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第四話 薬草にはちょっとうるさい私です
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「あっ! 見て下さいゼルバさん。あそこに薬草がたくさん生えています!」
私はゼルバさんの手を引っ張りながら薬草がたくさん生い茂る原っぱに向かって駆け出した。
ここは自然公園。
多種多様の植物と小動物が生息する街の憩いの場だ。私たちは先ほどから青々とした木々の散歩道をのんびり歩いていた。するとそこで薬草が生い茂る原っぱを見つけたので、私は大はしゃぎでそこに向かっている最中なのだ。
原っぱに着くとゼルバさんの手をほどき、ワクワクしながらしゃがみ込んだ。
「やっぱり野生に生えている薬草は、葉っぱが大きいですねぇー。うちのお庭の薬草より一回り大きい」
私の話を聞きながら、ゼルバさんも隣にしゃがみ込んだ。
「レノンさんのお家でも薬草を栽培しているのですか?」
「はい。お庭にたくさん生えています。それを使って薬草クッキーを作ってるんです」
「へー。俺は植物とか育てられないんです。すぐ枯らしちゃって。レノンさんは凄いですね」
「ふふ。全然凄くないですよ。薬草の栽培は簡単なんです」
本当に簡単なのだ。
種を植えて一日一回水をあげればぐんぐん育つ。
放置しているとお庭が薬草で埋め尽くされるほど成長するので、それを一枚一枚引き抜く方が大変なのだ。
私は薬草の葉っぱをじいっと眺める。
「この薬草は、スタンダードな薬草ですね。食べるとちょっとだけ体力を回復するって言う、あの薬草です」
「他にも種類があるんですか?」
「はい。マヒに効く薬草とか、毒に効く薬草とか色々あります。なかには食べると眠くなる薬草とかあるんですよ。冒険者がわざと魔物に食べさせたりします」
「へー。薬草も奥が深いんですね。――レノンさんは、薬草博士だ」
「ふふ。博士なんてそんな」
私がクスクス笑うと、ゼルバさんが頬を染めながら、ポーッと私の顔を見つめた。
次にハッと我に帰り、わははと笑いながら頭をかいた。
「レノンさんがとても楽しそうに薬草について語るので、見惚れてしまいました。薬草大好きなんですね。好きなものを語る時のレノンさんは、生き生きしていてとても可愛らしい」
「!」
や、やだ。ついはしゃいじゃった。だって私、ゼルバさんの言う通り薬草が大好きなんですもの。
それにしても……。ゼルバさん、本当に真っ直ぐな愛情表現をなさる方なのね。
そんなにハッキリ言われると、照れてしまう。私は照れているのを誤魔化すように髪の毛を一房耳にかけた。
「わ、私は可愛くなんかありませんよ」
「ふふ。照れてるんですか? お顔がほんのり赤くなってますよ?」
「や、やめてください!」
「あはは。やっぱり照れてる。可愛いー」
うぅ……。そんなに可愛いって言わないで! 私はあまりの恥ずかしさに怒ったように頰を膨らませ、ぷいっとゼルバさんから顔を逸らしたのだった。
※※※※
その後もしばらく公園を散策し、動植物についてあれやこれや話していたら、ゼルバさんのお腹がグゥーっと鳴ったのに気が付いた。
ゼルバさんは照れたようにお腹をさする。
「お恥ずかしい。腹が鳴ってしまいました」
「ふふ。そろそろお昼ご飯にしましょうか」
私は手に持っていたバスケットを持ち上げて、ゼルバさんに見せた。
「実はサンドイッチを作ってきたんです」
「本当ですかぁ!? わー! ありがとうございます!! 早速食べましょう!」
「はい」
私たちはちょっと先のベンチまで歩いてゆき、そこに座った。バスケットを開けると、ゼルバさんの歓声が上がった。サンドイッチはシンプルなハムサンドと卵サンドだ。ゼルバさんはまず卵サンドを掴んだ。いただきますと言ってパクリと食いつく。
「美味い!!!」
嬉しそうな顔でそんなことを叫んだので、私もとっても嬉しくなった。
「たくさんあるのでいっぱい食べてくださいね」
「はい!! いただきます!!」
宣言通り、ゼルバさんはパクパクサンドイッチを平らげていった。あまりにも良い食べっぷりなので、見ているこちらも気持ちがよい。
「美味い! 今まで食べたサンドイッチの中で一番美味い!」
「ふふ。大袈裟ですよ」
「いや、本当です! なにか隠し味があるんですか?」
「いいえ。普通のサンドイッチですよ?」
「本当ですかぁ? レノンさん、クッキー屋さんだけじゃなく、サンドイッチ屋さんも開けますよ!」
「ふふ。嬉しい。ありがとうございます」
ゼルバさんは褒め上手だ。
こんなに褒められたら嬉しくてニヤけちゃう。
