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一章
第5話 旅立ち
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1つのリュックに荷物をまとめてみると、意外にコンパクトに収まった。軽いに越したことはないが、これは今だからそうなのだろう。これから先旅先で荷物が増えることもあるだろうし。
そんなにすぐ旅立つつもりもなかったのに、準備が思いのほか早く終わったことと、父がついてくるということもあり、いつでも旅立てる状態になってしまった。さすがにじゃあすぐ行くか、というのもあれなので、3日後に旅立つことにして、残りの時間をこの里の人たちへの挨拶の時間に充てることにした。
みんな私がそうするであろうことは予想していたみたいで、あっさりしたものだった。
ダインやギルバードは寂しくなるとは言ってくれたけど、里の外に出ることも必要なことだとも言っていた。
ルザリー先生は、私が旅に立つと知って、怪我をした時の手当の仕方を詳しく教えてくれた。出血を止める方法、消毒の仕方、包帯の巻き方など。
命の危険が及ぶほどの深い傷を負った時には、傷口を焼いてでも出血を止めろと言われたけど、日本で生まれ育った私にはちょっとできそうにない。
それくらいの怪我を負わないことを祈ろう。
アルフレッドは、多くを語らなかった。何事も自分の目で見て経験しなさい、命は大事に、とそれだけを語った。
私は予定通り3日かけてゆっくりと里の人間と会話を交わした。
旅に出ていた時の武勇伝を語る人もいれば、旅ではこうした方がいいというアドバイスをくれる人と様々だった。
いよいよ、明日旅立つ。今日がここで過ごす最後の夜だ。
父とは明日からもしばらく一緒だけど、母とは次いつ会えるかわからない。でも母はいつもと変わらなかった。あえてそうしているのか、それともこの世界では子供が旅立つことは特別なことではないのだろうか。
この里の人間の多くは一度旅に出て、また帰ってきている。同様に私もそうすると思っているのかもしれない。
確かに私もいつかはそうするのかもしれないし、逆にそうしないかもしれないが、今の私には未知の世界すぎて何とも言えない。
だからもしかしたらこれが最後になるかもしれない訳だが、母はそういう雰囲気を出さなかった。
特別な会話をすることもなく、思い出話に花を咲かせることもなく、ただいつも通りに最後の夜は更けていった。
旅立ちの朝、ダイン、ギルバード、先生、アルフレッドが見送りに来てくれた。
アルフレッドはともかく、いつものメンバーという感じがする。
「シエル」
突然、母が私に抱き着いてきた。一瞬ドキッとしたが、やはり親子だからか母の腕に抱かれると落ち着く。私は素直に母の背に腕を回した。
「母さん、行ってきます」
「気を付けて。何かあったらいつでも帰ってらっしゃい。ここはあなたの家なんだから…」
言葉少なめに母は語る。
「ありがとうございます…」
母さんごめん。私、素直になれなくて。いつまでも他人のままで。そう心の中で呟く。
転生者だって打ち明けたら、私を2人の子供として見てくれないんじゃないかって不安がどうしても拭いきれなかった。
見送りに来てくれた面々と軽く挨拶を交わし、私たちは出発した。
みんな私たちの姿が見えなくなるまで、その場で見送ってくれていた。
森の中を歩く。里の出口に繋がるこの方面へは来たことがない。
と言っても、森なのでそう景色は変わらない。
道があるわけでもないその森の中を、迷う素振りも見せずに父は進んでいく。
途中枝を集めるように言われたので、何のためになのかを聞いたら、森から出た後の野営用の薪にするとのことだった。
野営。旅をする上で避けては通れないもの。火を継続するためには確かに薪が必要になる。それがその場所で回収できるかもわからないのなら、あるうちに集めておかなければならない。
