【完結】涅槃の霧、因果の池

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第二十話 狂

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 覆い被さる男を蹴り倒したれんは、その反動で倒れこんだ。

 すぐに顔を上げ、手首を縛る黒絹縄に噛み付く。もともと緩めに縛られていたこともあり、結び目を咥えて手を動かすうちにあっさりと解けた。よし、これで逃げられる。

「……最後だから優しく抱いてやろうと思ったのに、恩を仇で返しやがって……」
「うぐっ!!」

 怒りの籠もった声と共に、滝山の若様は漣の腹を蹴った。漣が呻きながら弓なりに身体を曲げた途端、両腕が強い力で掴まれる。肩の関節が外れんがばかりの勢いで拗じられ、頭の上に持ち上げられた。

「おい、抑えろ!」

 滝山の若様は、傍観していた荒くれ男たちに声をかけた。すぐに下卑た笑いを浮かべた一人が近づき、漣を仰向けにして腕を押さえつけてきた。

「へへへ、なかなかの上玉じゃねえか。楽しもうぜ」
「や、やめろっ!」
「お前らは私の後だ」

 苦痛で呻く漣の着物を剥ぎ取りつつ、滝山の若様は吐き捨てるように命令した。

「なんだよ、嫌がられてたくせに。おい陰間、こんな優男より、俺達の方がイイ思いさせてやるぜ」

 ヒャッハッハッ、と下品な笑い声が響く。

「この淫乱は男狂いだ。私の後でも十分楽しめる。なあ、白狐はっこ。一度に三人を相手していたこともあっただろう?」
「ど……どうして……」
「へえー、そいつは楽しみだ。じゃあ、何本ぶっ挿せば尻が壊れるか試してみるかあ!?」

 漣の頭上で腕を抑えていた男は、舌なめずりをしながら覗き込んできた。

「しっかし、すげえ身体だな」

 ヒュー、と口笛を吹きながら近づいてきたもう一人の荒くれ男が、上も下もビンビンに立ってるぜと笑いながら、漣の乳首をねじり上げて指で弾いた。

「ひぁんっ……」

 思わず声が出てしまった。すると男は乳首をつまむのを止め、漣の薄く平らな腹を撫で回した後、勃起した若竿を掴んで爪を立てた。

「ぃっ、やっ、あぁんっ……」

 漣の細い竿がビクビク震え、ピュッ、ピュッと透明な粘液が飛び出てくる。

「ヒュウ、こんなんで出ちまうんだ? 痛くねえのかよ」

 漣の腕を押さえつけていた男は、驚いた顔つきで下品に笑う。

 裸に剥かれて押さえつけられ、身動きができないまま痛めつけられているというのに、漣は恐怖ではなく情欲で震えている。その淫奔な肢体を、荒くれ男たちは珍しいモノのように眺めた。

「たいした陰間だ。いったい、どんだけ男を喰ってきたんだか」
「数え切れないほどさ……本当にね……」

 滝山の若様は怪しい笑みを浮かべながら、懐から小さな瓶を取り出した。蓋を開け、どろりとした液体を手のひらに垂らしながら、尻をこっちに向けさせろと命令する。

「やめっ……ああっつ!!」

 漣の乳首をいじっていた男の手が、漣の両足を高く持ち上げる。次の瞬間、下半身が頭の方向に転がされた。漣の頭上では引き締まった小ぶりの尻が高々と上がり、秘部が露わになっている。

