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二章
第14話 3班
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「さて、まずは自己紹介してもらおうか」
パンパンと手を叩き、ガヴェインが言う。
自己紹介とか何年ぶりだろう。ちょっと緊張する。
「じゃあ君から順番に」
ガヴェインに指名されたヒューマと思わしき少年が、一歩前に出た。
「フィリオ・ランデルと申します。17歳ヒューマ、剣士です。よろしくお願いします」
栗色の髪に、同じ色の瞳をした優しそうな印象の少年だ。質のよさそうなシャツとズボンに簡易的な防具をつけ、腰に剣を下げている。
「ベルナデット。ベルナと呼んでくれ。16歳獣人族、剣士だ。よろしく」
次に出てきたのは獣人族の少女。猫っぽい白い耳に長く伸ばした同色の髪、金の瞳。防具の類は身に付けておらず軽装だ。耳と尻尾以外はヒューマと見た目は変わらない。獣人を見るとあの子供たちを思い出す…。
「リーゼロッテ・オルコット、17歳ヒューマ、神術師です。よろしくお願いいたします」
そう名乗った瞬間、周りのヒューマたちがざわつく。
なんだろう、有名な人なのかな。
金髪碧眼、これは男が放っておかないだろうなというくらいの美人だ。自分も前世でこんな美人に生まれたかった。赤いローブが長く伸ばした金髪によく合っている。
「シエル、15歳エルフ、神術師です。よろしくお願いします」
ざわついた雰囲気に言いだしづらくなってしまったが、自分の番が来たので同様に自己紹介する。
「ニコラ・ローハンです。17歳ヒューマ、魔術師です。よろしくお願いします」
琥珀色の髪に同色の瞳をした、なよなよした感じの少年だ。いかにも術師という感じのグレーのローブを着ている。
「アイゼン。15歳エルゴニー族。魔族だけどよろしく。前衛担当だ」
鈍色の髪に赤の瞳をした耳の尖った少年。耳が尖っていると言ってもエルフほどではなく、ちょうどカルナにくるまで護衛をしてくれていたカーラと同様の耳をしている。エルゴニー族と言われてもどんな種族なのかさっぱりわからない。ベルナと同様に防具は身に付けておらず軽装だ。
魔族、という言葉に顔を顰めるものもいたが、誰も何も言わなかった。
「エレン・フローリー、17歳ヒューマ。魔術師よ。よろしく」
おだんごにした赤い髪に空色の瞳をした気の強そうな少女。アイゼンの自己紹介の時に顔を顰めた張本人であり、第一印象的に私が苦手なタイプ。白いローブを着ている。
「パーシヴァル・スタイン、17歳ヒューマ。剣士です。よろしく」
長い金髪を後ろで一本に縛った紫の瞳の少年。フィリオと同じように簡易的な防具を身に付けている。右側だけ長い前髪で右目が少し隠れていて、なんだかアニメのキャラクターみたいな印象を受ける。クール系男子といったところだろうか。うん、嫌いじゃない。
「よし、これで全員だな。じゃあ今日のパーティーを話し合って決めろ。前衛2人、後衛2人になるようにな」
今日もパーティー分けするのか。道中でモンスターが出た時のためってことかな?
