ふたりの灯台ラブストーリー

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第一話 灯台でうっかり死にかかっている人を助ける話

§9 - 午後五時

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 雨音は止んできたが、風の音が強くなってきた。屋外はきっと寒いだろう。でも、暖房の効いた車内は多分三十度を超えていて真夏みたいだ……そんなことをぼんやり考えながら、オレの右手はチノパンの中で涎を垂らしておっ勃った自分のモノを握り、せわしなく上下運動させている。

(あああああああーーーっつ!! こんなことしちゃダメだろっつ!!)

 わずかに残っている理性が脳内で制止の声を上げる。しかし、目の前で好みのタイプが下半身丸出しで熟睡していたらシコる手を止めるなんて無理な話だ。これ以上は触れない、襲わない、見るだけ、ネタにするだけ、ってのが精一杯。それに……。

「うっ……はあっ…………あっ……」

 我慢の限界だったこともあり、自分史上最速でイッてしまった。早漏になったんじゃないかってくらいあっけなかった。しかも車のシートにザーメンが垂れた……まあ、溜まっていたし、初めてのフェラで興奮しまくった後だから仕方ない……よな?

 せめてもの救いは、少年の服にぶっかけなかったことだ。はあはあ息を切らしながら、がっくり力が抜ける。その直後、いきなり賢者タイムに突入して我に返った。

(どっ……どうしよう!?)

 やりすぎた。やりすぎてしまった。というか加減が分からなかった。初めてのフェラだったし。

(いや、それは言い訳にならない……)

 リアウインドウに寄りかかった少年の身体はすっかり温かくなっているので、低体温症の心配はなくなったけれど、ここまでぐっすり眠っている理由はどう考えてもフェラされすぎて事切れたせいだろう。

(あああああーーっつ!! オレのバカバカバカ!!)

 心の中で絶叫しつつ、ヘッドレストの後ろに置いていたティッシュで自分のペニスと手を拭いた。それから少年の身体を丁寧に拭いてやり、ボクサーブリーフとデニムのカーゴパンツを履かせる。ベルトを締める時に身じろぎしたので起きたかと思いきや、少年は穏やかな顔で眠ったままだ。

(中学生ではなさそうだな……うう、キスしたい……ってダメだろオレ!!!)

 うっかりするとまた性欲が暴走しそうになる。さっきあれだけ執拗なフェラをして抜いたばかりだというのに。かつてないほど滾っている自分に驚きつつ、猛烈な罪悪感に苛まれる。悪かった。悪いことをした。非常に悪いことをした。ごめんなさい。

(つーか、これ、客観的に見た時には犯罪だよな?!)

 途中までは人助けだったのに、快楽に負けて犯罪者に堕ちてしまった。ザーメンで汚れた車のシートをウェットティッシュで拭きながら、目の前がクラクラする。少年が十六歳未満だったら完全にアウト。親か学校に今日のことを話されてもアウト。友達に相談されてもアウト。どうあがいても今のオレには社会的な死しか待っていない。

(この子、近所に住んでるのかな? それとも灯台へ遊びに来ただけなのかな?)

 そういえば、なぜ手錠で繋がれていたのか聞いていなかった。

「あ、あのさ、キミ、この辺に住んでるの?」

 熟睡している相手に無駄だろうと思いつつ、そっと肩を揺らして尋ねたところ、

「んんっ……ちが、う……家、は、かえ……」
「あ、あのさ、えーっと……近くまで送るから、いつも使ってる駅とか教えてくれる?」
「ぅにゃつ駅です……」
「???」

 何を言っているか分からないが、駅を利用していることは間違いなさそうだ。

「じゃあ、ここから一番近い駅まで送るよ。いいね?」
「んん……にゃりがと……」

 寝ぼけている少年から赤ちゃん言葉で返されて、なんかすごく胸がときめいた。

「ドア開けるから、キミの身体をちょっと動かすね」

 少年の太腿と肩を抱きかかえ、後部座席に寝かせる。少しだけドアを開け、ザーメンの臭いに満ちた車内を換気していると、少年が両足を抱えるように丸くなった。寒いのかと思い、足元に落ちていたモッズコートを毛布代わりにかけてやる。すると、フードの縁についているファーがくすぐったいのか、眉を顰めて顔を何度か横に動かしてからスースー寝息を立て始めた。どうしよう。かわいい。

「えっと、それじゃあ、車を出すよ。寝てていいからね」

 さっきまでの罪悪感がウソのようにほっこりした気持ちになったオレは、そっと車外に出て静かにドアを閉めた。あ、空気がおいしい。
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