「おうおう、尻の穴がヒクヒクしてるぜ」
「また勃ってんのかよ。すげえな」

 漣の腕を押さえていた荒くれ男はヒュウと口笛を吹き、顔を背けて目をつむる漣の顎に指をかけて前を向かせた。

「陰間ぁ、テメエの尻をしっかり見とけ!」
「ヒャーッハッハッ! なーに怯えちゃってんだよう!」
「やめろ!! 手を離せっ」

 あられもない姿で抵抗する漣を前にして、荒くれ男たちに野卑な衝動が湧き上がった。性欲に囚われた四本の手が、漣の乳首や太腿をまさぐり始める。

「……い、いやだぁ、やめろよぉ……あ、ああっ……ァハァん……」

 悍ましい筈なのに、何故か漣の肉体は悦楽を覚えている。

「あっ、ヒャぁんっ、やだ、だめっ……い、イイっ、や、あ、違うっ……ひうっ!!」

 尻に何か温かい液体がかかった。ジワリと温もりを感じるのと同時に、ジュゥンッと菊の襞に淫らな欲が灯る。漣はたまらなくなり、ギュッと目を閉じた。

「お前らは後だ」

 滝山の若様が男たちを牽制し、漣から手を放すよう命じた。

「まったく、どうしようもないほど好色な狐だね……少しくらい待てないのかい?」

 冷ややかな声とは裏腹に楽しそうな様子で、滝山の若様は漣の尻に香油を垂らし続ける。

「や、これっ……変、なっ、ぅんっ、ひあっ」
「これは玉藻で特別に作られている香油だよ……曼陀羅華と阿片、他にも色々と混ざっている媚薬さ。白狐には物足りないかもしれないけどね」

 頬を真っ赤に染めて欲情し始めた漣の頭上では、白い尻に開いた肉紅色の秘穴がパクパク蠢く。

 滝山の若様は満足気に微笑みながら、ツプ……と中指だけを香油まみれの菊座へ挿した。

「ぁ、あ……あひぃんッ!!」

 漣の口から、今までになくなまめかしい喘ぎが漏れる。

 長い指が二本、三本……と増え、クチュクチュ、ヌチャヌチャといやらしい音を立てながら、尻の襞をほぐしつつ腹の奥へと入っていく。

「……どこかの爺の手首まで入れたこともあるって話を聞いたよ?」
「はぁっ、な、なんの……っ」
「お仕置きしないとね」

 ヌチュウッという怪しい肉音と共に、滝山の若様は四本の指を揃えた。そのまま漣の孔に深く突き挿し、グリッと半回転させる。

「ぃ……ィッ、ぁあアアァッ!」
「気持ちいいかい、白狐?」

 腰を高く上げて尻を突き出す姿勢で転がる漣は、苦しいはずなのに、尻穴に四本の指が何度も抜き差しされる都度、蕩けるような淫楽がもたらされ、意図せず喘いでしまう。

「ア、アアアっ、あっ、んふっ……やっ、んはぁっ」

 ビクン、ビクンと身悶えながら、鼻を鳴らし続けていると。

「すげえな……」
「尻に指がこんなに入んのかよ……」

 頭の上から降ってくる声で、荒くれ男たちに視姦されていたのに気付いた。

 嫌だ。恥ずかしい。逃げたい。

 ところが。

 ………………気持チイイ。

 突然心の奥から湧き上がった強い衝動に、漣はかっと目を見開いた。どうしてそんなことを思うんだ?

「ふふふ、もっといい思いをさせてやるよ……白狐や……」

 漣の反応に気を良くしたのか、滝山の若様は尻穴から指を引き抜いた。

「望み通り、気持ちよくしてあげよう」

 口角を上げて笑顔を見せるものの、滝山の若様の瞳には冷酷な光が宿っている。

 バアンッ!!