なるほど。父にとっては当たり前のことなのかもしれないけど、経験も知識もない私には言われるまで気づけなかった。
森の中でモンスターが幾度か現れたが、父は一切手を出してこなかった。
まぁ、1人でやれなければ意味がないしな。
神術には自信があったし、父たちの狩りに同行していたこともあり、ここに出てくるモンスターくらいなら何の問題もなかった。
体感的に数時間あまりで森から出た。
森の外は、緩急はあるものの見渡す限り平原が広がっていた。元の世界ではおそらく見る機会がないであろうその光景は圧巻の一言だ。
自分の目に見える範囲に、木はない。あそこで集めておかなかったら、途中で火を起こすことすらできなかったかもしれない。おそろしい。
遠くに街道があるのだろうか、馬車や人がちらほらと見える。
振り返れば森の背後には背の高い岩肌の山脈があった。
こんな近くに山があったなんて、森で生活していた時には気づかなかった。
「あの山脈はエスニール山脈だな。麓にはドワーフの街がある」
ドワーフ。私のイメージするドワーフは、小さくてヘルメット被って、つるはしを持っているんだけど、さすがにこの世界ではそうじゃないんだろうな。
「街に行ったらいますか?ドワーフ」
「あぁ、普通にいる。戦闘能力も高いからパーティーにおいても優秀だ」
なるほど、普通に会えるのか。楽しみにしておこう。
「シエル、とりあえずまずは街道に出るぞ。いつまでもここにいたら危険だ」
何が危険なんだろう。エルフを狙った盗賊あたりかな。カイとシェリーも森の入り口、すなわちここで襲われたんだろうし。
街道へはここから見えていることもあり、すぐに出ることができた。道幅は馬車がすれ違えるほど広く、色々な人が行きかっている。
ゲームではフィールド上で他者とすれ違うことがほとんどないので何だか新鮮だ。
街道を行く人は、やはりみな冒険者風の格好をしている者が多い。馬車を先導する者、騎乗生物に乗っている者、歩いている者と様々だった。
その誰もが、すれ違う時にこちらを見て警戒をする。それくらいの警戒心がなければ街道を歩けないということなのだろうか。
「ここから一番近い街はシスタスだ。そこでまず冒険者登録をする」
「冒険者登録…?」
冒険者になるのに届け出が必要なの?
その届け出がないと街に入れないとか?
「冒険者登録をするとギルドで依頼を受けられるようになる。ギルドの依頼はモンスターの討伐から、護衛、人探しなど様々だ。依頼を達成すると報酬がもらえる他に、ポイントが貯まりランクが上がる。ランクが上がると難易度の高い依頼が受けられるようになる。このギルドシステムはミトスだけではなく、アルディナ、ルブラにも共通している」
「なるほど」
MMOとかでよくあるやつだ。クエストを達成して金を稼いでいく。わかりやすくていい。
「ここからそのシスタスという街まではどれくらいかかるのですか?」
「2日もあれば着く」
2日、とサラッと言われて驚いた。
ゲームだと街から街の移動なんてあっという間だけど、実際にその距離を歩くとなるとそれくらいの時間がかかるのか。
道行く人が乗っている騎乗生物、私もほしい。
だんだん日が落ちてきた。
元の世界と違って、街頭なんてものはないこの世界では、いくら月が出ていようが日が暮れると辺りは真っ暗になる。
ちなみにどういう訳なのかよくわからないのだけど、こちらの世界の月は2つあり、若干重なって並んでいる。そしてその月は欠けたりもしない。不思議。
太陽と月。形は違えど元の世界にもあり、こちらの世界にもある。太陽はどこにあって、月はどこにあるんだろう。
「シエル、完全に日が落ちる前に野営の準備をする。火を起こしてくれ」
「わかりました」
父に言われるまま、集めた枝に火をつける。ちなみに街道のすぐ側である。街道に近いほうが安全なんだろう。同じように野営の準備をする他の人たちが遠くに見える。