「じゃあどう分ける?前衛と後衛で話し合うか?」
「今日のところはまだみんなのことがわからないんだから話し合うも何もなくない?適当でいいんじゃないの?」
パーシヴァルの言葉にエレンがめんどくさそうに言う。
「まぁ、確かにそうですが、話し合うことに意味はあると思いますよ。これから3か月共にするわけですから、親睦は深めるべきです」
パーシヴァルをフォローするようにフィリオが間に入った。
「じゃあ前衛と後衛に分かれて話し合いましょ。AとBにそれぞれ分かれればいいわよね。後衛はこっちに来て」
エレンが少し距離を取って後衛を集める。なぜエレンが1人で仕切っているのかは謎だけれど、とりあえず素直に従おう。同様にニコラとリーゼロッテもエレンの側に寄った。
前衛もみな集まって話し合うようだ。
「話し合うこともないと思うけどね」
「なら今日は適当に男女で分かれたら?」
肩をすくめたエレンに提案してみる。ちょうど男女2名ずつなので適当に分けるには最適だ。
「異議なし。他の2人はどう?」
「僕もそれでいいよ」
「私も構いません。どうせ順番に全員と組むのですから」
エレンの問いかけにニコラとリーゼロッテも素直に頷いた。そう、順番に全員と組むのだから最初がどうであってもあまり関係はないのだ。親睦を深めるということもわかるが、話し合うにもまだ情報がない。
「じゃあ男がAで女がBね。ところで、みんなは何の術を使えるの?私は火と風」
「僕は風と地」
「私は水と地です」
ヒューマは2元素しか使えないのかな?それにしてもエレンが火と風、ニコラが風と地、リーゼロッテが水と地。中々バランスがよさそう。
「僕はどれが得意とかはない。火、水、風、地、どれも同じかな」
私がそういうと3人は一斉に私を見た。全員から見つめられて思わずたじろぐ。
「え、なに?」
「さすがエルフね、と思って。ヒューマではどんなに頑張っても2元素しか扱えないもの」
エレンが恨めし気に見つめてくる。
「しかも無詠唱でできるんでしょ?うらやましい」
ニコラも嫉妬の目で見つめてくる。
「こればっかりは妬んでもどうしようもないでしょう?さぁ、早く分かれましょう」
リーゼロッテはそう言うと前衛組の方へと歩いて行った。中々近寄りがたい雰囲気を出している。
A:ベルナデット、パーシヴァル、私、ニコラ
B:フィリオ、アイゼン、エレン、リーゼロッテ
前衛と合流し、ひとまず初日のパーティーはこのように決まった。
他の班も同様に自己紹介とパーティー分けが終わったようで、ヴィクトールの号令の元、出発となった。
デッドライン麓の駐屯地までは3日。同年代ばかりなのでまるで校外学習にでも行くような気分だ。
シスタスからカルナに来た時には整備された街道を通ったが、駐屯地への道のりはそうではなかった。
そうでなはないと言っても、初日の今現在、見通しがいい草原を歩いているのでモンスターが出ることはない。
「暇だな」
そう呟いたのはベルナである。気持ちはわからなくもない。これではただのピクニックだ。
「明日には忙しくなる。森に入るからな」
真剣な表情でパーシヴァルが言った。
そういえば山の麓は森だった。エルフの里もそうであったように。
「駐屯地は森の中にあるってこと?」
「立地的にはそうだが、森を切り開いて作っているから森の中という感じではないな」
私の質問にまるで見たことあるかのようにパーシヴァルは答える。
「詳しいんだね、パーシヴァル」
「学生の時に実習で行ったからな。ニコラもそうだよな?」
「うん。神魔術学校でも駐屯地への実習はあるよ」
学校…この世界にもあるんだ。そうか…それはそうか。エルフだからだろうけど、そんな存在すら里では耳にしなかった。
「ヒューマはみんな学校に行くの?」