 漣は両足首を掴まれた後、乱暴に床へ叩きつけられた。

「……痛っ!!」

 思わず漣は身をよじったが、すぐに右脚だけが高く持ち上げられる。

「白狐が望む通り、うんと深くまで挿してやるからね……」

 滝山の若様はそう言うと、漣のもう片方の太腿を己の両足で挟み込み、先走りで濡れた己の陰茎を取り出すと、香油まみれの後孔に押し付けた。

「だ、だめっ! やめろ! ああっ!!」

 パクパクと蠢いた漣の襞は卑猥に広がり、ヌププ……と赤黒く膨らんだ亀頭を咥えこむ。

「ぃひぃっ……!」

 四本の指でほぐされて拡張されたこともあり、後孔はあっさりと男根を受け入れた。

「思い出したかい、白狐? お前は松葉崩しが好きだったろう?」
「んっ、あぁんっ、ンフゥッ……やぁっ……ァヒィッ……」

 大きく股を開いて仰向けの漣は、片足を抑え込まれたままの抽挿になすすべもなく、喘ぎながら小刻みに震え続ける。

「おおすげえ。女みてえなケツしてやがる」
「なんだよ、コイツ、本当に陰間なのかぁ?」

 ぽかんと口を開けたまま、二人の交合を眺めていた荒くれ男たちが感心したように呟くと、

「……いつでも、どこでも、誰とでも構わないのさ。三度の飯より玉茎へのこが好きな男好きで、だらしない尻を持つ淫売だからね。そうだろ、白狐……」

 薄笑いを浮かべて詰りながら、滝山の若様は半身を上げて漣に覆いかぶさった。

 漣の細い肩を押さえつけながら、抜けかかった陰茎をズブウッと奥底まで突き挿し、勢い良く腰を前後に動かし始める。

「ほら、ほら、これが欲しかったんだろう?」

 身動きが取れない漣の耳の中で、ヌプッ、グチャッと粘膜同士が擦れ合う淫らな音が反響する。

「やっ……アァ、ン、ふうっ……!!」

 漣の肉体は劣情で乱れた。腰が揺らされるにつれ、後ろ孔が男根を奥へ奥へと咥え込む。菊の襞が広がる快感と、腹いっぱいに感じる陰茎の熱さが気持ち良すぎてアンアン鼻を鳴らしてしまう。

「ほら、こんなによろこんでるだろ? 切れてもいない」

 滝山の若様は薄笑いを浮かべながら、結合部を荒くれ男たちに見せつけた。

「へえ、本当だ」
「乳首もまた膨らんでやがる」

 荒くれ男の太い指が、仰向けに寝転ぶ漣の乳首を再び弾く。

「ひぁっ!」

 思わずビクンッと反応してしまった。連続して齎された淫蕩な刺激のせいで、漣の頬に欲望の熱が溜まる。イイ、イイ、続ケテ……。

「つねってやれ。この色狂いは尻に挿されながら乳首を責められるのが好きなんだ」
「へえー。大した変態だな」

 荒くれ男は面白がるような顔つきで、漣の胸で尖る二つの乳首を同時に捻り上げた。

「アッ、ああっ……んんんっ!!」

 パン、パン、と激しく尻を穿たれる。陰茎が腸をえぐる刺激と、感じやすい乳首への強い痛みが相互反応を起こし、漣の頭の中が快楽でぐちゃぐちゃになる。アア気持チイイ。モット、モット欲シイ……。

「んふうっ、ひゃうんっ、アアンッ……」
「ああ、白狐や……、それでこそお前だよ……」

 滝山の若様は額から汗を流しながら、嫉妬と執着で狂った瞳を漣の乱れ顔へ向け、満足気に笑った。

「コイツの尻は絶品だ。お前らもすぐ虜になる」
「なら、とっとと終わらせろよ、坊っちゃんよぅ」

 乳首をつねり続けていた荒くれ男が鼻息荒く文句を言う。漣の腕を足で押さえつけている男は、にょっきり出した己の陰茎を血走った目でしごいていた。

「……私だって久しぶりなんだ。終わったら好きにしろ。他に何人連れてこようが、一人づつだろうが思う存分に嵌めてやれ」

 この玉茎へのこ狂いは悦ぶはずだ、と滝山の若様は酷薄な笑みを浮かべた。

「じゃあ、ほら、しゃぶってくれよ」
「!!」

 横を向いていた漣の顎がぐいと上げられた。何が起こったか分からないまま口をこじ開けられ、勃起した陰茎が突っ込まれる。

「ん、んん、ン~っ!!」
「んほぅっ! すげえイイ! 夜鷹なんて目じゃねえや」

 苦く塩辛い肉棒の感触に、漣の舌は自然と動いた。レロレロ、ペロペロとしゃぶりながら、ついつい条件反射で喉の奥を広げて受け入れてしまう。アアン、美味シイ。

(嫌だ、やめろっ、こんなのは違う……)

 しかし、漣の心は拒絶している。こんなことは望んでない。

(どうしておれは気持ちいいと感じてるんだ?)

 猛烈な違和感に襲われながら、頭の奥が痺れてくる。

——ダァッテぇ、気持ちイイんダモん……ふふっ。

 耳元で、自分によく似た声が笑っている。どういうことだろう?