起こした火で、持ってきていた保存食の肉を焼く。ちなみにこの肉はブルッサの肉だ。家で飼っていたものではない。ブルッサはエルフの里の周辺の森には数多く生息しているので、余った分を保存食として作ってあったのだ。
焼けた肉を口に含む。干し肉は味のバリエーションもないし、元の世界で豊かな食事をしてきた私には正直物足りない。
ただ生きるためだけの食事なので、贅沢を言ってもしょうがないのはわかっているのだれども。
「夜は交代で見張りをして片方が休む。火を絶やさないようにな。ひとまず先に俺がやるからお前は休め」
「わかりました。1人の時は夜どうするんですか?」
父とずっと旅をするわけではない。別れた後は私1人になる。そうなった時に数日かかる旅路では休まないわけにもいかない。
「街から街への移動なら、定期便が出ているから金を払ってそれに乗れ。ギルドランクが上がったら逆に護衛として報酬をもらって移動することもできる。ただまぁ、モンスターの討伐依頼を受けるなら生息地までの便はないわけだし、できれば早めに仲間を見つけたほうがいい。最初は臨時で誰かと組んでもいいしな」
「なるほど…」
別にずっと1人で旅をするつもりでいたわけでもなかったけど、そんなすぐに仲間ができるとも思っていなかった。
確かにMMOでも人数が必要なクエストを受けるために、その時だけの臨時パーティーを組むことがある。この世界でもそういうことなんだろう。
先に休めと言われたので横になって目を閉じたのだけど、初めての野営ということもあり眠れそうにない。
こういう時に眠れないと後が辛くなることは想像できるけど、全く眠気がこない。歩き通しで疲れているはずなのに。
先に見張りをやらせてもらおう。
私は体を起こした。
「どうした?」
火の向こう側から父が声をかけてきた。
周りはすっかり暗いので、火に照らされてぼんやりと父の姿が浮かび上がっている。
「眠れないので先に見張りをやってもいいですか?」
「ああ。構わないが休まなければならない時に休めるようにならないと辛いぞ。まぁ、いつか自然にそうできるようになるとは思うが。適当な頃合いを見て声をかけろ。交代するから」
「はい」
適当な頃合いがよくわからないのだけど、まぁ何事もやってみよう。
横になったリンクスの代わりに見張りを始めた。
見張りと言っても特にすることがない。たまに薪を足したりするくらいだ。モンスターも出ないし、誰かが通ることもない。
これで数時間過ごすのか…正直退屈すぎる。元の世界みたいにスマホでもあればいい暇つぶしになるんだけどな。
エルフの里ではテレビもパソコンもスマホもないことに思いのほか不便さを感じなかった。あれだけ依存していたのになければないで案外平気なんだな、と思ったものである。
だが今ほどスマホが恋しいと思ったことはない。暗闇の中、火の明かりだけがある空間で何もせずにただ静かに起きていなければならないなんて。
いっそモンスターでも出てきてくれた方が暇つぶしになりそうだ。
この世界の1日が24時間で構成されていると仮定して、日没から日の出までおよそ10時間くらい。2人で旅をするのであれば1人あたりの担当時間は5時間ほどという計算になる。長い。
ここから離れるわけにもいかないし、今ここでやれることと言ったら訓練くらいだろうか。とりあえず筋トレでもして体力づくりと、残った時間で神術のコントロール訓練でもするかな。
体感的に5時間、実際には2~3時間かもしれないけど、ここらで適当な頃合いと判断して父を起こした。
体を動かしたり、神術の緻密なコントロールをしていたせいで結構汗だくになってしまった。お風呂も入れないのにちょっと失敗した。
しかしながら元の世界で運動が得意だったわけでも、体力に自信があったわけでもなかったけど、やはり体力的な違いは男女の差を顕著に感じる。
力も強いし、足も速い。