「そうだな。前衛を目指すものは武術学校、術師を目指すものは神魔術学校、商人を目指すものは商業学校、職人を目指すものは専門学校。ここに参加しているヒューマはほとんど武術学校か神魔術学校を卒業したてだと思う」
「だから3班のヒューマはみんな17歳なのか」
自己紹介の時に少し気になっていた。ヒューマ全員が17歳なのは偶然とも思えなかったし。
「学校によって違う部分もあるかもしれないけど、武術学校と神魔術学校の入学基準は10歳以上で在籍が7年だからな」
「7年も学校に行くのか。大変だなヒューマは」
「最近は獣人族の学生も増えているよベルナ」
ベルナの呟きに苦笑いしつつパーシヴァルは答えた。
前世では大学まで通ったとすれば6歳から22歳までを学校で過ごすことになる。それに比べたら7年なんて小学校だけ行くようなものだ。エルフなんて学校に行く風習もないし、この世界では学校という存在はそんなに大事ではないのだろうな。
「読み書き、計算などは親から教わるものだし、武術も同様。何を学校でやることがあるというのだ」
「何事もプロが教えた方が効率がいいということさ」
「ふぅん」
ベルナは興味なさげの様子だが、パーシヴァルの言うことは最もだと思う。父も母も教え方は悪くはなかったとは思うけれど、その道のプロから教わり、競い合う仲間がいるというのは親元で教わるよりも上達も早く、伸びそうだ。
しかし前世のトラウマで"学校"って聞いただけで恐ろしい場所のように感じる。どの世界でも人間の本質など変わらないのだろうし、またあんな思いをするのもごめんだ。
ん?待って、パーシヴァルもニコラも卒業したてで派遣依頼を受けているってこと?この依頼はDランク以上からなのにどういうことなんだろう。
「学校を卒業したてでDランク以上からの依頼を受けられるの?」
「在籍中に冒険者登録をして授業の一環で依頼を受けるんだよ。卒業と同時にDランクになるんだ」
私の質問にニコラが答えてくれた。
「それはいいね。授業を受けながら依頼の報酬ももらえるってことか」
「そうなるね」
そのシステムは羨ましい。それなら学校に行くのも悪くなさそうだ。
その後もパーシヴァルとニコラから学校の話をいろいろと聞きながら平坦な草原をただひたすらに歩いた。途中昼食休憩を挟み、日が傾き始めたところで野営の準備へと入る。
野営の準備と言ってもテントがあるわけでもないので、昼と同じようにただ火を起こして各自持参した食事を用意するだけなのだけれど。
火は班で1つ起こすので、必然的にそれを囲んで8人と班長での食事となる。
これだけの人数がいれば中々に賑やかなもので、誰かしらが何か話しているのだが大体が学校の話であった。学校に行っていないヒューマ以外の種族は置いてきぼりになっている感じだが、前世で学校に行っていた身としてはこちらの世界の学校の話を聞くのは面白い。
武術学校と神魔術学校はカルナとシスタスにそれぞれ1つずつあり、商業学校はファルシオスに1つ、職人用の専門学校はカルナの先にあるヴェルナンテという街に1つあるらしい。あと、医術師専門の学校はカルナにあるらしい。
ちなみに武術学校と神魔術学校は、シスタスよりもカルナにある学校の方が格式が高いらしく、卒業と同時に騎士見習いになれるのはカルナにある学校を卒業しないとほぼ無理とのことで、ここにいる卒業生はほとんどがシスタスの学校出身者だった。
3班で唯一カルナにある神魔術学校を卒業しているリーゼロッテは、エレンになぜオルコット家の令嬢がここにいるのかと聞かれていたが、硬く口を閉ざしていた。
なるほど。リーゼロッテは名家の出なのか。
そんなエレンはフィリオとパーシヴァルに口を慎めと注意をされていた。
