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第二話 灯台でうっかり死にかかったら助けてもらった話
§1 - 二月最終週の月曜日、午後一時半。
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朝の雪が嘘のように晴れあがり、すっきりした青空が目に染みる昼過ぎ。薄茶色とクリーム色のタイルが敷き詰められた高架型歩道、別名ペデストリアンデッキを老若男女がせわしなく行き来する。足早に通り過ぎる人々の横を、十代後半と思しき短髪の少年がうつむきながらトボトボと歩いていた。
(もうダメだ……絶望しか無い……)
黒のマウンテンパーカーを着てオリーブグリーンのリュックを背負い、迷彩柄のダッフルバッグを抱えた少年は突然立ち止まって顔を上げた。正面にはレンガ風の外壁を持つ巨大な建物があり、屋上には「仙台駅 SENDAI STATION」とオレンジ色の大きな文字が並んでいる。
(憧れていたんだ……この街に。この空気に。伊達政宗に)
ぐるりと周囲を見回せば、華やかで立派な商業施設、ゴージャスなホテルに高層ビルが視界に入った。
(関東の田舎駅とは何もかもが違う……建物も、人も……)
少年のすぐ隣をすれ違うのは、高そうなスーツを着たビジネスマン、着物姿でそぞろ歩きする老婦人、楽しそうにお喋りしている女子大生、こざっぱりした服装の高齢男性……。東北地方で唯一の政令指定都市で、超有名な戦国武将でもある伊達政宗が築いた、六十二万石の杜の都。そのゲートウェイともいえる仙台駅前は、冬の平日にも関わらず活気に満ちていた。
(うう……仙台に住みたかった。エスパルで買い物とかしてみたかった)
涙ぐみながら駅へ入り、立っている人が多いことに気付く。なんだろうと思って振り返れば、大きく色鮮やかなステンドグラスから光が射し込んできた。
中央に大きく描かれた七夕祭りの吹き流し、その周辺を取り巻くように配置されている伊達政宗と松島の五大堂。色とりどりの透き通った絵が、午後の日差しを受けてキラキラ輝く。ああ、そうか。ここが仙台で有名な待ち合わせのメッカ、ステンドグラス前。
(ここで恋人と待ち合わせて、デートとかしてみたかった……)
肩を落としたままエスカレーターに乗り、あちこちで踊る仙台という文字に後ろ髪を引かれつつ新幹線中央改札口へと向かう。案内板の明るい緑色は、地元で見かけるのと同じJR東日本のコーポレートカラーだというのに、なぜか特別な色に思えてならない。
『まもなく列車が参ります……』
アナウンスと共に、東京行きの新幹線がホームへ入ってくる。
(高校三年間、朝から晩までTH大学に入るために猛勉強したのに……)
時はめぐりまた冬が来ても、現役での大学受験は一度しか無い。
(お、おれの……バカヤローー!!)
青葉城恋歌の発車メロディと共に、失意の少年を乗せた東北新幹線はやぶさが東京へ向かう。その先に何が待ち受けているか、彼はまだ知らない。
(もうダメだ……絶望しか無い……)
黒のマウンテンパーカーを着てオリーブグリーンのリュックを背負い、迷彩柄のダッフルバッグを抱えた少年は突然立ち止まって顔を上げた。正面にはレンガ風の外壁を持つ巨大な建物があり、屋上には「仙台駅 SENDAI STATION」とオレンジ色の大きな文字が並んでいる。
(憧れていたんだ……この街に。この空気に。伊達政宗に)
ぐるりと周囲を見回せば、華やかで立派な商業施設、ゴージャスなホテルに高層ビルが視界に入った。
(関東の田舎駅とは何もかもが違う……建物も、人も……)
少年のすぐ隣をすれ違うのは、高そうなスーツを着たビジネスマン、着物姿でそぞろ歩きする老婦人、楽しそうにお喋りしている女子大生、こざっぱりした服装の高齢男性……。東北地方で唯一の政令指定都市で、超有名な戦国武将でもある伊達政宗が築いた、六十二万石の杜の都。そのゲートウェイともいえる仙台駅前は、冬の平日にも関わらず活気に満ちていた。
(うう……仙台に住みたかった。エスパルで買い物とかしてみたかった)
涙ぐみながら駅へ入り、立っている人が多いことに気付く。なんだろうと思って振り返れば、大きく色鮮やかなステンドグラスから光が射し込んできた。
中央に大きく描かれた七夕祭りの吹き流し、その周辺を取り巻くように配置されている伊達政宗と松島の五大堂。色とりどりの透き通った絵が、午後の日差しを受けてキラキラ輝く。ああ、そうか。ここが仙台で有名な待ち合わせのメッカ、ステンドグラス前。
(ここで恋人と待ち合わせて、デートとかしてみたかった……)
肩を落としたままエスカレーターに乗り、あちこちで踊る仙台という文字に後ろ髪を引かれつつ新幹線中央改札口へと向かう。案内板の明るい緑色は、地元で見かけるのと同じJR東日本のコーポレートカラーだというのに、なぜか特別な色に思えてならない。
『まもなく列車が参ります……』
アナウンスと共に、東京行きの新幹線がホームへ入ってくる。
(高校三年間、朝から晩までTH大学に入るために猛勉強したのに……)
時はめぐりまた冬が来ても、現役での大学受験は一度しか無い。
(お、おれの……バカヤローー!!)
青葉城恋歌の発車メロディと共に、失意の少年を乗せた東北新幹線はやぶさが東京へ向かう。その先に何が待ち受けているか、彼はまだ知らない。
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