この点については異世界で生活していくうえでメリットだ。
「お前何やってたんだよ…」
汗だくの私を見て、起きた父は呆れていた。
「暇すぎて…」
「気持ちはわからんでもないが、なるべくこういう時は体を休めておくもんだぞ。まぁいい。休め」
「はい、お願いします」
交代して横たわる。体を動かしたこともあり、さっきよりはまだ眠れそうな気がしてきた。
と思ったけど、ウトウトとしてきたところで体が痛くなる。
今まで地面で寝たことがないせいで硬いところで寝るとこうなるんだな。野営って厳しい。初日からちょっと心が折れそう。
やっと朝がきた。父が起こしてくる前に、私は自主的に起き上がった。
朝ごはんも干し肉。基本野営の時はその場で何か獲物を手に入れないと干し肉三昧になる。硬いのでよく噛むせいか、量の割に満腹感は得られる。
朝ごはんを食べて早々に歩き出した。
整備された街道で行きかう人も多いせいなのか、モンスターも出てこないし盗賊などに襲われることもない。遠足でもしている気分だ。
道中ちょこちょこと休憩をはさみ、だいたい昼時かなってところで干し肉を焼いて食べ、日が傾いてきたら同じように干し肉を焼いて食べ、夜を交代で見張る。
暇な時間をなんとかやり過ごし、朝が来たらまた干し肉を食べ、ひたすら歩く。
やばい、干し肉嫌いになりそう。
もうすぐ日が傾くというところで、遠目に街が見えてきた。
「父さん、あれがシスタスですね!」
「ああ」
目的地が目に映ると俄然やる気がでる。
日が暮れる前に着くことができた。
巨大な門の向こうに見える街は、想像していたよりも都会的だった。
もちろん前世のように車が走っているということはない。だけどその町並みはさながらヨーロッパのようだった。
ゴシック調の建物が並び、地面には石畳の道が張り巡らされている。まるで海外旅行でもしている気分だ。
門のすぐ側の石壁には、例えるならばテーマパークのチケット売り場みたいな窓口が設けられており、人が並んでいる。
街へ入る者はあそこで許可を得なければならないのだろうか。
「俺たちもあそこに並ぶぞ」
父は街を前に立ちすくんでいた私に声をかけて、窓口へと向かう。
慌てて私も父の後に続いた。
列を作っている人たちを見ると、今まで目にしたこともないような見た目の人がちらほらいる。
耳が羽みたいになっている人、獣の耳や尻尾が生えている人、不自然なほど青白い肌をしている人。ゲームや漫画でみたようなキャラクターをリアルにしたような人たちだ。前に父が言っていた天族や魔族なんだろうか。
と、並んでいる人を観察していたら、そんなに待つこともなく自分たちの番が来た。
受付にいた女性は、これまた犬の耳みたいなものが生えている。地族の獣人なのか、魔族の獣人なのか。
「俺はこれで。こっちはまだ未登録だから冒険者登録をしたい」
父は懐からカードを取り出して受付の犬耳さんへ渡した。
「かしこまりました」
犬耳さんは、父のカードを受け取って目を通すとすぐに返した。
たったそれだけでいいのか。それじゃ盗んだカードとかでも簡単に入れそう。と思うのは日本で生まれ育ったからだろうか。
「お名前は?」
犬耳さんはそう聞きながら透明な水晶のようなものを取り出して、私の目の前に置いた。
「シエルです」
「では、それに手を置いて神力を流してください」
なんだかわからないので、犬耳さんの言う通り水晶の上に手を置く。
神力を水晶に流し込むと、透明だった水晶が淡い緑色に光り始めた。それは一瞬で元の透明な姿へと戻り、その輝きを失った。
犬耳さんが水晶の土台からカードを引き抜いて私へと手渡した。
「これで冒険者登録が完了です。どうぞお入りください」
「あ、はい」
受け取ったカードは薄い金属のようなものでできているようだった。
そこには自分の名前と種族、属性が書かれており、その下にはギルドランクE/0と書かれていた。
え、なにこれどういう仕組み?