若干グループ内が気まずくなってきたが、班長のガヴェインは口を出さずにずっと成り行きを見守っている。あえてそうしているのだろうか、それとも元々無口な人なのだろうか。
獣人であるベルナと魔族であるアイゼンはそんなやり取りをくだらないものを見ているかのような態度で黙々と食事を摂っていた。
夜は2人ずつ交代で見張りを行うこととなった。1時間半ずつで計6時間。時計もないのにどうするのかと思ったら、何と砂時計が登場した。30分で落ち切るものなので、1往復半で次の組に交代になる。この世界にも砂時計があるんだなぁ。何だか感慨深い。
最初の見張りは私とパーシヴァルだ。基本的に前衛と後衛の組み合わせで見張りを行う。近くでみんなが寝ているので会話はあまりしないけれど、起きているのが自分1人ではないというのは心強い。
他の班も同様に2名ずつ見張りを立てているので8人と、騎士団の人間が1人。こんなに見張りの人数が必要なのかとも思うけれど、明日から森の中になるし夜も忙しくなるのだろう。
「シエルは騎士団見習い志望なのか?」
不意にパーシヴァルが話しかけてきた。かろうじて聞き取れるくらいの小さい声なので、うっかりすると聞きもらしてしまいそうだ。
「僕はただ冒険者ランクを上げたいだけだよ。旅をしたいんだ」
「そうか。エルフだもんな。ベリシアの人間じゃないもんな…」
「パーシヴァルは騎士団に入りたいの?」
そう聞くとパーシヴァルは真剣な表情をして頷いた。
「ああ。俺の家は名のある家でもないからな。俺が騎士になって家族を守りたいんだ」
ほんとに漫画のキャラクターのようだな、パーシヴァル。熱血主人公の側にいる参謀的な感じがする。
「立派だねパーシヴァル。応援してるよ」
それなのに酷く月並みな言葉しか出ないのは自分に語彙力がないからか。
「ありがとうシエル」
それでもパーシヴァルは嬉しそうに笑う。そんな風に笑うところを初めて見たかもしれない。ちょっとドキッとした。
「フィリオとは同じ学校出身なんだよね?仲がいいの?」
「ああ、同期だな。学生時代は仲が良かったってわけじゃないけど、この依頼を受けた時に一緒に騎士になろうと話はした」
「いいね、そういう仲間。僕は里で年が近い人もいなかったからずっと1人だったよ」
「もう俺たちは仲間だろ?この派遣が終わるまではさ」
やだ、イケメン。惚れそう。
「そうだね、がんばろう」
私も笑顔を返した。
この世界に来て初めて仲間らしい仲間ができた。班の雰囲気は今若干気まずいけれど、何とか上手くやっていきたい。前世で上手くいかなかった学校生活をやり直しするような気分だ。
その後は静かに過ごして次の見張り組と交代した。
久しぶりの野宿はやはり体が痛かったけれど、最初よりは慣れている感じがした。最初に見張りをやったから残りの時間は通して休めたので体も楽だ。
朝、本日のパーティー決めである。
大した相談もせずにくじ引きのような感じで
A:ベルナデット、アイゼン、私、エレン
B:フィリオ、パーシヴァル、ニコラ、リーゼロッテ
このように決まった。
出発してもうすぐ昼に差し掛かろうとしている時に、森の入り口が見えた。森に入る前に昼休憩を、ということで火を起こして各自昼食タイムである。
正直言ってこのパーティー、あまり会話がなかった。ベルナとアイゼンのエレンに対する印象もあまり良くなさそうなのもあるし、エレンもエレンであまり話すこともしない。たまにベルナとアイゼンが武器について話していたくらいだ。
昼休憩は8人と班長であるガヴェインで揃って摂る。その時はエレンはよくニコラと話していた。やはり同じ学校の出身で同期だからだろう。
昼休憩が終わり、森に入るとさっきまでが嘘のようにちょこちょことモンスターが出てきた。突然横から沸いて出てくるので気が抜けない。
