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第一章:ダンジョンを作ろう!
第24話『夜ふかしてーにゃんとルナ』
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身元のない彼女を引き受ける事を決めてからは早かった。
ここは中央ギルド、保護者申請もその場ですませられる。
元Bランクだった実績もあり保護申請は早かった。
ちょっとした書類手続きをした程度だ。
彼女について分かったことはそんなに多くはない。
中央ギルドが管理している情報には登録のない少女。
名前、出身、年齢、親、すべてが不明。
『分からない』ということだけが、分かった。
それが俺がギルドで知った彼女の全てだ。
俺は彼女を連れてこの村に帰ってきた。
ルナもユエも、彼女をあたたかく迎えてくれた。
これが俺と彼女との出会いの全てだ。
「おっさん、まだ起きてたかー?」
「おこちゃまは寝る時間でしゅよ。ルナは夜ふかしか?」
「ちゃう。おしっこー」
「さては、寝る前にお茶飲みすぎたんだろ?」
「まぁねー。そーだけどさぁ」
「ユーリさん。ルナさんは、ユエさんのお茶の試飲を手伝っているようですよ」
「仕事か。それなら、仕方ないな。えらいえらい」
「あたいの髪をわちゃっとさわるなーっ!」
こう言っているがルナは俺の手首を掴み撫でさせている。
ちょっと頭を撫でただけなのに、わちゃわちゃになってしまった。
つーか、ルナどんだけ力が強いんだよ……。
「おっさん。えーっと……この子、夜ふかしの人なのかぁ?」
「その子の名は、テミスっだ。夜ふかしの人ではない」
「あたい、ルナ。てーにゃんよろしくっ!」
「…………っ」
ルナは力強くテミスの手を握っている。
こーいう時にルナに結構助けられてる面はある。
それにしても、「てーにゃん」か。
名前の面影が「テ」しか残ってないな。
まぁ、「おっさん」よりマシと考えるか。
でも、なるほど、「テー」、か。
呼びやすい愛称ではあるか。
さっそく使ってみるか。
「テーも、そろそろ休め。夜ふかししてると、おばけがでるぞ。それとも、ルナのイビキがうるさくて眠れないか?」
テミスはふるふると首を振る。
「あたい、イビキなんてしないもんっ。そいうの、えんざいってんだーっ」
「冗談だ、怒るなっ! ルナは淑女だからイビキなんてしないもんなー」
「せやでーっ」
「おっさん、あたい、てーにゃんに仕事教えてもいいかぁー?」
「良いけど、ルナも今の仕事だけでも大変じゃないのか?」
「あたい、超だいじょーぶだよっ!」
「うむ、根拠は分からんが、いい返事だ。そんじゃ、ルナは教育長に任命だ」
「えーっ……試食大臣はぁ?」
「ルナは試食大臣から、試食超大臣に昇格。教育長と兼任してくれ!」
「やったーっ!」
ルナは俺の手首を掴み、自分の小さな頭を撫でさせる。
まぁ……ルナに掴まれなくても、頭を撫でてはいたが。
あーぁ、力任せに撫でさせるから……髪がくしゃくしゃだ。
アルテが、胸元からクシを取り、ルナの髪をとかしている。
年の離れた姉妹みたいで微笑ましくはある。
「そういうわけで、テーはしばらくはルナと一緒に行動して欲しい。構わないか?」
小さくこくりと、うなずく。
「ルナと一緒に村で過ごして、学んでくれ。ゆっくりで構わない」
少し深めに頷いている。
分かったということなのだろう。
この村にいつの間にか人が集まってきている。
……なにかがあった時のことは考えていはいる。
もちろん、なにかは起こらない。
まぁ、掛け捨ての生命保険みたいなもんだ。
俺に何かがあれば彼女たちはギルドマスターが保護する。
あの男は堅物だが、約束や契約ごとは、絶対に守る。
人生は長い。
ゆっくり学んでいけば良い。焦る必要はない。
いっぱい挑戦して、いっぱい失敗して、それでいい。
失敗の帳尻り合わせは俺《大人》にまかせておけばいい。