科学が発達しているようには見えないのに、現代よりもハイテクなんだけど。
「シエル、行くぞ。いつまでもそこに立ってたら次の人の邪魔だ」
「すみません」
私は急いで父の後を追って初めての街へと入った。
そんなにすぐ旅立つつもりもなかったのに、準備が思いのほか早く終わったことと、父がついてくるということもあり、いつでも旅立てる状態になってしまった。さすがにじゃあすぐ行くか、というのもあれなので、3日後に旅立つことにして、残りの時間をこの里の人たちへの挨拶の時間に充てることにした。
みんな私がそうするであろうことは予想していたみたいで、あっさりしたものだった。
ダインやギルバードは寂しくなるとは言ってくれたけど、里の外に出ることも必要なことだとも言っていた。
ルザリー先生は、私が旅に立つと知って、怪我をした時の手当の仕方を詳しく教えてくれた。出血を止める方法、消毒の仕方、包帯の巻き方など。
命の危険が及ぶほどの深い傷を負った時には、傷口を焼いてでも出血を止めろと言われたけど、日本で生まれ育った私にはちょっとできそうにない。
それくらいの怪我を負わないことを祈ろう。
アルフレッドは、多くを語らなかった。何事も自分の目で見て経験しなさい、命は大事に、とそれだけを語った。
私は予定通り3日かけてゆっくりと里の人間と会話を交わした。
旅に出ていた時の武勇伝を語る人もいれば、旅ではこうした方がいいというアドバイスをくれる人と様々だった。
いよいよ、明日旅立つ。今日がここで過ごす最後の夜だ。
父とは明日からもしばらく一緒だけど、母とは次いつ会えるかわからない。でも母はいつもと変わらなかった。あえてそうしているのか、それともこの世界では子供が旅立つことは特別なことではないのだろうか。
この里の人間の多くは一度旅に出て、また帰ってきている。同様に私もそうすると思っているのかもしれない。
確かに私もいつかはそうするのかもしれないし、逆にそうしないかもしれないが、今の私には未知の世界すぎて何とも言えない。
だからもしかしたらこれが最後になるかもしれない訳だが、母はそういう雰囲気を出さなかった。
特別な会話をすることもなく、思い出話に花を咲かせることもなく、ただいつも通りに最後の夜は更けていった。
旅立ちの朝、ダイン、ギルバード、先生、アルフレッドが見送りに来てくれた。
アルフレッドはともかく、いつものメンバーという感じがする。
「シエル」
突然、母が私に抱き着いてきた。一瞬ドキッとしたが、やはり親子だからか母の腕に抱かれると落ち着く。私は素直に母の背に腕を回した。
「母さん、行ってきます」
「気を付けて。何かあったらいつでも帰ってらっしゃい。ここはあなたの家なんだから…」
言葉少なめに母は語る。
「ありがとうございます…」
母さんごめん。私、素直になれなくて。いつまでも他人のままで。そう心の中で呟く。
転生者だって打ち明けたら、私を2人の子供として見てくれないんじゃないかって不安がどうしても拭いきれなかった。
見送りに来てくれた面々と軽く挨拶を交わし、私たちは出発した。
みんな私たちの姿が見えなくなるまで、その場で見送ってくれていた。
森の中を歩く。里の出口に繋がるこの方面へは来たことがない。
と言っても、森なのでそう景色は変わらない。
道があるわけでもないその森の中を、迷う素振りも見せずに父は進んでいく。
途中枝を集めるように言われたので、何のためになのかを聞いたら、森から出た後の野営用の薪にするとのことだった。
野営。旅をする上で避けては通れないもの。火を継続するためには確かに薪が必要になる。それがその場所で回収できるかもわからないのなら、あるうちに集めておかなければならない。
なるほど。父にとっては当たり前のことなのかもしれないけど、経験も知識もない私には言われるまで気づけなかった。
森の中でモンスターが幾度か現れたが、父は一切手を出してこなかった。