と言ってもベルナやアイゼンの反応が早いので、こちらの出番はほぼほぼない。Bパーティーのフィリオとパーシヴァルも同様で、出てきたモンスターをすぐさま狩っていた。特に私以外の術師は詠唱を必要とするのでなおさら出番がない。今のところ出現するモンスターはあまり手強くはないが、中々頼もしい前衛たちである。
夜、昨日のようにゆっくりとは休めなかった。火を焚けばその煙にモンスターも寄ってくる。見張りを2人から4人に変え2交代としたが、自分が休みの時間でも戦闘になれば騒がしいので結局寝ることはできなかった。それは他の人も同様だったようで、若干の疲れを見せたまま出発することになった。
それならばいっそ休まずに一気に進んではどうかと提案した者もいたが、騎士たちに言わせれば寝ることができずとも目を閉じて体を休めることが大事なのだそうだ。
そんなこんなで昼前にはデッドライン麓の駐屯地に到着した。
パンパンと手を叩き、ガヴェインが言う。
自己紹介とか何年ぶりだろう。ちょっと緊張する。
「じゃあ君から順番に」
ガヴェインに指名されたヒューマと思わしき少年が、一歩前に出た。
「フィリオ・ランデルと申します。17歳ヒューマ、剣士です。よろしくお願いします」
栗色の髪に、同じ色の瞳をした優しそうな印象の少年だ。質のよさそうなシャツとズボンに簡易的な防具をつけ、腰に剣を下げている。
「ベルナデット。ベルナと呼んでくれ。16歳獣人族、剣士だ。よろしく」
次に出てきたのは獣人族の少女。猫っぽい白い耳に長く伸ばした同色の髪、金の瞳。防具の類は身に付けておらず軽装だ。耳と尻尾以外はヒューマと見た目は変わらない。獣人を見るとあの子供たちを思い出す…。
「リーゼロッテ・オルコット、17歳ヒューマ、神術師です。よろしくお願いいたします」
そう名乗った瞬間、周りのヒューマたちがざわつく。
なんだろう、有名な人なのかな。
金髪碧眼、これは男が放っておかないだろうなというくらいの美人だ。自分も前世でこんな美人に生まれたかった。赤いローブが長く伸ばした金髪によく合っている。
「シエル、15歳エルフ、神術師です。よろしくお願いします」
ざわついた雰囲気に言いだしづらくなってしまったが、自分の番が来たので同様に自己紹介する。
「ニコラ・ローハンです。17歳ヒューマ、魔術師です。よろしくお願いします」
琥珀色の髪に同色の瞳をした、なよなよした感じの少年だ。いかにも術師という感じのグレーのローブを着ている。
「アイゼン。15歳エルゴニー族。魔族だけどよろしく。前衛担当だ」
鈍色の髪に赤の瞳をした耳の尖った少年。耳が尖っていると言ってもエルフほどではなく、ちょうどカルナにくるまで護衛をしてくれていたカーラと同様の耳をしている。エルゴニー族と言われてもどんな種族なのかさっぱりわからない。ベルナと同様に防具は身に付けておらず軽装だ。
魔族、という言葉に顔を顰めるものもいたが、誰も何も言わなかった。
「エレン・フローリー、17歳ヒューマ。魔術師よ。よろしく」
おだんごにした赤い髪に空色の瞳をした気の強そうな少女。アイゼンの自己紹介の時に顔を顰めた張本人であり、第一印象的に私が苦手なタイプ。白いローブを着ている。
「パーシヴァル・スタイン、17歳ヒューマ。剣士です。よろしく」
長い金髪を後ろで一本に縛った紫の瞳の少年。フィリオと同じように簡易的な防具を身に付けている。右側だけ長い前髪で右目が少し隠れていて、なんだかアニメのキャラクターみたいな印象を受ける。クール系男子といったところだろうか。うん、嫌いじゃない。
「よし、これで全員だな。じゃあ今日のパーティーを話し合って決めろ。前衛2人、後衛2人になるようにな」
今日もパーティー分けするのか。道中でモンスターが出た時のためってことかな?