私はガツガツサンドイッチを食べるゼルバさんを見ながら、心がポカポカ温かくなってゆくのを感じたのだった。
私はゼルバさんの手を引っ張りながら薬草がたくさん生い茂る原っぱに向かって駆け出した。
ここは自然公園。
多種多様の植物と小動物が生息する街の憩いの場だ。私たちは先ほどから青々とした木々の散歩道をのんびり歩いていた。するとそこで薬草が生い茂る原っぱを見つけたので、私は大はしゃぎでそこに向かっている最中なのだ。
原っぱに着くとゼルバさんの手をほどき、ワクワクしながらしゃがみ込んだ。
「やっぱり野生に生えている薬草は、葉っぱが大きいですねぇー。うちのお庭の薬草より一回り大きい」
私の話を聞きながら、ゼルバさんも隣にしゃがみ込んだ。
「レノンさんのお家でも薬草を栽培しているのですか?」
「はい。お庭にたくさん生えています。それを使って薬草クッキーを作ってるんです」
「へー。俺は植物とか育てられないんです。すぐ枯らしちゃって。レノンさんは凄いですね」
「ふふ。全然凄くないですよ。薬草の栽培は簡単なんです」
本当に簡単なのだ。
種を植えて一日一回水をあげればぐんぐん育つ。
放置しているとお庭が薬草で埋め尽くされるほど成長するので、それを一枚一枚引き抜く方が大変なのだ。
私は薬草の葉っぱをじいっと眺める。
「この薬草は、スタンダードな薬草ですね。食べるとちょっとだけ体力を回復するって言う、あの薬草です」
「他にも種類があるんですか?」
「はい。マヒに効く薬草とか、毒に効く薬草とか色々あります。なかには食べると眠くなる薬草とかあるんですよ。冒険者がわざと魔物に食べさせたりします」
「へー。薬草も奥が深いんですね。――レノンさんは、薬草博士だ」
「ふふ。博士なんてそんな」
私がクスクス笑うと、ゼルバさんが頬を染めながら、ポーッと私の顔を見つめた。
次にハッと我に帰り、わははと笑いながら頭をかいた。
「レノンさんがとても楽しそうに薬草について語るので、見惚れてしまいました。薬草大好きなんですね。好きなものを語る時のレノンさんは、生き生きしていてとても可愛らしい」
「!」
や、やだ。ついはしゃいじゃった。だって私、ゼルバさんの言う通り薬草が大好きなんですもの。
それにしても……。ゼルバさん、本当に真っ直ぐな愛情表現をなさる方なのね。
そんなにハッキリ言われると、照れてしまう。私は照れているのを誤魔化すように髪の毛を一房耳にかけた。
「わ、私は可愛くなんかありませんよ」
「ふふ。照れてるんですか? お顔がほんのり赤くなってますよ?」
「や、やめてください!」
「あはは。やっぱり照れてる。可愛いー」
うぅ……。そんなに可愛いって言わないで! 私はあまりの恥ずかしさに怒ったように頰を膨らませ、ぷいっとゼルバさんから顔を逸らしたのだった。
※※※※
その後もしばらく公園を散策し、動植物についてあれやこれや話していたら、ゼルバさんのお腹がグゥーっと鳴ったのに気が付いた。
ゼルバさんは照れたようにお腹をさする。
「お恥ずかしい。腹が鳴ってしまいました」
「ふふ。そろそろお昼ご飯にしましょうか」
私は手に持っていたバスケットを持ち上げて、ゼルバさんに見せた。
「実はサンドイッチを作ってきたんです」
「本当ですかぁ!? わー! ありがとうございます!! 早速食べましょう!」
「はい」
私たちはちょっと先のベンチまで歩いてゆき、そこに座った。バスケットを開けると、ゼルバさんの歓声が上がった。サンドイッチはシンプルなハムサンドと卵サンドだ。ゼルバさんはまず卵サンドを掴んだ。いただきますと言ってパクリと食いつく。
「美味い!!!」
嬉しそうな顔でそんなことを叫んだので、私もとっても嬉しくなった。
「たくさんあるのでいっぱい食べてくださいね」
「はい!! いただきます!!」
宣言通り、ゼルバさんはパクパクサンドイッチを平らげていった。あまりにも良い食べっぷりなので、見ているこちらも気持ちがよい。
「美味い! 今まで食べたサンドイッチの中で一番美味い!」
「ふふ。大袈裟ですよ」
「いや、本当です! なにか隠し味があるんですか?」
「いいえ。普通のサンドイッチですよ?」
「本当ですかぁ? レノンさん、クッキー屋さんだけじゃなく、サンドイッチ屋さんも開けますよ!」
「ふふ。嬉しい。ありがとうございます」
ゼルバさんは褒め上手だ。
こんなに褒められたら嬉しくてニヤけちゃう。
私はガツガツサンドイッチを食べるゼルバさんを見ながら、心がポカポカ温かくなってゆくのを感じたのだった。
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