Once upon a Timeソロリプレイ

ハウスルール説明

ソロプレイ用ハウスルール（推奨プレイ人数は2〜6人です）

　布教も兼ねて、まず簡単に本来のルールを説明します。
「Once upon a Time」は本来、TRPGのように複数人でセッション的にひとつの物語を作るゲームです。TRPGとOuaTの違いは、前者が「みんなで一つの結末を目指す」のに対し、後者は「みんながそれぞれの望む結末になるように物語をコントロールしていく」ところです。（ちなみに筆者はTRPGはCoCしかやったことないです。）
　プレイヤーはそれぞれ与えられた「結末カード」に書かれた一文に辿り着くように物語を紡いでいきます。その過程で、ゲーム開始時に配られる「物語カード」に書かれたキーワードを物語に全て織り込むことが求められます。
　プレイヤー達は全員で一つの物語を紡ぎ上げつつ、自分のノルマを達成し、狙い通りの結末へと物語を誘導する……そんな想像力と創造力の知的バトルゲーム、という遊び方もできますし、物語がどんどん突拍子も無い方向へ転がっていく様を楽しむこともできます。
　どちらにせよ、このゲームの楽しさを十全に味わうためにはリアルの友人が必要不可欠というわけです。

　今、私とテーブルを囲っている友達はスミ◯フアイス275mlだけです。
　ああ、冷蔵庫からお徳用おつまみ煮干しくんがログインしました。これで頭数は揃いましたね。ここからがハウスルールの説明です。
　このゲームはプレイヤーがそれぞれの思惑を一つの物語の上でぶつけ合うことがキモです。しかし、スミ◯フくんも煮干しくんもとても優しいので、きっと私に結末を譲ってくれることでしょう。

私「スミ◯フくん、煮干しくん。気持ちは嬉しいけど、君たちはそれでいいのかい？」
スミ◯フ「もちろんさ。ゲームは勝ち負けだけが全てじゃない。テーブルを囲っているみんなが笑っていること。それが全てさ」
　煮干しくんもまっすぐな目で笑いかけてくれます。私はいい友達に恵まれました。
私「よし、ならこうしよう。三人全員の結末を一つの物語で実現するんだ！」
煮干し「どういうこと？」
私「元々のルールは、プレイヤーの勝ち負けをつけるために一番最初に結末カードの一文を読み上げた人を勝者とする。勝敗が決まれば、そこで物語はおしまい。でも、私たちには勝敗なんていらないんだ」
スミ◯フ「なるほど、三人分の結末カードを全て消費するまで物語を紡ぎ続けるんだね！」
煮干し「なら、三人がそれぞれ【主人公】【ライバル】【ヒロイン】の結末を担当しよう。最初に配られる物語カードから「じんぶつ」属性のキーワードを1枚ずつ取って、そのキャラが結末カード通りのラストを迎えるように物語を紡ぐんだ」
　流石煮干しくん。今日も冴えてます。DHAは伊達じゃない。
私「じゃあ3枚の結末カードを引いて…（11-参加人数）枚の物語カードを引いて…そこから【主人公】【ライバル】【ヒロイン】を1人ずつ決めて、3つの結末に割り当てる、と。引いた分の物語カードは補充しよう」
スミ◯フ「物語カードは3人で共用にしようか。あまり時間もないしね」
　見ると、スミ◯フ君はもうコップに半分ほどしか残っていません。
煮干し「あ、実は僕も……」
　煮干しくんも、プラスチックの袋の底に胴体二つと頭部五つを残すのみです。彼のまん丸な目も心なしか寂しく見えます。
私「大丈夫だよ。確かに私たちにあまり時間はないかもしれない。それでも、思い出の価値は時間じゃない。どれだけ楽しんだかだ」
スミ◯フ&煮干し「烏丸くん……！」

　二人は感極まった表情で、私の口の中に入っていきました。
　テーブルには再び私一人きりです。それでも、私の胸の中には今も、僕とともに遊んでくれる友達の鼓動が響いています。