まぁ、1人でやれなければ意味がないしな。
神術には自信があったし、父たちの狩りに同行していたこともあり、ここに出てくるモンスターくらいなら何の問題もなかった。
体感的に数時間あまりで森から出た。
森の外は、緩急はあるものの見渡す限り平原が広がっていた。元の世界ではおそらく見る機会がないであろうその光景は圧巻の一言だ。
自分の目に見える範囲に、木はない。あそこで集めておかなかったら、途中で火を起こすことすらできなかったかもしれない。おそろしい。
遠くに街道があるのだろうか、馬車や人がちらほらと見える。
振り返れば森の背後には背の高い岩肌の山脈があった。
こんな近くに山があったなんて、森で生活していた時には気づかなかった。
「あの山脈はエスニール山脈だな。麓にはドワーフの街がある」
ドワーフ。私のイメージするドワーフは、小さくてヘルメット被って、つるはしを持っているんだけど、さすがにこの世界ではそうじゃないんだろうな。
「街に行ったらいますか?ドワーフ」
「あぁ、普通にいる。戦闘能力も高いからパーティーにおいても優秀だ」
なるほど、普通に会えるのか。楽しみにしておこう。
「シエル、とりあえずまずは街道に出るぞ。いつまでもここにいたら危険だ」
何が危険なんだろう。エルフを狙った盗賊あたりかな。カイとシェリーも森の入り口、すなわちここで襲われたんだろうし。
街道へはここから見えていることもあり、すぐに出ることができた。道幅は馬車がすれ違えるほど広く、色々な人が行きかっている。
ゲームではフィールド上で他者とすれ違うことがほとんどないので何だか新鮮だ。
街道を行く人は、やはりみな冒険者風の格好をしている者が多い。馬車を先導する者、騎乗生物に乗っている者、歩いている者と様々だった。
その誰もが、すれ違う時にこちらを見て警戒をする。それくらいの警戒心がなければ街道を歩けないということなのだろうか。
「ここから一番近い街はシスタスだ。そこでまず冒険者登録をする」
「冒険者登録…?」
冒険者になるのに届け出が必要なの?
その届け出がないと街に入れないとか?
「冒険者登録をするとギルドで依頼を受けられるようになる。ギルドの依頼はモンスターの討伐から、護衛、人探しなど様々だ。依頼を達成すると報酬がもらえる他に、ポイントが貯まりランクが上がる。ランクが上がると難易度の高い依頼が受けられるようになる。このギルドシステムはミトスだけではなく、アルディナ、ルブラにも共通している」
「なるほど」
MMOとかでよくあるやつだ。クエストを達成して金を稼いでいく。わかりやすくていい。
「ここからそのシスタスという街まではどれくらいかかるのですか?」
「2日もあれば着く」
2日、とサラッと言われて驚いた。
ゲームだと街から街の移動なんてあっという間だけど、実際にその距離を歩くとなるとそれくらいの時間がかかるのか。
道行く人が乗っている騎乗生物、私もほしい。
だんだん日が落ちてきた。
元の世界と違って、街頭なんてものはないこの世界では、いくら月が出ていようが日が暮れると辺りは真っ暗になる。
ちなみにどういう訳なのかよくわからないのだけど、こちらの世界の月は2つあり、若干重なって並んでいる。そしてその月は欠けたりもしない。不思議。
太陽と月。形は違えど元の世界にもあり、こちらの世界にもある。太陽はどこにあって、月はどこにあるんだろう。
「シエル、完全に日が落ちる前に野営の準備をする。火を起こしてくれ」
「わかりました」
父に言われるまま、集めた枝に火をつける。ちなみに街道のすぐ側である。街道に近いほうが安全なんだろう。同じように野営の準備をする他の人たちが遠くに見える。
起こした火で、持ってきていた保存食の肉を焼く。ちなみにこの肉はブルッサの肉だ。家で飼っていたものではない。ブルッサはエルフの里の周辺の森には数多く生息しているので、余った分を保存食として作ってあったのだ。