「じゃあどう分ける?前衛と後衛で話し合うか?」
「今日のところはまだみんなのことがわからないんだから話し合うも何もなくない?適当でいいんじゃないの?」
パーシヴァルの言葉にエレンがめんどくさそうに言う。
「まぁ、確かにそうですが、話し合うことに意味はあると思いますよ。これから3か月共にするわけですから、親睦は深めるべきです」
パーシヴァルをフォローするようにフィリオが間に入った。
「じゃあ前衛と後衛に分かれて話し合いましょ。AとBにそれぞれ分かれればいいわよね。後衛はこっちに来て」
エレンが少し距離を取って後衛を集める。なぜエレンが1人で仕切っているのかは謎だけれど、とりあえず素直に従おう。同様にニコラとリーゼロッテもエレンの側に寄った。
前衛もみな集まって話し合うようだ。
「話し合うこともないと思うけどね」
「なら今日は適当に男女で分かれたら?」
肩をすくめたエレンに提案してみる。ちょうど男女2名ずつなので適当に分けるには最適だ。
「異議なし。他の2人はどう?」
「僕もそれでいいよ」
「私も構いません。どうせ順番に全員と組むのですから」
エレンの問いかけにニコラとリーゼロッテも素直に頷いた。そう、順番に全員と組むのだから最初がどうであってもあまり関係はないのだ。親睦を深めるということもわかるが、話し合うにもまだ情報がない。
「じゃあ男がAで女がBね。ところで、みんなは何の術を使えるの?私は火と風」
「僕は風と地」
「私は水と地です」
ヒューマは2元素しか使えないのかな?それにしてもエレンが火と風、ニコラが風と地、リーゼロッテが水と地。中々バランスがよさそう。
「僕はどれが得意とかはない。火、水、風、地、どれも同じかな」
私がそういうと3人は一斉に私を見た。全員から見つめられて思わずたじろぐ。
「え、なに?」
「さすがエルフね、と思って。ヒューマではどんなに頑張っても2元素しか扱えないもの」
エレンが恨めし気に見つめてくる。
「しかも無詠唱でできるんでしょ?うらやましい」
ニコラも嫉妬の目で見つめてくる。
「こればっかりは妬んでもどうしようもないでしょう?さぁ、早く分かれましょう」
リーゼロッテはそう言うと前衛組の方へと歩いて行った。中々近寄りがたい雰囲気を出している。
A:ベルナデット、パーシヴァル、私、ニコラ
B:フィリオ、アイゼン、エレン、リーゼロッテ
前衛と合流し、ひとまず初日のパーティーはこのように決まった。
他の班も同様に自己紹介とパーティー分けが終わったようで、ヴィクトールの号令の元、出発となった。
デッドライン麓の駐屯地までは3日。同年代ばかりなのでまるで校外学習にでも行くような気分だ。
シスタスからカルナに来た時には整備された街道を通ったが、駐屯地への道のりはそうではなかった。
そうでなはないと言っても、初日の今現在、見通しがいい草原を歩いているのでモンスターが出ることはない。
「暇だな」
そう呟いたのはベルナである。気持ちはわからなくもない。これではただのピクニックだ。
「明日には忙しくなる。森に入るからな」
真剣な表情でパーシヴァルが言った。
そういえば山の麓は森だった。エルフの里もそうであったように。
「駐屯地は森の中にあるってこと?」
「立地的にはそうだが、森を切り開いて作っているから森の中という感じではないな」
私の質問にまるで見たことあるかのようにパーシヴァルは答える。
「詳しいんだね、パーシヴァル」
「学生の時に実習で行ったからな。ニコラもそうだよな?」
「うん。神魔術学校でも駐屯地への実習はあるよ」
学校…この世界にもあるんだ。そうか…それはそうか。エルフだからだろうけど、そんな存在すら里では耳にしなかった。
「ヒューマはみんな学校に行くの?」
「そうだな。前衛を目指すものは武術学校、術師を目指すものは神魔術学校、商人を目指すものは商業学校、職人を目指すものは専門学校。ここに参加しているヒューマはほとんど武術学校か神魔術学校を卒業したてだと思う」
「だから3班のヒューマはみんな17歳なのか」
自己紹介の時に少し気になっていた。ヒューマ全員が17歳なのは偶然とも思えなかったし。