今は、楽しい想い出をたくさん作ればいい。
それができれば、花丸100点満点だ。
ふと想い出し、あたたかな気持ちになる、そんな。
ここは中央ギルド、保護者申請もその場ですませられる。
元Bランクだった実績もあり保護申請は早かった。
ちょっとした書類手続きをした程度だ。
彼女について分かったことはそんなに多くはない。
中央ギルドが管理している情報には登録のない少女。
名前、出身、年齢、親、すべてが不明。
『分からない』ということだけが、分かった。
それが俺がギルドで知った彼女の全てだ。
俺は彼女を連れてこの村に帰ってきた。
ルナもユエも、彼女をあたたかく迎えてくれた。
これが俺と彼女との出会いの全てだ。
「おっさん、まだ起きてたかー?」
「おこちゃまは寝る時間でしゅよ。ルナは夜ふかしか?」
「ちゃう。おしっこー」
「さては、寝る前にお茶飲みすぎたんだろ?」
「まぁねー。そーだけどさぁ」
「ユーリさん。ルナさんは、ユエさんのお茶の試飲を手伝っているようですよ」
「仕事か。それなら、仕方ないな。えらいえらい」
「あたいの髪をわちゃっとさわるなーっ!」
こう言っているがルナは俺の手首を掴み撫でさせている。
ちょっと頭を撫でただけなのに、わちゃわちゃになってしまった。
つーか、ルナどんだけ力が強いんだよ……。
「おっさん。えーっと……この子、夜ふかしの人なのかぁ?」
「その子の名は、テミスっだ。夜ふかしの人ではない」
「あたい、ルナ。てーにゃんよろしくっ!」
「…………っ」
ルナは力強くテミスの手を握っている。
こーいう時にルナに結構助けられてる面はある。
それにしても、「てーにゃん」か。
名前の面影が「テ」しか残ってないな。
まぁ、「おっさん」よりマシと考えるか。
でも、なるほど、「テー」、か。
呼びやすい愛称ではあるか。
さっそく使ってみるか。
「テーも、そろそろ休め。夜ふかししてると、おばけがでるぞ。それとも、ルナのイビキがうるさくて眠れないか?」
テミスはふるふると首を振る。
「あたい、イビキなんてしないもんっ。そいうの、えんざいってんだーっ」
「冗談だ、怒るなっ! ルナは淑女だからイビキなんてしないもんなー」
「せやでーっ」
「おっさん、あたい、てーにゃんに仕事教えてもいいかぁー?」
「良いけど、ルナも今の仕事だけでも大変じゃないのか?」
「あたい、超だいじょーぶだよっ!」
「うむ、根拠は分からんが、いい返事だ。そんじゃ、ルナは教育長に任命だ」
「えーっ……試食大臣はぁ?」
「ルナは試食大臣から、試食超大臣に昇格。教育長と兼任してくれ!」
「やったーっ!」
ルナは俺の手首を掴み、自分の小さな頭を撫でさせる。
まぁ……ルナに掴まれなくても、頭を撫でてはいたが。
あーぁ、力任せに撫でさせるから……髪がくしゃくしゃだ。
アルテが、胸元からクシを取り、ルナの髪をとかしている。
年の離れた姉妹みたいで微笑ましくはある。
「そういうわけで、テーはしばらくはルナと一緒に行動して欲しい。構わないか?」
小さくこくりと、うなずく。
「ルナと一緒に村で過ごして、学んでくれ。ゆっくりで構わない」
少し深めに頷いている。
分かったということなのだろう。
この村にいつの間にか人が集まってきている。
……なにかがあった時のことは考えていはいる。
もちろん、なにかは起こらない。
まぁ、掛け捨ての生命保険みたいなもんだ。
俺に何かがあれば彼女たちはギルドマスターが保護する。
あの男は堅物だが、約束や契約ごとは、絶対に守る。
人生は長い。
ゆっくり学んでいけば良い。焦る必要はない。
いっぱい挑戦して、いっぱい失敗して、それでいい。
失敗の帳尻り合わせは俺《大人》にまかせておけばいい。
今は、楽しい想い出をたくさん作ればいい。
それができれば、花丸100点満点だ。
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