焼けた肉を口に含む。干し肉は味のバリエーションもないし、元の世界で豊かな食事をしてきた私には正直物足りない。
ただ生きるためだけの食事なので、贅沢を言ってもしょうがないのはわかっているのだれども。
「夜は交代で見張りをして片方が休む。火を絶やさないようにな。ひとまず先に俺がやるからお前は休め」
「わかりました。1人の時は夜どうするんですか?」
父とずっと旅をするわけではない。別れた後は私1人になる。そうなった時に数日かかる旅路では休まないわけにもいかない。
「街から街への移動なら、定期便が出ているから金を払ってそれに乗れ。ギルドランクが上がったら逆に護衛として報酬をもらって移動することもできる。ただまぁ、モンスターの討伐依頼を受けるなら生息地までの便はないわけだし、できれば早めに仲間を見つけたほうがいい。最初は臨時で誰かと組んでもいいしな」
「なるほど…」
別にずっと1人で旅をするつもりでいたわけでもなかったけど、そんなすぐに仲間ができるとも思っていなかった。
確かにMMOでも人数が必要なクエストを受けるために、その時だけの臨時パーティーを組むことがある。この世界でもそういうことなんだろう。
先に休めと言われたので横になって目を閉じたのだけど、初めての野営ということもあり眠れそうにない。
こういう時に眠れないと後が辛くなることは想像できるけど、全く眠気がこない。歩き通しで疲れているはずなのに。
先に見張りをやらせてもらおう。
私は体を起こした。
「どうした?」
火の向こう側から父が声をかけてきた。
周りはすっかり暗いので、火に照らされてぼんやりと父の姿が浮かび上がっている。
「眠れないので先に見張りをやってもいいですか?」
「ああ。構わないが休まなければならない時に休めるようにならないと辛いぞ。まぁ、いつか自然にそうできるようになるとは思うが。適当な頃合いを見て声をかけろ。交代するから」
「はい」
適当な頃合いがよくわからないのだけど、まぁ何事もやってみよう。
横になったリンクスの代わりに見張りを始めた。
見張りと言っても特にすることがない。たまに薪を足したりするくらいだ。モンスターも出ないし、誰かが通ることもない。
これで数時間過ごすのか…正直退屈すぎる。元の世界みたいにスマホでもあればいい暇つぶしになるんだけどな。
エルフの里ではテレビもパソコンもスマホもないことに思いのほか不便さを感じなかった。あれだけ依存していたのになければないで案外平気なんだな、と思ったものである。
だが今ほどスマホが恋しいと思ったことはない。暗闇の中、火の明かりだけがある空間で何もせずにただ静かに起きていなければならないなんて。
いっそモンスターでも出てきてくれた方が暇つぶしになりそうだ。
この世界の1日が24時間で構成されていると仮定して、日没から日の出までおよそ10時間くらい。2人で旅をするのであれば1人あたりの担当時間は5時間ほどという計算になる。長い。
ここから離れるわけにもいかないし、今ここでやれることと言ったら訓練くらいだろうか。とりあえず筋トレでもして体力づくりと、残った時間で神術のコントロール訓練でもするかな。
体感的に5時間、実際には2~3時間かもしれないけど、ここらで適当な頃合いと判断して父を起こした。
体を動かしたり、神術の緻密なコントロールをしていたせいで結構汗だくになってしまった。お風呂も入れないのにちょっと失敗した。
しかしながら元の世界で運動が得意だったわけでも、体力に自信があったわけでもなかったけど、やはり体力的な違いは男女の差を顕著に感じる。
力も強いし、足も速い。
この点については異世界で生活していくうえでメリットだ。
「お前何やってたんだよ…」
汗だくの私を見て、起きた父は呆れていた。
「暇すぎて…」
「気持ちはわからんでもないが、なるべくこういう時は体を休めておくもんだぞ。まぁいい。休め」
「はい、お願いします」