「学校によって違う部分もあるかもしれないけど、武術学校と神魔術学校の入学基準は10歳以上で在籍が7年だからな」
「7年も学校に行くのか。大変だなヒューマは」
「最近は獣人族の学生も増えているよベルナ」
ベルナの呟きに苦笑いしつつパーシヴァルは答えた。
前世では大学まで通ったとすれば6歳から22歳までを学校で過ごすことになる。それに比べたら7年なんて小学校だけ行くようなものだ。エルフなんて学校に行く風習もないし、この世界では学校という存在はそんなに大事ではないのだろうな。
「読み書き、計算などは親から教わるものだし、武術も同様。何を学校でやることがあるというのだ」
「何事もプロが教えた方が効率がいいということさ」
「ふぅん」
ベルナは興味なさげの様子だが、パーシヴァルの言うことは最もだと思う。父も母も教え方は悪くはなかったとは思うけれど、その道のプロから教わり、競い合う仲間がいるというのは親元で教わるよりも上達も早く、伸びそうだ。
しかし前世のトラウマで"学校"って聞いただけで恐ろしい場所のように感じる。どの世界でも人間の本質など変わらないのだろうし、またあんな思いをするのもごめんだ。
ん?待って、パーシヴァルもニコラも卒業したてで派遣依頼を受けているってこと?この依頼はDランク以上からなのにどういうことなんだろう。
「学校を卒業したてでDランク以上からの依頼を受けられるの?」
「在籍中に冒険者登録をして授業の一環で依頼を受けるんだよ。卒業と同時にDランクになるんだ」
私の質問にニコラが答えてくれた。
「それはいいね。授業を受けながら依頼の報酬ももらえるってことか」
「そうなるね」
そのシステムは羨ましい。それなら学校に行くのも悪くなさそうだ。
その後もパーシヴァルとニコラから学校の話をいろいろと聞きながら平坦な草原をただひたすらに歩いた。途中昼食休憩を挟み、日が傾き始めたところで野営の準備へと入る。
野営の準備と言ってもテントがあるわけでもないので、昼と同じようにただ火を起こして各自持参した食事を用意するだけなのだけれど。
火は班で1つ起こすので、必然的にそれを囲んで8人と班長での食事となる。
これだけの人数がいれば中々に賑やかなもので、誰かしらが何か話しているのだが大体が学校の話であった。学校に行っていないヒューマ以外の種族は置いてきぼりになっている感じだが、前世で学校に行っていた身としてはこちらの世界の学校の話を聞くのは面白い。
武術学校と神魔術学校はカルナとシスタスにそれぞれ1つずつあり、商業学校はファルシオスに1つ、職人用の専門学校はカルナの先にあるヴェルナンテという街に1つあるらしい。あと、医術師専門の学校はカルナにあるらしい。
ちなみに武術学校と神魔術学校は、シスタスよりもカルナにある学校の方が格式が高いらしく、卒業と同時に騎士見習いになれるのはカルナにある学校を卒業しないとほぼ無理とのことで、ここにいる卒業生はほとんどがシスタスの学校出身者だった。
3班で唯一カルナにある神魔術学校を卒業しているリーゼロッテは、エレンになぜオルコット家の令嬢がここにいるのかと聞かれていたが、硬く口を閉ざしていた。
なるほど。リーゼロッテは名家の出なのか。
そんなエレンはフィリオとパーシヴァルに口を慎めと注意をされていた。
若干グループ内が気まずくなってきたが、班長のガヴェインは口を出さずにずっと成り行きを見守っている。あえてそうしているのだろうか、それとも元々無口な人なのだろうか。
獣人であるベルナと魔族であるアイゼンはそんなやり取りをくだらないものを見ているかのような態度で黙々と食事を摂っていた。
夜は2人ずつ交代で見張りを行うこととなった。1時間半ずつで計6時間。時計もないのにどうするのかと思ったら、何と砂時計が登場した。30分で落ち切るものなので、1往復半で次の組に交代になる。この世界にも砂時計があるんだなぁ。何だか感慨深い。
最初の見張りは私とパーシヴァルだ。基本的に前衛と後衛の組み合わせで見張りを行う。近くでみんなが寝ているので会話はあまりしないけれど、起きているのが自分1人ではないというのは心強い。