 漣をなぶる三人の男は、すぐに口論を始めた。

「なんだよ、抜け駆けしやがって。次は俺のをしゃぶらせろよ」
「おい、人が終わるのも待てないのか?」
「すぐに済むって……へへへ」

 漣の口に突っ込んだ荒くれ男は舌技に耐えきれなかったらしく、すぐに陰茎を抜いて手を激しく上下に動かし、漣の顔に精をぶっかけた。

「ンンっ……」

 きゅっと目を閉じた瞼から頬をつたって口元へ、生臭くねっとりした雄汁が垂れ落ちる。

「……あ、ハァん…………」

 すぐに漣の唇が開いた。舌がぺろりと出て、生臭い白濁を舐める。美味シイ。モット欲シイ。

「へえー……うまいか?」

 ほら、まだ残ってるぜ、と萎えた亀頭を口に突っ込まれるなり、漣はチュウチュウ吸ってしまった。悍ましいと拒絶しながらも、何故か美味いと感じる。そして、かなり前に玉藻で男三人を相手にした時もそうだったと思い出した。あの時も、次第に意識が朦朧として、ひどく混乱して……最後は男たちがこんな風に揉めていたような……。

 目を閉じて考え込む漣を脇に、男たちは口論を続けていた。

「そんなに旨いなら、俺のもくれてやるぜ」

 乳首責めしていたもう一人は、我慢できなかったらしく、こっそり手淫していたらしい。ほどなく漣の頭に向かって射精した。

「んンンッ……あぁ……ぉぃしぃ」

 ビュビュッと勢いよく飛んだ精液が顔全体にぶちまけられたが、目を閉じたままの漣はうっすら笑って舌を出し、口元の残滓をペロペロと舐めている。

「……うほっ、すげえな」

 先に精を放った荒くれ男が、我に返ったように呟く。

「こんなことされても平気なのかよ」

 顔にかかった精液を恍惚の表情で舐め回す漣を見ながら、もう一人の荒くれ男も唖然とした。

 男たちの目の前で痴態を晒す漣は、乳首責めでいちど達したというのにまだまだ若竿は勃っている。しかも香油でぐちゃぐちゃになった尻は、滝山の若様の陰茎がぶっすりと挿さったままだ。

「こいつ……まだガキのくせに」
「本物の色狂い……いや、むしろ化け物なんじゃねえの?」

 確かに、今の漣の姿を冷静に眺めれば、そう言われても仕方ない。

「お前らは引っ込んでろ! 私が終わるまで手を出すな!」

 苛々した声で、滝山の若様は漣の尻から陰茎を引き抜き、荒くれ二人を押しのけた。

「おまえがどれほど卑しい肉便器か忘れてたよ、白狐……」

 バシッ! 頬を激しく叩かれて、漣は我に返った。

「お仕置きが必要だね」

 戸惑ううちに、漣は盛った犬のように四つん這いにされた。高く上げた尻では赤黒く開いた肉穴がヒクヒク蠢いている。

 バチィンッ! 今度は尻を激しく叩かれた。思わずビクンと身体が跳ねる。痛みに恐怖を覚えるものの、何故か快さを感じる。モット、モット責メテ……。

(これは、おかしい)

 漣は自分が狂ったのではないかと恐怖を覚えた。しかし、滝山の若様はそんな変化に気付くことなく、

「さあ、続きをしようか白狐。まだ私は達してないんだよ」

 ダラダラ溢れる先走りを潤滑油に、再び陰茎を挿しこんだ。閉じかけていた漣の後孔がこじ開けられ、乱暴に抜き挿しされる。気持ち良いと感じる刺激ではない。それなのに。

「あっ、んっ、痛ぁッ……あヒィんっ、フウッ……アアン、ああッ、イク、イク~っ!!」

 アアン、アン、スゴク、気持チイイ。
 モット、イッパイ、入レテェ……。

 自分のものとは思えない喘ぎ声に、漣は耳を疑った。ただ痛いだけの抽挿を気持ち良いと感じる下半身と、これは異常だと冷静に考える心の間で惑乱する。

(気持ちいい? どうして? おれ、本当に頭がおかしくなったのか?)



