
叔父さんの奥さんである旅館の女将さんに、花火を見に行くことを伝え旅館を出る。
「カズ、なにか食べるか?」
「ありがとう。まだお腹いっぱいだからいいよ」
「運動するから平気だろ」
うわ、ピュアな小山田くんが下ネタを言うなんて!!
小山田くんのえっち! と言ったら、きょとんとされた。
その反応に、ぼくは自分の勘違いに気が付いた。
瞬時に顔を赤くする小山田くん。
「カズっ、ちがっ! そっちの意味じゃない!!」
うん、ごめんね。そっちにつなげたぼくが悪かったんです。
「悪かったなあ」
「ううん、美味しいからぼくもつい食べ過ぎちゃった」
小山田くんが毎年泊まっているという部屋に案内されたぼくは、小山田くんに断って畳の上に横にならせてもらう。
「布団、敷こうか?」
「大丈夫。畳の上、気持ちイイよ?」
畳で生活するってほとんどないから新鮮。
遠いからめったに行けないけど、田舎のおばあちゃんちの匂いがするよ。
お腹の上にタオルケットがかけられた。
押し入れから引っ張り出して来てくれたらしい。
小山田くんにお礼を言って、ぼくは横の空いている畳を叩いた。
「小山田くんも休憩したら?」
「いや、俺は……」
少しためらった小山田くんは、スマートフォンをいじったあと、ぼくのとなりに寝転がる。
「叔父貴には、少し休んでから祭りに行くって連絡しておいた」
うむ、気が利くねえ。さすがは小山田くん。
ぼくはタオルケットの半分を、小山田くんのお腹の上にかけてやった。
どうやら本気で寝入っていたらしい。
目を開けると、あたりはすっかり暗くなっていた。
遠くから祭りの音が聞こえてくる。
小山田くんのおじさんの旅館は、夏の間は稼ぎ時らしく、旅館の中は少し慌ただしかった。
ぼくはふたたび横になって、小山田くんに寄り添った。
――って、のんびりしている場合じゃない。
本来の目的のお祭り、もう始まってんじゃない!?
「小山田くん、起きて起きて!」
慌てて身体を起こし、小山田くんの肩を揺する。
「ん? カズ?」
「小山田くん、お祭り!」
「えっ、いま何時だ!?」
小山田くんが枕元に置いたスマートフォンを手に取った。
「7時半か。花火が上がるのは8時半からだから、大丈夫かな」
叔父さんの奥さんである旅館の女将さんに、花火を見に行くことを伝え旅館を出る。
「カズ、なにか食べるか?」
「ありがとう。まだお腹いっぱいだからいいよ」
「運動するから平気だろ」
うわ、ピュアな小山田くんが下ネタを言うなんて!!
小山田くんのえっち! と言ったら、きょとんとされた。
その反応に、ぼくは自分の勘違いに気が付いた。
瞬時に顔を赤くする小山田くん。
「カズっ、ちがっ! そっちの意味じゃない!!」
うん、ごめんね。そっちにつなげたぼくが悪かったんです。
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