他の班も同様に2名ずつ見張りを立てているので8人と、騎士団の人間が1人。こんなに見張りの人数が必要なのかとも思うけれど、明日から森の中になるし夜も忙しくなるのだろう。
「シエルは騎士団見習い志望なのか?」
不意にパーシヴァルが話しかけてきた。かろうじて聞き取れるくらいの小さい声なので、うっかりすると聞きもらしてしまいそうだ。
「僕はただ冒険者ランクを上げたいだけだよ。旅をしたいんだ」
「そうか。エルフだもんな。ベリシアの人間じゃないもんな…」
「パーシヴァルは騎士団に入りたいの?」
そう聞くとパーシヴァルは真剣な表情をして頷いた。
「ああ。俺の家は名のある家でもないからな。俺が騎士になって家族を守りたいんだ」
ほんとに漫画のキャラクターのようだな、パーシヴァル。熱血主人公の側にいる参謀的な感じがする。
「立派だねパーシヴァル。応援してるよ」
それなのに酷く月並みな言葉しか出ないのは自分に語彙力がないからか。
「ありがとうシエル」
それでもパーシヴァルは嬉しそうに笑う。そんな風に笑うところを初めて見たかもしれない。ちょっとドキッとした。
「フィリオとは同じ学校出身なんだよね?仲がいいの?」
「ああ、同期だな。学生時代は仲が良かったってわけじゃないけど、この依頼を受けた時に一緒に騎士になろうと話はした」
「いいね、そういう仲間。僕は里で年が近い人もいなかったからずっと1人だったよ」
「もう俺たちは仲間だろ?この派遣が終わるまではさ」
やだ、イケメン。惚れそう。
「そうだね、がんばろう」
私も笑顔を返した。
この世界に来て初めて仲間らしい仲間ができた。班の雰囲気は今若干気まずいけれど、何とか上手くやっていきたい。前世で上手くいかなかった学校生活をやり直しするような気分だ。
その後は静かに過ごして次の見張り組と交代した。
久しぶりの野宿はやはり体が痛かったけれど、最初よりは慣れている感じがした。最初に見張りをやったから残りの時間は通して休めたので体も楽だ。
朝、本日のパーティー決めである。
大した相談もせずにくじ引きのような感じで
A:ベルナデット、アイゼン、私、エレン
B:フィリオ、パーシヴァル、ニコラ、リーゼロッテ
このように決まった。
出発してもうすぐ昼に差し掛かろうとしている時に、森の入り口が見えた。森に入る前に昼休憩を、ということで火を起こして各自昼食タイムである。
正直言ってこのパーティー、あまり会話がなかった。ベルナとアイゼンのエレンに対する印象もあまり良くなさそうなのもあるし、エレンもエレンであまり話すこともしない。たまにベルナとアイゼンが武器について話していたくらいだ。
昼休憩は8人と班長であるガヴェインで揃って摂る。その時はエレンはよくニコラと話していた。やはり同じ学校の出身で同期だからだろう。
昼休憩が終わり、森に入るとさっきまでが嘘のようにちょこちょことモンスターが出てきた。突然横から沸いて出てくるので気が抜けない。
と言ってもベルナやアイゼンの反応が早いので、こちらの出番はほぼほぼない。Bパーティーのフィリオとパーシヴァルも同様で、出てきたモンスターをすぐさま狩っていた。特に私以外の術師は詠唱を必要とするのでなおさら出番がない。今のところ出現するモンスターはあまり手強くはないが、中々頼もしい前衛たちである。
夜、昨日のようにゆっくりとは休めなかった。火を焚けばその煙にモンスターも寄ってくる。見張りを2人から4人に変え2交代としたが、自分が休みの時間でも戦闘になれば騒がしいので結局寝ることはできなかった。それは他の人も同様だったようで、若干の疲れを見せたまま出発することになった。
それならばいっそ休まずに一気に進んではどうかと提案した者もいたが、騎士たちに言わせれば寝ることができずとも目を閉じて体を休めることが大事なのだそうだ。
そんなこんなで昼前にはデッドライン麓の駐屯地に到着した。
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