交代して横たわる。体を動かしたこともあり、さっきよりはまだ眠れそうな気がしてきた。
と思ったけど、ウトウトとしてきたところで体が痛くなる。
今まで地面で寝たことがないせいで硬いところで寝るとこうなるんだな。野営って厳しい。初日からちょっと心が折れそう。
やっと朝がきた。父が起こしてくる前に、私は自主的に起き上がった。
朝ごはんも干し肉。基本野営の時はその場で何か獲物を手に入れないと干し肉三昧になる。硬いのでよく噛むせいか、量の割に満腹感は得られる。
朝ごはんを食べて早々に歩き出した。
整備された街道で行きかう人も多いせいなのか、モンスターも出てこないし盗賊などに襲われることもない。遠足でもしている気分だ。
道中ちょこちょこと休憩をはさみ、だいたい昼時かなってところで干し肉を焼いて食べ、日が傾いてきたら同じように干し肉を焼いて食べ、夜を交代で見張る。
暇な時間をなんとかやり過ごし、朝が来たらまた干し肉を食べ、ひたすら歩く。
やばい、干し肉嫌いになりそう。
もうすぐ日が傾くというところで、遠目に街が見えてきた。
「父さん、あれがシスタスですね!」
「ああ」
目的地が目に映ると俄然やる気がでる。
日が暮れる前に着くことができた。
巨大な門の向こうに見える街は、想像していたよりも都会的だった。
もちろん前世のように車が走っているということはない。だけどその町並みはさながらヨーロッパのようだった。
ゴシック調の建物が並び、地面には石畳の道が張り巡らされている。まるで海外旅行でもしている気分だ。
門のすぐ側の石壁には、例えるならばテーマパークのチケット売り場みたいな窓口が設けられており、人が並んでいる。
街へ入る者はあそこで許可を得なければならないのだろうか。
「俺たちもあそこに並ぶぞ」
父は街を前に立ちすくんでいた私に声をかけて、窓口へと向かう。
慌てて私も父の後に続いた。
列を作っている人たちを見ると、今まで目にしたこともないような見た目の人がちらほらいる。
耳が羽みたいになっている人、獣の耳や尻尾が生えている人、不自然なほど青白い肌をしている人。ゲームや漫画でみたようなキャラクターをリアルにしたような人たちだ。前に父が言っていた天族や魔族なんだろうか。
と、並んでいる人を観察していたら、そんなに待つこともなく自分たちの番が来た。
受付にいた女性は、これまた犬の耳みたいなものが生えている。地族の獣人なのか、魔族の獣人なのか。
「俺はこれで。こっちはまだ未登録だから冒険者登録をしたい」
父は懐からカードを取り出して受付の犬耳さんへ渡した。
「かしこまりました」
犬耳さんは、父のカードを受け取って目を通すとすぐに返した。
たったそれだけでいいのか。それじゃ盗んだカードとかでも簡単に入れそう。と思うのは日本で生まれ育ったからだろうか。
「お名前は?」
犬耳さんはそう聞きながら透明な水晶のようなものを取り出して、私の目の前に置いた。
「シエルです」
「では、それに手を置いて神力を流してください」
なんだかわからないので、犬耳さんの言う通り水晶の上に手を置く。
神力を水晶に流し込むと、透明だった水晶が淡い緑色に光り始めた。それは一瞬で元の透明な姿へと戻り、その輝きを失った。
犬耳さんが水晶の土台からカードを引き抜いて私へと手渡した。
「これで冒険者登録が完了です。どうぞお入りください」
「あ、はい」
受け取ったカードは薄い金属のようなものでできているようだった。
そこには自分の名前と種族、属性が書かれており、その下にはギルドランクE/0と書かれていた。
え、なにこれどういう仕組み?
科学が発達しているようには見えないのに、現代よりもハイテクなんだけど。
「シエル、行くぞ。いつまでもそこに立ってたら次の人の邪魔だ」
「すみません」
私は急いで父の後を追って初めての街へと入った。
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