 上半身をペタリと伏せて尻だけを高く上げた漣を、滝山の若様は執拗に穿つ。ところが、膨らんだ亀頭から大量の先走りが出続けるものの、なかなか達しない。

「くっ……ふうっ……はっ……くそっ! この浅ましい淫売っ! 懲らしめてやる!!」

 滝山の若様は床の上に落ちていた黒絹縄を取り上げ、漣の口を無理やり開いて猿轡を噛ませた。

「私の許しが出るまで、竿も玉もしゃぶれなくしてやる」
「アグゥッ、んんーっ……」

 グイッと乱暴に唇をこじ開けられた瞬間、漣の心は拒否反応を示したが、身体は悦びに震えた。ソウ、ソウ、イッパイイジメテ痛クシテ……。

「まだまだこれからだからね……ふしだらな狐め、お前だけ楽しませる訳にはいかないよ」

 滝山の若様は次第に焦りを覚えたのか、バシイッ、バシンッと漣の尻や腰を叩きながら、孔の縁ギリギリまで抜いて奥底まで荒々しく突き挿す動きへと変わった。

「どうだ白狐! 痛いか?! 気持ちいいか? この、薄汚い色気違いっ、男狂いの卑しい陰間めっ!」
「んーーっ! ンッ、んんっ!!」

 痛みをこらえつつも悦楽を感じているかのように、漣のくぐもった艷声が暗く広い部屋に響く。

「はあっ、はっ、はっ……」
「ンン、ンーーんん……」

 息が切れてきた滝山の若様とは反対に、ぎゅっと目を閉じて眉を顰める漣は、猿轡の間で淫魔のようにうっすらと笑っている。

 その時。

「おい、コイツ勃ってるぜ」

 ヒャーッハッハッ! 下品な笑い声が廃寺に響いた。

 漣が視線を向けると、荒くれ二人に囲まれた慎太郎が絶望的な顔でこちらを見ていた。はだけられた長着の裾からは、下帯から飛び出した一物が大蛇のように頭をもたげ、下腹につきそうなほどいきり立っている。

「ははっ! これはいい。白狐、なんとか言ったらどうだ?」
「やっ……っ……んんっ」

 滝山の若様はあざ笑いながら、漣の猿轡を解いて腰の動きを早めた。ギシギシと床が鳴り、パンパンと肉と肉がぶつかる音が暗い寺に響く。それと同時に、香油と先走りが混ざった淫液の滴りが、黒い床板に何かを模したような形の染みを作っていた。

「………………」

 慎太郎は漣を見たまま何も言わず微動だにしない。

「ああっ、ハッ、いや、だ……見ない、でぇっ!!」

 犯される姿を見られたくない。

 しかし漣はそんな言葉を吐きながらも、慎太郎の股間から目が離せなくなっていた。

 そう。それ。
 その形。その大きさ。

 雁首が大きくて、竿が太くて、血管がピキピキと浮かび上がってて……。

 ソレが欲しい。
 欲シイ。
 いま挿サッテいる貧弱なモノじゃナクテ……。

「……おいっ! 白狐! なに見てるんだ!? こっちを向け! いまお前を抱いてるのは私だぞ!!」

 口を半開きにしたまま慎太郎の股間を凝視する漣に苛立ったのか、滝山の若様は絶叫した。

「なんのためにカネを払ったと思ってる? さっさとソイツをどうにかしろ!!」

 廃寺の中に、裏返った声が反響する。

「寝取られて残念だったなあ、お侍さんよう」

 荒くれ者の一人が、慎太郎を足蹴にした。

 受け身を取れないまま勢い良く吹き飛んだ慎太郎は、仏像の台座に頭をぶつけてピクピクした後、ぐったりと動かなくなった。



「許せない……もう許さないよ、白狐……」

 さっきまで漣の尻を穿っていた陰茎は、精を吐く前に萎えてしまった。忌々しげに舌打ちして引き抜いた滝山の若様は、般若のような顔で漣をひっくり返す。

「もう二度と男に抱かれないようにしてやる……」

 仰向けの漣に馬乗りになり、嫉妬に燃える瞳で睨みつける。

「お前の目をくり抜いてやる。二度と他の男を見ないように……」

 狂気に満ちた声で、漣の白目を舐め回す。強烈な痛みで、漣は瞼をギュッと閉じた。

「指も折ってやる……二度と絵が描けなくなるように……」

 両手首を捕まれ、指をベロリと舐められ、噛まれた瞬間。

「ひぎぃいいぃっ!」
「ぃぎゃあああっ!」

 漣の背後で、男二人の絶叫が聞こえた。

 そして、生温い雨が降ってくる。
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